"Ryuichi Sakamoto: CODA" Is Now Showing

MOVIES | Nov 14, 2017 6:00 PM
第30回東京国際映画祭において、比類なき感性で「サムライ」のごとく、常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けている映画人の功績を称える SAMURAI 賞を受賞した坂本龍一。音楽家また活動家として国内外に大きな影響力を持つ彼の日々を捉えたドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』が現在公開中。

『Ryuichi Sakamoto: CODA』

第30回東京国際映画祭において、比類なき感性で「サムライ」のごとく、常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けている映画人の功績を称える SAMURAI 賞を受賞した坂本龍一。音楽家また活動家として国内外に大きな影響力を持つ彼の日々を捉えたドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』が現在公開中だ。

坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏の3人でイエロー・マジック・オーケストラ、通称 YMO を結成し一世を風靡した1980年代。その後、坂本は映画史に残る巨作『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』に出演し映画音楽も手がけるようになる。その後も様々な音楽を制作し続け、今年3月には8年ぶりの新作『async』を発表。40年近く音楽家として常に一線で活躍してきた坂本龍一だが、音楽活動の拠点としている NY での9.11のテロや、東日本大震災以降、イラク戦争への反対デモ活動や首相官邸前での原発再稼働反対デモなど一人の人間としての意思表明を活発に行なっている。

©2017 SKMTDOC, LLC

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メガホンを取るのは、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003) の共同プロテューサーを務めた Stephen Nomura Schible (スティーブン・ノムラ・シブル)。映画の冒頭は、宮城県名取市で被災した一台のピアノの出会いから始まる。津波という自然の猛威によって水に溺れたピアノの音色を聞いた坂本は、その調律の崩れた音に「ピアノの死体のような感じを受けた。」という。前述した、米同時多発テロや東日本大震災後を経ての様々な活動、14年7月から約1年間に及ぶ中咽頭ガンとの闘い、Alejandro Gonzalez Inarritu (アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ) 監督作『レヴェナント 蘇えりし者』(2016) での復帰、さらに17年3月リリースの8年ぶりオリジナルアルバムの制作現場にも密着。

冒頭で述べた映画祭で坂本自身が「自分の姿をさらけ出すという趣味はないんです。(笑)」と語ったように、5年の間に次から次へと起こる彼の変化の日々をスクリーンを通して共有するというのはなんとも不思議だ。世界情勢の悪化、災害、病気。無力さを感じざるを得ない状況にぶつかり、乗り越えた坂本が見つめる未来とは、そこにある音楽とは。映画の終盤に坂本は被災したピアノに立ち返る。今はあの壊れたピアノの音色がとても心地よく感じると語る。あの時は調律が著しく狂っていると感じたが、それは人間が勝手に決めた「調律」に過ぎない。津波に流され「自然の調律」を受けたピアノの音は、やがてサンプリングを通じて坂本の作曲のプロセスの一部になり、新たな表現へと生まれ変わっていく。

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作品情報
作品名 『Ryuichi Sakamoto: CODA』
監督 Stephen Nomura Schible (スティーブン・ノムラ・シブル)
出演 坂本龍一
配給 KADOKAWA
制作国 アメリカ、日本
制作年 2017年
上映時間 102分
HP ryuichisakamoto-coda.com
©2017 SKMTDOC, LLC
11/4(土) 角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
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