今週のTFP的おすすめ展覧会
開催中のTFP的
おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
空山基「SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー」
世界的なイラストレーター兼現代アーティスト・空山基による過去最大規模の回顧展「SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー」。1978年から取り組む「セクシーロボット」シリーズで世界的に知られている。本展では、同氏が最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、デザインを手掛けた AIBO (アイボ) の原画のほか、Aerosmith (エアロスミス) のアルバムジャケットとして採用された代表作、最新の彫刻作品、新作の映像インスタレーションも紹介される。空山基が半世紀にわたり追い求めてきた、光・透明・反射という表現の美学。そして、1970年代後半から現代までの芸術的進化と創作の歩み。空山基のキャリアを圧倒的なスケールで体感できるこの機会を見逃す手はない。
会場: CREATIVE MUSEUM TOKYO
住所: 東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 6階
会期: 3月14日(土)〜5月31日(火)
時間: 10:00-18:00
休館日: なし
入場料: 当日券一般 ¥2,500、学生 (大学) ¥1800、学生 (高校) ¥1,500、こども (小中学生) ¥1,000/前売り券一般 ¥2,300、学生 (大学) ¥1,600、学生 (高校) ¥1,300、こども (小中学生) ¥800
HP: sorayama2026.jp
ホンマタカシ「This Is Not My Cat」
写真家・ホンマタカシによる本展は、自身の猫を写し出した同タイトルの新作写真集の刊行を記念したものであり、2つの会場にわたり開催される。そこに写るのは、猫とホンマの何気ない日常。だがそれは、時折赤の他人のようによそよそしくレンズの前に立ち現れる。代表作『Tokyo and my Daughter』(2021年) が創出した独特のズレを、本作でもまた一匹の猫を通じて再構築しているのが特徴だ。神宮前のブックストア UTRECHT (ユトレヒト) では、未掲載のアザーカットを含む壁一面のインスタレーション、恵比寿のブックストア POST (ポスト) では、貴重なスライドや未公開映像を用いた展示をそれぞれ実施する。身近な存在の愛おしさが溢れ出た本展。2つの会場を巡りながら、ホンマタカシが捉えた「猫」を目撃してほしい。
場所: (1)POST
(2)UTRECH
住所: (1)東京都渋谷区恵比寿南2丁目10−3
(2)東京都渋谷区神宮前5丁目36−6
会期: (1)3月13日(金)〜4月12日(日)
(2)3月3日(火)〜3月15日(日)
時間: (1)11:00-19:00
(2)12:00-19:00
休廊日: (1)(2)月
HP: (1)post-books.shop
(2)utrecht.jp/
東海林広太「MITATE」
スタイリストを経て、2014年に独学で写真を始め、写真家としてのキャリアをスタートさせた東海林広太。本展は、東海林が過去に制作した作品を、関係のある他者に委ね、再構築する実験的なプロジェクト。本来の用途や姿とは別のものに見なして捉える、「見立て」。思考や場所性を手放すことで、作品はどこまで自由に変化し得るのか。2023年の個展「Nothing happened」でも象徴的に描かれたモチーフである「花」と「猫」に焦点を絞り、写真に内在する視線や関係性をあらためて立ち上げるように提示する。自宅で撮影した写真と、屋外で撮影した写真、それぞれ異なる背景で撮影された写真が、大小様々な作品を空間に再配置される。会場でしか味わえない「距離感」をぜひ体感してみてほしい。
会場: 229
住所: 東京都台東区台東4丁目24−2
会期: 2月26日(木)〜3月14日(土)
時間: 12:00-19:00 (最終入場18:30) *土日祝 12:00-20:00 (最終入場19:30)
HP: www.instagram.com/229.4242
高木由利子「Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。」
「渋谷ファッションウィーク」との共催により開催される本展では、写真家・高木由利子が30年にわたり世界各地で撮影してきた「Threads of Beauty」シリーズに焦点を当てる。彼女がレンズを向けたのは、伝統的な衣服をまとい生きる人々の日常。膨大なアーカイブの中から精選された100点以上の作品が、会場を鮮やかに彩る。そして高木と二度目のタッグとなる建築家・田根剛の会場構成により、作品が内包する世界観を体感できる時空を超えた場が織りなされている。彼女が記録した伝統的な衣服が鑑賞者にもたらすのは、「ファッションとは何か」、「格好良さとは」という問い。その壮大な問いの本質がここには凝縮されている。30年の歳月が示す命題の答えを、ぜひ会場で探求してほしい。
