【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会
髙橋恭司
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【開催中】 今週のTFP的おすすめ展覧会
TFP Recommends Exhibitions
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
※新型コロナウイルスの感染予防の取り組みに関する最新の情報については、各施設の公式サイトにてご確認をお願いします。
4月22日〜4月28日
ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫 「SATELLITES」

Nicolas Winding Refn and Hideo Kojima Photo Yuji Watanabe “Satellites” by Nicolas Winding Refn with Hideo Kojima Prada Aoyama Tokyo / 18.4 – 25.8.2025
『プッシャー』3部作や『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』で知られる映画監督 Nicolas Winding Refn (ニコラス・ウィンディング・レフン) とゲームクリエイター・小島秀夫による展覧会。クリエイティブスタジオ by NWR によって構想された本展は、二人の10年以上にわたる共同制作を基に、映画とゲームの境界を超えて深い対話を追求している。まず、会場にはミッドセンチュリー風の空間が広がり、友情やクリエイティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマについて深く思索的な対話を交わす。次に第2部として無数のカセットテープが置かれた更衣室が出現。テープにはサウンドバイトや映画のサウンドトラックが収録されており、ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫の対話がさまざまな言語でAI翻訳され、織り交ぜられている。来場者は山積みのテープの中から1つ、テープを持ち帰ることができるという。映画とゲームの未来の融合を暗示する、新しい創造的体験をこの機会に会場で味わってほしい。
場所: プラダ 青山店
住所: 東京都南青山5-2-6
会期: 2025年4月18日 (金)〜8月25日 (月)
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料
TAKAY「Tesseract」

©TAKAY, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
写真家の TAKAY (タケイ) は、1996年渡英し、イギリスのファッション誌『i-D』でキャリアをスタート。現在はニューヨークと東京を拠点に、ファッション誌から「ArmaniJeans」「Y-3」の広告など、ワールドワイドに活躍する。TAKAY の3年ぶりとなる本展では、瞬間的な身体の動きや変化に着目し、さまざまなシルエットを追いながら、その存在感を表現。写真を通じて、身体の潜在的な力を視覚的に再構築し、観る者に新たな感覚を呼び起こす試みとなる。また、本展にあわせて、Akio Nagasawa Publishing より同名の写真集も刊行。ぜひこの機会をお見逃しなく。
場所: Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所: 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
会期: 2025年4月17日 (木)〜5月31日 (土)
時間: 火曜〜土曜 11:00-19:00 (土曜日は13:00-14:00 一時休廊)
休廊日:日曜、月曜、祝日 *GW休廊有
料金: 無料
HP: www.akionagasawa.com
髙橋恭司「まばたき」

髙橋恭司
1990年代から雑誌『CUTIE』『Purple』など国内外のファッション・カルチャー媒体や広告などで写真を発表し、現在まで時代を先行する写真家、髙橋恭司。本展では、「シャッターを切る恣意的な瞬間」を逆説的に「私が消える瞬間」として捉え直し、「自らが不在になった世界」として写真を発表する。「出してはいけないことが内包されているかのような、よそゆきでもなくドキュメンタリーでもない、さりげない、新しい感覚を想起させられた」と自身が語る新作約20点を展示。また、写真集のアートディレクションなどを担当し、髙橋と親交の深い、フランス現代アーティストの Christophe Brunnquell (クリストフ・ブルンケル) が本展の開催を祝して、オリジナルポスターを制作し、髙橋のサイン入りを50部限定で販売する。
場所: VOID+
住所: 東京都港区南青山3-16-14 1F
会期: 2025年3月28日 (金)~4月26日 (土)
時間: 12:00-19:00
料金: 無料
HP: www.voidplus.jp
【トークイベント】
(1)
日時: 4/11 (金) 18:00-19:30
出演: 髙橋恭司 (写真家/画家) × 安田和弘 (写真研究者) × 小林健(KKAO株式会社)
定員:25名
(2)
日時: 4/24 (木) 18:00-19:30
出演: 髙橋恭司 (写真家/画家) × クリストフ・ブルンケル (アートディレクター/アーティスト)
定員: 25名
エレン・フライス 選書フェア
Elein Fleiss (エレン・フライス) は1990年代初頭に『Purple Prose』や『Purple』を創刊した編集者としても知られており、現在はパリを離れ、現在はフランス南西部にあるサン・アントナン・ノーブル・ヴァルで古着屋やアンティークのオブジェ、食器や本などを販売するお店「Le Batèl (ルベテル)」を友人と経営している。エレンは本に対しても、美しさに対するこだわりと、表紙が素敵であることなど、常にヴィジュアルを大事にする独自の視点で選んでいる。今回のフェアでは、Elein が選書した文学作品、アートブック、古い写真集など手軽な価格で手に入る本が並ぶ。また、今回のために flotsam book にある Elein に関する本なども合わせて販売するという。TFP では昨年11月、代々木八幡にある「Vacant / Centre」で展示を開催した際のインタビューも公開中なので、そちらも併せてチェックしてみて欲しい。
場所: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1丁目10-7
会期: 2025年4月12日 (土)〜4月20日 (日)
時間: 14:00〜20:00
料金: 無料
休業日: 水
HP: www.flotsambooks.com
「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」
本展は、21世紀における最も革新的な建築の数々を手がけた建築設計事務所である OMA とのコラボレーションによってデザインされ、ファッションに対する LOEWE の前衛的なアプローチと世代を超えて受け継がれるクラフトの文化を紹介するもの。手仕事への献身を称える内容となっており、壮大な展示室ではスタジオジブリや京都の陶芸ユニットのスナ・フジタをはじめとする、近年 LOEWE のコレクションにインスピレーションを与えた想像力の世界へ没入することができる。さらに、本展では東京での開催を記念して、LOEWE が日本の国内外で行ってきたコラボレーションや文化プロジェクトを紹介する作品を特別展示。LOEWE FOUNDATION (ロエベ財団) が支援する、京都で400年以上にわたって茶の湯釜を造り続けてきた「大西家」のドキュメンタリー映像に加え、Craft Prize のファイナリストである四代田辺竹雲斎と渡部萌、2019年の大賞受賞者である石塚源太、「ミラノサローネ国際家具見本市」の展示でコラボレーションした ARKO (アーコ)、松本破風らの作品が紹介される。
住所: 東京都渋⾕区神宮前6-35-6
会期: 2025年3月29日 (土)〜5月11日 (日)
時間: 9:00-20:00 (最終入場19:00)
入場料: 無料 (予約制)
HP: loewe.cm/CraftedWorldTokyo
水谷太郎「New Hollow」
ファッション写真やアーティストのポートレート、映像作品を手がける一方、アーティストとして作品制作を精力的に行う水谷太郎。本展では、作家が日本、アメリカ、アイスランドなどで撮影した新旧のモノクロ作品62点を展示。雪の重みで崩れた木造建築、意味を失った看板、車窓から流れゆく景色、自然が生み出す抽象的な模様など、人工と自然のあわいに浮かぶ被写体たちが、空白、静寂、記憶について静かに語りかける。展覧会のタイトル「New Hollow (新たな空洞)」には、時の流れと共に剥がれ落ちた意味や機能の残像が生み出す余白、そしてそこに染み込むように現れる記憶や静寂へのまなざしが込められている。「私たちの視点は何を捉え、写真はその白の向こうに何を映し出すのか」。その答えを探すかのように、水谷は風景を求め続ける。展示されるすべての作品は購入可能だという。ぜひこの機会に会場へ足を運んでほしい。
場所: T&Y Projects
住所: 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 4F
会期: 2025年4月5日 (土)〜5月10日 (土)
時間: 12:00-17:00
入場料: 無料
休業日: 日、月、祝日
HP: www.ty-projects.com
アンゼルム・キーファー「ソラリス」

