TFP Recommends Exhibitions

【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

©2025 佐内正史

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【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会

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現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。

※新型コロナウイルスの感染予防の取り組みに関する最新の情報については、各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。

2月18日〜2月24日

佐内正史「展対照 第二部|Tentaishow Part 2」

©2025 佐内正史

1997年に写真集『生きている』でデビューし、2003年『MAP』で木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・佐内正史。2008年より自主写真集レーベル「対照」から、多くの写真集を出版してきた。本展は、その出版物からセレクトした写真作品の展示販売を行う、Vacantでの展覧会シリーズ『展対照(てんたいしょう)』の〈第二部〉。昨年の第一部に続き、今回は最新の写真集『写真がいってかえってきた』を中心に、『ARCA』(2008)、『パイロン』(2011)から選ばれた作品を展示。佐内のアトリエで一枚一枚手焼きされる美しい写真プリントは、展対照特注の額装に収められる。写真という存在の意味や意義が劇的に変化したこの数十年のあいだにも、佐内は一貫して「写真」を撮り続けてきました。いま一度、写真へとかえっていくその道程では、どのような風景と言葉が導き出されるのでしょうか。

場所: Vacant/Centre
住所: 東京都渋谷区元代々木町27-6
会期: 2025年2月14日 (金)〜3月10日 (月)
時間: 13:00-18:00
入場料: 無料
休館日: 火〜木
HP: www.vacant.vc

嶌村吉祥丸「what is good ? 」

アーティスト・写真家としての領域に留まることなく、分野を越境し、さまざまな表現者と協働することで写真を通じて人やもの、世界と対話するように活動を続ける嶌村吉祥丸。same gallery (東京) や koen (京都) のディレクターとして企画・キュレーションを行うほか、「ラーメン吉祥丸」やフレグランスブランド「kibn」をプロデュースするなど多くの活動を行う。本展では過去10年間のキャリアのなかで、東京、パリ、ベルリン、モスクワ、ラオス、ニューヨーク、ポートランドなど世界各地を巡るなか「”good”とはなにか」という問いへ向き合うことから選ばれた写真たちが展示される。

場所: BOOK AND SONS
住所: 東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番
会期: 2025年2月6日 (木)〜2月25日 (火)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休業日: 水
HP: bookandsons.com

KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART ARCHIVE FLUXUS and its surroundings

本展は、1990年に伊藤四兄弟が山梨県清里に開館し、惜しくも2014年に閉館となってしまった個人美術館「清里現代美術館」のアーカイブブックプロジェクトの第二巻『KIYOSATO MUSEUM OF CONTEMPORARY ART ARCHIVE Ⅱ: FLUXUS AND ITS SURROUNDINGS』が2月10日に出版されることを記念して開催されるもの。本プロジェクトでは清里現代美術館の資料をまとめたアーカイブブックを出版予定で、全三巻の刊行を予定している。第二巻では、フルクサスルームと名付けられた小部屋をフィーチャーし、冊子や新聞、レコード、ポスター、書簡、案内状、分類困難な紙片までが雑然とした印象で展示されていた部屋を紹介していく。本展覧会の会場には、掲載されている書籍や資料のほか、版権や紙面の都合で掲載しきれなかったフルクサス関連の資料、エフェメラ資料を全部で400点ほど展示。また、展示開催中に「FLUXUS」の魅力やその正体を考察するトークイベントを2回開催する。以前 The Fashion Postで掲載した中島佑介が「FLUXUS」について語る記事も合わせてチェックするとより展示を楽しめるに違いない。

場所: POST
住所: 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2025年2月14日 (金)〜3月16日 (日)
時間: 11:00-19:00
休業日: 月曜日
入場料: 無料
HP: post-books.info

トークイベント
日時: (1)2025年2月14日 (金) 17:00-19:00
(2)2025年3月8日 (土) 15:00-16:30
登壇者: (1)金澤一志、廣瀬友子、中島佑介
(2)滝口明子、金澤一志
定員: 25名
参加費: ¥500 *参加者にはMAQUETTE COFFEE SHOPより、コーヒーを提供
予約サイト: (1)20250214-talkevent-fluxus-and-its-surroundings.peatix.com
(2)20250308-talkevent-fluxus-and-its-surroundings.peatix.com

