今週のTFP的おすすめ展覧会
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おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
「絶滅写真 杉本博司」
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi
現代美術作家、杉本博司の写真表現に迫る展覧会「杉本博司 絶滅写真」。写真をはじめ、建築、舞台芸術、書、陶芸など多岐にわたる分野で活動してきた杉本。彼の創作の原点である銀塩写真に焦点を当てる本展は、国内美術館では約20年ぶりとなる写真作品で構成された個展となる。会場では、「時間・光・記憶」「観念の形」「絶滅写真」の3章構成で、1970年代後半の初期作品から近作まで全13シリーズ、約60点を展示。デビュー作〈ジオラマ〉や代表作〈海景〉をはじめ、〈スタイアライズド・スカルプチャー〉、〈Opticks〉の初公開作品を通して、半世紀にわたり写真というメディアの可能性を探究してきた杉本の作品世界を辿る。さらに、所蔵品ギャラリー3階にて当館所蔵作品全点とともに、制作工程を記録した未公開資料『スギモトノート』も公開。”絶滅”へと向かう銀塩写真を通して、写真の本質を問い続ける杉本博司の表現に触れてみては。
会場: 東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所: 東京都千代田区北の丸公園3-1
会期: 6月16日(火)〜9月13日(日)
時間: 10:00-17:00 *金・土は20:00まで
休館日: 月 *7月20日は開館、7月21日(火)は休館
入場料: 一般 ¥2,300 (2,100)、大学生 ¥1,200 (1,000)、高校生 ¥700(500) *( )内は20名以上の団体料金
HP: https://art.nikkei.com/sugimoto/
「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」
Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) の作品にインスピレーションを得て、デザイナーの Paul Smith (ポール・スミス) が会場デザインを手がけた展覧会「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」。2023年にパリで開催された Picasso の没後50周年を記念した特別展「Picasso Celebration: The Collection in a New Light!」を基に世界各地を巡る本展では、新たな表現を探究し続けた Picasso の作品群と、Paul Smith ならではの遊び心あふれる視点が交錯。ポップな色彩と自由な発想に包まれた空間が広がる。会場では、「青の時代」の《男の肖像》や、《アルルカンに扮したパウロ》などの代表作を含む約80点を、Picasso の創作の歩みを辿るように紹介。新鮮な視点から作品に触れる、ユニークな鑑賞体験をぜひ味わってみてほしい。
会場: 国立新美術館 企画展示室2E
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 6月10日(水)〜9月21日(月・祝)
時間: 10:00-18:00 *金・土は20:00まで
休館日: 火 *8月11日(火・祝)は開館、8月12日(水)は休館
入場料: 一般 ¥2,400、大学生 ¥1,400、高校生 ¥1,000、中学生以下無料
*7月29日 (水)~31日 (金)は高校生無料観覧日 (学生証の提示が必要)
HP: art.nikkei.com/picasso_ps26/
ダンヒル「Heritage and Leather Goods Exhibition」
本展では、Dunhill (ダンヒル) が誇るレザーの伝統と、英国クラフツマンシップの現代的表現にフォーカス。新作レザーコレクションやアイコニックなレザーコレクション「Alfred (アルフレッド)」を軸に、1893年の創業以来 Dunhill (ダンヒル) を形作ってきた革新性とサヴォアフェールの融合を紐解いていく。会場では、馬具や自動車アクセサリーをルーツとするメゾンの歴史を背景に、創業者 Alfred Dunhill (アルフレッド・ダンヒル) が手掛けた初期の「Motorities」ラゲージやドライビングアクセサリーから、ウォルサムストウの工房で130年以上受け継がれてきた技術を宿した「Alfred」のハンドル、そして現代のレザーグッズへと至るクラフトの軌跡を紹介。ブランドのレザーに息づくデザインコードを体感できる貴重な機会に、足を運んでみては。
会場: ダンヒル銀座本店
住所: 東京都中央区銀座 2-6-7
会期: ~6月28日(日)
時間: 11:00-19:00
休館日: なし
HP: dunhill.com
「ジョナス・メカス / 吉増剛造」
Jonas Mekas, Gozo Yoshimasu and Kobo Kumashiro, Tokachi, 1991, 2009. ©︎ Estate of Jonas Mekas.
