【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会
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【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP Recommends Exhibitions
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
※新型コロナウイルスの感染予防の取り組みに関する最新の情報については、各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。
11月19日〜11月25日
イ・カンホ「オブセッション」
本展は、アートディレクター・前田晃伸が神楽坂に新たなスペース PAAMA (パーマ) のオープンを記念して開催されるもの。今回柿落とし展として展示を披露する韓国のデザイナー・アーティストの Kwangho Lee (イ・カンホ) は、スタイロフォーム、ポリ塩化ビニル、鉄、陶土など、多様な日用品を用いながら幅広い表現を用いた家具デザインで知られ、現在韓国のデザインシーンを牽引するデザイナーのひとりだ。本展では、彼のシグネチャースタイルであるロープやケーブルを用いた編み込む作品を紹介。「Obsession (執着)」と名付けられた本シリーズは、カンホの手によって編み込まれ、彼の執着を表すように強烈な存在感を放つ。同展に合わせて、インディペンデントマガジン『TOOMUCH Magazine』の編集チームが制作した展覧会の作品集が発行。前田晃伸が韓国のソンスとハナンにあるカンホのスタジオで撮影した写真や写真家の伊丹豪が東京で撮影したカンホの作品、さらにカンホのエクスクルーシブインタビューも掲載され、世界観を存分に堪能できる。
場所: PAAMA
住所: 東京都新宿区矢来町160-1サクラハウス神楽坂矢来町1F-B
会期: 2024年11月16日 (土)~12月7日 (土)
時間: 13:00-18:00
入場料: 無料
休館日: 日、月、水
IG: www.instagram.com
ニコ・ペレズ「Nowhere Land」
スペイン・マラガ生まれの写真家 Nico Perez (ニコ・ペレズ)。都会から離れ、風や瞬間と一体となって呼吸できる場所、安らぎを感じられる場所を見つける必要があると感じていたことから、穏やかな風と静かな音を探し求めて撮影された本作「Nowhere Land (どこでもない土地)」。自身の内面への反応として撮影された今回の作品は、すべてフィルムカメラで撮影され、一枚一枚丁寧にニコの手でプリントされている。会場では、写真集『Nowhere Land Photo Newspaper』も販売予定。あたたかく、ノスタルジックで、物語を感じさせるようなニコ・ペレズの作品をぜひ会場でご覧になってほしい。
場所: THE BOOK END
住所: 神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302
会期: 2024年11月14日 (木)~12月1日 (日)
時間: 11:00‐18:00
入場料: 無料 *予約制
休廊日: 火曜日、水曜日
HP: the-book-end.com
オリヴィエ・サイヤール CHAUSSEUR ET POÈTE「LES ÉGARÉS」
現在 J.M. WESTON (ジェイエム ウェストン) のアーティスティック・イメージ&カルチャー・ディレクターでありながら、世界的に著名なキュレーターとしても知られる Olivier Saillard (オリヴィエ・サイヤール) による巡回展。彼が本展でフィーチャーするのは、日の目を浴びなかった「プロトタイプ」のシューズたち。本展のタイトル「失われしもの」と題され取り揃えられたシューズは、草案という立場で工場内の箱に仕舞われ、孤独な運命を辿ることに。ラフスケッチのようなそれらにはデザインの軌跡が残され、数ヶ月後、数年後にはフレッシュさを纏って生まれ変わることもある。Olivier Saillard は、まるで忘却の彼方で彷徨っているままのような靴紐、靴底とアッパーに垣間見えるソール用ワックスと、韻を踏んだ詩や散文に共通の要素を見出した。歩くことと夢を見ることは密接な関係にあり、J.M. WESTON は本展を通じて、靴職人は詩人のようであるというメッセージを伝えている。毎シーズンのコレクション制作の中で、一度は見捨てられたシューズたちが新たな命が吹き込まれる瞬間を、ぜひその目で確かめてみてはいかが。
場所: J.M. WESTON 青山店
住所: 港区南青山5-11-5 住友南青山ビル 1階
会期: 2024年11月2日 (土)〜年末頃迄
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料
