TFP Recommended Movies

【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画

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【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画

TFP Recommended Movies

「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を週替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。

1月28日〜2月3日

『映画を愛する君へ

©2024 CG Cinema / Scala Films / Arte France Cinema / Hill Valle

フランスの名匠 Arnaud Desplechin (アルノー・デプレシャン) が、映画の誕生から現在に至るまでの名作の歴史と映画の魅力を語り尽くすシネマ・エッセイ。『そして僕は恋をする』『あの頃エッフェル塔の下で』で主役を飾った架空の人物ポール・デダリュスが、本作ではデプレシャンの分身として登場し、彼の映画人生を追体験のように描く。祖母に連れられ、6歳で初めて映画館を訪れた日、14歳の頃に16歳と偽って映画館に潜り込んだ思い出。学生時代の映画館での上映会や、大学で映画を学んだ日々。映画とともに成長したデプレシャンの自伝的な作品でありながら、誰もが共感できるストーリーに落とし込んでいる。作中には世界各地の個性的な映画館が披露され、日本のシアターも登場。また、一般の観客が自らの映画体験を語るインタビューも収録。ドラマとドキュメンタリーをハイブリッドしたような構成も興味深い。コロナ禍を経て、映画館に足を運ぶ機会の少なくなった今、デプレシャンの映画、映画館へのラブレターともいえる本作がスクリーンに息を吹き込む。デプレシャンが贈る尽きることのない映画愛を、ぜひ映画館で受け止めて。

公開日: 1月31日(金)
監督: Arnaud Desplechin
出演: Louis Birman (ルイ・バーマン)、Françoise Lebrun (フランソワーズ・ルブラン)、Milo Machado-Graner (ミロ・マシャド・グラネール)
HP: unpfilm.com/filmlovers

『ザ・ルーム・ネクストドア

©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©El Deseo. Photo by Iglesias Más.

本作で描かれるのは、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友の最期の数日間。色鮮やかな映像とユーモアに溢れた作品で世界中を虜にしてきたスペインのスペインの名匠 Pedro Almodovar (ペドロ・アルモドバル) らしい、カラフルな世界観でかけがえのない日々を写し出す。重い病にかかり自らの意志で安楽死を望むマーサを演じるのは、Wesley Anderson (ウェス・アンダーソン) 監督や Jim Jarmusch (ジム・ジャームッシュ) 監督作品に常連の Tilda Swinton (ティルダ・スウィントン)。第82回ゴールデングローブ賞では、本作の演技が認められドラマ部門の主演女優賞にノミネートを果たした。その親友イングリッドを務めるのは、世界三代映画祭すべてで女優賞を受賞した Julianne Moore (ジュリアン・ムーア)。2人のオスカー女優が共演し、繊細で美しい友情を紡ぐ。治療を拒み、安楽死を選択したマーサは「人の気配を感じながら最後を迎えたい」とイングリッドに願い、2人は森の中の小さな家で暮らすことに。マーサは「もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、最期の時を迎えるまでの短い生活が始まるのだった。みな一度は考えたことのある、人生最期の瞬間。その時、誰かがそばにいてくれたら。本作は、人生を見つめ直すきっかけを与えてくれるかもしれない。

公開日: 1月31日(金)
監督: Pedro Almodovar
出演: Tilda Swinton、Julianne Moore、John Turturro (ジョン・タトゥーロ)
HP: warnerbros.co.jp/movies

『リアル・ペイン 心の旅

©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

『グランド・イリュージョン』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』などに出演し、最近では監督としても活躍している Jesse Eisenberg (ジェシー・アイゼンバーグ) が監督、主演を手がける。彼とW主演を務めるのは、子役時代に『ホーム・アローン』でデビューし、TVシリーズ「メディア王 華麗なる一族」ではエミー賞主演男優賞を受賞するなど、着実にキャリアを積み重ねる俳優 Kieran Culkin (キーラン・カルキン)。2人が演じるのは、性格が対照的な従兄弟。デヴィッドとベンジーは長らく疎遠になっていたが、祖母が亡くなったことで数年ぶりに再会。彼女の遺言のもとポーランドでのツアーに参加した2人は、時に騒動を起こしながら、ユニークな人々とともに旅を続けていく。祖母にゆかりある場所を巡る中で、40代を迎えた彼らは自身を見つめ直し、さまざまなことに気づく。実力派俳優として知られる2人が展開する笑いあり涙ありの旅に、誘われてみてはいかが。

公開日: 1月31日(金)
監督: Jesse Eisenberg
出演: Jesse Eisenberg、Kieran Culkin、Will Sharpe (ウィル・シャープ)
HP: searchlightpictures.jp/movies/realpain

『籠の中の乙女

©︎XXIV All rights reserved

『哀れなるものたち』『女王陛下のお気に入り』などの活躍が記憶に新しい、ギリシャが生んだ名匠 Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス) の長編デビュー作が4Kレストア版にて蘇る。本作は、家族の絆を誰にも壊されたくない父親の「妄執」と、それに振り回されて育った子どもたちの生活を独創的な視点で表現。登場するのは、ギリシャの郊外に家を構える裕福な家族。一見普通に見える彼らの両親は、子どもたちをずっと家の中だけで育てているという秘密があった。邸宅には四方に高い生垣。「外の世界は恐ろしい」と信じながら成長した子どもたちは、外の世界から来た女性の出現によって大きな変化を迎えることになる。本作はカンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞。その後リリースした『ロブスター』、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』、『憐れみの3章』もそれぞれ主要な賞を受賞している。Yorgos Lanthimos が「カンヌ無敗伝説」を打ち立てる始まりとなったキャリア初期作品を、ぜひ劇場で鑑賞してみて。

