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おすすめ展覧会
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
ジャン=リュック・ゴダール 「感情、表微、情念 ゴダールの『イメージの本』について」

映画史を革新し続けた巨匠、Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール)。映画監督として、『勝手にしやがれ』(60)『気狂いピエロ』(65)など数々の名作を生み出してきた。本展は、晩年に至るまで実験的な映画製作を続けた彼の、革新的な映像表現に迫る日本初の展覧会となる。展示されるのは、Jean-Luc Godard 最後の長編映画であり、カンヌ映画祭でパルム・ドールを超越する賞として、映画祭史上初の「スペシャル・パルムドール」を受賞した『イメージの本』(2018)を映像インスタレーションとして再構成したもの。断片的な映像や音を通して、観客が自由に意味を読み解くゴダール特有の映像世界が立体的に展開される。本展のキュレーションを手掛けたのは、ゴダール作品の後期において映像・音響・編集を担い、右腕としても歩んできたスイスの映画作家、Fabrice Aragno (ファブリス・アラーニョ)。彼自身の編集によって、『イメージの本』はインスタレーションとして新たな息吹を吹き込まれている。ゴダールの映画作品の表現をひも解く展覧会。お近くに立ち寄った際は、ぜひ足を運んでほしい。
場所: 王城ビル
住所: 新宿区歌舞伎町1-13-2
会期: 7月4日(金)~8月31日(日)
時間: 12:00-20:00 *入場は閉館の30分前まで
入場料: 一般 ¥2,200 (¥2,000)、大学生・障害者 ¥1,500 (¥1,300)、中・高校生 ¥1,000 (¥800) 、小学生以下 無料
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横山裕一 「ザザザザザ」

横山裕一は、現代美術家としても活動する漫画家。疾走感のある描線やオノマトペを用いたスタイルが特徴的な作品は、「ネオ漫画」と称され、国内外で人気を博している。本展「ザザザザザ」は、これまでに発表された漫画作品集『カラー土木』、『ロワ』、『アイスランド』の中から、水を彷彿とさせるオノマトペに着目。いくつかのエピソードやページをセレクトし、新たな視点から再構成し、展示を実施する。断片やループとしても読めるページの連なりによって構成された本展では、音を媒介に作品同士がゆるやかにつながり合う。絵が動き出し、次から次へとコマが進んでいくような、横山作品ならではの読解体験とともに、自然の様相を言葉でとらえ、表出させることの純粋な楽しさを提起する。8月23日(土)には、同漫画家と親交の深い美術家の西武アキラによるワークショップも開催予定。
場所: agnès b. galerie boutique
住所: 東京都港区南⻘山 5-7-25 ラ・フルール南⻘山
会期: 7月11日(金)~8月31日(日)
休館日: 月 *7月21日(月)、8月11日(月)を除く
時間: 12:00-19:00
HP: www.agnesb.co.jp
ジュリアン・シャリエール 「Midnight Zone」

スイス出身で、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動する作家 Julian Charrière (ジュリアン・シャリエール)。パフォーマンス、彫刻、写真、映像などを用いたプロジェクトは、火山、氷原、放射性地域などの地球物理学的に特徴あるスポットでのフィールドワークから創作されている。彼が生み出す作品が問いかけるのは、人間が自然界をどのように想像し、どのように住まうのかということだ。本展では、アーティスト自身が水中ドローンを駆使し、海中を捉えた映像作品「Midnight Zone (ミッド・ナイトゾーン)」を展示する。この作品が提起するのは、海洋深部への人間の侵入がもたらす生態系の崩壊。海底やその下の鉱物資源に狙いを定め、深海採掘企業が活動している現状に、作品を通して切り込んでいく。また、そのような人間の侵入が残す痕跡にフォーカスしたシリーズ「Veils (ヴェールズ)」も公開される。本展「Midnight Zone」は、観る者を海洋の深淵への幻視的な旅へ誘ってくれる。
場所: ペロタン東京
住所: 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
会期: 7月9日(水)~8月30日(土)
休館日: 日、月
時間: 11時-19時
HP: quotation.tokyo
平松 麻 「Inner Existence」