会場: Bunkamura ザ・ミュージアム
住所: 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
会期: 3月10日(火)~3月29日(日)
時間: 13:00~20:00 *最終入場19:30まで
HP: www.bunkamura.co.jp
「The H.Y. Collection:Assembled from Furudougu SAKATA」
東京・原宿を拠点とするアートオークションハウス NEW AUCTION (ニューオークション)。本イベントは、古美術コレクター・吉澤宏隆が「古道具坂田」(1973-2022) を通じて長年にわたり蒐集した品々から成るコレクションセールとなっている。東京・目白に開かれた「古道具坂田」は、骨董や古美術といった既存の枠組みにとらわれることなく、「古道具」という言葉のもと、日常のなかで使われ、時を重ねてきた物に宿る「美」を47年間にわたり追求し続けた伝説的存在だ。時代や地域、用途を超えて坂田和實の審美眼が示してきた「ものさし」。その価値観に共感しながら、蒐集してきたコレクターの想いに寄り添いながら、古道具が放つ静かな「美」に触れてみてほしい。
会場: SAI
住所: 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
会期: (1)プレビュー 3月11日(水)〜3月14日(土)
(2)オークション 3月15日(日)
時間: (1)11:00-20:00 *最終日のみ17:00まで
(2)START 13:00- *OPEN 12:00-
HP: newwwauction.com
掛井五郎「人間の問題」
立体作品を軸に、油彩、ドローイング、版画など幅広い表現に取り組み続けた彫刻家・掛井五郎(1930-2021)。「受胎告知」(1957年) や「ヨブ」(1961年) など、聖書にまつわる作品に通底するのは、人間とは何かという深い問いであった。本展「人間の問題」では、そんな同氏の平面作品に焦点を当てる。掛井の美学が提示されている「空の橋」(1985年)、晩年に取り組んだブリコラージュ的な作品群やトイレットペーパーの芯でできた紙彫刻の数々は、生涯尽きることなかった創作へのアプローチと意欲を証明している。多作をきわめた掛井の作品世界。約70年のキャリアの中で貫いた創作の姿勢を、ぜひ会場で感じてみて。
会場: (1)タカ・イシイギャラリー 京橋
(2)タカ・イシイギャラリー 六本木
住所: (1)東京都中央区京橋1-7-1 3F
(2)東京都港区六本木6丁目5−24 complex665 3F
会期: (1)2月14日(土)~3月14日(土)
(2)2月14日(土) – 3月28日(土)
時間: (1)11:00 – 19:00
(2)11:00 – 19:00
休廊日: (1)月・火・祝日
(2)月・火・祝日
HP: www.takaishiigallery.com
工藤司「とてつもない光、部屋、恐れずに声を出す」
写真家として、そしてファッションブランド kudos (クードス) と soduk (スドーク) のデザイナーとしての顔も持つ、工藤司。本展「とてつもない光、部屋、恐れずに声を出す」では、工藤が自ら制作するフレームに写真とテキストを織り交ぜたシリーズの最新作を紹介する。彼がこれまで記録し続けてきた「光」と、「部屋」の中の青年たち。一見、写真の中の彼らは沈黙して見えるが、そこにはそれぞれの「声」や「体験」が潜んでおり、何かに立ち向かう力になっていく。写真と言葉を組み合わせた「ひとつなぎの物語」は、これまでの表現の枠組みを拡張し、さらにその先へとまなざしを向ける工藤司の新境地だ。ぜひその目で見届けて欲しい。
会期: 2月28日(土)〜3月6日(金) *3月7日(月)〜3月13日(金)は完全アポイント制
前日までにメールにて予約
時間: 14:00-18:30
会場: het Labo atrium
住所: 東京都新宿区高田馬場1-5-11
休廊日: 3月5日(木)
HP: www.hetlaboatrium.info
「CHANEL HISTORY COLLECTION by ROE ETHRIDGE」
©CHANEL/Roe Ethridge
アメリカを代表する現代写真家 Roe Ethridge (ロー エスリッジ)。CHANEL (シャネル) と10年以上にわたり協働してきた同氏が始動させたのは、ブランドの創業者 Gabrielle Chanel (ガブリエル・シャネル) の遺品にフォーカスしたプロジェクト。本展では、遺された品々に命を吹き込むかのような Ethridge のフォトコラージュ作品が紹介される。彫刻家 Jacques Lipchitz (ジャック・リプシッツ) による CHANEL の胸像、詩人 Pierre Reverdy (ピエール・ルベルディ) による「ミシアのための詩」の手稿、画家 Salvador Dalí (サルバドール・ダリ) とその妻 Gala Eluard (ガラ・エリュアール) によるイラスト付きの献辞本、バレエ「三角帽子」のための画家 Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) によるスケッチ。様々なオブジェは、現代的な小道具と組み合わされており、CHANEL に鮮烈な現代の風を吹き込んでいる。メゾンの1世紀にわたる伝統をアップデートさせる珠玉のアート作品を見届けてみて。