公開日: 1月24日(金)
監督: Yorgos Lanthimos
出演: Christos Stergioglou (クリストス・ステルギオグル)、Michele Valley (Michele Valley)、Aggeliki Papoulia (アンゲリキ・パプーリァ)
HP: kago-otome.ayapro.ne.jp

『蝶の渡り

©︎STUDIO-99

ジョージアの文化・芸術を作品の随所に散りばめながら、ジョージア独立のために闘った若者たちの27年後をポジティブに写し出す。始まりは1991年のジョージア。ソ連からの独立が近づき、希望に満ちたムードが国を包むが、年が明けてからほどなくして勃発した民族紛争によりその喜びは消え失せてしまう。それから27年後、画家コスタの心には戦争の痛み、ディアスポラの悲しみが残り続けるが、生き抜こうと前を向く。主人公が住む半地下の部屋に無造作に置かれた数々の絵画は、イラクリ・スティゼ、メラブ・アブラミシュヴィリらによる著名な画家の作品ばかり。また、作中音楽もジョージアを代表するトリビシ青年オーケストラによるもの。さらにトリビシの古い街並みや田園といった美しい街並みを堪能できるのも本作の魅力だ。未来を切り開くために奮闘する姿をコミカルに描き、まさにジョージアの「陽気な悲劇性」を表現。悲しい状況でも明るく祝祭的なジョージアの強さは、国境を超えて観る者に共感と希望を与えるだろう。

公開日: 1月24日(金)
監督: Nana Jorjadze (ナナ・ジョルジャゼ)
出演: ラティ・エラゼ、タマル・タバタゼ、ナタナティア・ニコライシュビリ
HP: moviola.jp/butterfly

1月14日〜1月20日

『サンセット・サンライズ

©︎楡周平/講談社 (C)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会

『二重生活』、『あゝ、荒野』で知られる岸善幸監督が、楡周平による同名小説を映画化。脚本には宮藤官九郎を招き、菅田将暉、井上真央、竹原ピストルといった豪華キャストが集結。都会から東北へと移住した青年が地域の住民らと織りなす生活をユーモラスに描く。時は2020年、新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれていた。菅田将暉演じる晋作は東京の大企業に勤めていたが、リモートワークを機に宮城県・南三陸に「お試し移住」することを決意。海の近い環境で趣味の釣りを楽しむ日々を送っていたが、町の人々は都会からやってきた晋作に戸惑いを見せていた。晋作は交流に難しさを感じながらも前向きに溶け込もうとするが、その先には予想できない展開が待ち受けていた。本作の背景には、コロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災といった社会問題が写し出されている。解決の糸口が見えない問題を照らしながら、豊かなエンターテイメントに転化させたヒューマン・コメディ。

公開日: 1月17日(金)
監督: 岸善幸
出演: 菅田将暉、井上真央、竹原ピストル
HP: warnerbros.co.jp/sunsetsunrise

『ストップモーション

©︎Bluelight Stopmotion Limited / The British Film Institute 2023

『マッドゴッド』や『オオカミの家』など、近年脚光を浴びるストップモーション・アニメの新たな話題作が日本に上陸。実写とストップモーション・アニメーションを駆使した独創的なホラー作品で知られる Robert Morgan (ロバート・モーガン) 監督が、現実と虚構が融合するような恐怖を届ける。物語は、偉大なストップモーション・アニメーターであるスザンヌ・ブレイクの愛娘エラが、母の病により中断された作品を完成させようと奮闘するストーリー。独学では作業が進まず、偶然出会った謎の少女の力を借りながら制作を進めるが、次第に現実と虚構の壁が崩壊し精神的に追い詰められていく。実写とアニメーションが交錯する映像とマッチしたストーリーが、本作に重層的な恐怖とスリルを与える。イギリス発、珠玉のサイコロジカル・ホラーで、これまで経験したことのない恐怖を感じてほしい。

公開日: 1月17日(金)
監督: Robert Morgan
出演: Aisling Franciosi (アシュリン・フランチオージ)、Stella Gonet (ステラ・ゴネット)、Tom York (トム・ヨーク)
HP: starcat.co.jp/stopmotion

『敵

©︎1998 筒井康隆/新潮社 (C)2023 TEKINOMIKATA

原作は、筒井康隆の同名小説。穏やかな生活を送っていた独居老人がとあるメッセージを発見したことをきっかけに「敵」が現れる物語を、終始モノクロで表現した。主人公は、渡辺儀助、77歳。大学教授の職を辞めてから10年が経ち、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に1人で暮らしている。預貯金で自分の余生を計算し、遺言書も書き終えて人生の最期へと向かっていく。そんなある日、パソコンの画面に「敵がやって来る」というメッセージが表示される。彼の人生が徐々に狂い始める原因となった「敵」とはなんなのか。筒井康隆は本作に対し「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた。 」とコメントを残している。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門では東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞、最優秀男優賞の3冠に輝いた注目作品をお見逃しなく。