桑田卓郎+く「窯上げうどん」

©︎ Atsushi Harata

桑田卓郎は、1300年以上続く美濃焼きの伝統をもとにしつつ、その造形に現代的な再解釈を加えた独自の表現で知られている陶芸家。大胆な模様や質感を追求した創造性に富む桑田の作品は、世界各地のパブリックコレクションに収蔵されているほか、コムデギャルソンでの展示、TOD’S (トッズ) や LOEWE (ロエベ)、CFCL (シーエフシーエル) などファッションブランドとのコラボレーションでも知られている。本展では、桑田が以前に釉薬を混ぜる為にうどんを捏ねる機械を取り入れたことをきっかけに、スタジオを訪れたゲストにうどんを振る舞うようになったことから着想を得ている。桑田の代表作である梅花皮 (表面の釉薬が縮れ、その下の表地が見えることで凸作られる凸凹模様を指す) の技法を用いた作品に加え、原点といえる「食」に関する手仕事のクラフトライン「く」による道具を展示する。会期中には、実際に桑田の作品を使って食事をする体験を実施予定。桑田が自身の多治見のアトリエで来客に振る舞うことがあるうどんをGallery & Restaurant 舞台裏の箱石和行シェフがアレンジして提供する。桑田の伝統に則りつつ挑戦的な新境地を、ぜひ楽しんで。

場所: Gallery & Restaurant 舞台裏
住所: 東京都港区虎ノ門5丁目8 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F
会期: 2025年1月25日 (土)〜3月16日 (日)
時間: 11:00-20:00
休廊日: 月
入場料: 無料
HP: artsticker.app

トレヴァー・ヤン、毛利悠子「帰ってきたやまびこ」

香港を拠点に活動する Trevor Yeung (トレヴァー・ヤン) と、東京を拠点にするアーティストの毛利悠子。トレヴァー・ヤンは、個人的な経験と社会への鋭い観察を織り交ぜ、写真作品から大規模なインスタレーションまで多岐にわたり制作を続けてきた。毛利悠子は、既製品、ファウンド・オブジェ、自作の装置を組み合わせて、展示環境の諸条件によって変化していく事象を生成するインスタレーション作品を発表してきた。それぞれが第60回のヴェネチア・ビエンナーレの日本代表、香港代表としてパヴィリオンの展示を手がけ、東アジアを代表するアーティストとして活動の場を広げるヤンと毛利。コスモポリタン的な感性を同じくする二人は本展に向けて、ヴェネチアと東京での滞在を通して進行を深めてきた。その間に交わされた会話や目にした情景が、日常における些細な事象を掬い上げる共通のプロセスの起点となり、本展での作品に反映されている。やまびこが音を反響するように、ヴェネチアと東京、過去と現在の間で呼応し合うふたりの新たな実践とコラボレーションを会場でご覧になってほしい。

場所: Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi
会場: 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
会期: 2025年1月24日 (金)〜3月8日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝日
入場料: 無料
HP: www.yutakakikutakegallery.com

ピーター・サザーランド「Sweater Weather」

1976年に生まれ、コロラド在住のフォトグラファーでフィルムメーカーの Peter Sutherland (ピーター・サザーランド)。彼にとって日本では9年ぶりの個展となる本展では、写真を使ったコラージュ作品を中心に近作を展示。これまでに撮り溜めていた写真や使っていたアウトドア用品の一部、見つけた布、旅をしている時に見つけた物などをキャンバスに作品集を編集する作業の様に貼り付け、縫い合わせた作品で構成されている。これらには一つのキャンバスに様々なストーリーが展開されており、見応えのある作品が並ぶ。ピーターがどんなことにフォーカスを置いて作家活動をしているのかが垣間見える展覧会となっている。

場所: GALLERY TARGET
住所: 東京都渋谷区神宮前5-9-25
会期: 2025年1月28日(火)〜2月18日(火)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日、月、祝日
HP:www.gallery-target.com/2025