戦後実験映画の先駆者 Jonas Mekas (ジョナス・メカス) と、日本を代表する詩人、吉増剛造による二人展。長年にわたり親交を深め、ときに互いの作品にも登場するなど、創作を通じて対話を重ねてきた二人の関係性に焦点を当てる。会場では、吉増とともに日本を旅する様子を16mmフィルムで記録した Mekas の『On My Way to Fujiyama I Saw…』や、撮影時の記憶や言葉をポラロイドの裏面に残した吉増剛造の『瞬間のエクリチュール』シリーズなどを展示。日々の出来事や偶然の瞬間を日記のように紡ぎ、映像や詩へと昇華してきた二人の作品世界を辿る。詩と映像が響き合う、親密な対話の空間にぜひ訪れてみて。
会場: TAKE NINAGAWA
住所: 東京都港区東麻布 2-14-8
会期: 5月16日(土)〜7月11日(土)
時間: 11:00-19:00 *金・土は20:00まで
休廊日: 日、月、祝
HP: takeninagawa.com/
「李禹煥 + クロード・ヴィアラ + ジャンフランコ・ザッペティーニ」
1960年代以降の現代美術を牽引してきた、李禹煥、Claude Vialat (クロード・ヴィアラ)、そして Gianfranco Zappettini (ジャンフランコ・ザッペティーニ) によるグループ展。作品を完成されたイメージとして捉えるのではなく、素材や支持体、行為、空間といった作品を成立させる要素そのものに目を向ける動きが広がった時代を背景に、異なる土地で独自の表現を築いてきた3名の作品を紹介する。会場では、もの派を代表する李禹煥による、余白と絵具の痕跡からものと空間の関係性を探る『Correspondence』をはじめ、支持体や素材を通して絵画のあり方を問い直してきた Vialat の作品、複数のカンヴァスを重ねて可視と不可視の関係を探究する Zappettini の『Tele Sovrapposte』シリーズが展示されている。三者三様の表現が交差する世界をぜひ体験してみてほしい。
会場: STANDING PINE 東京
住所: 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex Ⅰ 3F
会期: 5月23日(土)〜6月20日(土)
時間: 12:00-18:00 *金・土は20:00まで
休廊日: 日、月、祝
HP: standingpine.jp/
マイケル・アナスタシアデス「From Warm Yellow to Saturated Red」
ロンドンを拠点に活動するキプロス出身のデザイナー兼アーティスト、Michael Anastassiades (マイケル・アナスタシアデス) の個展。光や素材が持つ本質的な美しさを追求し、照明や家具、空間デザインなど幅広い領域で作品を発表してきた Anastassiades。本展では、太陽が地平線へ沈む過程で生まれる色彩の変化に着想を得た、最新作を紹介する。会場には、繊細なガラス管にフィラメントが浮かぶランプシリーズをはじめ、一本のダグラスファーから削り出されたスツール、竹を用いた照明、パティナ加工を施したブロンズオブジェなどが登場。Anastassiades の作品世界を通して、自然が生み出す光の移ろいを見つめてみては。
会場: タカ・イシイギャラリー 京都
住所: 京都府京都市下京区矢田町
会期: 6月6日(土)〜7月4日(土)
時間: 10:00-17:30 *金・土は20:00まで
休廊日: 日、月、火、水、祝
HP: takaishiigallery.com/jp/
川島悠輝「それぞれの部屋に明かりが灯され」
写真家、川島悠輝による東京で初となる写真展。大学卒業後に上京し、写真スタジオで働き始めた頃、一本の電話をきっかけに父との突然の別れを経験した川島。本展では、その日から10年の間に積み重ねてきた時間の中で、写真を通して向き合ってきた「残す」という行為に焦点を当てる。会場では、親しい人々との時間を捉えた写真をはじめ、羊文学、Yogee New Waves (ヨギー・ニュー・ウェーブス) 、中村佳穂などのミュージシャンの姿、日々の中で出会った風景など、川島が写し留めてきた作品を展示。「失ったものと、得たものとのあいだで揺れながら、僕は写真を撮り続けてきた」という本人の言葉のように、過ぎゆく時間の中で掬い上げてきた、大切な瞬間や感情に触れてみて。
会場: Roll
住所: 東京都新宿区揚場町2-12 セントラルコーポラス No.105
会期: 6月5日(金)〜6月27日(土)
時間: 13:00-19:00
休廊日: 月
HP: yf-vg.com/roll/yk.html
「もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち」
クリスティアーネ・アイスラー《ハイケ》1982年 © Christiane Eisler. Courtesy Loock Galerie, Berlin
本展では、第二次世界大戦後の分断期から再統一後にかけて、旧東ドイツを拠点に活動した女性写真家たちにフォーカス。ラインベックハレン財団が管理する貴重なヴィンテージ・プリント・コレクションを中心に、15名の作家による作品を紹介する。これまで日本におけるドイツ現代写真は、Bernd Becher (ベルント・ベッヒャー) や、彼のもとで学んだ Andreas Gursky (アンドレアス・グルスキー)、Thomas Ruff (トーマス・ルフ) ら旧西ドイツの写真家を中心に語られてきた。本展では、ライプツィヒの美術大学で学んだ Tina Bara (ティーナ・バーラ) や、旧東ドイツを代表する写真家 Sibylle Bergemann (ジビレ・ベルゲマン)、Ute Mahler (ウーテ・マーラー) をはじめとする女性写真家たちが生み出した多様な表現に着目。東ドイツ時代の写真作品から、再統一後の近作、映像作品、関連資料までを通して、これまで十分に語られてこなかった写真史の一面を紐解いていく。かつて存在した東ドイツの社会や日常を見つめ続けた、女性写真家たちの繊細な視線と確かな表現力。その作品群が切り開いた、新たな写真史の視点を辿ってみては。
会場: 神奈川県立近代美術館 葉山
住所: 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
会期: 2026年6月13日(土)〜8月30日(日)
時間: 9:30-17:00 *最終入館は16:30まで
休廊日: 月 *7月20日(月)は除く
HP:moma.pref.kanagawa.jp/hayama/
リン・チーペン「223 BY 223」
北京を拠点に活動する写真家 Lin Zhipeng (リン・チーペン)。「No.223」の名でも知られる彼は、2003年より自身のブログで写真とテキストを発表し、ライターとしても活動する。中国のユースカルチャーを映し出す存在として支持を集めてきた。日本での個展開催が7年ぶりとなる本展のタイトル「223 BY 223」は、映画『恋する惑星』に登場する警官番号に由来し、Lin Zhipeng の活動名から名付けられたもの。未発表作品を中心に構成される本展では、親しい人々との私的な瞬間を捉えた作品群を通して、同時代を生きる若者たちの姿や文化を映し出す。時に官能的にも捉えられるそのイメージは、作為的に切り取られたものではなく、作家自身が大切にする日常の一部として存在する。鮮やかな色彩と親密な眼差しによって描かれる、若さや欲望、そして記憶の儚さに触れてみて。
会場: Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所: 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
会期: 2026年6月4日 (木)〜7月4日 (土)
時間: 11:00–19:00 *土曜日は 13:00-14:00 閉館
休廊: 日・月・祝日
HP: akionagasawa.com
トーガ・トライアングル「35分の世界」
TOGA (トーガ) が青山店内の三角形の展示スペースで定期開催するアートプロジェクト「TOGA TRIANGLE (トーガ・トライアングル)」。第12回目を迎える今回は、中野・新井薬師にあるギャラリー兼バー「スタジオ35分」を迎え、日本人写真家6名によるグループ展「35分の世界」を開催する。本展は、2026年9月にアメリカ・ケンタッキー大学で開催される企画展へのプロローグでもあり、現代日本写真の多様な表現に触れられるエキシビションだ。参加するのは、頭山ゆう紀、木原悠介、大同朋子、酒航太、卯月梨沙、牧ヒデアキといった「スタジオ35分」によって選出された写真家。さらに会場では、6名の作家による作品集も並ぶ。TOGA の空間に集まった6名の写真表現が交差する本展。それぞれ異なる視点や手法から生まれる作品群を、ぜひ会場で体感してみて
会場: TOGA AOYAMA
住所: 東京都港区南青山5-3-5 ミル・ロッシュビル
会期: 5月30日(土)〜7月31日(金)
時間: 11:00-20:00
HP: store.toga.jp
メイ・エンゲルギール × 両足院「UTSUROI HYMN」