公開日: 1月17日(金)
監督: 吉田大八
出演: 長塚京三、瀧内公美、河合優実
HP: happinet-phantom.com/teki

『満ち足りた家族

©︎2024 HIVE MEDIA CORP & MINDMARK ALL RIGHTS RESERVED

家族の親密な描写を細やかに描きながら、人間の心理の奥底に潜む澱みや揺れ動きを緻密に捉えたサスペンス。弁護士の兄と医者の弟は、それぞれに美しい妻を持ち、子どもを育て、何不自由ない満たされた生活を送っていた。兄ジュワンは道徳よりも物質的な利益を優先する一方、小児科医の弟ジェギュは、どんな時も良心的であることを忘れない。両極端の信念を掲げる兄弟にとある事件が降りかかり、家族の運命を大きく変えることになる。キャストには『ペパーミント・キャンディー』の主演として知られる Sol Kyung-gu (ソル・ギョング)、そして Jang Dong-Gun (チャン・ドンゴン)、Kim Hee-ae (キム・ヒエ) など、韓国を代表する名優が集結。また監督は、『八月のクリスマス』『危険な関係』を手がけた名匠 Hur Jin-ho (ホ・ジノ)。彼の演出力への絶大な信頼から数多の俳優が出演を嘱望してきたという。本作でも彼らしい陰影に富む心理描写が作品に深みを与え、自身の最高峰ともいえる傑作を完成させた。完璧な美学を築き上げた彼の最新作に、世界中から熱い視線が注がれる。

公開日: 1月17日(金)
監督: Hur Jin-ho
出演: Sol Kyung-gu、Jang Dong-Gun、Kim Hee-ae
HP: michitaritakazoku.jp

『トラブル・ガール

©︎2023 寓言工作室 華文創 華映娯樂 得利影視 影響原創 承達投資

ADHD (注意欠如・多動症) の少女と、彼女を取り巻く人々を繊細かつ現実的に紡いだ台湾発ヒューマンドラマ。ADHD の少女シャオシャオは、自分だけの世界を持って生きている。学校では孤立し、家では母から厄介者扱い。孤独を感じながら過ごす彼女の感情を理解し優しく接してくれるのは、担任のポール先生だけ。しかしある嵐の日、彼女は母親とポールが不倫していることを知る。シャオシャオは困惑しながらも複雑な関係に適応しようとする。主演に抜擢されたのは『アメリカから来た少女』のオードリー・リン。感情を抑えるのが苦手な少女シャオシャオを演じ切り、歴代最年少の12歳で金馬奨主演女優賞に輝いた。そして本作のメガホンをとったのは、短編作品で実績を積み重ねたジン・ジアフア監督。「普通の子どもたちよりも一見強く見られてしまう、シャオシャオのような子どもたちへも関心が集まり、理解される」ことを願って、初の長編に挑む。

公開日: 1月17日(金)
監督: ジン・ジアフア
出演: アイヴィー・チェン 、テレンス・ラウ 、オードリー・リン
HP: rightscube.co.jp/movies

『Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014

©︎WOWOW / WOWOWエンタテインメント

2023年3月28日、71歳で惜しまれつつこの世を去った世界的音楽家・坂本龍一。彼が日本国内で16年ぶりにフルオーケストラとの共演を果たし、話題を呼んだ「Playing the Orchestra 2013」。そのアップデート版として、自らが指揮をとり実現した2014年の東京公演が、ついに映画化される。本作では、坂本がピアノを演奏しながら全曲を指揮、YMO の名曲から「Merry Christmas Mr. Lawrence」「ラストエンペラー」などの代表作、さらには彼が手掛けた映画音楽まで、多彩な楽曲が東京フィルハーモニー交響楽団の壮大な演奏とともに奏でられる。10年の時を経て「Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014」が、極上の音響環境と大スクリーンで鮮やかに甦る。彼の遺した音楽が時代を超え、私たちの心に響き続ける。その瞬間を劇場で体感してほしい。

公開日: 1月3日(金)
出演: 坂本龍一
HP: film/ryuichi-sakamoto

『エマニュエル

©︎2024 CHANTELOUVE – RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – PATHÉ FILMS

Emmanuelle Arsan (エマニュエル・アルサン) の同名小説をもとに1974年に公開された映画『エマニュエル夫人』をもとに、新生『エマニュエル』が誕生。タイのバンコクで、外交官の妻が性的欲望に溺れ美しく開花していく『エマニュエル夫人』は、官能的ながらも一般映画として公開され世界的ヒットを記録した。本作の主人公エマニュエルは舞台を現代に移し、場所は香港の高級ホテル。仕事でオーナーから査察依頼を受け、ホテルに滞在しながらその裏側を調べ始めるが、ホテル関係者や妖しげな宿泊客との交流は、彼女を「禁断の快感」へと誘っていく。主人公を見事に演じきったのは、『燃ゆる女の肖像』『TAR/ター』で忘れ難い輝きを放った Noemie Merlant (ノエミ・メルラン)。ハイブランドのドレスを纏ったセレブが行き交う高級ホテルで、そのラグジュアリーなベールの下に隠された人間の危険な欲望に果敢に向き合う彼女の脆さと強さを体現した。非日常的空間で自分の欲望を見失ったエマニュエルが追い求める「裏の快楽」とは。本作の世界に翻弄されてみて。

