PORTRAITS | Aug 23, 2017 9:05 PM
プロデューサー、DJとしても活躍する英国人ミュージシャンの BONOBO (ボノボ) こと Simon Green (サイモン・グリーン)。現在は LA に拠点を移し、15年以上にも渡る音楽キャリアの最新章に足を踏み入れている。フジロックフェスティバル '17 に出演するために来日していた彼に、わずかな時間ではあったがインタビューを敢行。短い時間にも関わらず、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた彼の姿は、正に世界中から刺激を受けた “モダン” な英国紳士そのもの。その知的で品があり、ちょっぴりセクシーな出で立ちには、魅了されずにいられなかった。

プロデューサー、DJとしても活躍する英国人ミュージシャンの BONOBO (ボノボ) こと Simon Green (サイモン・グリーン)。現在は LA に拠点を移し、15年以上にも渡る音楽キャリアの最新章に足を踏み入れている。一度NYに引っ越した後、ツアーに出てからはほぼ “ホームレス” だったという彼。ひたすら移動を続け、様々な場所で多くの人々に出会い、刺激を受けたという。その数年の経験と出来事が詰まったのが、2017年1月にリリースされたアルバム『Migration』だ。BONOBO はこのアルバムで、旅における自らのアイデンティティの発展を表現している。“もっと皆が世界を旅して、お互いを理解できるようになれば、世界はより良い場所になることが出来る”。そんな彼の考察は、EU 離脱やトランプ政権といった話題の尽きない今の世の中に生きる我々が、必要としている大切な “何か” なのかもしれない。そんなアルバムを引っさげての単独来日公演が来年2月に予定されている BONOBO だが、待望の初の来日公演を前に、フジロックフェスティバル ’17 に登場。その BONOBO のダイナミックな音楽の世界に壮大なヴィジュアルが加わったステージは、2月の単独公演が更に楽しみになる圧巻のステージだった。ジャンルや国境を超えて絶大なる人気を誇る BONOBO。そんな彼に、わずかな時間ではあったがインタビューを敢行。短い時間だったにも関わらず、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた彼の姿は、正に世界中から刺激を受けた “モダン” な英国紳士そのもの。その知的で品があり、ちょっぴりセクシーな出で立ちには、魅了されずにいられなかった。

Photo by Neil Krug

Photo by Neil Krug

—こんにちは。今日は宜しくお願いします。日本はいかがですか?

楽しんでるよ。新宿の公園を散歩したり、あと、築地の魚市場にも行ったんだ。

—満喫出来ているようで良かったです。では、まずは最新アルバムに関して質問させて下さい。『Migration』は、今までの作品よりさらに、神秘的で、音に広がりやストーリーを感じます。この4年間でインスピレーション源などに変化があったのでしょうか?

一番の変化は、家がなかったということ。ずっとツアーをしていたから、街と街の間を飛び回って、家と呼べる場所がなかったんだ。ニューヨークに引っ越したのも大きな変化だったし、そのあとも、ツアーバスとホテルの中だけで生活していた。その状況が、そのままインスピレーションになったんだ。

—なるほど。その生活環境が今回のレコードに反映されているわけですね。

そうだよ。

 

No Reason (feat. Nick Murphy)

—今回、同じくフジロックに出演している Rhye (ライ) をフィーチャリングした「Break Apart」に関してお聞きします。彼も昨日フジロックでプレイしていますね。

そうそう。昨日彼からメッセージが来たところだよ。

—この楽曲が生まれた経緯を教えてください。

この曲は、移動中の飛行機の中で書いたんだ。ボーカルがないまま、一年くらいで曲を仕上げた。ある時マイアミで EDM のフェスがあったんだけれど、何せ EDM だから、そのフェスが自分には合ってなくて、帰りの飛行機でモヤモヤしていたことがあってね (笑)。その時に、もっと曲っぽいものを作りたくなってあの曲のコードとループを書き始めたんだよ。最初は Blur (ブラー) の Damon Albarn (デーモン・アルバーン) にボーカルを頼んだんだけど、彼は Gorillaz (ゴリラズ) の作品づくりで忙しかったから参加出来なかった。で、Rhye と一緒に話しているときにこのトラックの話が出て、彼に歌ってもらうことになったんだ。俺自身もこのトラックを様々な場所で作ったし、ライも当時ヨーロッパ・ツアー中だったから、コーラスをベルリンでレコーディングして、ヴァースをアムステルダムでレコーディングする、というようにヨーロッパのいくつかの場所でボーカルをレコーディングして出来たのがこの曲なんだよ。

—Rhye のボーカルのどの部分が曲とマッチしたと思いますか?

彼の声って、良い意味で曖昧なんだよ。誰の声か特定し難い。そこが好きなんだ。

 

Break Apart (feat. Rhye)

—あなたが作る EDM も私は聴いてみたいですけどね (笑)。BONOBO が作る EDM だったら、すごくダイナミックでカッコいいものになりそうですが。

もしかしたら、今後作ることもあるかもしれない (笑)。BONOBOとしてではなく、名前を変えて、楽しむためのプロジェクトとしてね。実は、もう別名義でテクノは作っているんだよ。リリースもしているけど、その名前は誰にもおしえない (笑)。それは活動の一部としてじゃなくて、ただエクスペリメンタルになることを楽しんでいる趣味の一環だからね。

—どうにか探し当てて聴いてみたいです (笑)。あなたは多くのアーティストと交流があると思いますが、これから一緒に音楽を作ってみたいアーティストなどいますか?

