Gordon Espinet From M·A·C Reveals Make-up Trends For 2015AW

M·A·Cのトップアーティスト、Gordon Espinet (ゴードン・エスピネー) が語る2015年秋冬メイクトレンド

Gordon Espinet From M·A·C Reveals Make-up Trends For 2015AW
Gordon Espinet From M·A·C Reveals Make-up Trends For 2015AW
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M·A·Cのトップアーティスト、Gordon Espinet (ゴードン・エスピネー) が語る2015年秋冬メイクトレンド

Gordon Espinet From M·A·C Reveals Make-up Trends For 2015AW

毎シーズン、数百にのぼるバックステージで活躍している M·A·Cの PROチーム。そのアーティスト勢を率いるトップ・オブ・トップの存在であり、M·A·Cのシニア バイス プレジデントも務める Gordon Espinet (ゴードン・エスピネー) が6月、2015年秋冬のトレンドプレゼンテーションに合わせて、約3年ぶりに来日した。まるで海外コレの舞台裏かと錯覚するほど熱気に満ちたバックステージで聞いた、今秋冬のメイクの行方について。

毎シーズン、数百にのぼるバックステージで活躍している M·A·Cの PROチーム。そのアーティスト勢を率いるトップ・オブ・トップの存在であり、M·A·Cのシニア バイス プレジデントも務める Gordon Espinet (ゴードン・エスピネー) が6月、2015年秋冬のトレンドプレゼンテーションに合わせて、約3年ぶりに来日した。まるで海外コレの舞台裏かと錯覚するほど熱気に満ちたバックステージで聞いた、今秋冬のメイクの行方について。

トレンドプレゼンテーションの招待状ヴィジュアル。THOM BROWNE. NEW YORK (トム ブラウン ニューヨーク/左) はめずらしく優美なすっぴん風メイクだが、涙のペイントでひとさじの毒をプラス

— 2015年秋冬ランウェイのトレンドメイクを一言でまとめると?

「カスタマイズ」。今シーズンはコレ!といった特定のアイテムを絞ることは難しい。それくらい、ひとりひとりの個性にフォーカスしたルックが増えている。

 

— ここ数年、スーパーナチュラルなメイクトレンドが続いています。

たしかに前春夏シーズンは、“ノーメイクアップ” がとても多かった。ただし肌はしっかり保湿するし、プライマーでさらに整えて、グロスは口にもまぶたにものせてツヤを出し、眉もちゃんとセットして描き足して…… と、実は「何もしていない」かのように見せるために 20製品くらいを使っている。場合によってはフルメイクアップより手間と時間がかかるケースもあった。

でも今シーズンは、そこからもうちょっと「わかりやすい」ルックに移行したと思う。つまり「エレメント=要素」がある。それが長いまつげなのか、パーフェクトな唇なのか、トライバルなアイラインなのか、盛り方はスタイルによってさまざまだけど、何か装飾的なポイントを加えること。今シーズンはスカルプティングやシェーディングといった、肌の仕込みの話ではなくなった。

 

— ディテールの追求ですか?

そう、ただしこれまでとは違ったディテールで。違った角度から美しさを見つけること。

メイクデモでは3人のアジアン・ビューティを起用。左から: 70’sのリップメイク。今季はレンガやパブリカのようなカラーニュアンスが旬。使用色は “CHILI”[メイク: James Molloy モデル: 立花恵理]/ 温かみのあるルックを目指すなら、グレーのアイシャドウに注目。しっかりなじませることで、光による立体感がコントロールできる。「アイズ オン M·A·C」(限定発売中)のネイビー系9色パレットが活躍 [メイク: 池田ハリス留美子 モデル: emma]/ 冬のブロンズ肌。スキー焼けしたようなチークの表情が新鮮[メイク: Gordon Espinet モデル: Viviane Sheep]

— たとえばリップはどうでしょう?