公開日: 1月10日(金)
監督: Audrey Diwan (オードレイ・ディワン)
出演: Noemie Merlant、Will Sharpe (ウィル・シャープ)、Jamie Campbell Bower (ジェイミー・キャンベル・バウアー)
HP: gaga.ne.jp/emmanuelle

『デヴィッド・ボウイ 幻想と素顔の狭間で

©︎SHORELINE ENTERTAINMENT

音楽史における最も革新的で影響力のあるアーティストの一人、David Bowie (デヴィッド・ボウイ) の活動初期に焦点を当て、いかにしてスターダムにのし上がっていったかを描く。彼の最高傑作ともいえるアルバム『ジギー・スターダスト』のバックバンドとして結成された「スパイダーズ・フロム・マーズ」のメンバーが、ボウイと同じ家に住み活動をともにした日々の秘話を披露。また、後の妻であり彼の舞台衣装から見せ方まですべて仕切った Angie (アンジー) の語りは見逃せない。ボウイとの出会い、私生活、日本の衣装やメイクをどのようにファッションに落とし込んだかなど、スペシャルなエピソードが満載だ。さらにオフショット写真、初期のライブ映像や写真など、グラムロック時代のボウイの変遷を辿る資料も多数収録。世界のスターへと駆け上がるその姿を当時の仲間たちが語る、ファン必見のドキュメンタリー。

公開日: 1月10日(金)
出演: David Bowie (アーカイブ)、Trevor Bolder (トレバー・ボルダー)、Michael “Woody” Woodmansey (ウッディ・ウッドマンゼイ)
HP: davidbowiedoc.com

『Welcome back

©︎2025 GunsRock

人の本当の強さとは何か。負けの先にあるものを問いかける、ボクシングロードムービーがリリース。本作は、新進気鋭の映画監督・川島直人が『高崎グラフィティ。』以来7年ぶりに手がけたオリジナル長編作品。ストーリーは、まるで兄弟のように育った青年2人の強い絆と揺れ動く関係性を描く。新人王最有力候補のボクサー・冴木輝彦と、生まれつき記憶力に長けているがコミュニケーションが苦手な友原勉。それぞれテル、ベンと呼び合う2人は同じ地元に生まれ、親友だった。ベンにとって憧れの存在だったテルは、新人王決定戦で惜しくも敗退。テルは何事もなかったかのように振る舞うが、ボクシングを遠ざけ、遊び呆ける日々を送る。たった一度の敗北によってヒーローのようなテルの姿を失ったベンは、テルのグローブを手に宿敵のもとへ歩き始める。テルを演じるのは、映画『モリのいる場所』『ミッドナイトスワン』や話題沸騰中の Netflix オリジナルドラマ「地面師たち」にも出演した吉村界人。そしてベンを務めるのは映画『佐々木、イン、マイマイン』『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』などのヒット作に出演歴のある三河悠冴。新世代を代表する俳優陣によって届けられる、迫力に満ちた青春にきっと引き込まれるだろう。

公開日: 1月10日(金)
監督: 川島直人
出演: 吉村界人、三河悠冴、遠藤雄弥
HP: welcomeback-movie.com

『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ

©︎2022 VHS Forever Inc.All Rights Reserved.

「カナダ映画の未来」と期待を寄せられる本作が、ついに日本上陸。舞台となるのは、レンタル DVD 全盛期である2003年のカナダ。人間関係がうまくいかない映画好きの高校生がさまざまなトラブルを引き起こす様子を描いた青春コメディだ。主人公のローレンスを演じるのは、若手俳優でラッパーとしても活躍する Isaiah Lehtinen (アイザイア・レティネン)。社交性がなく人付き合いの苦手な彼の願いは、ニューヨーク大学で Todd Solondz (トッド・ソロンズ) から映画を学ぶこと。学費を貯めるためにバイトをしている地元のビデオ店で、さまざまな個性的な人と出会い、不思議な友情を育んでいく。しかし、ローレンスは自身の将来への不安から大切な人を傷つけてしまう。本作は新星 Chandler Levack (チャンドラー・レバック) 監督による長編デビュー作で、自伝的要素を含んだ痛烈な脚本がトロント国際映画祭で高い評価を得た。理想と現実の狭間でもがく、不器用な高校時代が切なさを誘う一作。

公開日: 12月27日(金)
監督: Chandler Levack (チャンドラー・レバック)
出演: Isaiah Lehtinen、Romina D’Ugo (ロミーナ・ドゥーゴ)、Krista Bridges (クリスタ・ブリッジス)
HP: enidfilms.jp/ilikemovies