これは現実的にというよりは夢だけど、Björk (ビョーク) だな。

—Björk も今日フジロックでここにいますね。話しかけてみては?(笑)

そうなんだよ。コラボしないか聞いてみようかな (笑)。

—もし実現したら、彼女とどのような作品を作りたいですか?

何が出来るかわからない。そこが魅力だと思うんだ。他のアーティストとのコラボでもそれは同じだけど、プロセスの中でどんどん進化していく。それが面白いんだよ。

—Björk を選んだ理由は?

彼女は素晴らしいから。その一言に尽きるね (笑)。

©︎ Masanori Naruse

©︎ Masanori Naruse

—今回のグローバルツアーでは、映像にもこだわっているそうですね。

ライブで流れるビデオは、アルバムのアートワークを撮影したのと同じ場所で撮られたものもある。ドローンを使ったりもして、すごく面白いものが出来ていると思うよ。アルバムの音楽やビデオ、ライブショーの世界観は、全て繋がっているんだ。

—見たものや、抽象的なものを音に変換することと、逆の視覚で訴えるということはどのような魅力がありますか?ステージの演出などのイメージソースはどこから得るのですか?

音で何かを表現するのも、ヴィジュアルで何かを表現するのも同じだね。頭の中にあるイメージを、いかに表現出来るかが大切なんだ。そしてそれ以前に、自分とそのイメージの関連性を把握しておくことも大切だね。今回のイメージソースは、さっきも話した通り、様々な場所を旅していたから、それぞれの地理や文化、ランドスケープのイメージがまずあって、そこから徐々に発展していった。あと、人々の移動と共にその土地の文化も一緒に動いていくという流れも表現したいというアイディアもあったよ。

©︎ Masanori Naruse

©︎ Masanori Naruse

—今回のツアーでは映像が進化していますが、今後何かライブに関して試してみたいことはありますか?

試したいことは色々あって、それは常に変わるんだけど、巨大な空間でのショーはいつかやってみたいと思ってるんだよね。ステージとオーディエンスの位置は一定で、オーディエンスが前からバンドやミュージシャンを見るという形が普通だけど、自分の後ろから見ても楽しめるような、大きなスケールのショーにチャレンジしてみうたいんだ。

—世界中を旅されていたあなたですが、とりわけ印象に残っている土地はありますか?自身の価値観を変えるようなできごとはありましたか?

土地というより、印象に残るのは会場なんだよ。コロラドのレッドロックは素晴らしかったな。本当に美しくて、まるで自然のシアターみたいなんだ。あとは、やっぱりロンドンだね。馴染みのある場所だし、オーディエンスのエナジーが違う。何か特別な繋がりを感じるんだ。

—『The Fashion Post』なので、最後に少しファッションの質問をさせて下さい。

もちろん!何でも聞いてくれ (笑)。

—ありがとうございます (笑)。ファッションやライフスタイルについてのこだわりなどがあればおしえて下さい。

俺はシンプルでミニマルななファッションが好きだね。音楽でも同じ。複雑すぎて音がただ鳴りまくっているだけのノイズより、シンプル且つ素晴らしいものを作る方が難しいし、美しいと思う。

—日本で買い物はします?

服を買いたいんだけど、サイズが合わなくて無理なんだよ。たまに良い服を見つけるんだけど、Lサイズでも俺には小さすぎて (笑)。自分に合えばもっと日本で服を買いたいんだけどね。

—では最後の質問です。世界を旅されているあなたですが、その経験により、自分自身の世界観や姿勢において何か変化はありましたか?

変化というよりは、より人々や物事を理解出来るようになったと思う。この目で様々な場所を見たり人々に実際出会うことで、理解力がついた。これは大切なことだと思うし、もっと皆が世界を旅して、お互いを理解出来るようになれば、世界はより良い場所になることが出来ると感じたよ。ここ数年は、本当に嵐のようだった。ニューヨークに引っ越して、大切な人と付き合っていたと思ったら、突然家と呼べる場所がなくなり、恋人とも別れ、家族の1人が亡くなり、飛行機とホテル、ツアーバスで暮らす毎日。色々と大変だったんだ。でも、今はLAに引っ越して、ツアーが始まって、また自分のライフスタイルを再構築しているところ。再スタートだね。

—ありがとうございました!

ありがとう!楽しかったよ。

<プロフィール>
BONOBO (ボノボ)
2010年の『Black Sands』や2013年の『The North Borders』で世界的ブレイクを果たし、今やジャンルや国境を超えて絶大なる人気を誇る。Skrillex (スクリレックス)、Disclosure (ディスクロージャー) や Warpaint (ウォーペイント) といった幅広いアーティストが BONOBO のファンであることを公言している。前作リリース時の大規模な世界ツアーは、30カ国を超える国々で、計約180回のライブを行い、ロンドンの殿堂アレキサンダー・パレスを含むヘッドライン公演すべてをソールドアウトさせるなど、総計200万人以上の動員を記録した。2017年1月には待望の最新アルバム『Migration』をリリース。初登場全英チャート5位という快挙を成し遂げている。来年2月には日本でバンドセットでの単独ライブ公演が決定している。

ライブ情報
会場 ⑴ BIG CAT (大阪)
⑵ EX THEATER ROPPONGI (東京)
日にち ⑴ 2018年2月14日(水)
⑵ 2018年2月15日(木)
開始時刻 Open 18:30 Start 19:30
問い合わせ先 ⑴ 06-6535-5569 (SMASH WEST)
⑵ 03-3444-6751 (SMASH)
協力 BEATINK
HP smash-jpn.com

 

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