オーロラ (原題:Aurora) 2019–22 キャンバスに乳剤、油彩、アクリル絵具、シェラック・ニス、金箔、電気分解による沈殿物、石膏、 木、スチール、皮革、チャコール 280 × 470cm
Anselm Kiefer (アンゼルム・キーファー) は、半世紀以上にわたり、文学、歴史、哲学、化学、宗教、神話などを題材に、人類の普遍的なテーマを重層的な作品の中で扱ってきた。本展では、新作を公開するほか、初公開作品を含む絵画、野外彫刻、ガラスケース作品、インスタレーションなど計33点を展示。作品の中には、和歌から着想を得た作品や、原爆投下後の広島の風景画が描き込まれた作品も並ぶ。1945年、第二次世界大戦の終戦直前、空襲下の病院の地下で生まれ、荒廃した戦後ドイツの風景の中で育ったキーファー。今年は長崎と広島への原爆投下、そして、終戦から80年の節目にあたる。彼の作品に反映される、時間の隔たりや地理的距離を超えて私たちを結びつける人類の経験を、二条城の空間で探究する機会になる。
場所: 二条城 台所、御清所等
住所: 京都市中京区二条通堀川⻄入二条城町 541
会期: 2025年3月31日(月)〜6月22日(日)
時間: 9:00-16:30 *最終入場は16:00 二条城の最終入場は16:30、17:00閉門
料金: 一般¥2,200、京都市民・大学生¥1,500、高校生¥1,000 (別途二条城への入場券が必要 一般¥800)
HP: https://kieferinkyoto.com/
長島有里枝 「ガレージセール」
写真家・長島有里枝の近年の活動は作品制作にとどまらず多岐にわたる。作品作りは一貫して自分自身、家族、ペット、大切な友人や仕事仲間、日常の時間、そして親しい他者とのコミュニケーションなど身の回りの大切なものをテーマに写真作品を制作。その時々の自身や社会の状況に合わせながら柔軟に作品を展開してきた。本展「ガレージセール」では、愛猫・愛犬を捉えた新作のモノクロプリントや彫刻をはじめ、日常生活や家事の場面を切り取った「家庭について/about home」のシリーズやアメリカの各地でカメラにおさめた植物のシリーズ「wild flowers」 など、これまで当ギャラリーで発表してきた作品にドローイングを加えて展示。また、これまで「長島有里枝 ケアの学校」や「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」(2024年国立西洋美術館) で制作プロセスを公開してきた愛犬の木彫作品が、本展ではさらに進化した形で展示される。セルフポートレイト、静物、動物、風景などは長島にとってかけがえのないテーマであると同時に、18世紀の女性アーティストたちが社会的な制約の中で選ばざるを得なかった数少ないモチーフでもあった。本展を通じて、長島がこれらのテーマにどのように向き合い、新たな表現へと昇華させているのかをぜひ会場でご覧になってほしい。
場所: MAHO KUBOTA GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
会期: 2025年3月21日(金)〜2025年4月26日(土)
時間: 12:00-19:00
入場料: 無料
休業日: 月、日、祝日
HP: www.mahokubota.com