オイルペインティングをはじめ、新聞、雑誌、書籍の挿画、執筆なども行う、油彩画家・平松麻。幼い頃から親しんできた根来塗 (ねごろぬり) という漆塗りに着想を得て、自身に内在する雲や土などといった景色を油彩で描き続けてきた。制作において、これまで「不可視の可視化」に重きを置いてきた彼女だが、本展ではその姿勢を反転させ、可視化できるものの不可視化な部分を描き出した。内だけでなく外の時空で触れることができるものをモチーフとして表出させながら、体内風景へと潜る制作の姿勢を投影させた作品群が並ぶ。彼女の新境地を体感できる新作個展では、静謐な絵画世界が醸し出す、経年変化を楽しむことができるはず。
場所: 104GALERIE
住所: 東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCE ビルB1F
会期: 7月12日(土)~8月23日(土)
休館日: 日、祝日、7/21-7/25、8/10-8/17
時間: 11:00-17:00
HP: 104galerie.com
「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」

イタリアを代表する写真家のひとりである Luigi Ghirri (ルイジ・ギッリ)。30歳の頃から本格的に写真制作に取り組み、カラー写真による実験的な表現を追求。イタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスターなど多様な視覚の断片により構成された作品は、多くの人を惹きつける。東京都写真美術館総合開館30周年展にふさわしい本展で紹介されるのは、活動初期の代表作から晩年の作品たち。活動初期の代表作「コダクローム」や「静物」シリーズから、彼が生まれ育ったイタリア北部の都市・レッジョ・エミリアアなど欧州の風景、画家 Giorgio Morandi (ジョルジョ・モランディ)、 建築家 Aldo Rossi (アルド・ロッシ) のアトリエを撮影したシリーズを含む約130 点を展示。写真家として過ごした20年間の軌跡に迫る。
場所: 東京都写真美術館
住所: 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期: 7月3日(木)~9月28日(日)
時間: 10:00~18:00/木・金 10:00~20:00/8/14(木)~9/26(金) 10:00~21:00
HP: https://topmuseum.jp
タカクローム「Do we still belong here?」

本展は、東京を中心に活動する映像作家 takachrome (タカクローム) による初の映像個展。存在の意義とはなにか。誰かに認識されることで初めて現実になる記憶や感情という普遍的なテーマに向き合う本展。takachrome が、少人数での撮影スタイルとアナログフィルムにこだわる表現姿勢を貫き、映像という儚くも力強いメディアを通して、静かに問いを投げかける。上映される『椋鳥 – Grey Starling -』は、俳優の実体験を基に脚本が書かれ、ほぼワンテイクで撮影された短編映画。自己の存在意義を見失った若者たちが山中で地震に遭遇し、孤立した環境の中で心の奥底を露わにしていく姿を16mm フィルムで描いた。また、アートフィルム『Atrophied』は、他者と対峙するときの緊張や萎縮を起点に、そこから生まれる目覚めを表現している。映像を通じて「存在」や「孤独」の本質的な問いと向き合う本作品展。若き才能の渾身作に触れてみて。
場所: DDD ART 苑
住所: 東京都世田谷区代沢4丁目41-12
会期: 6月27日(金)〜7月6日(日)
時間: 水曜日、木曜日、金曜日 14:00-21:00/土曜日、日曜日、祝日 12:00-19:00/最終日 12:00-17:00
HP: dddart.jp/gallery/sono/takachrome
トゥーモノグローム「Ambiguous Intentions」

2023年に東京で発足した Two Monologue (トゥーモノグローム) は、若手から中堅アーティストが所属する芸術団体。アーティストであり、新宿・歌舞伎町に位置するアートスペースのデカメロンにて、キュレーターとディレクターも務める黒瀧紀代士が同団体の会長を担う。東京都内の3会場を舞台に実施される本展は、それぞれ異なる会期と時間の中で行われており、展示という制度のなかで語られることと語られ損ねること、翻訳されることと翻訳されきらないものの間に現れる、微細な揺らぎや構造の綻びに着目した。展覧会で「語られなかった」ものをあえて展示することにより、「語る」という行為に対する新たな応答を導く。全20アーティストが繰り広げる作品展にぜひ足を運んでみて。
場所: (1)Sculputure Center
(2)Sequence,Environment,Neutral.
(3)le gallery
住所: (1)東京都荒川区東日暮里2-10-7 第二コーポ嶋田
(2)東京都墨田区江東橋5-10-5
(3)東京都世田谷区某所個人宅
会期: (1)7月5日(土)~8月31日(日)
(2)8月1日(金)~8月31日(日)
(3)8月13日(水)~8月17日(日)
休廊日: (1)月・火・水
(2)月・火
時間: (1)14:00~20:00
(2)13:00~19:00
(3)予約制
HP: www.instagram.com/twomonologue
「COJI-COJI UNIVERSE COJI-COJI meets YOSHIROTTEN “SUN”」