会場: シャネル・ネクサス・ホール
住所: 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F
会期: 2月25日(水)~4月18日(土)
時間: 11:00-19:00 *最終入場18:30
HP: nexushall.chanel.com
「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」
© Marie Rouge / Unifrance
国内最大級のフランス映画の祭典「第33回フランス映画祭 2026」の開催を記念し、行われる写真展「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」。本展では、写真家 Marie Rouge (マリー・ルージュ)、Laura Stevens (ローラ・スティーヴンス)、Philippe R. Doumic (フィリップ・R・ドゥミック) の3名が、フランス映画を彩ってきた「顔」にそれぞれのまなざしから迫る。巨匠 Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) をはじめ、Dardenne (ダルデンヌ) 兄弟、女優 Lea Seydoux (レア・セドゥ) にいたるまで、黄金期を象徴する映画人、そして現在から未来へと映画界を牽引する映画監督や俳優たちのポートレート全42点が会場を飾る。また、長年にわたり映画を支援してきた agnès b. (アニエスべー) と映画文化との深い結びつきについても紹介。フランス映画の「これまで」と「これから」を繋ぐ、より深い映画体験を渋谷で目撃してほしい。
会場: アニエスベー ギャラリー ブティック
住所: 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
会期: 2月21日(土)~4月5日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月 *2月23日(月)を除く
HP: www.agnesb.co.jp
アンドリウス・アルチュニアン「Obol」
Andrius Arutiunian | Below (For the Ones That Murmur) | 2024
Courtesy of the artist | Photo by Dat Bolwerck, Zutphen
アルメニアとリトアニアにルーツを持つアーティストであり、作曲家としても活動する Andrius Arutiunian (アンドリウス・アルチュニアン)。日本初となる個展「Obol」は、オルタナティブ・スペース「The 5th Floor (ザ・フィフス・フロア)」のディレクター・岩田智哉をゲスト・キュレーターに迎え、構成された。かつて神聖とされていながら、現代では世俗的用途に転用されている石油由来の物質「瀝青」。この素材を着想源に、古代宗教から語り継がれる神話へオマージュを捧げ、制作された最新の作品群が公開される。彼が創出する冥界を思わせるダークな空間に交わるのは立体的なサウンドレイヤー。儚くも瞑想的な世界観は、鑑賞者をまだ見ぬ未知の世界に連れ出してくれるはず。
会場: 銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階
住所: 東京都中央区銀座5-4-1
会期: 2月20日(金)~5月31日(日)
時間: 11:00-19:00 *入場は18:30まで
休館日: 水
HP: www.hermes.com
「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》
2018年 ビデオ・インスタレーション サイズ可変 個人蔵
横浜美術館リニューアルオープン記念展の最後を飾る大規模企画展「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」。本展は、地理的にも文化的にも近しく、長い歴史をともに歩んできた隣国・韓国との関係性やたがいのまなざしを、両国のアートを通じて照らし出していく。1965年の日韓国交正常化から60年。この節目に合わせ、韓国の国立現代美術館との共同企画により実現したエキシビションとなっている。出展作家は、Nam June Paik (ナムジュン・パイク) をはじめ、中村政人、日本の前衛芸術グループであるハイレッド・センター、李禹煥、村上隆ら50組以上のアーティスト。国立現代美術館の所蔵品から優品19点が来日するほか、日本初公開の作品、本展のための新作も一堂に会する。今の時代にかかせない韓国カルチャー。日韓美術の関係を入口に、「いつもとなりにいる存在」について解像度を高めてみては。