オランダ出身のテキスタイルアーティスト Mae Engelgeer (メイ・エンゲルギール)。本展では、両足院に伝わる寺院空間の装飾に使われてきた布地、僧侶たちが纏う袈裟などの古布を彼女の手によって裁断・再構成したテキスタイル作品を展開する。Engelgeer が着目したのは、「うつろい」という日本的な概念。無常感や記憶が、時間の経過とともにゆるやかに変容していく様子をテーマに据えた。役割を終え、長らく眠っていた主に江戸時代の古布に、現代的なリズムを吹き込み、新たなオブジェへと昇華させている。会場には、袈裟の幾何学模様に絹や麻のテクスチャーを重ねた屏風作品のほか、着物や帯を収納するための「たとう紙」をモチーフにしたオブジェも並ぶ。また会期中には、書院庭園の半夏生が見頃を迎えることで、会場をさらに彩っていく。両足院という寺院空間で交錯する、現代アートと巡りゆく自然の美しさをぜひ会場で堪能してみては。
会場: 両足院
住所: 京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
会期: 5月29日(金)〜7月12日(日)
時間: 12:00-16:30 *最終入場16:00
特別拝観料: ¥1,000、高校生以下 ¥500、団体 ¥900 *現金のみ
HP: ryosokuin.com
「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」
《クリスティーナ・オルソン》1947年 テンペラ、パネル 83.8×63.5cm マイロン・クニン・コレクショ
ン、ミネアポリス Myron Kunin Collection of American Art, Minneapolis, MN photo: Curtis Galleries,
Inc.
©2026 Wyeth Foundation for American Art / ARS, New York / JASPAR, Tokyo
アメリカンリアリズムを代表する国民的画家、Andrew Wyeth (アンドリュー・ワイエス)。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといったアート表現から距離を置き、身近な人々と風景を詩情豊かに描いてきた。本展は、そんな同氏の没後初めてとなる、国内待望の回顧展だ。生と死、画家自身の精神世界と外の世界を結ぶモチーフ「境界」に着目し、Andrew Wyeth の精神世界をつまびらかにしていく。会場には、寒々しい草原を描いた「冬の野」(1942年) をはじめ、冬景色を表現した「冷却小屋」(1953年)、窓越しのヨットを描写した「乗船の一行」(1982年) など、日本初公開となる作品が多数展示される。東京都美術館開館100周年を記念した特別展。日本でも不動の人気を誇る Andrew Wyeth のエッセンスを紐解いてみてはいかが。
会場: 東京都美術館
住所: 東京都台東区上野公園8−36
会期: 4月28日(火)〜7月5日(日)
時間: 9:30-17:30 *金曜日は20:00まで (入室は閉室の30分前まで)
休館日: 月
観覧料: 一般 ¥2,300、大学・専門学生 ¥1,300、65歳以上 ¥1,600、18歳以下、高校生無料
HP: wyeth2026.jp
高橋恭司 「アアルトと自然」
写真家・高橋恭司による本展は、フィンランドの建築家 Alvar Aalto (アルヴァー・アアルト) の建築と、その周囲に広がる風景に眼差しを向けた写真展。今回展示される写真群は、2001年に建築雑誌『HOME』の依頼を受けて制作されたもので、全て8×10で撮影。展示されるプリントは、いずれも当時作家本人が暗室で制作されたものとなる。1990年代という激動の時代を駆け抜け、、第一線で活躍してきた高橋。そうした時代の節目に生まれた本作には、静謐でありつつもどこか緊張感を孕んだ視線が宿っている。巨匠 Alvar Aalto の建築と時代の気配を鋭敏に捉えた高橋の視点をぜひ、本展で確かめてほしい。
会場: スタジオ35分
住所: 東京都中野区上高田5-47-8
会期: 5月13日〜6月20日(土)
時間: 16:00-22:00
休廊日: 月、火、日
HP: 35fn.com
「SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体」
森万里子
Peace Crystal Model, 2016-24, Acrylic, metal base, 13.8 x 13.8 x 11.6 cm
