"SUMMER BLOOMS" Is Now Showing

MOVIES | May 15, 2018 3:01 PM
昨年の第39回モスクワ国際映画祭において、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰のダブル受賞の快挙を果たした『四月の永い夢』が現在公開中。

『四月の永い夢』

昨年の第39回モスクワ国際映画祭において、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰のダブル受賞の快挙を果たした『四月の永い夢』が現在公開中だ。同作の監督を務めるのは、弱冠28歳にして国内外から高い評価を受ける中川龍太郎。17歳で「詩集 雪に至る都」を出版、エッセイストにして、大学の文学部に在籍中に独学の映画づくりで才能を発揮してきた経歴を持つ。2015年に公開された『愛の小さな歴史』、翌年公開した『走れ、絶望に追いつかれない速さで』が2年連続で東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門出品。後者はフランスの映画批評誌『Les Cahiers du cinéma (カイエ・ドゥ・シネマ)』からも高く評価され、小規模の公開にも関わらず国内外で話題となった。

幼少期から『男はつらいよ』シリーズや、植木等の『無責任』シリーズ、大島渚監督作品など昭和の名作に魅せられ、多感な思春期を横溝正史、松本清張、三島由紀夫らの小説とともに過ごしたという中川の作風は、どこかノスタルジックで詩的なセリフが際立つ。本作ではアニメーション『かぐや姫の物語』(2013) で、かぐや姫の声を演じ、その後も映画、ドラマで活躍する女優・朝倉あきをヒロインに抜擢。恋人を亡くした喪失感とともに生きる主人公初海をその透明感のあるただずまいでみずみずしく演じた。初海に恋する不器用で実直な青年・志熊を演じるのは『怒り』(2016) ほか、数多くの作品で活躍する三浦貴大。その他、高橋由美子、志賀廣太郎らベテラン俳優たちが脇を固める。「派手でなくても、誠実に生きる」姿をテーマに撮り続けたという本作から、物質的な豊かさをゴールとしない丁寧で誠実な日常が生み出す幸せと希望を、ある種のノスタルジーとともに観客は受け取ることができるだろう。平成生まれの若者としてのみずみずしい視点と、往年の名作からスポンジのように吸収した昭和の風景への憧れを抱き、文学というフィールドを背景に持つユニークな若き俊才の軌跡に注目して欲しい。

©︎WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

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< あらすじ>
3年前に中学校の音楽教師を辞めた27歳の滝本初海は、現在は近所のそば屋でアルバイトをしながら暮らしている。そんなある日、彼女のもとに1通の手紙が舞い込む。それは3年前の春に亡くなった恋人が彼女に向けて書き遺したものだった。この手紙をきっかけに、初海の変わらない日常が再び動きはじめる。

作品情報
タイトル 四月の永い夢
監督 中川龍太郎
出演 朝倉あき、三浦貴大、川崎ゆり子、高橋由美子、青柳文子、森次晃嗣 / 志賀廣太郎、高橋惠子
配給 ギャガ・プラス
製作年 2017年
製作国 日本
上映時間 93分
HP tokyonewcinema.com
 ©︎WIT STUDIO / Tokyo New Cinema
 5月12日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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