会場: 横浜美術館
住所: 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
会期: 2025年12月6日(土)~2026年3月22日(月)
時間: 10時~18時 *入館は閉館の30分前まで
休館日: 木
入館料: 一般 ¥2,000、大学生 ¥1,600、中学・高校生 ¥1,000、小学生以下無料、ペア券 (一般2枚) ¥3,600
ロバート・ナヴァ「Supercharger」
美とカオスが織り交ざった独特の世界観で絵画を描くアーティスト Robert Nava (ロバート・ナヴァ)。日本での初個展「Supercharger」では、彼が2023年から2026年にかけて制作した新作の絵画と紙の作品を紹介する。油彩、アクリル、グラファイト、色鉛筆、クレヨン。多様な画材を用い、即興的な筆致で描かれた紙作品は Nava の卓越したドローイングの実践を鮮明に物語っている。ウサギがドラゴンへと姿を変える変幻自在な世界を表現した作品「Diamond Sword (charged)」(2024年)、犬とドラゴンを掛け合わせた生き物が双頭のガチョウを連れ去ろうとしている様子を描写した「Suit of water (Grease Evolution)」(2024年) といったイマジネーションに溢れる作品が並ぶ本展。ユーモアに富んだ Nava のまなざしは、鑑賞者が内に秘めた無限の想像力を鮮やかに呼び覚ますはず。
会場: Pace東京
住所: 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 1-2F
会期: 2月19日(木)〜4月1日(水)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 月
HP: www.pacegallery.com
ハーム・ファン・デン・ドーペル「Cloud Writings」
© Harm van den Dorpel, Courtesy of Upstream Gallery Amsterdam and Takuro Someya Contemporary Art
コンピューターのアルゴリズムを用いて作品を制作するジェネラティブアートの実践を続けてきた Harm van den Dorpel (ハーム・ファン・デン・ドーペル)。個展「Cloud Writing」
では、20世紀後半にミニマリズムやコンセプチュアル・アートで活動した女性作家たちの思考を手がかりに展開されたアルゴリズム描画に注目し、Dorpel の試みを紹介する。行と列の反復によって設計される二次元グリッド構造。この構造は、文字を描くプロセスと布を織るプロセスを表現しており、宗教的あるいは紋章的なイメージも想起させる。いくつかのドローイングには部分的に直接手を加えているものの、大部分はアルゴリズムを使用したプロットマシンに指示を与えるコンピュータープログラムで制作されているという。計算と身体性のあわいに立ち上がる、二次元の世界を目撃してほしい。
会場: Takuro Someya Contemporary Art
住所: 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex I 3F TSCA
会期: 2月14日(土)〜2026年3月21日(土)
時間: 11:00-18:00
休廊日: 日・月・祝日
HP: tsca.jp
「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」
ヴォルフガング・ティルマンス《ザ・コック(キス)》2002年、テート美術館蔵
© Wolfgang Tillmans, courtesy of
Maureen Paley, London; Galerie
Buchholz; David Zwirner, New York
1980年代後半から2000年代初期にかけて制作された英国美術をテーマに据えたエキシビション。本展では、当時世界中で注目を浴びた「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト (YBA)」と呼ばれた作家や、同時代の作家たちの作品約100点を紹介する。ラインナップするのは、Damien Hirst (ダミアン・ハースト)、Julian Opie (ジュリアン・オピー)、Lubaina Himid (ルベイナ・ヒミド)、Wolfgang Tillmans (ヴォルフガング・ティルマンス)、Tracey Emin (トレイシー・エミン) といった伝説的アーティスト。緊張感が漂うサッチャー政権下 (1979-90年) において、実験的なアプローチによって独自の表現を切り開いていた作家たちの作品を通じて、英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に浮き彫りにする。90年代のクリエイティブな熱狂、アート史に名を刻むアーティストの作品、UK カルチャーに溢れた黄金期の息吹が一堂に会す本展。世界が目撃したあの衝撃を、ぜひこの機会に味わってみてほしい。
