時代を超越したクチュールファンタジー、Alexis Mabille (アレクシ・マビーユ) 2016年春夏オートクチュールコレクション

© Alexis Mabille

Alexis Mabille (アレクシ・マビーユ) はフランス オートクチュール界における言わば優等生だ。そのことは、昨年の6月にフランスの文化庁によって芸術文化勲章シュヴァリエを授与されたことからも伺えるだろう。そしてこの名誉ある受賞の2週間後には、メゾン創立10周年を記念した大規模なオートクチュールコレクションを発表し話題を呼んだ。

そして今回1月に開催された2016年春夏パリ オートクチュールファッションウィークにて披露された最新コレクションのテーマは「Timeless Beauties」。フランス人のミュージシャンデュオ Bastien Burger (バスティエン・バーガー) と Audrey Ismaël (オードリー・イスマエル) によるオリジナルの楽曲を起用したコレクションでは、デザイナー自身のミューズたちをモデルに起用したインティメイトなコレクションが発表された。

ショーのファーストルックで登場したのは、Carmen Kass (カルメン・カース)。スムースなクレープ地で仕立てられたダブルのスモーキングジャケットには、対照的にグラマラスなアウトラインを描くオーストリッチファーのスカートが合わせられている。続いて登場した Audrey Marnay (オードリー・マルネイ) は、ギピュールレースのカラーが付けられたセンシュアルなレースのリトル・ブラック・ドレスを着用。一方でデコルテラインを強調したアワーグラスシルエットのブラックドレスは、Georgina Stojiljković (ジョルジーナ・ストジルコヴィッチ) の妖艶な美しさによってまるで絵画の中から飛び出してきたような時代を超越したエレガンスを湛えている。

Beauty – be not caused – It Is

メゾン設立11年目を迎え、今一度オートクチュールの原点に立ち返った今回のコレクションは、見ようによってはコンサバに見えるだろう。しかしそんな野暮な批判は、きっと彼のドレスを愛用するセレブリティや顧客にとって重要ではないはずだ。結局のところラグジュアリーであるということとタイムレスであるということは同義語であり、またその文脈において Alexis Mabille は常に成績上位者なのだから。

HP: www.alexismabille.com

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