本展は、キュレーター・飯田高誉の企画による気候変動やテクノロジーの特異点を経た「50年後の未来 (2076年)」という視座から、現代を遡及的に審問する思想的実験場となっている。フランスの哲学者、Jacques Derrida (ジャック・デリダ) が提唱した「憑存在 (ハントロジー)」における過去の記憶や、失われた未来の多義性を探求する。参加するのは、音楽家・池田謙をはじめ、日本を代表するアーティスト・森万里子、現代アーティスト・山田晋也、彫刻家・名和晃平、ヴィジュアルアーティスト・牧田愛、AI を用いるアーティスト・草野絵美、油彩画家・熊谷亜莉沙といった名だたる表現者たち。それぞれのまなざしから50年後の世界を描いた作品が一堂に会する。7人の作家が半世紀後の未来から現在を照らし出す、実存的なアート体験。この思想的で美しいドキュメントを、ぜひ体感してみてほしい。
会場: GYRE GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
会期: 5月22日(金)〜7月12日(金)
時間: 11:00-20:00
HP: gyre-omotesando.com
シアスター・ゲイツ「Glorious Robe」
Theaster Gates (シアスター・ゲイツ) は、彫刻や音楽、パフォーマンスなど多様な領域にまたがるアプローチを展開し、ブラック・カルチャーに着目した制作を続けてきた。「Glorious Robe」展では、芸術的な実践として協同を重ねてきた Theaster Gates と HOSOO による新たな作品群が一堂に紹介される。展示の核となるのは、アフリカの伝統的な衣装「ダシキ」と日本の「着物」という異なる文化的衣装から派生した「Dashikimono」と呼ばれる作品だ。さらに、黒人解放運動の歴史が西陣織の帯に織り込まれたシリーズ作品「obi」も、本展の重要なハイライトとして見逃せない。また会場では、両者の出会いのきっかけとなった「アフロ民藝」展 (2024) に出品された「Banner」および「Kimono」の再制作・再展示も行われる。歴史的遺産に新たな価値を吹き込む、実践的な試み。近くを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてほしい。
会場: HOSOO GALLERY
住所: 京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F
会期: 4月11日(土)〜8月30日(日)
時間: 10:30–18:00
HP: www.hosoogallery.jp
遠藤文香「Pneuma」「Kanoko」
©︎ayakaendo
写真家・遠藤文香が2つの写真集『Pneuma』、『Kanoko』を携え、都内4会場にて個展を開催する。古代ギリシャ語で「気息」や「霊魂」を指す「Pneuma」展では、岩手県・遠野を舞台に、本来の姿のまま自由に生きる馬たちを捉えた作品群を展示。遠藤は、言語化される以前の原始的な感覚を頼りにシャッターを切り、遠野の雄大な自然に宿る生命の気配を、彼女ならではの視点で描き出している。一方、個展「Kanoko」で展示されるのは、小説家・岡本かの子の代表作『鮨』(1939年) に、遠藤の写真作品を加えて再構築した書物の収録作品。写真が重なることで、小説に刻まれた言葉や情景が“いま“という時間をともなって立ち上がり、作品世界に新たな奥行きをもたらしている。境界を揺さぶるような強い気配を帯びた写真群は、岡本かの子が描いた生の感覚とも静かに共鳴する。幻視的な視点で独自の世界を構築する、遠藤文香の2つの個展。その圧倒的な感性に、ぜひその肌で触れてみてほしい。
展覧会名: (1)「Pneuma」
(2)「Kanoko」
会場: (1)nonlecture、代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店
(2)POETIC SCAPE
住所: (1)東京都渋谷区宇田川町16-9 渋谷 ZERO GATE
(2)東京都目黒区中目黒4丁目4−10 1F
会期: (1)2026年5月15日(金)〜2026年5月29日(金)
(2)2026年5月16日 (土)〜6月28日 (日)
時間: (1)11:00-21:00
(2)13:00-19:00
休廊日: (1)月、火、水
(2)月、火、祝日
HP: (1)nonlecture.jp
(2)poetic-scape.com
「田中信太郎――意味から遠く離れて」
田中信太郎 「風景は垂直にやってくる」 1985年 日立市郷土博物館 撮影:田村融市郎
