Year In Review 2016; See And Buy When, Where And How?

NEWS & EVENT | Dec 29, 2016 8:00 AM
今年もこの台詞を言う時期がやってきた。「ファッション業界にとって激動の一年」。ファッションは常に移り変わるものであり、それはいつの時代も変わらないこと。むしろ激動でない期間が一年あったとすれば、逆に大事件だ。

今年もこの台詞を言う時期がやってきた。「ファッション業界にとって激動の一年」。ファッションは常に移り変わるものであり、それはいつの時代も変わらないこと。むしろ激動でない期間が一年あったとすれば、逆に大事件だ。

そんなわけで、今年もファッションにまつわる様々な事柄が世間を賑わせた。特に今年は、これまでファッションの世界で常識とされていたルールが塗り替えられた一年。新年を迎える前に、3つの新常識をおさらいしよう。

See And Buy When, Where Are How?

シーズン毎にレベルアップする「ファッション・カレンダー」のパズル、あなたはどこまで付いていける?

ファッションショーの開催は年に2回、パリ、ミラノ、ロンドン、NY のいずれかで秋冬、春夏に分けてバイヤー、エディター、スタイリストなど業界関係者に向けて発表される。そんな常識が通用したのはいつまでだっただろう。

今やプレコレクションは当たり前、開催場所や、発表方法も多様化する現代において、ランウェイショーのあり方は大きく様変わりしている。ジャーナリストでも正確に覚えるのは困難を覚えるであろう、「ファッション・カレンダー」の3つの新常識をおさらいしてみよう。

毎年世界中のリゾート地で開催される Chanel (シャネル) のクルーズコレクション。今年のテーマ地はキューバ。| © Chanel

毎年世界中のリゾート地で開催される Chanel (シャネル) のクルーズコレクション。今年のテーマ地はキューバ。| © Chanel

 

オートクチュール、プレタポルテに加え、2000年代後半から始まったプレコレクション。これら3つの歴史的背景や特徴は敢えてここで説明する必要はあるまい。年2回のプレタポルテで満足していた10年前に比べ、3ヶ月毎に新しいコレクションが発表される昨今。中でもプレコレクションは、発表時期や発表場所、またメインコレクションと比較した位置づけがシーズンやブランドによって異なるため、コレクション取材をするジャーナリストや雑誌の特集を企画する編集者たち、そして実際に買い付けするバイヤーまで、ファッション業界に携わる全ての人たちが困惑しているといっても過言ではない。

ハリウッドセレブリティが集結した Tom Ford (トム フォード) の2016-17年秋冬コレクション。日本でも当日からライブストリーミングが店頭で行われ、顧客に向けて販売が開始された。| © Tom Ford

ハリウッドセレブリティが集結した Tom Ford (トム フォード) の2016-17年秋冬コレクション。日本でも当日からライブストリーミングが店頭で行われ、顧客に向けて販売が開始された。| © Tom Ford

今年の2月には、アラブ首長国連邦のエティハド航空が「ファッションウィーク専用のエアライン」に着手するというニュースも飛び込んできたが、フライトが便利になったからといって取材が楽になるわけではない。だからこそ、このタイミングで “ファッション・カレンダー” を整理して年明けのファッションウィークに備える必要がある。

ファッションショーの新常識としてまず取り上げるべきは、昨年に引き続き話題を集める「See Now Buy Now」。文字通り、「今見て、今買う」というランウェイショーの新たなあり方を示すトレンドだが、今年発表された同形式のショーは Michael Kors (マイケル・コース) や Ralph Laurent (ラルフ・ローレン)、Rebecca Minkoff (レベッカ・ミンコフ)、Thakoon (タクーン)、Rag & Bone (ラグ&ボーン)、Tommy Hilfiger (トミー・ヒルフィガー)、Coach 1941 (コーチ1941) など NY ブランドが大半を占める。

このことには、アメリカ版『Vogue (ヴォーグ)』の旗揚げ、そして CFDA の新方針の影響が強いという見方が多く、比較的リアルクローズの多い NY では一般的になりつつある一方で、ヨーロッパではさほど話題になっておらず、旧式のスケジュールに留まるブランドが多い。

ちなみにこれまでロンドンでランウェイを開催してきた Tom Ford (トム フォード) は9月に2016-17年秋冬のメンズ、ウィメンズコレクションを例外的に NY で開催し、直後から顧客が購入出来る形式に切り替えているが、そもそも Tom Ford (トム フォード) の顧客は100万円のドレスを目の前で即決出来る財力のある人たちばかりなので、考え方はほぼオートクチュールと同じと言える。

2月の寒空の中発表された Burberry の「フェブラリーコレクション」。たっぷりとした毛量のファーコートも、半年後の真夏に店頭に並ぶまで待つ必要はありません。| © Burberry

2月の寒空の中発表された Burberry の「フェブラリーコレクション」。たっぷりとした毛量のファーコートも、半年後の真夏に店頭に並ぶまで待つ必要はありません。| © Burberry

ファッションショーの新常識としてもう一つ注目を集めているのが「シーズンレス」という提案。ソーシャルメディアが浸透し、新興国の勢いが目覚ましい昨今、もはやシーズンという概念は通用しないのでは?という非常に急進的な考えに基づいて生まれたこのトレンドだが、中でも印象的だったのが Burberry (バーバリー) だ。ライセンスブランドやランウェイラインを含む全てのコレクションを統合して初となるランウェイショーが開催されたのが2月。その名も「フェブラリー・コレクション」。他のブランドが次の年に販売される秋冬を発表し、店頭では春夏コレクションを販売する、というパラドックスを根底から覆す画期的なショーは、Burberry の圧倒的な企業規模とブランドイメージがあってこそ実現出来たマイルストーンだろう。

Prada 2017年春夏コレクション | © Prada

Prada 2017年春夏コレクション | © Prada

加えて、「See Now Buy Now」や「シーズンレス」のように大きく取り沙汰されることは少ないものの、水面下で、そして確実に浸透しているのがメンズとウィメンズを統合する新形態のランウェイショー。この新常識が生まれた理由は明確で、2つのショーを一度に開催することで「ファッション・カレンダー」の効率化を図るというのが概ねの傾向だ。

これまでも Prada (プラダ) はメンズコレクションの中にウィメンズのプレコレクションをミックスし、Givenchy by Riccardo Tisci (ジバンシィ バイ リカルド ティッシ) ではショーの開催を休止したオートクチュールコレクションをメンズコレクションの一部として発表してきた。

そして今年に入ってから Gucci (グッチ) や Dsquared2 (ディースクエアード)、Bottega Veneta (ボッテガ・ヴェネタ)、Vivienne Westwood (ヴィヴィアン・ウェストウッド)、そして直近では Kenzo (ケンゾー) がメンズとウィメンズのコレクションを同時に発表することを明らかにしている。

新年を迎える前におさらい、ファッション業界の3つの新常識。第1弾の「デザイナー交代編」第3弾「2016年最も話題を集めたコラボ10選」も是非ご覧下さい。

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