休館日: なし
HP: jmweston.jp
ウェイド・ガイトン「Thirteen Paintings」
現在ニューヨークを拠点に活動している Wade Guyton (ウェイド・ガイトン)。創作に用いるメディアと素材は、写真や彫刻、映像、書籍、紙に描いたドローイングなど多岐にわたり、厳密なコンセプトに基づく作品を手がけている。最も知られているのは、大型キャンバスにインクジェットプリンターを使って制作した作品であり、モノクロのイメージ、炎、「X」や「U」の文字、『ニューヨーク·タイムズ』のウェブページといった象徴的なモチーフが繰り返し登場する。ガイトンとその作品はデジタル時代の到来をめぐる芸術議論において重要な役割を果たしている。アーティストにとって初の日本での展覧会となる本展では、2022年に製作された13点のパネルからなる大判絵画作品「Untitled」を展示。これらは制作途中の作品から滴るインクやプリントの際に生じるズレなどのイメージも作品の構成要素となっている。ウェイド・ガイトンの作品を実際にご覧になってほしい。
場所: エスパス ルイ·ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ·ヴィトン表参道ビル7階
会期: 2024年10月31日 (木)〜2025年3月16日 (日)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
休館日: ルイ·ヴィトン 表参道店に準ずる
HP: www.espacelouisvuittontokyo.com
ジル・ファーマノフスキー、河村康輔「Oasis Origin + Reconstruction」
本展は、再結成が発表されたUKロックンロール・バンド Oasis (オアシス) をモチーフに、1994年以降長きに渡り彼らを撮り続けた写真家 Jill Furmanovsky (ジル・ファーマノフスキー) とコラージュアーティスト・グラフィックデザイナー河村康輔による企画展。会場はジルが撮影した Oasis のドキュメンタリー写真と、Oasis のロゴやアルバムジャケット、ポートレート写真などを大胆に再構築した河村康輔によるコラージュ作品にて構成される。ジルは、Paul McCartney (ポール・マッカートニー) をはじめ、Pink Floyd (ピンク・フロイド)、Stevie Wonder (スティーヴィー・ワンダー) など、数々の著名アーティストを撮影してきた。そんな彼女にとっても、1994年から2009年にかけて撮影したオアシスのドキュメンタリー写真は、自身の最高傑作と位置付けている。河村康輔は「大友克洋GENGA展」のメインビジュアルや『AKIRA』を使用したコラージュ作品の制作、ユニクロUTのクリエイティブ・ディレクター就任など、様々な領域で活躍。現在六本木ミュージアムにて開催中の「リヴ・フォーエヴァー:オアシス30周年特別展」では、バンドの新ロゴを発表した。本展ではそのロゴに加え、ジルが撮影したノエルとリアムのギャラガー兄弟のポートレートを用いたコラージュ作品、オアシスのシングル「Champagne Supernova」やベストアルバム「Time Flies, 1994-2009」のジャケット写真を再構築したコラージュ作品などを展示・販売する。ジルによる写真作品及び、河村康輔によるコラージュ作品・シルクスクリーン作品の販売に加え、「Oasis Origin + Reconstruction」限定のOasis × Jill Furmanovsky × 河村康輔 オリジナルグッズにも注目。
場所: New Gallery
住所: 東京都千代田区神田神保町1-28-1 mirio神保町 1階
会期: 2024年10月31日 (木)〜2024年12月8日 (日)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
HP: newgallery-tokyo.com
京都 ddd ギャラリー第244回企画展「アイデンティティシステム 1945年以降 西ドイツのリブランディング」
20世紀初め、Peter Behrens (ペーター・ベーレンス) をはじめとするドイツのデザイナーたちは、後に「コーポレート・デザイン」として知られることになる例を世界で初めてつくり、それに続くバウハウスも、システマティックなデザイン手法をカリキュラムに含めていた。そして、第二次世界大戦の終戦から数年後、西ドイツは、それまで切り開いてきたデザインの原則を再びたどり、デザイン教育機関として強い影響力を持っていたウルム造形大学や、多くの若いグラフィックデザイナーたちが、1960年代初めにシステマティックなデザインの新たな解釈を形成。それらは、ルフトハンザ航空や1972年のミュンヘンオリンピック、その他多数の企業や組織、イベントのためのビジュアル・アイデンティティに繋がったという。本展では、「コーポレート・デザイン」の代表的なポスターやビジュアル・アイデンティティの使用例、企業などの独自のコンセプトが示された貴重なデザイン・マニュアルなどを紹介。コンセプト・スケッチや印刷サンプルといった貴重な資料を通して、手作業で仕上げられたデザインの質の高さを見ることができる。