「今津景 タナ・アイル」

《Hainuwele》2023 油彩、ジュート 350×800 cm トゥムルン美術館(インドネシア) courtesy of The Artist and ROH

今津景は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作しているアーティスト。2017年インドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移し、近年、インドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをベースにした作品制作に取り組んでいる。本展は、今津にとって初めての大規模展。「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル (Air)」が「水」を意味し、二つの言葉を合わせると故郷を指す言葉。このタイトルには、現在生活するインドネシアと自身のルーツである日本という二つの土地に対する経験と思いが反映されている。彼女の作品を通して、鑑賞者は自分自身の生きる場所について考える機会となるだろう。

場所: 東京オペラシティ アートギャラリー
会場: 東京都新宿区西新宿3-20-2
会期: 2025年1月11日 (土)〜2025年3月23日 (日)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 月曜 *月曜日が祝日の場合は開館し翌火曜日休館、2月9日は休館
入場料: 一般¥1400、大学生・高校生¥800、中学生以下 無料
HP: https://www.operacity.jp/ag/exh282/

Waku Fukui「在在 (ザイザイ)」

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 10mm glass tubes, krypton gas, stainless steel, rubber sheet, wood. 1750 × 1100 × 600 mm. Courtesy of Gallery Common.

1996年東京生まれの福井和来は、ネオンライトの探求を中心に活動するアーティスト。素材や形、要素に対する私たちの認識を問い直す作品を制作している。「いたるところ」という意味を持つ「在在」と名付けられた本展では、「ネオン」というメディウムに加え、溶接された鉄による骨格やファウンド・オブジェクト (発見された物体)などの様々な新しい素材を取り入れ、彫刻的アプローチを展開。この新たな試みでは、ネオン職人としての経験を活かし、光を自在に操る福井のアプローチがより有機的な表現へと進化している。福井自身が感動を覚える瞬間を大切にしながら、自由に創造を広げてきたその先に現れた、光と形が織りなす新たな世界を体験することができる。

場所: Gallery Common
会場: 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
会期: 2025年1月25日(土)〜2月23日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月、火
入場料: 無料
HP: www.gallerycommon.com

シグリッド・サンドストローム「Dusk」

#A2 Sigrid Sandström, Shadows of Time (detail), 2024. Acrylic on canvas, Framed : 125.4 x 125.4 cm | 49 3/8 x 49 3/8 inch. Courtesy of the artist and Perrotin.

1970年生まれのスウェーデン人アーティスト・Sigrid SANDSTRÖM (シグリッド・サンドストローム) は、版画や染み、アーチを描くブラシストローク、ときにはオイルスティックを融合させたような技法を用いて、作品に流動感を与えるのが特徴的だ。日本初の個展となる本展では、北欧の大自然の中で育った幼少期の影響が色濃く反映されており、長きに渡ってサンドローム魅了してきた「Dusk (夕暮れ)」を描いた作品を展示。サンドストロームにとって「夕暮れ」とは、単なる時をあらわすものではなく、光が折り重なる瞬間であり、次第に訪れる変化や新たな段階へと導くような時間帯だという。彼女が捉えたその「夕焼け」の美しさと、変わりゆく光の表現をぜひご覧になってみて。

場所: ペロタン東京
住所: 東京都港区六本木6-6-9 PIRAMIDE BUILDING 1F
会期: 2025年1月17日 (金)~3月22日 (土)
時間: 11:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日、月、祝日
HP: leaflet.perrotin.com

那須佐和子「ライナスの布」

Sawako Nasu《Landscape》2024, Oil on canvas, 65.2 x 100 cm © Sawako Nasu, Courtesy of KEN NAKAHASHI (Photo by Yuya Saito)

アーティストの那須佐和子による展覧会「ライナスの布」は、彼女の創作姿勢を象徴する作品が並ぶ。タイトルは、漫画『ピーナッツ』に登場するライナスの毛布に由来し、幼少期の安心感や愛着を象徴する「毛布」をキャンバスに重ねることで、那須自身の創作活動を表現。古いキャンバスに刻まれた時間と痕跡を重要な要素とし、微細な加工を施すことで新たな物語を引き出している。本展では、大作とともに小作品が入れ替わる柔軟な展示設計が採用され、展示空間そのものが変化し続ける。時間と記憶をまとったキャンバスの変容をぜひご覧になってほしい。

