今週のTFP的おすすめ映画
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おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
『海賊のフィアンセ』
©1969 Cythère films – Paris
保守的な価値観に抵抗する女性たちを描き続けたアルゼンチン出身の映画作家 Nelly Kaplan (ネリー・カプラン) が、「現代の魔女の物語」として撮りあげた1969年製作の長編劇映画の第1作が上映。マリーと母は保守的な村社会から除け者にされて暮らしてきた。母が亡くなると、マリーは村人たちを相手に売春をするようになる。男たちから稼いだ金で、さして必要のない物を買い続け、彼女のあばら屋は物であふれていく。1950年代末に起きたフランスの映画運動 Nouvelle Vague (ヌーベルバーグ) を支えた俳優のひとりである Bernadette Lafont (ベルナデット・ラフォン) が主演を務め、『穴』の Michel Constantin (ミシェル・コンスタンタン) が共演。撮影は『プレイタイム』の Jean Badal (ジャン・バダル) が手がけ、フランス出身のシンガーソングライター Georges Moustaki (ジョルジュ・ムスタキ) が音楽、伝説的シャンソン歌手 Barbara (バルバラ) が主題歌の歌唱を担当した。現代でも多くの影響を与えている画家 Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) をも驚かせた映画作家 Nelly Kaplan が手がけた本作品。そんな名作が現代のスクリーンにて蘇る。
公開日:12月26日(金)
監督: Nelly Kaplan
出演: Bernadette Lafont、Georges Geret (ジョルジュ・ジェレ)、Henri Czarniak (アンリ・ザルニアック)
HP: nellykaplan
『白の花実』
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
オムニバス映画『21世紀の女の子』の一編『reborn』を手がけ、中編『レイのために』や短編『木が呼んでいる』などの作品で注目を集めた新鋭・坂本悠花里による初の長編監督作品。全寮制の女子高を舞台に、完璧と思われた少女の突然の死をきっかけに、ルームメイトや幼なじみたちの心が揺らいでいく様を、美しい映像と共に繊細に描いたファンタジードラマ。周囲になじめず転校を繰り返してきた少女・杏菜は、静かな森の奥にある全寮制の女子校にたどり着く。そこで、美しく完璧で誰からも好かれる少女・莉花とルームメイトになるが、ほどなくして莉花は自ら命を絶ってしまう。残された日記には、笑顔の裏に潜んでいた苦悩や怒り、痛み、幼なじみの栞との記憶、そして言葉にできなかった思いがつづられていた。杏菜がその日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような魂が現れ、静かに杏菜の中へと入り込んでいく。一方、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた栞もまた、莉花の魂に導かれるように次第に杏菜に歩み寄っていく。主人公・杏菜を演じたのは、サントリー天然水の CM や雑誌のモデルとして活躍する美絽。栞役は、結婚情報誌『ゼクシィ』の15代目 CM ガールを務め、ドラマや映画などでも活躍する池端杏慈。莉花役には、ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』で知られる蒼戸虹子が演じた。若手俳優を取り巻く大人のキャストには、門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫ら実力派がそろっている。少女らが抱く葛藤や心に潜む本音。そんな表には出ない感情を繊細に描いた本作を、ぜひ劇場で見届けて欲しい。
公開日:12月26日(金)
監督: 坂本悠花里
出演: 美絽、池端杏慈、蒼戸虹子
HP: kajitsu
『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』
『アフター・ヤン』『コロンバス』を手掛ける Kogonada (コゴナダ) 監督が、Colin Farrell (コリン・ファレル) と Margot Robbie (マーゴット・ロビー) を主演に迎え、人生をやり直せる不思議なドアに出会った男女が繰り広げる時空旅行を描いたファンタジックなヒューマンドラマが上映。友人の結婚式で知り合ったデヴィッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。デヴィッドが淡い初恋を経験した高校時代や、サラの母親が最期を迎えた場所など、人生のターニングポイントとなった出来事をやり直すことで、ふたりは自分自身や大切な人たちと向き合っていく。『ワンダとダイヤと優しい奴ら』などに出演した名優 Kevin Kline (ケビン・クライン)、テレビドラマ『Fleabag フリーバッグ』の Phoebe Waller-Bridge (フィービー・ウォーラー=ブリッジ) が登場。脚本は『ザ・メニュー』の Seth Reiss (セス・リース) が手掛け、数々のジブリ作品で名曲を生み出してきた音楽家・久石譲が音楽を担当した。ホリデーシーズンを彩る時空旅行を、ぜひスクリーンで堪能してみては。