戦後の前衛美術を切り拓いた一人、美術家・田中信太郎 (1940-2019)。視ることを起点に幾度も作風を変え、美術の本質を探求し続けていた。同氏の回顧展となるエキシビションでは、国内未発表の絵画作品から、晩年に取り組んでいた平面作品、そして亡くなるまで継続して製作した金属によるドローイングまで、アトリエに遺された作品を中心に40点弱で構成。さらに、1960年代から70年代にかけて、世田谷の祖師ヶ谷にアトリエを構えていた時の作品図面や資料も公開される。日本の前衛美術を語るうえで欠かせない重要な作家にもかかわらず、個展が開催されることが少なかった田中信太郎。この貴重な機会を通して、同氏が築き上げた壮大な作品群を振り返ってみてはいかがだろうか。
会場: 世田谷美術館
住所: 東京都世田谷区砧公園1−2
会期: 4月25日(土)~6月28日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 月
観覧料: 一般 ¥1,400 (¥1,200)、65歳以上 ¥1,200 (¥1,000)、大高生 ¥800 (¥600)、中小生 ¥500 (¥300)、未就学児は無料
*()内は20名以上の団体料金
HP: www.setagayaartmuseum.or.jp
ウルス・フィッシャー「間違い探し Machigai Sagashi」
Mirror, 2026
Two Urs figures: Paraffin wax,
microcrystalline wax, pigment, stainless
steel, and wicks
Each: 86 7/8 x 35 x 24 3/8 inches
(220.6 x 88.8 x 61.9 cm)
Edition 1 of 2, with 1 AP FIS-0002
スイス出身の Urs Fischer (ウルス・フィッシャー) は、ユーモアと哲学的な問いを介在させ、既存の美術の枠組みへ問いかける現代アーティストである。そんな彼の日本初個展では、「間違い探し」の遊びに由来する展覧会タイトルのもと、時代を超える実存的なテーマに光を当てる。展示されるのは、蝋によって形作られ、やがて溶解していく作品や、ブロンズに鋳造され恒久的なものとして提示される作品。ハイカルチャーとキッチュ、永続性と一時性、精神と身体、真実と欺瞞といった二項対立を探求する制作を通して、その実践が既成概念を軽やかに裏切り、現代美術のジャンルをアップデートし続けてきた軌跡を紹介する。さらに本展は、ギャラリーの建築的構造を中心に構想されている。メインギャラリーと未完成の地下空間。その対比的な空間の関係に注目することで、鑑賞者は意識と無意識の深淵へと誘われることになるだろう。
会場: ファーガス・マカフリー東京
住所: 東京都港区北青山3-5-9 ファーガス・マカフリー東京
会期: 4月11日(土)〜7月5日(日)
時間: 11:00-19:00
休館日: 月
HP: fergusmccaffrey.com
「ロン・ミュエク」
Ron Mueck Mass
2016-2017
Collection: National Gallery of Victoria, Melbourne, Felton Bequest, 2018
Installation view:
Ron Mueck, National Museum of Modern and Contemporary Art, Seoul, 2025
Photo: Nam Kiyong
Photo courtesy: Fondation Cartier pour l’art contemporain, National Museum of Modern and
Contemporary Art, Korea
現代美術を代表する作家、Ron Mueck (ロン・ミュエク) による待望の個展が幕を開ける。森美術館とカルティエ現代美術財団の共催による本展は、初期作品から近作に至るまで、
会場: 森美術館
住所: 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
会期: 4月29日(水)〜9月23日(水)
時間: 10:00-22:00 *火曜日は17:00まで *5月5日(火)、8月11日(火)、9月22日(火)は22:00まで
*最終時間は閉館時間の30分前まで
HP: www.mori.art.museum
ロバート・ロンゴ「Angels of the Maelstrom」
© 2026 Robert Longo/Artists Rights Society (ARS), New York.
