Interview with Matthew M. Williams

PORTRAITS | Aug 1, 2018 9:00 PM
クリエイティヴ・ディレクターの Matthew M. Williams (マシュー・M・ウィリアムズ) は、2015年にウィメンズブランドとして ALYX (アリックス) を立ち上げ、その翌年に LVMH プライズのファイナリストを獲得。6月にパリでメンズとレディースの合同ランウェイを成功させ、休むことなく発表された NIKE × MMW コレクションでは、コンピュター技術を使った機能性の高いファッショナブルなトレーニングウェアの制作に挑んだ。そのプロモーションで来日した彼にコレクションの裏側について尋ねた。

シカゴ生まれカリフォルニア育ちの Matthew M. Williams(マシュー・M・ウィリアムズ) は、2015年にウィメンズブランドとして ALYX (アリックス) を立ち上げ、その翌年に LVMH プライズのファイナリストに輝いた実力派クリエイティヴ・ディレクター。

コアなファンには、ブランド発足以前の経歴はお馴染みかもしれないが、現在 Louis Vuitton (ルイ ヴィトン) にてメンズのアーティステイック・ディレクターを務める Virgil Abloh (ヴァージル・アブロー) や、ファッションデザイナーの Heron Preston (ヘロン・プレストン) とともにDJ集団 Been Trill (ビーン・トリル) を結成し、ストリートシーンで頭角を表した人物である。

また、Kanye West (カニエ・ウェスト) や Lady GAGA (レディ・ガガ) からも厚い支持を得たことで名を馳せ、インタビューの数日前には、パリのメンズファッションウィークで、初のランウェイショーを実現させ、今や飛ぶ鳥を落とす勢い。

そんな彼は、ファッション性の高い、本格的なトレーニングウェアである NIKE×MMW コレクションをローンチさせ、そのプロモーションのために来日。実際に会ってみると、これまでの名声に傲慢になることのないピュアな眼差しが印象的だった。次の時代を切り開く、若きパイオニアの言葉に触れて。

—コラボレーションに着手する以前には、トレーニングウェアについてどんなイメージを持っていましたか?

僕はカリフォルニアで育ったんだけど、現地のひとは日常的にトレーニングウェアを着るから、すごく馴染みの深いものだったよ。母なんて、一日中 Nike のトレーニングウェアとシューズで過ごしているくらい(笑)。だから、スポーツウェアを運動のためだけでなく、日常に着るというアイディアがもともとあったんだよね。

—コレクション全体はブラックを基調としたゴシックな雰囲気が印象的でした。このムードの選定は、何が作用していると思いますか?

コレクション制作時はニューヨークを拠点にしていたんだけど、ここ10年間は東京、パリ、ロンドン、ニューヨークを移動して生活してきたから、そのムードが影響しているはずだよ。都会に身を置くと、ジムに行った後に、街で知り合いに遭遇することもあるし、その後にちゃんとしたディナーに行くこともあるよね。そうした状況に対応する、機能的でありファーマルなバランスを保つウェアが理想だった。さらに「体があれば、誰でも“アスリート”」という Nike のコンセプトに沿って、どんな運動レベルのひとにもフィットするものを探求したんだ。

© NIKELAB

© NIKELAB

—コンピューターデザインの技術を多用してみてどうでしたか?

素晴らしかったね。Nike はこれまで運動のプロのためだけに、身体的な動きについて広範囲で分析したデータを集めてきたんだけど、その情報は一般のひとに向けた製品には活用されてなかった。だから、今回のコレクションでそれを実現できたのは嬉しかったよ。

—そのコンピューターデザインを使った具体的なアイテムについておしえてください。

体温上昇によって汗をかく部分を測定した情報があって、それを参考にしたのが今日着ているトップス。ほかには、腰回りにオープンウェストバンドを施したパンツもあるよ。それから、顔が汗ばんでも張り付かないスフィアー素材のマスクとか小物作りにも気を遣ったね。これは、肌呼吸できるようにあえて隙間を作ってくれる優れた生地なんだけど、Nike が以前別のアイテムで使っていて、いいなと思ったんだ。どれも、一見してミニマルなデザインなのもポイントだよ。

—こうしたアイディアは、先日パリで発表した ALYX のランウェイにも反映されているのでしょうか?