ダークな黒リップが増えてきたね、しかもエレガントなスタイルで。かつてダークリップといえば、反社会的でパンクなイメージだったでしょう? 今、アメリカのM·A·Cの店頭でも、“MEDIA” (日本未発売) という深いパープルレッドのリップスティックが人気No.2に急上昇している。ちなみにNo.1は “RUBY WOO” (日本未発売) というとてもマットでレトロな印象のブルーレッド。

 

— アイメイクは?

近年の変化ポイントでいうなら、眉。90年代はケイト・モスがノーアイブロウだったし、みんなブリーチしたり抜いたりしていた。それが今は正反対。最近はモデルエージェンシーも、新人が売り込みに来るたびに「まずは眉を元に戻してこい」と指示しているからね。ストレートに生え揃った眉が理想。スキニーな細眉はもう流行らない。

 

— やはり生まれ持った個性がキーになると。

かつて僕がメイクを始めた頃は “corrective make up”、つまり顔の中で不細工なパーツを「矯正する」という発想が主流だった。今のトレンドは正反対で、いかに個性を持ち、それを引き出すかが重要になっている。そういう意味で原宿は、ずっと前からこのトレンドをリードしているといえるかもしれないね。

近年は中国のモデルも、中国人らしくあればあるほどいい。2012年に中国のフォトグラファーChen Man (チェン・マン) とM·A·Cがコラボした時、撮影にやってきたモデルのうちひとりが超切れ長の目をしていて、髪の毛もすごくハードでびっくりしたことがあるけど、それがとても美しかった。アフリカンも今は Grace Jones (グレイス・ジョーンズ) 級のショートヘアや彫刻的なルックが最高にクール。しばらく前までは、いわゆる顔立ちは白人に近いモデルが人気だったのにね。アジアンはよりアジアンらしく。アフリカンはよりアフリカンらしく。個性が強みにできれば、それ以上の強さはない。いい方向性だと思う。

左から: James Molloy (アジアパシフィック地域を率いるメイクアップ アーティストリー ディレクター)、Gordon Espinet、池田ハリス留美子 (日本で唯一のシニア アーティスト)。メイクプレゼンテーション終了後の質疑応答タイムにて

— 今日、Gordonがメイクデモしたルック “Strength Of Beauty” について教えてください。

M·A·Cでは毎シーズン、すべてのコレクションが終わった後にトレンドを分析し、4つのテーマを打ち出している。“Strength Of Beauty” はそのうちのひとつで、肌にフォーカスした新テーマ。シンプルでキュートさがありながら、意思のある女性像を引き出すアプローチをまとめている。今回はその中でも特に僕が好きな、新しいブロンズメイクをプレゼンテーションしてみた。これまでの輪郭や骨格強調ではなく、ブロンズカラーを顔のセンターに置くことで、スキー焼けしたような印象に。アイシャドウも、色をのせるというよりブロンジングするような感覚でゴールド系をチョイスしている。ポイントは、顔全体をひとつのカラートーンでまとめること。ゴールドやメタリックカラーは今秋冬のファッションと相性抜群なので、ぜひトライしてほしい。

2015年秋冬に向けての新作カラーコレクションは、8月をピークに続々ローンチ!

 


Gordon Espinet/ゴードン・エスピネー

PROFILE:カリブ海に浮かぶトリニダードで13人兄弟の末っ子として生まれる。14歳でカナダに移り、卒業後すぐにメイクアップの世界でキャリアをスタート。M·A·Cをクリエイティブなチームへと押し上げた初期メンバーのひとり。現在も新しい才能のトレーニング、年間800以上のショーを監修し、世界中のあらゆるアーティストたちと対話を続けている。現在の肩書はM·A·C Senior Vice President of Global Artist Training, Development and Makeup Artistry (M·A·C グローバル アーティスト トレーニング、デベロップメント、メイクアップ アーティストリー、シニア バイス プレジデント)。