アメリカ出身の現代アーティスト兼映画監督 Robert Long (ロバート・ロンゴ)。30年ぶりの日本でのソロエキシビション「Angels of the Maelstrom」では、日本とアメリカの文化的な影響と交流、そして両文化が同氏の作品に与えたインスピレーションを紐解いていく。展示のハイライトとなるのは、現代野球界の至宝、大谷翔平を描いたドローイング作品『Untitled (American Samurai)』。アメリカを代表するスポーツでの大谷の活躍を、両文化の交差を象徴するものとして位置付けた。そのほか、牙を剥き出しにした虎の印象的な肖像、葛飾北斎に触発された波頭、そして咲き誇る花々など自然界をテーマに据えた新作デッサンも見どころの一つ。さらに、20世紀のアメリカを代表するアイコン、John F. Kennedy (ジョン・F・ケネディ)、Elvis Presley (エルビス・プレスリー) も独自の視点で描き出されている。超写実的なモノクロームの木炭画として立ち現れる、国境を超えたアートピース。この文化の衝突が生み出す、圧倒的な視覚的インパクトをぜひ会場で体感してほしい。
会場: Pace 東京
住所: 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A1-2階
会期: 4月16日(木)〜6月17日(水)
時間: 11:00-20:00 *日は18:00〜20:00、
休廊日: 月
HP: www.pacegallery.com
アントン・レヴァ「NERVOUS」
ジョージアの新生アーティスト Anton Reva (アントン・レヴァ) による日本初個展。本展では、「圧力」をキーワードに2つのプロジェクト「NERVOUS」と「WATGT」を融合。情報が絶え間なく交錯する現代において、一つのことを深く見つめ、思考を持続させる力に及ぼす「プレッシャー」を、イマーシブな知覚体験へと昇華させている。全99点からなる「NERVOUS」シリーズは、知覚の脆さや内なる声、アイデンティティの探求の過程を描き出す。そして「NERVOUS」プロジェクトのサブコンテクストとして立ち現れる『What Are They Going Through (WATGT)』シリーズは、欲望や想像力、意思を築く力が弱体化し、静かで持続的な停滞へと移行していくプロセスを鮮烈に体現している。内的な精神状態を静かな対話によってアートへと変換する Anton Reva。彼が提示する、この極めて挑発的な知覚体験をぜひ味わってみてほしい。
会場: DIESEL ART GALLERY
住所: 東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti DIESEL SHIBUYA B1F
会期: 4月25日(土)〜7月12日(日)
時間: 11:30-20:00
HP: www.diesel.co.jp
「TOPコレクション Don’t think. Feel.」
川内倫子《M/E》2022 年 2 チャンネル・ヴィデオ
東京都写真美術館蔵
「TOPコレクション」展は、東京都写真美術館で所蔵する約39,000点のコレクションから注目作品をさまざまな切り口で紹介するエキシビションだ。AI 時代における「感触」をキーワードに、短編小説のような5つのセクションで構成。世界中で愛されたアクションスター、Bruce Lee (ブルース・リー) の言葉「Don’t think. Feel. (考えるな、感じろ。)」を主題に据えた第1室を出発点に、第2室「家族写真の歴史民俗学」、第3室「川内倫子〈Illuminance〉」、第4室「記憶の部屋」、第5室「イメージの奥にひそむもの」へ。「感じること」を根底に、各テーマにあった珠玉の作品群を紹介していく。今や私たちの生活に不可欠な存在になりつつある AI。そしてこの時代に本展が問うのは、「感じること」の重要性について。実際にものに触れ、人間ならではの感覚に思考を巡らせてみては。
会場: 東京都写真美術館
住所: 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期: 4月2日(木)〜6月21日(日)
時間: 10:00-18:00 *木・金は20:00まで ※入館は閉館30分前まで
休館日: 月 *月曜日が祝日の場合は開館、翌平日は休館。ただし5月4日(月祝)は開館。5月7日(木)は休館
観覧料: 一般 ¥700円 (¥560)、学生 ¥560 (¥440)、高校生・65歳以上 ¥350 (¥280) *( ) は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード等会員割引料金
*中学生以下及び障害者手帳をお持ちの方とその介護者 (2名まで) 無料*第3水曜日は65歳以上無料
*4月2日(木)〜4月5日(日)は、「ウエルカムユース2026」キャンペーンで18歳以下無料
HP: topmuseum.jp