『お引越し

©︎1993/2023讀賣テレビ放送株式会社

『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』などで知られ、没後20年以上が経った今も、現代の日本映画界を支える映画人たちから熱烈に支持され続ける相米慎二監督。この度彼の作品が4Kリマスターとして2作蘇り、その中の『お引越し』を TFP でご紹介。主人公は、京都に住む明るく元気な小学6年生、レンコ。父が家を出て母と2人きりの生活が始まると、レンコは生活の変化に順応できず、さまざまな行動を起こすようになる。現在でも女優として活動する田畑智子がオーディションでレンコ役に抜擢され、鮮烈なデビューを飾った本作。両親の別居に揺れる少女の心が躍動感たっぷりに描かれている。そして、父ケンイチには中井貴一、母ナズナには桜田淳子を迎え、現在でも色褪せない魅力を放つ作品に仕上がった。昨年の第80回ヴェネチア国際映画祭では『お引越し』がクラシック部門で最優秀復元映画賞を受賞。再び注目を集め、海外からも人気を呼ぶ本作が、満を持して日本国内で凱旋公開を行うこの機会に、ぜひ映画館に足を運んでみて。

公開日: 12月27日(金)
監督: 相米慎二
出演: 中井貴一、桜田淳子、田畑智子
HP: bitters.co.jp/somaifilm_4k

『占領都市

©︎2023 De Bezette Stad BV and Occupied City Ltd. All Rights Reserved.

運河が流れる「水野都」としても知られ、ヨーロッパ屈指の大都市、オランダのアムステルダム。賑やかな街が第二次世界大戦中の1940年から5年間、ナチス・ドイツの占領下におかれた恐怖の記憶を辿る、4時間11分の大作ドキュメンタリーが完成した。有名なアンネ・フランクをはじめ、この土地から強制収容所に移送された人々は10万人以上にもおよぶという。その惨劇をリアルに伝えるべく、本作ではアーカイブ映像、インタビューによる回想は一切使わず、現在の街から130ヶ所におよぶ「現場」を撮影することで、計り知れない恐怖の日々と現代をシームレスに繋いだ。「二度とこうした歴史を繰り返さないために」と映画化を構想したのは、『それでも夜は明ける』で知られる Steve McQueen (スティーブ・マックイーン) 監督。制作には今最もホットな制作会社 A24 が携わり、圧倒的なスケールと野心に満ちた記念碑的な映画を作り上げた。約80年前の過去と現在との距離を取り払おうとする新たな挑戦と語り継がれるべき過去を、ぜひ見届けてほしい。

公開日: 12月27日(金)
監督: Steve McQueen
HP: transformer.co.jp/senryotoshi/

『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』

©︎ – 2023 – ALVA FILM PRODUCTION SARL – TAKES FILM LLC

フェミニズム活動家、ジョージア人作家 Tamta Melashvili (タムタ・メラシュヴィリ) が手がけた大ヒット小説を映画化。突然動き始めた運命に力強く挑む主人公エテロの姿が愛らしい、異色な青春ドラマ。ジョージアの小さな村に1人で暮らす48歳のエテロは、結婚したいと思ったことは一度もない。自家製のブラックベリージャムと同じくらい、独身の生活を愛していた。しかし、ある日彼女は危険な事故に遭う。人生で初めて死を意識し、突発的に男性との肉体関係を持つと、彼女の人生は大きく変わっていく。人生の後半期に差しかかり、新たな自分を見出していくエテロを演じたのは、舞台を中心に活躍してきたジョージア人俳優 Eka Chavleishvili (エカ・チャブレイシュビリ)。中年女性の葛藤と勇気を、ポップにオフビートに演じきった。変わらない毎日を過ごしていたエテロは、どのような将来を選択するのだろうか。

公開日: 1月3日(金)
監督: Elene Naveriani (エレネ・ナベリアニ)
出演: Eka Chavleishvili、Temiko Chichinadze (テミコ・チチナゼ)
HP: pan-dora.co.jp/blackbird

『私の想う国

©︎Atacama Productions-ARTE France Cinema-Market Chile/2022/

2019年、チリのサンティアゴで発生した大規模な民主化運動をドキュメンタリーの名匠 Patricio Guzman (パトリシオ・グスマン) が鋭い眼差しで捉えた作品。新たな民主化運動の発端となったのは、首都サンティアゴで地下鉄料金の値上げに反対する声。徐々に爆発的なうねりとなり、チリの保守的・家父長的な社会構造を大きく揺るがした。リーダーもイデオロギーもない社会運動の中心にいたのは、若者と女性たち。約150万人もの人々が世の中を突き動かし、2021年には36歳という世界で最も若い大統領を誕生させた。メガホンをとったグスマンは社会主義政権下での活動により約50年間、国外で亡命生活を送っていた。半世紀が過ぎようとしていた頃、祖国の熱狂をカメラに収めるため懐かしき土地に戻ってきた。そこにいたのは、自身の若い頃と同じように理想の国を作っていこうと奮闘するチリの国民たち。これからの母国に期待を寄せ、本作を世界に届ける。