場所: KEN NAKAHASHI
住所: 東京都新宿区新宿3丁目1-32 新宿ビル2号館5階
会期: 2025年1月10日 (金)〜3月29日 (木)
時間: 13:00-20:00
休廊日: 日、月
入場料: 無料
HP: kennakahashi.net

TEZZO NISHIZAWA + YOSHIHISA TANAKA CHANCAE FAVORS THE PLAYFUL MIND

本展は、建築家・西澤徹夫が2023年9月にTOTOギャラリー・間での展示会に際して発売した作品集「Tezzo Nishizawa: CHANCE FAVORS THE PREPARED MIND」のスペシャルエディションボックス (特装版) の販売を記念して開催されるもの。西澤徹夫事務所と田中義久率いる centre Inc. は、今回の展示における特装版のあり方について話し合いを重ねてきた。会場には、エディションボックスとセットで制作された、組み立てられる紙の「リトルチェア」や、作品集の制作過程ででた模型や束見本、素材サンプルなどを組み合わせた作品を展示する。会期中にはトークイベントでは、西澤徹夫と田中義久とのトークイベントも実施されるので、この機会にぜひ足を運んでみて。

場所: POST
住所: 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2025年1月10日 (金)〜2月9日 (日)
時間: 11:00〜19:00
入場料: 無料
休業日: 月曜
HP: post-books.info

トークイベント
日時: 2025年1月25日 (土) 18:00-20:00
定員: 25名
立金: 無料
予約サイト: 20250125-talkevent-soutei-kenchiku.peatix.com

立木義浩「舌出し天使 CONTACT SHEETS – 眼差しの軌跡 –」

本展は、87歳の今も精力的に活躍する写真家の立木義浩が27歳で発表した傑作、「舌出し天使」の発表から60年を記念した写真展となる。本展のために立木自身が新たにセレクトしたゼラチンシルバープリント25点とともに、同作のコンタクトシート (OKカットを選ぶ際に用いられる、1本分のフィルムを1枚にまとめたプリント) 24点を初公開。撮影は高度経済成長のただ中にあった1964年に行われたもの。コンタクトシートは通常公開されることはないが、作家と被写体が創り上げた時間、その取り組み、足どり、息づかいが感じられる一枚となっている。多彩なシーンと移り変わる表情から、若き日の立木義浩の眼差しの軌跡をご覧あれ。

場所: FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館
住所: 東京都港区赤坂9丁目7-3
会期: 2025年1月6日 (月)~3月26日 (水)
時間: 10:00-19:00 *最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで
入場料: 無料
HP: fujifilmsquare.jp

テオ・ヤンセン「-Fossielen en Schetsen – Kinetiek Esthetiek」

本展は、オランダ出身の現代アーティスト、Theo Jansen (テオ・ヤンセン) によって作り出された「ストランドビースト」の制作過程が覗けるスケッチ展。「ストランドビースト」はプラスチックチューブやペットボトルなど、身近な素材から構成され、風力によって歩行などを行う仕組みを備える架空の生物。オランダ語で「砂の生命体」を意味するこのビーストたちは、現在の形に至るまで、試行錯誤と進化を繰り返してきた。会場には、彼の独創的なストランドビースト誕生の秘密を感じられるスケッチと、ビーストのフォッシル (化石)と呼ばれるストランドビーストのパーツの標本を展示販売する。

場所: MEDEL GALLERY SHU
住所: 東京都渋谷区神宮前 4-28-18 カトル・バン原宿 B1
会期: 2025年1月17日 (金)〜1月29日 (水)
時間: 13:00-19:00 *最終日17:00まで
入場料: 無料
休業日: 木
HP: medelgalleryshu.com

草野庸子「SCALES」

国内外で高く評価されている写真家の草野庸子。前回開催されたグループ展「幽霊の道具」では、タイで暮らした亡父の痕跡を辿るプライベートでありながらコンセプチュアルな映像作品とプリントを披露したが、「SCALES (鱗)」と題した本展はスプラウトとの特別な取り組みで、シルバー、ゴールドを使用した2種類のデュオトーンのプリントを発表する。デュオトーンは、2色を組み合わせて印刷された技法だが、角度によって鈍く光り、見る時間によっても印象が変わる展示となっている。

