ANREALAGE x Yoshiyuki Okuyama

【ファッション写真連載】vol.02 奥山由之 × ANREALAGE

ANREALAGE x Yoshiyuki Okuyama
ANREALAGE x Yoshiyuki Okuyama
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【ファッション写真連載】vol.02 奥山由之 × ANREALAGE

ANREALAGE x Yoshiyuki Okuyama

by Miwa Goroku

奥山由之 × ANREALAGE
コレクション発表の場をパリに移し、2季目を迎える ANREALAGE (アンリアレイジ)。デザイナーの森永邦彦は、前回の “SHADOW” から “LIGHT” へとテーマを発展させ、闇にスポットライトを当てたようなデザインの服を、実にさまざまなアプローチで表現している。紫外線 (ブラックライト) が当たると、鮮やかなチェックや千鳥格子などのパターンが浮かび上がるマジカルな服。光が移動するたびに、その不思議なスポットは瞬時に服の奥底へと影を潜めては別の場所で浮かび上がり…… と光のキャッチ&リリースを続けていく。このコンセプトはコンピュータージャガード織りやグラデーションのデジタルプリント、ゲージを徐々に組み替えた手編みのニットなどのアイテムにも応用されていて、まるでコレクション全体が大きな光の円に貫かれているよう。「紫外線で色が浮かぶ服」と聞くと、 2013-14年秋冬の “COLOR” に連なるギミックの応用かと一瞬勘ぐってしまうが、前回が白をデフォルトに緩やかなパステルカラーの発露を楽しむものだとしたら、今回は瞬間移動のような スピード感で、黒とヴィヴィッドの両極を行き来する。ちなみに今回初めて採用した特殊な塗料は、通常の紫外線には反応しないため、実際の商品にはブラックライトを仕込んだ装置がブローチ式で付属するようだ。

国内外のフォトグラファーにフォーカスを当てるTFPの新企画「FASHION PHOTOGRAPHY」。第一弾は、東京発のファッションブランドと蜜月関係にあるフォトグラファーたちが、自ら厳選したフォトストーリーを連載形式で紹介。彼らの目線から、2015-16秋冬コレクションの舞台裏に迫る。

Photo by Yoshiyuki Okuyama

Photo by Yoshiyuki Okuyama

奥山由之 × ANREALAGE

コレクション発表の場をパリに移し、2季目を迎える ANREALAGE (アンリアレイジ)。デザイナーの森永邦彦は、前回の “SHADOW” から “LIGHT” へとテーマを発展させ、闇にスポットライトを当てたようなデザインの服を、実にさまざまなアプローチで表現している。紫外線 (ブラックライト) が当たると、鮮やかなチェックや千鳥格子などのパターンが浮かび上がるマジカルな服。光が移動するたびに、その不思議なスポットは瞬時に服の奥底へと影を潜めては別の場所で浮かび上がり…… と光のキャッチ&リリースを続けていく。このコンセプトはコンピュータージャガード織りやグラデーションのデジタルプリント、ゲージを徐々に組み替えた手編みのニットなどのアイテムにも応用されていて、まるでコレクション全体が大きな光の円に貫かれているよう。「紫外線で色が浮かぶ服」と聞くと、 2013-14年秋冬の “COLOR” に連なるギミックの応用かと一瞬勘ぐってしまうが、前回が白をデフォルトに緩やかなパステルカラーの発露を楽しむものだとしたら、今回は瞬間移動のような スピード感で、黒とヴィヴィッドの両極を行き来する。ちなみに今回初めて採用した特殊な塗料は、通常の紫外線には反応しないため、実際の商品にはブラックライトを仕込んだ装置がブローチ式で付属するようだ。

Photo by Yoshiyuki Okuyama

Photo by Yoshiyuki Okuyama

さかのぼること約4年前、当時まだ無名だった奥山由之が、ANREALAGEに一方的な飛び込み営業をかけたことをきっかけに、両者の関係はスタートした。奥山が初めてANREALAGEのバックステージに入ったのは、2012年春夏の “SHELL”。以降、全シーズンの撮影を手掛けている。

Photo by Yoshiyuki Okuyama

Photo by Yoshiyuki Okuyama

ANREALAGEの服は常にサプライズに満ちた、たとえそのまま正面から捉えても十分に魅力的な被写体であるわけだが、奥山のファインダーを通すとそのイメージは予期しない次元へとスライドされて、いよいよユニークで比類のない世界観を生成し始める。「ファッションが持つ可能性を信じて、感情に届く服作りを試行錯誤しているところ。また、毎シーズンごとに常に新しい挑戦をし続けているところ」とANREALAGEの魅力を話す奥山にとって、シーズン毎に実験的な要素をはらんだこれらの写真は、かねてより彼の目に映っている ANREALAGEの姿そのものなのだろう。そして奥山が捉えるイメージは、ANREALAGEが世界に飛躍していくにあたり、ブランドの個性をアピールするツールとしても強力に作用する。ふたりの感性は深い部分で通底しながら、それぞれが別のプラットフォームから対等なパワーバランスで刺激し合っていて、それはクリエイティブのフィールド上においては、とても理想的な関係だ。

<プロフィール>
奥山由之 (おくやま・よしゆき)
1991年生まれ。大学在学中の2011年に、第34回写真新世紀優秀賞受賞。広告、CDジャケット、雑誌、カタログのほか、映画、PVなどの映像作品も手掛ける。写真集に『Girl』(PLANCTON)、『A REAL UN REAL AGE』(パルコ出版) がある。愛用カメラは Leica M7。今年末に、3年ぶりとなる写真集の出版と、初の大型個展を開催予定。
HP: y-okuyama.com