公開日:12月19日(金)
監督: Kogonada
出演: Margot Robbie、Colin Farrell、Kevin Kline
HP: beautiful-journey
『星と月は天の穴』
©2025「星と月は天の穴」製作委員会
『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本や 『火口のふたり』などの監督作で知られる荒井晴彦が、『花腐し』でもタッグを組んだ綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介による同名小説を映画化。過去の恋愛経験から女を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこじらせる40代の小説家の滑稽で切ない愛の行方を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら描き出す。1969年、妻に逃げられ独身のまま40代を迎えた小説家の矢添克二は、心に空いた穴を埋めるように娼婦の千枝子と体を交え、妻に捨てられた過去を引きずりながら日々をやり過ごしていた。その一方で、誰にも知られたくない自分の秘密にコンプレックスを抱えていることも、彼が恋愛に尻込みする一因となっていた。そんな矢添は、執筆中の恋愛小説の主人公に自分自身を投影して「精神的な愛の可能性」を自問するように探求することを日課にしている。しかしある日、画廊で出会った大学生・瀬川紀子と彼女の粗相をきっかけに、矢添の日常と心は揺れはじめる。本作は、大学生の紀子を咲耶、娼婦の千枝子を田中麗奈が演じ、そのほかに柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子が共演した。恋によって映し出される人間模様と切ない愛の行方をスクリーンで見届けて欲しい。
公開日:12月19日(金)
監督: 荒井晴彦
出演: 綾野剛、咲耶、岬あかり
HP: hoshitsuki
『ヤンヤン 夏の想い出』
©1+2 Seisaku Iinkai
『牯嶺街少年殺人事件』『カップルズ』などで知られる台湾ニューシネマの名匠 Edward Yang (エドワード・ヤン) が、台北に暮らす5人家族にそれぞれ訪れる人生の変化を静かに描いた家族ドラマ。小学生のヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父 NJ と母ミンミン、高校生の姉ティンティン、優しい祖母と一緒に、高級マンションで何不自由ない生活を送っている。幸せを絵に描いたような家族だったが、母の弟の結婚式を境にさまざまなトラブルに見舞われる。祖母は脳卒中で昏睡状態となり、父は初恋の人に再会して心揺らぎ、母は新興宗教に救いを求める。父は倒産の危機に陥った会社の経営を立て直すため、天才的ゲームデザイナーの大田と契約するため日本へ旅立つ。本作には、イッセー尾形がゲームデザイナーの大田役で出演。さらに、Edward Yang 監督は2007年に逝去したため、本作は彼が最後に完成させた長編映画となる。2025年・第78回カンヌ国際映画祭カンヌクラシック部門のオープニング作品として4Kレストア版が上映された。仲睦まじい家族に訪れるトラブルをどのように解決していくのか見ものだ。
公開日:12月19日(金)
監督: Edward Yang
出演: Wu Nien Jen (ウー・ニェンツェン)、Elaine Jin (エレイン・チン)、イッセー尾形
HP:yi-yi
『トポロジー・オブ・セイレーン』
ロサンゼルスを拠点とする新世代の映画制作者集団「Omnes Films (オムネス・フィルムズ)」の創設メンバーである Jonathan Davis (ジョナサン・デイヴィス) が監督・脚本・製作を務め、アマチュア音楽家がカセットテープに収録された音に誘われ不思議な旅をする姿を描いた作品。学術助手でアマチュア音楽家のキャスは、叔母の寝室で謎めいたラベルが貼られたマイクロカセットテープを見つける。そのテープには、日常的な物の音から抽象的なサウンドスケープまで、暗号のような録音が収められていた。キャスはその音に誘われるように、未知の緑豊かなカリフォルニアの風景をめぐっていく。『クリスマス・イブ・イン・ミラーズ・ポイント』の Tyler Taormina (タイラー・タオルミーナ) 監督が製作に名を連ね、『さよならはスローボールで』の Carson Lund (カーソン・ランド) 監督が撮影・編集を担当。圧巻の映像美と自然の情景を彷彿とさせる音楽が観る者の心をぐっと惹き込む。
公開日:12月19日(金)
監督: Jonathan Davis
出演: Courtney Stephens (コートニー・スティーブンス)、Sarah Davachi (サラ・ダヴァチ)、Whitney Johnson (ホイットニー・ジョンソン)
HP: omnes-films
『エディントンへようこそ』
©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.