場所: SPROUT CURATION 1006
住所: 東京都港区六本木6-12-4 六本木ヒルズ・レジデンスD-1006
会期: 2024年11月16日 (土)〜2025年1月25日 (土)
時間: 13:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 日〜火、祝祭日
HP: sprout-curation.com

スティーヴ・ジャンセン「The Space Between」

©︎ Steve Jansen

1980年代初頭、絶大な人気を誇ったイギリスのバンド Japan (ジャパン) のドラマーとして知られる Steve Jansen (スティーヴ・ジャンセン)。彼は写真家としても活動しており、これまでに数多くの作品を撮影してきた。また2015年に刊行した自身初の写真集『Through A Quiet Window』では、髙橋幸宏プロデュースのもと、日本オリジナル編集として Japan と互いのレコーディングやツアーに参加するなど深い交流のあった、YMO の髙橋幸宏、坂本龍一、細野晴臣との深い交流を写した写真も多数収められている。本展では、2022年秋にジャンセンが来日した際に撮影した新作を展示。展覧会のテーマは、東京都心の建物が乱雑に並ぶ不規則な建築構造からインスピレーションを得た「レジステンシャリズム」。このテーマは、無機物が人間に対して陰謀を企てているというユーモラスな考察で、無機質な物体がまるで悪意や敵意を持っているかのように感じさせる錯覚を引き起こすもの。ジャンセンはその視点から、都市空間における人々の営みを俯瞰することを作品で問いかける。ぜひとも作品にじっくり鑑賞して。

場所: NEW
住所: 東京都渋谷区神宮前5丁目9-15 B1F
会期: 2025年1月10日 (金)~1月23日 (木)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休廊日: 2025年1月12日 (日)、1月19日 (日)
HP: newwwauction.com

マーク・マンダース「Silent Studio」

「MM_1」 Mark Manders Nightfall Scene 2024 Painted bronze, painted canvas, painted wood, iron, painted epoxy 51 x 42 x 23 cm

Mark Manders (マーク・マンダース) は1980年代後半より、彫刻や家具、日用品や建築部材などを「想像上の」部屋に、緻密に練られた配置図に基づいて配するインスタレーションを制作してきた。本展では、ギャラリーの空間を半透明の薄いビニールで囲い、アーティストのスタジオに一変させ、新作を含む9点を公開。展示空間の中央には、「Bonewhite Clay Head with Two Ropes」(2018-2024年)が配され、作業台の上に置かれた乾燥してひび割れたかのような彫刻はロープで留められ、今にも崩れそうな緊張感を与える。これらの作品がスタジオの設えに配されることで、作業の途中であるかのような印象を見る者にもたらし、静かなスタジオに作家がそれまでその場にいたかのような、あるいは長い間放置されたかのように感じさせる。

場所: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル 9F
会期: 2024年12月18日 (水)〜2025年3月8日 (土) *冬期休廊:12月28日 (土)〜1月6日 (月)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休館日: 月、日、祝日
HP: www.gallerykoyanagi.com

「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」

Photo by Neo Sora ©2017 Kab Inc.

本展は、坂本龍一が生前に東京都現代美術館のために遺した展覧会構想をもとに、坂本の創作活動における長年の関心事であった「音と時間」をテーマにした作品を展示する。会場には、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間に展開。映画監督・アーティストの Apichatpong Weerasethakul (アピチャッポン・ウィーラセタクン)、Carsten Nicolai (カールステン・ニコライ)、真鍋大度、高谷史郎、Zakkubalan、岩井俊雄、中谷芙二子など7名のアーティストとのコラボレーションを通して、坂本の創作活動の軌跡を辿るとともに、類稀なアーティストの一面を広く紹介する。