日本の国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』の作者さくらももこの人気作品”コジコジ”。漫画原作30周年記念した本展では、グラフィックや映像、立体作品などをクリエイションし、ボーダーレスに活躍するアーティスト YOSHIROTTEN (ヨシロットン) とのコラボアートワークを公開。2023年3月にスタートし、国立競技場の巨大インスタレーションが大きな話題をさらったアートプロジェクト「SUN」の世界にコジコジが飛び込む。YOSHIROTTEN による「SUN」に出会ったコジコジが、今まで見たことがない色彩をまとう展覧会になっている。立体作品、365点のデジタル・イメージに端を発する「SUN」モチーフの展示のほか、LED の大型ビジョンなど多岐にわたる展示を実施。本展は、渋谷 PARCO にて開催された後、8月より心斎橋 PARCO に舞台を移す予定だ。誕生30周年を祝した、特別なアート作品を体験してみては。
場所: 渋谷 PARCO 4F
住所: 東京都渋谷区宇田川町15-1
会期: 7月4日(金)~7月28日(月)
時間: 11:00~21:00
HP: art.parco.jp
ヨン・ココ「穴場(II)/Anaba(II)」

©2025 Jon Koko/Vacant
スウェーデン出身のアーティスト Jon Koko (ヨン・ココ) は、2011年の初来日をきっかけに、日本美術や建築への関心を深め、日本文化への関心を探求し続けている。近年では、建築物や車などを主に紙で造形する「建築彫刻」シリーズの制作に力を注ぐ。本展は、2024年に開催された個展の続編となっており、新作の彫刻作品と絵画作品が加わっている。人にはまだ知られていない、よい場所として彼が愛でる「穴場」とは、日常のなかでつい見逃してしまう風景、建築物や乗り物たち。彼のクリエイションによりそれらは、木と和紙の建築彫刻や絵画に仕上げられる。新しい質感をまとったとき、その佇まいから親しみと胸の高鳴りを同時に呼び起こす。日本文化をこよなく愛す、Jon Koko が生み出す風景は、何気ない日々の景色の中に新たな気づきを与えてくれるはずだ。
場所: Vacant/Centre
住所: 東京都渋谷区元代々木町27-6
会期: 6月27日(金)~7月28日(月)
休館日: 火・水・木
時間: 13:00-18:00
HP: vacant.vc
CHANEL NEXUS HALL 「Dressing Up: Pushpamala N」

Pushpamala N (プシュマハラ N) による本展は、アジアの写真家にフォーカスし、紹介するプロジェクトの第2弾。昨年の中国に続き今年は、インド出身の現代アーティスト Pushpamala N (プシュマハラ N) の作品が紹介される。彼女の作品は、現代社会における女性の役割やナショナルアイデンティティの問題を提起していることが特徴。国内初個展となる本展で公開されるのは、インド映画の黄金時代に登場する女性キャラクターへオマージュを込めたビデオ作品たちだ。これらの作品は、伝統と現代性、そして皮肉を交差させながら、インドにおける歴史、ジェンダー観に鋭く切り込む。CHANEL と同アーティストが迫る女性像をぜひ会場で体感してみて。
場所: CHANEL NEXUS HALL
住所: 東京都中央区銀座3丁目5−3 シャネル銀座ビルディング 4階
会期: 6月27日(金)~8月17日(日)
時間: 11:00-19:00
HP: chanel.com
布施琳太郎 「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」

2020年代を代表するアーティスト・布施琳太郎。急速に発達するメディアによって変わりゆく人間の意識や行動、パンデミックによるコミュニケーションのオンライン化などを踏まえつつ、現代における「生」のあり方を作品制作、展覧会などのキュレーションを通じて独自の身体論を展開する。本展では、「自画像」をテーマとした50枚近いドローイング作品、新作絵画、映像作品を紹介。人口知能の記号接地問題、当時者と非当事者の身体、解剖学者の語る「骨と筋肉」、心肺蘇生訓練用の人形「レサシアン」、ロボット工学博士の「不気味の谷」、そしてゲームやアバターなどを着想源にした新たな身体論を目の当たりにすることができる。
場所: SNOW Contemporary
住所: 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
会期: 6月20日(金)~8月2日(土)
休館日: 日・月・火・祝日
時間: 13:00-19:00
HP: snowcontemporary.com
Kazumasa Harada 「My origin photograph」