『ミッドサマー』などの監督作品で知られる Ari Aster (アリ・アスター) 監督が、『ボーはおそれている』に続いて個性派俳優の Joaquin Phoenix (ホアキン・フェニックス) を主演に迎え、コロナ禍でロックダウンされた小さな町の選挙戦が全米を巻き込む大事件へと発展していく様子を描いたスリラー映画。2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントンでは、コロナ禍のロックダウンにより息苦しい隔離生活を強いられ、住民たちの不満と不安は爆発寸前に陥っていた。そんな中、町の保安官ジョーは、IT企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突如として市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲へと燃え広がり、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上する事態となる。一方、ジョーの妻ルイーズはカルト集団の教祖ヴァーノンの扇動動画に心を奪われ、陰謀論にのめりこむ。エディントンの町は破滅の淵へと突き進んでいく。保安官ジョーをJoaquin Phoenix、市長テッドを Pedro Pascal (ペドロ・パスカル) が務め、ジョーの妻ルイーズを Emma Stone (エマ・ストーン)、カルト集団の教祖ヴァーノンを Austin Butler (オースティン・バトラー) がそれぞれ演じた。批判と陰謀が真実を包み隠す本作品をぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日:12月12日(金)
監督: Ari Aster
出演: Joaquin Phoenix、Pedro Pascal、Emma Stone
HP: eddington
『THE END (ジ・エンド)』
©Felix Dickinson courtesy NEON ©courtesy NEON
ドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』『ルック・オブ・サイレンス』で世界的に注目を集めた Joshua Oppenheimer (ジョシュア・オッペンハイマー) 監督が、アカデミー賞を受賞したこともある俳優 Tilda Swinton (ティルダ・スウィントン) を主演に迎え、終末後の世界を舞台に描いたミュージカル映画。環境破壊により人類が地上に暮らせなくなってから25年が経った地球。ある日、豪華な地下シェルターで暮らす富裕層のアメリカ人家族のもとに、外の世界からやって来た若い女性が現れる。この出来事をきっかけに、これまで孤立しながらもルーティンを守って暮らしてきた家族の脆い日常が静かに崩れはじめ、やがて自らの過去と存在の真実に対峙することになる。本作のプロデューサーも務める Tilda Swinton が母親役、『1917 命をかけた伝令』の George MacKay (ジョージ・マッケイ) が息子役、『マン・オブ・スティール』の Michael Shannon (マイケル・シャノン) が父親役で出演し、それぞれ劇中で歌声を披露。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などの脚本家 Rasmus Heisterberg (ラスムス・ハイスタバーグ) が Joshua Oppenheimer 監督と共同で脚本を手がけた。視覚だけではなく聴覚でも楽しめる日常が静かに崩れる姿を描いたミュージカル映画が、スクリーンにて世界の終末を映し出す。
公開日:12月12日(金)
監督: Joshua Oppenheimer
出演: Tilda Swinton、George MacKay、Moses Ingram (モーゼス・イングラム)
HP: theend
『小川のほとりで』
©2024Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