会場: 京都 ddd ギャラリー
住所: 京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町 620 COCON 烏丸 3F
会期: 2024年10月24日 (木)〜2025年1月13日 (月・祝)
時間: 火曜~金曜11:00-19:00、土日祝11:00-18:00
入場料: 無料
休廊日 : 月曜日 (祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日 (土日は開館)、年末年始 2024年12月29日 (日)〜2025年1月3日 (金)
HP: www.dnpfcp.jp
ソール・ライター「Saul Leiter」
「ニューヨークが生んだ伝説」と呼ばれる写真家の Saul Leiter (ソール・ライター)。1950年代からファッション・フォトグラファーとして活躍しながら、50代で表舞台から完全に姿を消し、以降は自宅周辺からほとんど離れることなく自らの美意識に従い淡々と生きたライターは、2006年にドイツのシュタイデル社が刊行した初の写真集『Early Color』により「カラー写真のパイオニア」として再び注目された。以降、世界各地で展覧会の開催や写真集の刊行が続き、2013年の没後もその評価はさらに高まり続け、没後なお“発展途上の写真家”であり続ける稀有なアーティストだ。本展では、没後に発掘されたポジをソール・ライター財団監修のもと、新たにプリントされた作品44点を日本で初めて展示。「写真はしばしば重要な瞬間をとらえるものとして扱われるが、本当に写真がとらえているのは、終わることのない世界の小さな断片と思い出なのだ」と語っていたライターの生み出した唯一無二の色彩の世界を存分に体験できる貴重な機会となる。
会場: art cruise gallery by Baycrew’s
住所: 東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F SELECT by BAYCREW’S 内
会期: 2024年10月25日 (金)〜2025年1月13日 (月)
時間: 11:00-20:00 (最終入場は19:30まで)
入場料: 無料
HP: artcruisegallery.com
「フェミニズムと映像表現」
1960年代から1970年代にかけて、テレビの普及やヴィデオ・カメラの登場によってメディア環境が急速に変化すると、作家たちは新しいテクノロジーを自らの表現に取り入れはじめた。同じ頃、世界各地に社会運動が広がり、アメリカでは公民権運動、ベトナム反戦運動などの抗議活動が展開。そのなかで「フェミニズム」も大衆的な運動となり、男性優位の社会構造に疑問を投げかけ、職場や家庭での平等を求める女性が増えた。主題や形式の決まっている絵画などに比べると、ヴィデオは比較的自由で未開拓な分野だったため、社会的慣習やマスメディアの一方的な表象に対する抵抗を示すことにも有効だったという。展示するのは、アメリカ出身の Martha Rosler (マーサ・ロスラー)、韓国出身の現代アーティスト Su ja Gim (キムスージャ)をはじめ、塩田千春、Joan Jonas (ジョーン・ジョナス)、出光真子など、フェミニズムと映像を語る上で欠かせないアーティストたち。本展では、こうした時代背景を起点とする1970年代から現代までの女性作家による映像表現を、4つのキーワードを通じて紹介する。
会場: 東京国立近代美術館2Fギャラリー4
住所: 東京都千代田区北の丸公園3−1
会期: 2024年9月3日 (火)~12月22日 (日)
時間: 10:00–17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00) *入館は閉館30分前まで
休廊日: 月曜日 (ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日
入場料: 一般¥500、大学生¥250 *高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者 (1名) は無料
HP: www.momat.go.jp
YOSHIROTTEN Otemachi One RING PARK「光色の窓」
