名匠トラン・アン・ユン監督が描く、美しき家族と愛の物語『エタニティ 永遠の花たちへ』がいよいよ公開

長編映画監督デビュー作『青いパパイヤの香り』(1994) でカンヌ国際映画祭のカメラ・ドールとユース賞をダブル受賞し、その後も『シクロ』(1996) でヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝くなど、世界がその才能に感服した Anh Hung Tran (トラン・アン・ユン)。近年では、村上春樹の大ベストセラー『ノルウェイの森』の映画化を許された名匠の最新作『エタニティ 永遠の花たちへ』が、9月30日より銀座シネスイッチ他にて公開する。

原作はフランスで最も権威のある文学賞の一つであるフェミナ賞の最終候補にもなった作家の Alice Ferney (アリス・フェルネ) が、華やかなベル・エポックから幕を開け、やがて激動の時代へと突入していくフランスを舞台に書いた小説『未亡人の優雅さ』だ。12歳の時に戦争から逃れるために故郷ベトナムを離れ、脈々と続く家系や親族同士のつながりを知らずに生きてきた Anh Hung Tran が、そこに描かれた大家族の絆に心を揺さぶられて映画化を決意。時に運命に揺れながらも日々の暮らしを慈しみ、あふれる愛を未来へとつないでゆく3世代の女性たちの人生を描く。

© Nord-Ouest

ヴァランティーヌには、大ヒット作『アメリ』(2001) で世界中の映画ファンを虜にし、『ココ・アヴァン・シャネル』(2009) でセザール賞と英国アカデミー賞にノミネートされた Audrey Tautou (オドレイ・トトゥ)。17歳で婚約し、喜びも悲しみも抱きしめながら、何人もの孫に囲まれるまでの女の一生を演じきった。マチルドには、Quentin Tarantino (クエンティン・タランティーノ) 監督の『イングロリアス・バスターズ』(2009) から感動作『オーケストラ！』(2010) まで、多彩な役を演じ分ける Melanie Laurent (メラニー・ロラン)。初恋の相手と結婚し、夫と子供への愛に生きた女性を艶やかに演じた。ガブリエルには、『アーティスト』(2011) でアカデミー賞®とゴールデン・グローブ賞にノミネートされた Berenice Bejo (ベレニス・ベジョ)。

映像の名手と言われる Anh Hung Tran と共に、名画のような美麗な映像を作り上げたのは、Anh Hung Tran の『夏至』(2001) と『ノルウェイの森』(2010) を担当し、『花様年華』(2001) で全米批評家協会賞など数々の賞に輝いた Lee Ping-bin (リー・ピンビン)。その美しさと類稀なる演技力で世界から称賛される、フランスの3大女優の夢の競演で描かれるのは、伝統を大切にする人たちの丁寧な暮らしぶり。季節の花が咲き誇る庭に、代々受け継がれてきた調度品が並ぶ邸宅。そこで営まれる、お茶の時間や一族の食事会、子供たちのピアノやバレエの練習風景が丹念に映し撮られる。さらに、穏やかな日々にさざ波を立てる、結婚や誕生の歓喜の時と、死や別れの悲しみの時。そのすべてが人生の美しい瞬間であり、世代から世代へと愛が受け継がれることで、私たちの輝きも “エタニティ＝永遠” なのだ。命の素晴らしさを祝福するラストシーンで、観る者すべてを幸福感に包む人生讃歌が完成した。

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＜あらすじ＞
19世紀末のフランス。婚約を破棄したにもかかわらず、あきらめないジュールに心を動かされたヴァランティーヌは、やがてジュールと結婚。年月とともに夫婦としての絆も深まっていく。戦争や病で子どもたちを失うという悲しみを乗り越え、無事に成長した息子のアンリが幼なじみのマチルドと結婚したことに喜ぶヴァランティーヌ。息子夫婦に加え、マチルドの従姉妹のガブリエラらもヴァランティーヌのもとを訪れるようになり、大家族のような賑やかで幸せな日々が続くのだが……。