会場: 国立新美術館 企画展示室2E
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 2月11日(水)~5月11日(月)
時間: 10:00-18:00 *会期中の金・土は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
休館日: 火 *5月5日(火)は開館
入場料: 一般 ¥2,300、大学生 ¥1,500、高校生 ¥900、中学生以下無料
HP: www.ybabeyond.jp
黒田零「影の語り部」
写真のみならず、映像作品や音楽など多角的に活動する作家・黒田零。本展「影の語り部」では、反射的に行っているようにみえる「見る」という行為そのものに焦点を当てる。日々見ている膨大な写真も、実際には単に「視界に入れている」にすぎない。しかし黒田は、よく見えないもの、何が写っているかわからないものと向き合うときに、人は初めて能動的に「見る」という行為を再認識するのだと説く。今回展示される写真群は、作家が世界をいかに見るのかという主張であり、「あなたは世界をどう見ているのか?」という鑑賞者への問いかけでもある。日常ではほとんど見つめることのない、影と闇。暗がりの中でこそ浮かび上がる本質を、ぜひ見出してほしい。
会場: テラススクエア 1F エントランスロビー
住所: 東京都千代田区神田錦町3-22
会期: 1月26日(月)〜5月22日(金)
時間: 8:00-20:00
休館日: 土、日、祝日
HP: www.instagram.com
「DIESEL ART GALLERY BOOK MARKET」
アートブックイベント「DIESEL ART GALLERY BOOK MARKET」では、東京の選りすぐりのブックストア・出版社とともに、新たな本との出会いの場を創出。アートブック、写真集のみならず、デザイン、音楽、サブカルチャー、アンダーグラウンドカルチャーをフィーチャーした書籍など、エッジの効いた作品を展示・販売する。参加するのは、神保町の Bohemian’s Guild (ボヘミアン・ギルド)、福生の Cha Cha Cha Books (チャチャチャ・ブックス)、鶯谷の古書ドリス、代田橋の Flotsam Books (フロットサムブックス)、渋谷の Flying Books (フライング・ブックス) といった書店。そのほかにも、1997年に東京で創刊し、世界のクリエイティブシーンを特集するビジュアルマガジン『+81 magazine』、1996年に誕生した世界中のアートやデザインのアイデアを紹介するプラットフォーム『GASBOOK (ガスブック)』、国内外の著名な写真家の作品を制作・出版している「SUPER LABO (スーパーラボ)」などの出版社も出店する。それぞれがブースごとに構成され、個性豊かなキュレーションを行う。本展で、感性を刺激する一冊を見つけてみては。
会場: DIESEL ART GALLERY
住所: 東京都渋谷区渋谷1丁目23−16 B1F cocoti SHIBUYA
会期: 1月23日(金)〜4月15日(水)
時間: 11:30-20:00
HP: www.diesel.co.jp
向井山朋子「Act of Fire」
「火を燃やす-1」2025年-©Tomoko-Mukaiyama
オランダ・アムステルダム在住のピアニスト・向井山朋子。音楽、映像、パフォーマンス、インスタレーションに至るまで、幅広い表現を横断した活動で世界を魅了している。初の大規模個展「Act of Fire」は、アーツ前橋の6つのギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型インスタレーションを展開。血で染めたシルクドレスの迷宮「wasted」(2009年)、3.11の津波で破壊された2台のグランドピアノを用いた「nocturne」(2011年)、ピアノの演奏が印象的な映像詩「ここから」(2025年) など、新旧のアートワークを再構築し紹介する。向井山が深く抱く、喪失・抵抗・怒りといった個人的な感情を燃焼させる空間であると同時に、ジェンダー問題、自然災害、終わりなき侵略といった社会問題を「火」という人間の根源的な存在を通して照らし出していく。そういったコンセプトが、タイトルの由来になっている。ギャラリー全体に広がるインスタレーション空間は、世界との関係性を省みる思索の旅へと誘うだろう。
会場: アーツ前橋
住所: 群馬県前橋市千代田町 5-1-16
会期: 1月24日(土)〜3月22日(日)
時間: 10:00-18:00 *入場は17:30まで
休館日: 水 *2月11日(水)開館、2月12日(木)閉館
観覧料: 一般 ¥1,000、学生・65歳以上・団体 (10名以上) ¥800、高校生以下 無料 *ギャラリー1 (1階) は観覧無料、障害者手帳等をお持ちの方と介護者1名は無料、「多様な学びの日」2/14(土)、3/14(土) は入場無料
