Interview with Virgil Abloh

PORTRAITS | Feb 27, 2018 9:00 PM
昨年、Nike (ナイキ) とのコラボレーションコレクション『THE TEN』を発表し、世界中のスニーカーフリークだけでなく、世間全体を騒がせたことは記憶に新しい Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー)。常に斬新なアイディアで私たちにサプライズを仕掛けてくる彼は、一体何を考えて、どこに向かっているのだろうか。少しでもその頭の中を覗きたくて、彼に12の質問を投げ掛けた。
Photo by UTSUMI

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時代の変化とともに、一つのジャンルにとらわれず、多岐にわたるシーンでクリエイティビティを発揮するクリエイターが増えてきた。中でも Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) は、自身のブランドである OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ (オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™) のデザイナーとして活動する傍ら、時には建築家として、またある時にはグラフィックデザイナー、そしてクリエイティヴディレクター、DJとして、彼らしくやってのける。ストリートやラグジュアリーという垣根を超えた新たなファッションシーン、もといこの時代のカギを握っている重要人物であることは言うまでもない。

そして昨年、ここ数年続いていた爆発的なスニーカーブームが少し落ち着きを見せ始めたところで、彼は Nike (ナイキ) とのコラボレーションコレクション『THE TEN』を発表した。この衝撃的なニュースは世界中のスニーカーフリークだけでなく、世間全体を騒がせたことは記憶に新しい。常に斬新なアイディアで私たちにサプライズを仕掛けてくる彼は、一体何を考えて、どこに向かっているのだろうか。少しでもその頭の中を覗きたくて、彼に12の質問を投げ掛けた。

—今回のコラボレーション『THE TEN』はどういった経緯でスタートしたのでしょうか?

ちょうど一年前、ポートランドの Nike 本社に呼ばれたんだ。今あるスニーカーカルチャーとはまた違う、新しいスニーカーカルチャーを作ろうっていう話をしたのがきっかけさ。最初からデザインをするって決まっていたわけじゃないけど、結果的にこうして10足のスニーカーをリリースすることになった。夢みたいな話だろう?

—幼い頃からよくスニーカーのデザインを描いていたと聞きましたが、それは本当ですか?

ああ、本当だよ。小学生の頃からいつも Nike のスニーカーにインスピレーションを受けていて、デザインを描いては Nike に送っていた。だからこうして今回自分のデザインしたスニーカーが発売されたことは僕にとってとても意味のあることなんだ。当時は特に「AIR JORDAN 1」の虜だったから、今回のコレクションでももちろん「AIR JORDAN 1」をラインナップに加えたよ。Michael Jordan (マイケル・ジョーダン) は永遠に僕のヒーローなんだ。

—ヴァージルさんにとって Nike とはどんなブランドですか?

ほかに変えることのできない、永遠に変わることがない確固たるアイコニックなブランドだね。コカ・コーラ、マクドナルド、マルボロと同じで絶対的な存在さ。

—ずっと夢に描いていた Nike とのプロジェクトを行うことに対して、プレッシャーはありませんでしたか?

なかったと言えば嘘になる。でも僕はプレッシャーやそういったネガティヴなものを、全てモチベーションに変える人間なんだ。だからプロジェクトの制作中にそういった思いに狩られることはなかったよ。

—普段デザインのインスピレーションはどこから得るのでしょうか?

日頃見ているものからさ。ソーシャルメディアでは世界中のものが見られるし、そこからインスピレーションやアイディアを得ることも多い。世界で何が起きているかはいつもチェックしているよ。あとは旅行先で、建築物やそこにいる人々といった、普段見ているものと異なるものを見た時。それからアートギャラリーには頻繁に足を運ぶようにしているよ。世界中のアートやクリエーションを見て、自分にはない感覚に度々驚かされるんだ。

Photo by UTSUMI

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—クリエーションをする上で大切にしていることはありますか?

面白いという感覚、そしてユニークであることを大切にしている。ありふれたことはしたくないんだ。なんてったって、みんなを驚かせることが好きだから。常にほかにはない目を見開くようなデザインや、思わず二度見してしまうようなもの、「買わずにいられない!」と思わせるものを作りたいと思っているよ。

—ストリートの要素とラグジュアリーの要素をミックスする現代のファッションシーンについてどう思いますか?

僕は好きだね。みんなが楽しみながら冒険をしていると思う。いまの時代、ファッションはダイアログのようなもので、ブランドが「これを着ろ」「こう着ろ」っていう時代じゃない。その人が何をどんな風に着るかって話さ。様々な要素をミックスすることでよりその人らしさを出せると思うんだ。女性がラグジュアリーブランドの洋服にスニーカーを合わせるスタイルだって、僕は素敵だと思うよ。それからユース世代の意見を取り入れることも大事。今回リリースしたスニーカーも、みんな好きなように履いて欲しいと思っている。

—ストリートカルチャーをバックグラウンドに持っていらっしゃいますが、そこで学んだこととは何でしょうか?

いま自分の中にあるものはほぼすべてストリートで学んだことだね。でも一つあげるなら、コミュニティーで一緒に動くということかな。ストリートには必ずグループがある。何をするにしても自分だけで決めるんじゃなくて、これがいいとか悪いとかメンバーみんなで話し合うのさ。今でもその感覚は大事にしているよ。幸い、僕の周りにはファッション関係だけじゃなくて、音楽だったりアートだったり、それぞれ違う業界で活躍している友達がたくさんいる。みんな異なるバックグラウンドとアイデンティティを持っているっていうのは面白いよ。

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—ご自身を一言で表すとしたら?

“Never not working(仕事をしない)”。つまり、いつも仕事をしているってことさ。ノンストップで永遠に。矛盾しているように聞こえるかい?(笑)好きなことを仕事にするっていうのはそういうことだよ。僕はいつも楽しみながら仕事をしている人間さ。

—ヴァージルさんにとってのゴールとは何でしょうか?

仕事を続けること、そして面白いものを作り続けること。これからもブランドやいろんな人と手を取って、たくさんのプロジェクトをやっていこうと思っているよ。コラボレーションはただ互いに持っているアイディアをシェアするだけじゃなくて、新たに学ぶことが多いんだ。ほかのブランドのことを考えることで、自分のブランドや自分自身を見つめ直すキッカケにもなるからね。

—来年また Nike とのコレボレーションプロジェクトを行うと噂されていますが……?

それは後ろに立っているボスたちに聞いてくれ(笑)どうなの?(笑)まあ今こうしてやっとひとつのプロジェクトを発表して世界を飛び回っている途中だから、現段階ではまだ次のプロジェクトに関しては分からない。もちろんまた出来たら良いなとは思っているから、ぜひ期待していて欲しいよ。

—最後にこの世の中にメッセージを。

“What’s up, world(世の中、調子はどう?)”

Photo by UTSUMI

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<プロフィール>
Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー)
1981 年アメリカ・シカゴ生まれ。大学院で建築の修士号を取得後、カニエ・ウェストと出会い、クリエイティブディレクターに就任。2014 春夏から自身のブランドをスタート。

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