公開日: 12月20日(金)
監督: Patricio Guzman
HP: uplink.co.jp/watashino

『型破りな教室

©︎Pantelion 2.0, LLC

メキシコ・マタモロスの小学校で2011年に起きた実話を描いたドラマ作品。舞台となるのは、麻薬と殺人が日常と化したアメリカとの国境近くの小学校。子供たちは常に犯罪と隣り合わせの環境で育ち、教育設備は常に不足していた。意欲のない教員ばかりで学力は国内最底辺という悪環境に、新人教師のフアレスが訪れる。彼のユニークで型破りな授業は、生徒たちに探求する喜びを教えてくれた。クラス全体の成績は飛躍的に上昇し、10人の生徒が全国上位0.1%のトップクラスに食い込むまでの軌跡を描く。生徒に深く優しく寄り添うフアレス役を務めるのは、『コーダ あいのうた』に続く教師役ながら新たな魅力を発揮する Eugenio Derbez (エウヘニオ・デルベス)。未来を望むことさえしなかった子供たちが1人の大人に出会い、瞳が輝きだす瑞々しい演技に注目してほしい。

公開日: 12月20日(金)
監督: Christopher Zalla (クリストファー・ザラ)
出演: Eugenio Derbez、Daniel Haddad (ダニエル・ハダッド)、 Jennifer Trejo (ジェニファー・トレホ)
HP: katayaburiclass.com

『不思議の国のシドニ

©︎2023 10:15! PRODUCTIONS / LUPA FILM / BOX PRODUCTIONS / FILM IN EVOLUTION / FOURIER FILMS / MIKINO / LES FILMS DU CAMELIA

本作で映し出されるのは、フランス人女性から見た未知の国ニッポン。主人公のフランス人作家シドニは、日本の出版社から招待を受け始めて日本に足を踏み入れる。寡黙な編集者、溝口に案内され、桜の美しい季節に京都、奈良、直島へと旅をしていく。そんな彼女の前に、亡くなった夫アントワーヌの幽霊が現れる。過去を手放し麗らかな希望へと向かう第一歩となる「不思議の国」に迷い込むシドニを軽やかに演じるのは、カンヌ国際映画祭女優賞受賞、アカデミー賞主演女優賞ノミネート歴のあるフランスの名優 Isabelle Huppert (イザベル・ユペール)。全編フランス語で届けられる、愛と再生の物語。

公開日: 12月13日(金)
監督: Elise Girard (エリーズ・ジラール)
出演: Isabelle Huppert、August Diehl (アウグスト・ディール)、伊原剛志
HP: gaga.ne.jp/sidonie

『キノ・ライカ 小さな町の映画館』

©43eparalleleproductions

フィンランドの名匠 Aki Kaurismaki (アキ・カウリスマキ) が仲間と完成させた映画館「キノ・ライカ」を捉えたドキュメンタリー。映画館が存在するのは、北欧フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。深い森と湖と、現在は使用されていない鋳物工場が並ぶ人口9,000人の小さな町に、初めて映画館が誕生する。カウリスマキ自ら釘を打ち、椅子を取り付け、スクリーンを張って完成させた。まるで彼の映画の中の世界のようなその町で、住人たちは映画への期待を語ってくれた。カウリスマキから、映画を愛するすべての者たちへ。「キノ・ライカ」とカルッキラを通して、これからの映画館の可能性を見出していく。本作の監督を務めたのは、クロアチア出身のアーティスト Veljko Vidak (ベリコ・ヴィダク)。映画館開館までの作業を手伝いながら、カウリスマキとその仲間たちの声を1年かけて拾い上げた。カウリスマキの盟友として知られる Jim Jarmusch (ジム・ジャームッシュ) も登場し、とっておきの秘話を披露。豪華メンバーによる貴重な語りを、ぜひ映画館で体感してみて。

公開日: 12月14日(土)
監督: Veljko Vidak
出演: Aki Kaurismaki、Mika Lätti (ミカ・ラッティ)、Jim Jarmusch
HP: eurospace.co.jp/KinoLaika

大きな家

©︎CHOCOLATE

齊藤工による企画・プロデュースのもと、『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』の竹内亮監督の最新作。東京のとある児童養護施設を舞台に、そこで暮らす子どもたちの日常に密着した。本作に登場するのは、死別、病気、虐待、経済問題など、さまざまな事情から親と離れて暮らす子どもたち。血のつながりのない職員、他の子どもたちと生活をともにしている。家族とも他人とも言い切れない繋がりのなかで、両親への思いや周囲の人間との関係、施設を出た後の暮らしなど、さまざまな葛藤を抱えながら成長していく様子を、あたたかい眼差しで映し出した。竹内が捉えるのは、彼らにとっては毎日の出来事でありながら、いつか終わりを迎える大切な日々の景色。そんな彼らに寄り添うように、アコースティックデュオ・ハンバート ハンバートが主題歌を手がけた。本作は配信、パッケージ化を行わない予定。劇場に足を運べば、あなたの「ふつう」を少し広げてくれるかもしれない。