韓国の名匠 Hong Sang-Soo (ホン・サンス) が、ソウルの女子大学を舞台に演劇祭をめぐる学生と大人たちの恋愛模様を描いた群像劇。演劇祭が間近に迫ったソウルの女子大学。講師として働くテキスタイルアーティストのジョニムは、校内で起きた恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、有名俳優で舞台演出も手がける叔父シオンを臨時の演出家として招く。演劇祭に向けて寸劇作りが始まるが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が起こる。Hong Sang-Soo 監督の公私にわたるパートナーである俳優 Kim Min-Hee (キム・ミニ) がジョニム役で主演を務め、2024年・第77回ロカルノ国際映画祭で最優秀演技賞を受賞。共演にも Hong Sang-Soo 監督作の常連俳優が集結し、ジョニムの叔父シオンを『WALK UP』のKwon Hae-Hyo (クォン・ヘヒョ)、シオンを慕う大学教授を『あなたの顔の前に』の Cho Yunhee (チョ・ユニ)が務め、三股をかけてクビになった演出家を『旅人の必需品』の Ha Seong-guk (ハ・ソングク) がそれぞれ演じた。Hong Sang-Soo 監督のデビュー30周年を記念して5カ月連続で新作を上映する企画「月刊ホン・サンス」の第2弾作品として劇場公開。韓国の名匠が描く没入感のある人間模様をその目で収めてみては。
公開日:12月13日(土)
監督: Hong Sang-Soo
出演: Kim Min-Hee、Kwon Hae-Hyo、Cho Yunhee
HP: gekkan-hongsangsoo
『プラハの春 不屈のラジオ報道』
©Dawson films, Wandal production, Český rozhlas, Česká televize, RTVS – Rozhlas a televizia Slovenska, Barrandov Studio, innogy
チェコ共和国とスロバキア共和国が独立する前の国、チェコスロバキアにて1968年に起こった民主化運動「プラハの春」。市民に真実を伝え続けたラジオ局員たちの奮闘を、実話をもとに描いた作品。チェコスロバキア国営ラジオ局の国際報道部は、社会主義国家の政府による検閲に抵抗し、自由な報道を目指して活動している。中央通信局で働くトマーシュは、上司からの命令により報道部で働くことに。それは、学生運動に参加している弟パーヤを見逃す代わりに、報道部と同部長のヴァイナーを監視する国家保安部への協力を強いるものだった。やがて報道部で信頼を得たトマーシュは、さまざまな仕事を任せられるようになる。真実を報道しようとするヴァイナーや局員たちの真摯な姿勢に触れ、弟への思いと良心の呵責との間で葛藤するトマーシュ。そんな中、民主化運動による「プラハの春」が訪れ、国民が歓喜する中、トマーシュは驚くべきある内容をラジオで報道するよう命じられる。チェコとスロバキア両国の映画賞で多数の賞を受賞し、第97回アカデミー賞国際長編映画部門のチェコ代表作品にも選出された本作品。反骨精神を持ち、悩みや葛藤のある中で見出す自由の美学に触れてみてほしい。
公開日:12月12日(金)
監督: Jiri Madl (イジー・マードル)
出演: Vojtech Vodochodsky (ボイチェフ・ボドホツキー)、Stanislav Majer (スタニスラフ・マイエル)、Tatiana Pauhofova (タチアナ・パウホーフォバー)
HP: pragueradiomovie
『殺し屋のプロット』
©2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
1989年の初代の『バットマン』で主演を演じたベテラン俳優 Michael Keaton (マイケル・キートン) が監督・主演・製作を務め、記憶を失いつつある老ヒットマンが完全犯罪に挑む姿を描いた犯罪ノワール。2つの博士号を持ち、元陸軍偵察部隊の将校という異色の経歴を持つ殺し屋ジョン・ノックスが、急速に記憶を失う病により、殺し屋稼業に終止符を打つ決意を固める。その矢先、長年絶縁状態だった息子のマイルズが現れ、娘をレイプした男を殺したことを告白される。ノックスは、その殺人の罪を隠してほしいと涙ながらに懇願してくる息子のため、刻一刻と記憶を失う中で人生最後の完全犯罪に挑む。本作は、主人公ノックス役を Michael Keaton が演じるほか、ノックスの盟友ゼイヴィア役を名優 Al Pacino (アル・パチーノ)、元妻のルビー役を『ポロック 2人だけのアトリエ』でアカデミー賞を受賞した Marcia Gay Harden (マーシャ・ゲイ・ハーデン)、息子のマイルズ役を『X-MEN』にも出演していた James Marsden (ジェームズ・マースデン) が務めるなど、豪華キャストがお目見え。記憶が失っていく中、無謀ともいえる計画を実行し、どのようにして完全犯罪を遂行していくのか見ものだ。
公開日:12月5日(金)
監督: Michael Keaton
出演: Michael Keaton、James Marsden、Suzy Nakamura (スージー・ナカムラ)
HP: kga-movie
『北の食景』
©Northern Food Story Film Partners 2024