HP: artsmaebashi.jp
アルフレド・ジャー、和田礼治郎「Alfredo Jaar Reijiro Wada」
チリ出身のアーティスト兼写真家 Alfredo Jaar (アルフレド・ジャー) と、ベルリン在住のアーティストである和田礼治郎。2人展「Alfredo Jaar Reijiro Wada」では、Jaar の社会の不均衡や世界問題に対する真摯な作品と、和田の概念を可視化する作品を展示。世界を考え、想像しようとする私たちの思考のあり方がどのように形作られてきたのかを、あらためて見つめ直す機会を提示する。本展のために Jaar の初期作品を再構成し、美術作品を観るという行為そのものを問う新作インスタレーション「1+1+1+1」。見慣れた世界の輪郭を静かに解体していく、和田の新作「PORTAL」。共鳴し合うように配置された両者の作品と繰り返される四角い「フレーム」の表現を通じ、私たちの視線がいかに社会的な制約や偏見に縛られているかを浮き彫りにする。本展は、世界をありのままに見つめるための新たな視座を手に入れられる貴重な機会となるはず。
会場: SCAI PIRAMIDE
住所: 東京都港区六本木6-6-9
会期: 1月21日(水)〜4月18日(土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日~水、祝日
HP: www.scaithebathhouse.com
ソル・ルウィット「オープン・ストラクチャー」
Sol LeWitt (ソル・ルウィット) は、アイデアを主軸とする作品を通して、「芸術とは何でありうるか」という問いに向き合った、20世紀を代表するアメリカ出身のアーティスト。彫刻、壁画を用いたコンセプチュアルアートを制作したほか、書籍の制作も手がけるなど多様なメディアを通じてアート表現を立ち上げている。日本の公立美術館では初となる個展は、「ウォール・ドローイング」、立体・平面作品、アーティスト・ブックなどを通じ、同氏の芸術に対する深い眼差しを多角的に紹介する。LeWitt の美学である芸術の「構造を開く思考」をテーマに、作品が単なる鑑賞の対象にとどまらず、思考の場として見る者に再考を促す。そんな新しいアートの向き合い方を提供する展覧会となっている。代表作であるウォール・ドローイングは、広々とした空間に6点にわたって展示。珠玉のアートピースを通じて、既存の枠組みや仕組みに問いを投げかけ、別の構造への可能性を開こうとしてきた同氏の思考の軌跡を辿ってみては。
会場: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4丁目1−1
会期: 12月25日(木)〜2026年4月2日(木)
時間: 10:00-18:00 *展示室入場は閉館の30分前まで
休館日: 月 *1月12日、2月23日は開館、12月28日~1月1日、1月13日、2月24日
観覧料: 一般¥1,600/大学生・専門学校生・65 歳以上¥1,100/中高生¥640/小学生以下無料
HP: www.mot-art-museum.jp/exhibitions
「SPRING わきあがる鼓動」
大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》2015年、
展示風景:「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」森美術館 ©Shinji Ohmaki Studio
本展は、ポーラ美術館の開館以来はじめて「箱根」という土地そのものに焦点を当て、アーティストの創造力を呼び覚ます芸術の街の魅力を紐解くエキシビション。箱根町立郷土資料館が収蔵する貴重な浮世絵コレクションや町指定重要文化財の絵画を皮切りに、箱根をはじめとした東海道の風景を着想にしたアート表現を、江戸時代から現代に至るまで横断的に紹介する。大巻伸嗣による、箱根の自然と共鳴するスケールの巨大インスタレーションや、杉本博司といった世界的に活躍する現代美術作家の作品、陶芸家・小川待子の新作など、約120点もの作品が一堂に会す。さらに、同美術館の西洋近代絵画コレクションより、印象派の代表格 Oscar-Claude Monet (オスカル=クロード・モネ)、20世紀美術に大きな影響を与えた Vincent Willem van Gogh (フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ) の作品のほか、フランスの画家 Henri Rousseau (アンリ・ルソー) の油彩画4点などが紹介される。箱根に力強くわきあがる鼓動とともに、時代を超えて豊かに躍動するアートをぜひ肌で感じてみて。
会場: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285
会期: 12月13日(土)~2026年5月31日(日)
時間: 9:00-17:00
HP: www.polamuseum.or.jp