クリスチャン・マークレー「LISTENING」
Concentric Listening (Red and Blue), 2024
Christian Marclay (クリスチャン・マークレー) は、アメリカ出身の作曲家であり視覚芸術家。レコードとターンテーブルを用いた演奏表現のパイオニアとして知られている。ギャラリー小柳での4回目の個展となるエキシビションでは、2021年の「Voices」展に続き、Marclay のオリジナル・コラージュ作品により構成。会場を彩るのは、新作シリーズ「Concentric Listening」と「Eccentric Listening」、そして代名詞ともいえるレコードジャケットをコラージュした「Oculi」の最新作。そして主題に据えられたのは、「LISTENING」という聴く行為そのもの。目に見えないサウンドを、鮮やかな物理的イメージへと昇華させる試みだ。1986年の初来日から40年。この記念すべき節目の年に開催される本展を通じて、サウンド・アーティストが辿り着いた現在地をその目で確かめてみて。
会場: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 銀座小柳ビル9F
会期: 4月4日(土)〜6月30日(火)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日・月・祝日
HP: gallerykoyanagi.com
「加守田章二と IM MEN」
IM MEN (アイム メン) の2026年春夏コレクション「DANCING TEXTURE」の着想源となったのは、日本の陶芸家・加守田章二 (1933-1983) の作品。本展では、最新コレクションを象徴するオリジナルテキスタイルで仕立てられたピースとともに、加守田の挑戦的かつ独自の造形美を放つ陶芸作品をあわせて紹介。さらに同氏にゆかりの土地や人々の記録、ブランドのコレクション製作の工程を綴った映像作品も上映される。時代・文化を超え、陶器を一枚の布に写し取って生まれた、新たな衣服表現。そして偉大な陶芸家のものづくりと、芸術に惹かれる人々のつながり。コレクションが立ち上がるまでの軌跡とともに、その無限の可能性をぜひ会場で体感してほしい。
会場: 京都国立近代美術館 1階ロビー
住所: 京都府京都市左京区岡崎円勝寺26-1
会期: 3月28日(土)〜6月21日(日)
時間: 10:00-18:00 *金曜日は20:00まで開館 (入館は閉館の30分前まで)
観覧料: 一般 ¥430、大学生 ¥130
HP: www.momak.go.jp
佐内正史「雷写」
静岡県静岡市生まれの写真家・佐内正史。1997年に写真集『生きている』でデビューし、第28回木村伊兵衛写真賞をはじめとした数々の賞を受賞した経歴をもつ。本展では、佐内が2025年夏から冬にかけて岡本太郎記念館で撮影した写真が紹介される。芸術家・岡本太郎が死の間際に描いた絶筆「雷人」(1995年)。この作品に釘付けにされた同氏は、自らの撮影原理を「雷写」と銘打ち、岡本太郎の作品世界へと深く没入していったという。展示作品の大半を撮り下ろし、自身のレーベルから写真集を刊行するほど、岡本太郎へ熱量を注ぎ込んだ佐内。時代を超えて対峙するふたりのアーティストの相貌を、その目で目撃してほしい。
会場: 岡本太郎記念館
住所: 東京都港区南青山6丁目1−19
会期: 3月14日(土)〜7月12日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 火
HP: taro-okamoto.or.jp
リナ・バネルジー「“You made me leave home...」
エスパス ルイ・ヴィトン20周年、そしてファンダシオン ルイ・ヴィトンの「Hors-les-murs (壁を超えて)」プログラム10周年を記念して、南アジア系ディアスポラのアーティスト Rina Banerjee (リナ・バネルジー) による個展「“You made me leave home…」が開催。テーマとなったのは、作家が30年近くに及ぶ創作活動を通じて、探求し続けてきた地球規模の移動と植民地主義の遺産について。このコンセプトのもと、インスタレーションから彫刻、最新のドローイングに至るまで、自身の作品群から厳選した19点の作品を展開する。日本で初めて大規模に紹介される彼女のアートピース。国境という壁を超え、多層的な物語を紡ぎ出す Banerjee のクリエイションをその肌で体感してみてほしい。
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 表参道ビル 7F
会期: 3月19日(木)〜9月13日(日)
時間: 12:00-20:00
休館日: ルイ・ヴィトン表参道店に準ずる
入場料: 無料 *会場内の混雑防止のため、入場待ちの可能性あり
HP: jp.louisvuitton.com