公開日: 12月6日(金)
監督: 竹林亮
HP: bighome-cinema.com

『ザ・バイクライダーズ

©︎2024 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

ハリウッドの豪華スター陣が初共演を果たした話題作が、ついに日本上陸。1960年代にアメリカ・シカゴに実在したモーターサイクルクラブから着想を得た本作。モデルとなったのは、アメリカの写真家 Danny Lyon (ダニー・ライオン) が60年代のバイカー集団「Outlaws Motorcycle Club (アウトローズ・モータサイクル・クラブ)」の日常を描写した、本作タイトルと同名のファースト写真集だ。バイクを愛するアウトサイダーたちの唯一の居場所であるクラブは、予測不可能な形へと変貌していき、邪悪な犯罪組織へと発展していく。彼らの辿った反抗的な文化と、今では伝説となったモーターサイクルクラブの栄枯盛衰を描く。本作のストーリーテラーであるキャシー役には Jodie Comer (ジョディ・カマー)、異彩を放つベニー役には『エルヴィス』、『デューン 砂の惑星 PART2』などの Austin Butler (オースティン・バトラー)、カリスマ的リーダーのジョニー役には『マッド・マックス 怒りのデスロード』で知られる Tom Hardy (トム・ハーディ) など、錚々たる顔ぶれが集結。リアルな演出はさることながら儚さをも携えて、バイク映画の歴史に残る一作が誕生した。

公開日: 11月29日(金)
監督: Jeff Nichols (ジェフ・ニコルズ)
出演: Austin Butler、Jodie Comer、Tom Hardy
HP: the-bikeriders

『山逢いのホテルで

©︎GoldenEggProduction | Paraíso Production | Fox the Fox 2023

アルプスの山間に実在するホテルを舞台に、献身的な愛と現実逃避の夢の間で揺れる大人のラブストーリー。スイスの壮大な山脈に囲まれた小さな町で、障がいのある息子を1人で育てるクローディーヌ。仕立て屋を切り盛りする傍ら、毎週火曜日に山間のリゾートホテルで一人旅の男性客を選んでは、その場限りのアヴァンチュールを楽しむというもう一つの顔を持っていた。そんな中現れたとある男性との出逢いが、彼女の日常を大きく揺さぶることになる。本作で長編監督として華々しくデビューを果たしたのは、ファッションデザイナーとして活躍した経歴を持つ Maxime Rappaz (マキシム・ラッパズ)。繊細な眼差しで俳優たちの魅力を掬い取り、時間をかけて感情の変化を紡ぎ出す演出に、長編デビューとは思えない手腕を発揮。さらに、スイスの荘厳な自然と美しいホテルが、まるで絵画のような映像美を届ける。息子への母性と恋心の間で揺れるクローディーヌが最後に選んだ道を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。

公開日: 11月29日(金)
監督: Maxime Rappaz
出演: Jeanne Balibar (ジャンヌ・バリバール)、Thomas Sarbacher (トーマス・サーバッハー)、Pierre-Antoine Dubey (ピエール=アントワーヌ・デュベ)
HP: mimosafilms.com/letmego

『Back to Black エイミーのすべて』

©︎2024 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

27歳の若さで早逝した稀代の歌姫 Amy Winehouse (エイミー・ワインハウス) の知られざる素顔に迫る音楽伝記映画。21世紀を代表するアーティストの1人と世界的に称賛された彼女が、ロンドン中心部カムデン・タウンで過ごしたアーティスト初期から大ヒットアルバム「バック・トゥ・ブラック」を発表しグラミー賞5部門受賞、一躍世界的スターの地位を獲得するまでのストーリー。本作のタイトルにも引用された「バック・トゥ・ブラック」は、パブで出会ったブレイクとの失恋を歌った曲。エイミーとブレイクは出会ってすぐに恋に落ちたが、彼は元カノと再び付き合い破局。そのショックから酒とドラッグに手を出し、エイミーは転落していくのであった。天賦の才能に恵まれながらも波乱に満ちた愛に苦悩した等身大の姿を描く。エイミーを演じるのはイギリス出身の女優 Marisa Abela (マリサ・アベラ)。そして「Rehab (リハブ)」や「Tears dry on their own (ティアーズ・ドライ・オン・ゼア・オウン)」など、エイミーの代表曲が多数登場。まるでライブのような臨場感を堪能してほしい。

公開日: 11月22日(金)
監督: Sam Taylor-Johnson (サム・テイラー=ジョンソン)
出演: Marisa Abela (マリサ・アベラ)、Jack O’Connell (ジャック・オコンネル)、Eddie Marsan (エディ・マーサン)
HP: btb-movie.com

『アット・ザ・ベンチ』

©︎2024 Yoshiyuki Okuyama/Spoon Inc, All Rights Reserved.

ポカリスエットの広告や米津玄師の MV などで知られる映像監督・写真家の奥山由之が自主制作した、全5編のオムニバスムービー。第2編の脚本には8人組ユニット・ダウ90000の蓮見翔が、キャストには広瀬すず、仲野太賀、今田美桜、吉岡里帆、神木隆之介など錚々たる顔ぶれが集結。川沿いの芝生の真ん中にぽつんと置かれたベンチを巡って、訪れるさまざまな人たちの日常を写し出す。別れ話をするカップルとそこに割り込む男性、家出をした姉と、姉を探しにきた妹や、ベンチの撤去を計画する役所の職員たち。繰り広げられる等身大の会話は、まるで我々の日常の延長線上にあるかのようだ。また、本作は過去に動画配信プラットフォーム Vimeo (ヴィメオ) にて第1編、第2編が無料公開され反響を呼び、今回新たに3本のショートムービーが制作された。心地よい温度感と小さな違和感の調和を、スクリーンで楽しんでほしい。