ファッション雑誌や広告などの撮影を中心に、フリーランスの写真家として活動する原田教正。「My origin photographs」と題した本展では、2023年から2024年にかけてコロナ禍が明けたドイツに滞在しながら撮影した写真と、その帰国後に東京で撮影した新作から厳選した作品を展示、販売。東西の異なる都市で撮影された作品は、観察的視点とオーソドックスな手法により写し出された。それらの作品群を今回、モノクロームとカラーで織り交ぜてエキシビジョン形式で展示。昨年、神戸と福岡で開催された本展だが、飯田橋のアートギャラリー Roll (ロール) のキュレーションにより新しい一面を味わうことができる。その瞬間にしか捉えられないが故の美しさを持つ彼の作品。ぜひ肉眼で楽しんでもらいたい。
場所: Roll
住所: 東京都新宿区揚場町2-12 セントラルコーポラス No.105
会期: 6月22日(日)~7月13日(日)
休廊日: 月曜休館
時間: 13:00-19:00
HP: yf-vg.com
「flotsam zines tour 2025」

東京・代田橋に構える flotsam books (フロットサムブックス) が主催の「flotsam zines tour 2025」。2022年に初めて開催された本企画。今回は総勢150組を超えるアーティストが参加し、日本16箇所を巡回して ZINE の販売をする。本企画のルールは、1年以内に制作されたものであること、販売価格3,000円以内であること、レターパックに入るサイズであること以外特になし。審査も参加費も一切ないため、ZINE 本来の雑多で自由な魅力を直に体感できる。 flotsam books にてスタートし、6月上旬から10月上旬にかけて書店やギャラリー、ショップをツアー形式で巡る予定だ。インディペンデントな集いでは、日本のアートブックシーンを存分に味わえるはず。
場所: flotsam booksから全国各地
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 6月13日(金)~6月15日(日)から巡回
時間: 14:00-20:00
HP: flotsambooks.com
ライアン・ガンダー「ユー・コンプリート・ミー」

イギリス出身の Ryan Gander (ライアン・ガンダー) は、絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーションから建築、出版物や書体、儀式、パフォーマンスに至るまで、幅広く活動するアーティスト。多元的な作品と実践を通して国際的な評価を確立してきた彼は、作家としてのアクションだけでなく、テレビ番組の制作・出演を通じて芸術や文化の普及にも携わっており、現代におけるアーティスト像を更新し続けている。日本国内でも高い人気を誇る彼の作品を一堂にお目にかかれる本展では、日本初公開の新作を含む全18点を展示。なかでも特に注目したいのは、世界的に人気の高い「アニマトロニクス」シリーズである。本シリーズは、幼い子供の声を用いており、彼と子供たちとの間でどのような信頼とコミュニケーションがあるのか、という視点から作品を展開している。また、箱根のポーラ美術館にて開催される本展では、Ryan Gander が生み出した不思議な動物たちと出会うことができる。自然溢れるポーラ美術館にて、Ryan Gander の世界感を存分に楽しんでみて。
場所: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285土
会期: 5月31日(土)~11月30(日)
時間: 9:00-17:00
HP: www.polamuseum.or.jp
斉藤思帆、森岡美樹「Pictura super Pavimentum」

TOGA AOYAMA で定期的に開催される展示プロジェクト「TOGA TRIANGLE」。第8回目の開催となる今回は、アーティスト村田冬実が運営する東京・大井町のギャラリー「18, Murata」とのコラボレーションで、斉藤思帆と森岡美樹による二人展となる。展覧会のテーマは、「Pictura super Pavimentum」というラテン語の言葉に基づいている。この言葉は「床の上の絵画」という意味で、視覚芸術や身体感覚、生活の中での制度、記憶と空間が交わる様子を探ることを目指すという。斉藤は、和紙やアクリル、シルクスクリーンを使った絵画を日常的なアイテム (棚や壁紙、机など) と一緒に展示し、私たちが普段生活している空間に作品が置かれることで生まれる偶然的な効果を表現。一方で森岡は、宗教施設や学校など、特定の場所における身体感覚や記憶に注目し、床という空間の基盤を活かしたインスタレーションを展開する。本展では、絵画が単に壁にかけられるだけでなく、来場者の動きと共に発見され、床の上から視線を向けてくるような展示を実施。展示と日常、作品と空間の関係について新たな視点を提供する場となる。
場所: TOGA AOYAMA
住所: 東京都港区南青山5-3-5 ミル・ロッシュビルB1F
会期: 2025年5月9日 (金)〜7月31日 (木)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
HP: store.toga.jp/blogs/toga-triangle
「周辺・開発・状況 — 現代美術の事情と地勢 —」