僕が今日履いている Nike のシューズは、ソールの取り外しが可能な仕掛けで、これは ALYX にも生かしているよ。もともとはこのコラボレーションのためにデザインしたものだけど、スニーカーのソールを選定するためにビブラム社に話を聞きに行ったらすごく魅力的だったから、ランウェイに登場したチェルシーブーツにも取り入れることにしたんだ。登山靴のディテールが落とし込まれていて、お気に入りの一足。

—ヘビーデューティーな靴は ALYX にも度々登場しますね。何か意味がありますか?

戦略的ではなくて、感覚でやっているから分からないな。今日感じていることをデザインしているってくらい、自分の気分は変わりやすいんだ。だから、2年後には違うことを言っているかもしれないね。でも、ひとつ言えるのは、感情がこもっていて、ピュアで、強く、オーセンティックなものをいつも求めているね。

—その「感情がこもっていて、ピュアで、強く、オーセンティックなもの」というのが具体的に表現されているのは、本コレクションではどのアイテムでしょうか?

“ダブルソックス”かな。世界中のひとがこの靴下を持っていて、Nike にとってアイコニックなアイテムだよね。Hanes (ヘインズ) で例えると白のTシャツみたいな。新鮮なハイとローの組み合わせは、アメリカで学生のバスケットボール選手がクッショニングを増やすためにやっていて、見た目もいいなと思って取り入れたんだ。

—「強く、オーセンティックなもの」というのは分かりました。「感情がこもっていて、ピュア」というのはどの部分でそう思うのでしょう?

トレーニングをいつもの決まりごとのようにやっていて、ウェアを着ると純粋にそのマインドに切り替えることができるんだ。それって、洋服全般に広げてみても言えることで、着ることは、あることに入っていく一歩に繋がると思う。このコレクションのなかで、最もオーセンティックなものはこの靴下だというのもあって、“ダブルソックス”と答えたよ。

—ミステリアスかつダイナミックな広告ヴィジュアルは、Nick Knight (ニック・ナイト) が撮影したそうですね。

Nick には ALYX のヴィジュアルも最初からお願いしているし、彼のウェブ媒体 SHOWstudio (ショウスタジオ) で僕がアート・ディレクターをやっていたこともあって、長い付き合いなんだ。やっぱり信頼しているクリエイターにお願いしたかったから彼にオファーしたよ。被写体は、ALYX のミューズとも言える、モデルの Molly Bair (モリー・ベア) や、バーチャルインフルエンサーの Lil Miquela (リル・ミケーラ)、 Naomi Campbell (ナオミ・キャンベル) も担当するトレーナーの Joe Holder (ジョー・ホルター) とか、様々な“アスリート”に参加してもらったよ。そして、実際にトレーニングの動きを再現してもらって、それを捉えることにしたんだ。

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

© NIKELAB

1/9

—SHOWstudioの動画で、ALYXのコレクションについて、あなたが詳しくディテールを説明するものがありますね。今回おしえてもらったアイテム以外にも、そうしたこだわった点を聞きたいくらいです。

動画までチェックしてくれて、ありがとう。今は足を怪我しているから、しゃがんで紹介できないのがネックだけど、モデルを台に乗せて、ぜひ、やってみたいよ!

Best in Show: Matthew Williams on his favourite piece from ALYX S/S 18

—最後にファッションアイテムと合わせるときのアドバイスを。

実際にパリのファッション・ウィークで ALYX とミックスして着ていたんだけど、
かなりいい感じだったから、僕のアドバイスなしに、きっとスマートにコーディネイトできるはずだよ。

<プロフィール>
Matthew M. Williams (マシュー・M・ウィリアムズ)
ファッションデザイナー
シカゴ生まれ、カリフォルニア育ちのクリエイティブディレクター。過去10年にわたってアートや音楽、ファッションを牽引するトップクリエイターと仕事を続けることで、自身の洗練された美学を育んだ。サステイナブル(持続可能)な社会に関心を寄せ、優れた洞察力とビジネスへのダイナミックな情熱をパワーに変えて Nike とのコラボレーションに取り組むウィリアムズは、アパレルや出版、デジタルやライブメディアなど、あらゆる業界のインフルエンサーとタッグを組んでいる。

問い合わせ先/NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77
HP: NIKE.COM/NIKELAB

Related Articles

Connect with The Fashion Post