公開日: 11月15日(金)
監督: 奥山由之
出演: 広瀬すず、仲野太賀、岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々、今田美桜、森七菜、草彅剛、吉岡里帆、神木隆之介
HP: spoon-inc.co.jp/at-the-bench

『動物界』

©2023 NORD-OUEST FILMS – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA – ARTEMIS PRODUCTIONS

日本でも話題となった『落下の解剖学』を凌ぎ、フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞でさいた12部門ノミネートを果たした衝撃作。舞台は、人間の身体が徐々に動物化していく奇病が流行している近未来。突然変異によって生まれ変わった「新生物」は凶暴で施設に隔離されてしまう。主人公フランソワの妻ラナもその1人であった。ある日、移送中の事故により「新生物」が野に放たれ、フランソワと息子エミールはラナを探すが、次第にエミールにも変化が訪れて……。ファースト・シーンから観客を釘付けにする本作は、本国フランスでは観客動員100万人を超えるスマッシュヒットを記録。人種差別、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包するかつてないアニマライズ・スリラーが観る者を未知の世界へと誘う。

公開日: 11月8日(金)
監督: Thomas Cailley (トマ・カイエ)
出演: Romain Duris (ロマン・デュリス)、Paul Kircher (ポール・キルシェ)、Adele Exarchopoulos (アデル・エグザルコプロス)
HP: animal-kingdom.jp

『ぼくのお日さま』

©2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS

舞台となるのは、雪の降り積もる田舎町。テレビドラマ「天狗の台所」で知られる越山敬達が小学六年生のタクヤを、本作で演技デビューを果たす中西希亜良がさくらを演じ、夢を諦めた荒川の役を池松壮亮が務める。吃音のあるタクヤはアイスホッケーが苦手で、練習中に怪我をしたある日、フィギュアスケートの練習をする少女・さくらに出会う。氷の上を滑るさくらに一目惚れをしたタクヤだったが、一方さくらはフィギュアスケートのコーチである荒川の存在が気になっている。そして、元フィギュアスケートの選手であり、恋人の住む街に引っ越してきた荒川は、タクヤの恋心に気づき、練習の面倒を見始める。3人の関係が深まるにつれて、街の雪が解けていく。美しい銀世界と主題歌であるハンバートハンバートの「ぼくのお日さま」がマッチし、登場人物たちを柔らかく包み込むような瑞々しい映画が完成した。2024年・第77回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション部門へ日本から唯一出品され、現在は世界中が注目する日本の若き才能・奥山大史監督の最新作は見逃せない。

公開日: 9月13日(金)
監督: 奥山大史
出演: 越山敬達、中西希亜良、池松壮亮
HP: bokunoohisama.com

『ナミビアの砂漠』

©2024「ナミビアの砂漠」製作委員会

初監督作品『あみこ』では、若干19歳にして第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に史上最年少で招待され、日本だけでなく世界の映画界に名を轟かせた山中瑶子監督の最新作。そして主演には、現在話題沸騰中の河合優実を抜擢。そして彼女の恋人を演じるのは金子大地と寛一郎で、新進気鋭の俳優らが脇を固める。山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝えたという河合の夢が実現し、若き才能溢れる作品が誕生した。主人公は、やり場のない感情を抱えながら過ごす21歳のカナ。同棲をしている恋人のホンダは献身的だがどこか退屈で、刺激的な恋愛を求めてクリエイターのハヤシに惹かれ始める。やがてその環境の変化に追い詰めれられ、もがき、苦しみ、自分の居場所を見出していく。現代を生きる我々の抱える悩みを圧倒的エネルギーで描き切った青春ドラマが、先の見えない世の中に新しい風を吹き込む。

公開日: 9月6日(金)
監督: 山中瑶子
出演: 河合優実、金子大地、寛一郎
HP: namibia-movie

『ルックバック』

©︎藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会

『チェンソーマン』などで知られる漫画家・藤本タツキが、2021年に「少年ジャンプ+」にてリリースした同名読み切り漫画の劇場アニメ化が決定。本作は、著名なクリエイターをはじめ、数多くの漫画ファンから反響を呼び起こし、「このマンガがすごい!2022」オトコ編第1位にも輝いたことで知られている。そんなファン待望である作品の監督・脚本・キャラクターデザインを務めるのは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』をはじめ数多くの劇場大作に主要スタッフとして携わってきた押山清高。そして、主人公の藤野に声を吹き込むのは、ドラマ「不適切にもほどがある!」や映画『あんのこと』で現在最も注目を浴びる俳優・河合優実で、もう1人の主人公・京本役には『あつい胸騒ぎ』『カムイのうた』で目覚ましい活躍を見せる吉田美月喜を抜擢。クラスからも称賛され、漫画の腕前に自信を持つ小学4年生の藤野と、一方で引きこもりで学校に来られない同い年の京本。正反対な2人の少女が、漫画へのひたむきな思いで繋がり、ある日すべてを転覆させるような事件が起こる。共鳴し合う少女たちの行先を、ぜひ見届けてみて。

公開日: 6月28日(金)
監督: 押山清高
出演: 河合優実、吉田美月喜
HP: lookback-anime.com