本展は、三井物産株式会社・三井不動産株式会社の開発によりオープンした大手町の「Otemachi One」にて開催されるもの。同施設からオファーを受けた YOSHIROTTEN (ヨシロットン) が、年間を通して「RING PARK」という全3回のパブリックアートのシリーズ作品を発表していく。今回のコンセプトは「RING PARK」。大手町の「O」をモチーフにした4つの「O」の重なり合いは、大手町に集まる人々が出会い交差し繋がる様子、そして4つの季節などを表している。発表される作品「光色の窓 / Prism Window」は、主に Otemachi One 1Fオフィスロビーで展開される。35m x 9m の巨大な窓ガラスを透明なキャンバスのように活用し、館内の憩いの場所を鮮やかに彩るように展示。YOSHIROTTEN にとっても過去最大サイズになるこの作品は、あらゆる光や波長が動き重なる様子を表現している。同空間には、メイングラフィックを用いたベンチも作品の一部として設置され、地下 LED 柱では、映像作品を放映。12月25日まで展示されるので、近くに立ち寄った際は是非足を運んでほしい。
場所: Otemachi One
住所: 東京都千代田区大手町 1 丁目 2-1 Otemachi One 1F 堀口珈琲前 オフィスロビー (大手町駅 C4、C5 出口直結)
会期: 2024年9月2日 (月)〜12月25日 (水)
時間: 12:00-18:00
休廊日 : 日、月、祝日
HP: otemachi-one.com
「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」
SIDE CORE (サイドコア)は、公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトを展開するアートチーム。近年その活動がますます大きな注目を集めるなか、本展は東京では初の大規模展となる。例えば、高速道路や線路、地下水路などを特殊な方法で撮影したり、公共空間で見られる街灯やガードレール、道路工事のサインなどを素材としたインスタレーション作品を発表するなど、SIDE CORE は、都市の独自な公共性や制度に着目し、これに介入する作品作りを行なっている。今回の展覧会では、「視点」「行動」「ストーリーテリング」をテーマに、路上のマテリアルを用いて、都市のサイクルをモデル化する立体作品の新作シリーズ、都市の状況やサイクルの中に介入した行動/ 表現の映像・写真のドキュメント、2023 年から継続したプロジェクト「under city」、東京の地下空間をスケートボードによって開拓していくプロジェクトの最新版の展示を行う。
場所: ワタリウム美術館 + 屋外
住所: 東京都渋谷区神宮前3-7-6
会期: 2024年8月12日 (月)〜12月8日 (日) *8/12、9/16、9/23、10/14、11/4は開館
時間: 11:00〜19:00
入場料: 大人¥1,500、学生 (25歳以下)¥1,300 *会期中何度でも入場できるパスポート制チケット
休廊日 : 月曜日
HP: www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202408
フィリップ・パレーノ「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」
1964年にアルジェリアに生まれ、現在はパリを拠点とする Philippe Parreno (フィリップ・パレーノ) は、現代フランス美術を代表するアーティストの一人だ。映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど作品は多岐にわたるが、その意識は常に現実/フィクション/仮想の境界へと向けられている。また、芸術や「作者性」の概念への問題意識のもと数多くのアーティスト、建築家、音楽家と協働を行っており、スコットランドのアーティスト Douglas Gordon (ダグラス・ゴードン) と共同監督を務めた映画「ジダン 神が愛した男」(2006年) などの作品でも知られる。国内最大規模の個展となる今回は代表作である映像作品「マリリン」(2012年) をはじめ、初期作品から初公開のインスタレーションまで作家の幅広い実践を多面的に紹介。Parreno 自身が撮影した写真を含む、作品や展示風景、彼の身近な光景などアートと日常の間を捉えた断片的なイメージをプリントしたオリジナル T シャツ全11種も販売中だ。
会場: ポーラ美術館
住所: 神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭ 1285
会期: 2024年6月8日(土)~12月1日(日) 会期中無休
時間: 9:00-17:00 *入館は16:30まで
入場料: 大人 ¥2,200、大学・高校生 ¥1,700、中学生以下 無料、障害者手帳を持っている方および付添者 (1名まで) ¥1,100
HP: polamuseum.or.jp