本展は会場となる下瀬美術館が2024年に「世界で最も美しい美術館」として「ベルサイユ賞 (ユネスコ本部創設の建築賞)」を受賞した記念に行われる特別企画展。チーフキュレーターには齋藤恵汰、コキュレーターとして松山孝法、李静文、根上陽子が参加し、日本から遠藤薫、⾦理有、久⽊⽥⼤地、鈴⽊操、MADARA MANJI、韓国から Omyo Cho (オミョウ・チョウ)、中国からジェン・テンイ (鄭天依)、インドネシアから Muhamad Gerly (ムハマド・ゲルリ)、ミャンマーから Soe Yu Nwe (ソー・ユ・ノウェ) など、東アジア出身の9組の若手アーティストが日本初公開の作品を発表。展示は、美術館の独特な建築と周辺環境、宮島との関係に焦点を当て、現代美術が地域や地勢とどう交わるかを探求。アーティストたちが場所に応答し、地域との繋がりを感じさせる作品を展示する。
場所: 下瀬美術館
住所: 広島県大竹市晴海2-10-50
会期: 2025年4月26日(土)〜7月21日(月・祝)
時間: 9:30-17:00 (入場は16:30まで)
休館日: 月曜日(祝日の場合は開館)
入場料: 一般¥2000円、高校生・大学生¥1000、中学生以下 無料
HP: simose-museum.jp
名和晃平「Sentient」

名和晃平《Cells in the Grotto》2025、mixed media、455×955×495 mm、photo: Nobutada OMOTE
名和晃平は20年以上にわたり、テクノロジーと生態の変化を反映させた彫刻作品を通じて、物質と記号の関係を探求してきた。彼の作品は、デジタル素材や人工物、自然素材などが組み合わさり、時代や地域を超えた美的概念を提示。彫刻はしばしば可視化されにくい感覚や意識に迫り、記号の意味が揺れ動くことを意図している。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、これらの素材が彫刻と結びつき、物の表面や意味が変化していく様子が描かれている。「意識・感覚のある」という意味を持つ本展「Sentient」では、これらの作品をさらに深く掘り下げ、「物の存在」について新たな視点を提示する。
場所: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 2025年4月22日 (火)〜7月12日 (土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日、月、祝日
入場料: 無料
HP: www.scaithebathhouse.com
ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫 「SATELLITES」

Nicolas Winding Refn and Hideo Kojima Photo Yuji Watanabe “Satellites” by Nicolas Winding Refn with Hideo Kojima Prada Aoyama Tokyo / 18.4 – 25.8.2025
『プッシャー』3部作や『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』で知られる映画監督 Nicolas Winding Refn (ニコラス・ウィンディング・レフン) とゲームクリエイター・小島秀夫による展覧会。クリエイティブスタジオ by NWR によって構想された本展は、二人の10年以上にわたる共同制作を基に、映画とゲームの境界を超えて深い対話を追求している。まず、会場にはミッドセンチュリー風の空間が広がり、友情やクリエイティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマについて深く思索的な対話を交わす。次に第2部として無数のカセットテープが置かれた更衣室が出現。テープにはサウンドバイトや映画のサウンドトラックが収録されており、ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫の対話がさまざまな言語でAI翻訳され、織り交ぜられている。来場者は山積みのテープの中から1つ、テープを持ち帰ることができるという。映画とゲームの未来の融合を暗示する、新しい創造的体験をこの機会に会場で味わってほしい。
場所: プラダ 青山店
住所: 東京都南青山5-2-6
会期: 2025年4月18日 (金)〜8月25日 (月)
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料
「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」

本展のテーマである「未完」とは、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾が一貫して掲げてきた美学に基づいている。1960年代より約60年にわたり、さまざまなスタイルとテーマで数々の作品を生み出してきた横尾は、ひとつの完成形にはとどまらず、常に変貌と挑戦を繰り返してきた。その姿勢は、常に進化を続ける GUCCI の在り方とも響き合う。決して一つの「完成」に安住することなく、常に新しい表現の可能性に挑戦して変貌を重ね、「未完」の「旅」を続けてきた横尾による本展。美術評論家の南雄介によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた横尾作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品が展示される。また、屋上スペースでは、1970年の大阪万博で大きな話題を呼んだ真っ赤な足場のインスタレーションを再現した作品もダイナミックに展開される。
場所: グッチ銀座 ギャラリー
住所: 東京都中央区銀座4丁目4-10 グッチ銀座 7F
会期: 2025年4月23日 (水)〜2025年8月24日(日)予定
時間: 11:00-20:00 *予約優先制
HP: www.gucci.com