北海道を舞台に、4人の料理人と北国の四季が織りなす食の物語を追ったフードドキュメンタリー映画。札幌のフレンチ「ラ・サンテ」の高橋毅シェフは、生産者との信頼関係をもとに、ホワイトアスパラガスや足寄町・石田めん羊牧場のミルクラムなどの名産品を一皿へと昇華させる。栗山町の日本料理店「味道広路」では、酒井夫妻が郷土の知恵と温もりを受け継ぎ、日本のもてなしの心を次世代へと伝播させた。循環型レストラン「アグリケープ」では、自ら農園を営む吉田夏織シェフが畑と厨房を往復し、自然と調和する料理を四季折々に生み出している。監督は、北海道を舞台にした映画やドキュメンタリーも手がけ、札幌出身の映像ディレクターである上杉哲也。本作では、料理人と生産者、土地と季節が交錯する日々を淡々と切り取り、一皿の料理に込められた時間や思いを映し出す。北国の自然の豊かさや人間関係、そして4人の料理人が抱える葛藤などを描いた本作をぜひ見届けてほしい。
公開日:12月5日(金)
監督: 上杉哲也
出演: 髙橋毅、吉田夏織、川崎純之亮
HP: northernfood
『夢と創造の果てに ジョン・レノン最後の詩』
©2025 BORROWED TIME THE MOVIE LIMITED
1980年12月に悲劇的な死を遂げた John Lennon (ジョン・レノン) の最後の10年間に焦点を当てたドキュメンタリー映画が誕生。1969年3月に日本人アーティストであるオノ・ヨーコと結婚後、世界的ロックバンド「The Beatles (ザ・ビートルズ)」を脱退した John Lennon。その後も革新的な音楽を生み出す一方で、平和活動家として反戦運動の最前線に立ち、独自の道を歩んだ。1980年には本格的な音楽制作を再開し、5年ぶりとなるアルバム『ダブル・ファンタジー』を制作。カムバックツアーの計画の最中、アルバムリリース翌月の12月8日、帰宅時に射殺されてしまう。本作では、貴重なアーカイブ映像をふんだんに盛り込みながら、『ダブル・ファンタジー』制作のため秘密裏に集められたミュージシャンやスタッフ、ジョンが射殺された当日に彼をインタビューしたジャーナリストなど、彼の行動の裏に隠された真実を赤裸々に語る。実現しなかったカムバックツアーの詳細や、 John Lennon とオノ・ヨーコの出会いと夫婦生活の全貌、夫妻の個人秘書であり、1年半もの間愛人関係でもあった May Pang (メイ・パン) との「失われた週末」、Paul McCartney (ポール・マッカートニー) との法廷闘争の裏話などについても明らかに。彼の人生を表すドキュメンタリー映画が、現代のスクリーンに映し出される。
公開日:12月5日(金)
監督: Alan Parker (アラン・パーカー)
出演: John Lennon、George Harrison (ジョージ・ハリスン)、Ringo Starr (リンゴ・スター)
HP: beatles-filmselection
『Ryuichi Sakamoto: Diaries』
©“Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners
2023年3月に他界した世界的音楽家・坂本龍一の最後の三年半の軌跡を辿ったドキュメンタリー映画が誕生。2024年に NHK で放送され大きな反響を呼んだドキュメンタリー番組『Last Days 坂本龍一 最期の日々』をベースに、未完成の音楽や秘蔵映像など、本作でしか見れない新たな要素が追加された。日本を代表する作曲家・編曲家・ピアニスト・音楽プロデューサーである坂本龍一は、音楽のみならずアート・映像・文学などさまざまなカルチャーに触れ、多彩な表現活動を続けてきた。そんな彼が、目にしたものや耳にした音をさまざまな形式で記録し続けた日記を軸に、貴重なプライベート映像やポートレートなども公開。ガンに罹患して亡くなるまでの闘病生活と、その中で行われた創作活動を振り返る。本作では、日々の何気ないつぶやき、自身の死に対する苦悩や葛藤、音楽を深く思考する言葉の数々が記された日記を通じて、希代の音楽家・坂本龍一が人生とどのように向き合い、何を残そうとしたのかに迫る。日記の朗読には、坂本龍一と親交の深かったダンサー・俳優の田中泯が担当。人生をかけて追い求めてきた理想の音を生み出すべく情熱を注いだ最後の日々を、晩年の彼が感銘を受けた美しい自然の音や風景と共にスクリーンに映し出す。死してなお、坂本龍一という存在が大きな影響を与え、私たちの耳と心の奥で生き続けるだろう。
公開日:11月28日(金)
監督: 大森健生
出演: 坂本龍一
HP: ryuichisakamoto-diaries
『クリスマス・イブ・イン・ミラーズ・ポイント』
©2024 Millers Point Film LLC. All rights reserved.