場所: 東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか
住所: 東京都江東区三好4-1-1
会期: 2024年12月21日 (土)〜2025年3月30日 (日)
時間: 10:00-18:00 (展示室入場は閉館の30分前まで)
入場料: 一般 ¥2,400/大学生・専門学校生・65 歳以上 ¥1,700/中高生 ¥960、小学生以下無料
休館日: 月 (1月13日、2月24日は開館)、12月28日〜1月1日、1月14日、2月25日
HP: www.mot-art-museum.jp

瀧本幹也「MONACO Azur」「MONACO Gracieux」

Leica Gallery Tokyo © Mikiya Takimoto

瀧本幹也は、広告写真やCM映像、映画作品撮影をはじめ国内外での作品発表や出版など多彩な活動を続ける写真家。東京と京都の2カ所にて開催される本展は、コート・ダジュールに面した世界で2番目に小さな国であるモナコの地を舞台に、モナコ特有の紺碧の海や空、優雅な空間を切り取った32枚の写真を厳選して公開する。ライカギャラリー東京では17点、ライカギャラリー京都では15点を展示。瀧本幹也が切り撮る世界から語られる言葉、視線の先に綴られる作品をぜひ会場でチェックして。

場所: (1)ライカギャラリー東京 (ライカ銀座店 2F)
(2)ライカギャラリー京都 (ライカ京都店 2F)
住所: (1)東京都中央区銀座 6-4-1 2F
(2)京都府京都市東山区祇園町南側 570-120 2F
会期: (1)2024年12月6日 (金)〜2025年3月9日 (日)
(2)2024年12月7日 (土)〜2025年3月9日 (日)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休館日: 月
HP: leica-camera.com

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ「Dance Floor as Study Roomーしたたかにたゆたう」

「Dance Floor as Study Room—したたかにたゆたう」新作のための制作スチル ©︎ wendelien van oldenborgh

オランダの現代美術を代表するアーティストのひとり、wendelien van oldenborgh (ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ) の新作を発表する展覧会。ファン・オルデンボルフはこれまで映像作品やインスタレーションを通じて、人種差別、ジェンダー問題、歴史、植民地主義などの支配的言説や権力構造に対峙する作品を発表してきた。特に近年は、日本とオランダ、そしてインドネシアにゆかりのある女性アーティストのリサーチを進めており、その中には山口ともゆかりの深い、女優で映画監督の田中絹代や、作家の林芙美子が含まれる。本展では、こうしたアーティストたちに焦点をあて制作した脚本による新作とこれまでに制作された作品のほか、多様な文化や社会を表す装置として、会場をダンスフロアに見立てたインスタレーションを展開する。

場所: 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
住所: 山口県山口市中園町7-7
会期: 2024年11月30日 (土)〜2025年3月15日 (土)
時間: 10:00〜19:00
入場料: 無料
休館日: 火 (祝日の場合は翌日)、12月29日 (日)〜1月3日 (金)、2月26日 (水)〜3月6日 (木)
HP: www.ycam.jp/events

ウェイド・ガイトン「Thirteen Paintings」

Image by: © Wade Guyton Photo Courtesy Matthew Marks Gallery

現在ニューヨークを拠点に活動している Wade Guyton (ウェイド・ガイトン)。創作に用いるメディアと素材は、写真や彫刻、映像、書籍、紙に描いたドローイングなど多岐にわたり、厳密なコンセプトに基づく作品を手がけている。最も知られているのは、大型キャンバスにインクジェットプリンターを使って制作した作品であり、モノクロのイメージ、炎、「X」や「U」の文字、『ニューヨーク·タイムズ』のウェブページといった象徴的なモチーフが繰り返し登場する。ガイトンとその作品はデジタル時代の到来をめぐる芸術議論において重要な役割を果たしている。アーティストにとって初の日本での展覧会となる本展では、2022年に製作された13点のパネルからなる大判絵画作品「Untitled」を展示。これらは制作途中の作品から滴るインクやプリントの際に生じるズレなどのイメージも作品の構成要素となっている。ウェイド・ガイトンの作品を実際にご覧になってほしい。

場所: エスパス ルイ·ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ·ヴィトン表参道ビル7階
会期: 2024年10月31日 (木)〜2025年3月16日 (日)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
休館日: ルイ·ヴィトン 表参道店に準ずる
HP: www.espacelouisvuittontokyo.com