ロサンゼルスを拠点とする新世代の映画制作者集団「Omnes Films (オムネス・フィルムズ)」に所属し、『ハム・オン・ライ』『ハッパーズ・コメット』で高く評価された Tyler Taormina (タイラー・タオルミーナ) が、独自の映像感覚で撮りあげたクリスマス映画。同じ家族でも年齢、性別の異なるさまざまな境遇を持つ登場人物たちが織りなす断片的なエピソードを、詩情豊かな映像表現で描いた。物語の舞台となるのはクリスマスイブの夜。小さな町のとある家に、バルサーノ家の4世代の人々が集まった。陽気に飲み語らう大人たちから、賑やかな祝宴に夢中になる子供たち。その中で、エミリーとミシェルはこっそり家を抜けだし、郊外の雪景色を自分たちの反抗の舞台に変えていく。出演は『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』の Michael Cera (マイケル・セラ) や、子役の頃から活躍している Elsie Fisher (エルシー・フィッシャー)。さらに、名匠 Steven Spielberg (スティーブン・スピルバーグ) の息子 Sawyer Spielberg (ソーヤー・スピルバーグ) などの個性豊かな俳優が登場する。この冬を鮮やかに彩る型破りなホリデームービーを、ぜひスクリーンで味わってほしい。
公開日:11月21日(金)
監督: Tyler Taormina
出演: Matilda Fleming (マチルダ・フレミング)、Maria Dizzia (マリア・ディッツィア)、Ben Shenkman (ベン・シェンクマン)
HP: christmas-eve-in-millers-point
『レッツ・ゲット・ロスト』
©1988-little bear films, inc. all rights reserved.
ウエスト・コースト・ジャズの代表的存在として知られる伝説のジャズミュージシャンChet Baker (チェット・ベイカー) の晩年の姿をとらえたドキュメンタリー映画。Chet Baker は、ジャズミュージシャン Charles Parker (チャーリー・パーカー) や Gerry Mulligan (ジェリー・マリガン) との共演で注目を集め、クールなトランペット・プレイと甘い歌声、端正なルックスで人気を博した。本作では、多くの女性との関係や三度の結婚、さらにはドラッグに溺れて逮捕・服役を繰り返した実像など、彼の死を含む私生活までも赤裸々に描かれた。監督を務めるのは、Calvin Klein (カルバン・クライン) や RALPH LAUREN (ラルフ・ローレン) の広告写真を手がけた写真家 Bruce Weber (ブルース・ウェバー)。1950年代から心を奪われてきたという憧れのスターを、ロマンティックな少年の視線で映し出す。ファッション界に革新をもたらした Bruce Weber ならではの美学が、Chet Baker という永遠のアイコンに新たな光を当てている。4Kレストア版にてリバイバル上映される本作は、Chet Baker という孤高のミュージシャンの魅力と哀しみを、美しい映像で鮮やかに蘇らせる。
公開日:11月21日(金)
監督: Bruce Weber
出演: Chet Baker、Cherry Vanilla (チェリー・バニラ)、Lisa Marie (リサ・マリー)
HP: letsgetlost4k
『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』
©︎2024 Crow’s Nest Productions Limited
第二次世界大戦下、ヒトラーが猛威を振るうナチスで、スパイ活動に身を投じた牧師がいた。ドイツ人牧師ディートリヒ・ボンヘッファーの殉教から80年が経った今、その壮絶な人生が明らかになる。1933年、ヒトラーが最初にドイツ国内で掌握したのは教会だったという。独裁者を神のように崇拝する聖職者が続々と現れ、ボンヘッファーは危機感を抱く。彼は教会という聖域を守るためスパイとなり、ユダヤ人の大虐殺を行うナチス政権を崩壊させるためのスパイになることを決意。信仰と信念を貫き、命をかけて闘うボンヘッファーに、究極の運命が待ち受けていた。「20世紀を代表するキリスト教神学者の一人」と呼ばれる彼は、いかにしてヒトラー暗殺の共謀者へと生まれ変わったのだろうか。勤勉なキリスト教徒であり、そして抵抗運動の闘士として生きたボンヘッファーの39年間という濃い生き様を通して、英雄の知られざる人生を浮かび上がらせていく。自らの命を犠牲にし、多くの命を救った彼の姿を、スクリーンで見届けてほしい。
公開日: 11月7日(金)
監督: Todd Komarnicki (トッド・コマーニキ)
出演: Jonas Dassler (ヨナス・ダスラー)、August Diehl (アウグスト・ディール)、Moritz Bleibtreu (モーリッツ・ブライブトロイ)
HP: hark3.com/bonhoeffer











