世界を駆け巡るファッションセレブリティ、Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) が語る、インターネット世代の未来
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世界を駆け巡るファッションセレブリティ、Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) が語る、インターネット世代の未来
Her Name Is Yulia - Tokyo's Jetset Queen Talks About Her Brand, DJ Career And The Coming Up New Songs
Model: Mademoiselle Yulia
Photographer: Yusuke Miyashita
Hair: Eiji Sato
Styling Assistant: Riku Fukushima
Editor: Shunsuke Okabe
Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) は今どこにいるのだろうか。パリ、ロンドン、ミラノ、東京に帰ってきたかと思えば次の瞬間にはニューヨークへ向かう空路にいるかもしれない。日本という枠を超え、世界を舞台に活躍するDJ、シンガー、デザイナー、デジタルインフルエンサー。待望の新曲の制作に勤しむ彼女が考える、インターネット時代におけるアーティストの在り方とは。
Mademoiselle Yulia (マドモアゼル・ユリア) は今どこにいるのだろうか。パリ、ロンドン、ミラノ、東京に帰ってきたかと思えば次の瞬間にはニューヨークへ向かう空路にいるかもしれない。日本という枠を超え、世界を舞台に活躍するDJ、シンガー、デザイナー、デジタルインフルエンサー。待望の新曲の制作に勤しむ彼女が考える、インターネット時代におけるアーティストの在り方とは。
– 先週までパリに行っていたとのことですが、今回はどのような滞在でしたか?
今回は現地でDJをするために行ったんですが、ちょうどウィメンズ プレタポルテのファッションウィークの時期だったので、ファッションショーや展示会なども回りました。訪れる度に新しい出会いや発見があるパリは、私にとって一番好きな都市の一つです。
– 現地ではコレクションクルーズとDJ以外に何かありましたか?
2008年から始めたアクセサリーブランド、GIZA (ギザ) の展示会をパリでいつか開催したいと思っていたので、現地のショールーム回りを少し。やはり日本とヨーロッパではマーケットの規模も性質も大きく異なるのでリサーチが大変ですが、近いうちに披露出来たらと思っています。
– GIZA は東京で既に若年層を中心に高い人気を博していますね
嬉しいことに、東京での反響はまずまずです。とはいえ、私は常にグローバルな視点で物事を考えているので、ローカルブランドで留めておく予定はありません。同じく GIZA のことで言えば、6月に新たな iPhone ケース、あとその後には私が昔から大好きなドイツのグミ、Haribo (ハリボー) とのコラボアクセサリーを発表します。
– Yulia さんといえば Haribo ですもんね (笑)
そう、あの固い歯応えとクマのキャラクターが大好きなんです (笑)
– DJ、デザイナー、2011年には初のシンガーとしてのアルバム「MADEMOWORLD」、2013には「Whatever Harajuku」をリリースしていますが、これらの幅広い活動をどのようにバランスを取っているのでしょう?
もちろん主軸はDJにおいています。16歳で手をつけてから今まで、ずっと。でも最近ではその他の活動にも同じように力を注いでいて、GIZA でのデザイナー活動、そしてシンガーとしては現在夏に発表する新曲の制作に取りかかっています。全てを同じバランスで両立するのは難しいことですが、それと同時にやりがいも大きいです。
– 新曲について、可能な限りで教えてもらえますか?
現在進行形で動いているのでまだ最終的な形は定まっていませんが、今回はニューヨークで楽曲制作を依頼しています。これまではアーティストとしてレーベルとエージェントに所属していましたが、今回はインデペンデントで発表するつもりです。CDが売れないと言われて久しい今日ですが、新作ではデジタル配信をメインに考えています。
– 日本では未だにCDを売ろうとする音楽業界の気風がありますね
もちろんCDを否定するつもりはありません。とはいえ流行の音楽に敏感な若い子たちは今どきCDなんて滅多に買わない。デジタル配信に加え、SoundCloud (サウンドクラウド) や Spotify (スポティファイ) などを使って、インターネットで検索すればすぐさま新曲が流れてくる時代なので、次作ではより幅広く世界中で聞いてもらえたらと思いデジタル配信に注力するつもりです。あとは、個人的に嗜好品としてのアナログディスクが好きなので、今回発表するトラックはアナログでも発表しようと思っています。
– デジタル配信といえば、ちょうど先月発表された新たな音楽配信サービス「Tidal (タイダル)」が話題をさらっていますね
Jay Z (ジェイZ) が出資する次世代のストリーミングサービス、「Tidal」は既存のフォーマットに当てはまらない自由な表現の場として注目しています。権利が守られた上でアーティスト活動に専念できる。Jay Z の知名度もあり、今後世界的な広がりを期待出来るはずです。とはいえ日本ではまだ先の Spotify ですら浸透していない状況なので、まだ時間がかかるのでは無いでしょうか。
– CDが売れない時代において、アーティストがマネタイズするスキームは大きく様変わりしているということですね。
変化の一つとして、これも海外でよく見られることですが、アーティストのミュージックビデオが広告化していることも挙げられます。ミュージックビデオそのものがコンテンツとしてインターネットで拡散される時代において、イメージに合ったブランドや企業とタッグを組むことは、双方にとってメリットの大きいビジネスモデルです。こうしてバズを起こしてインターネットで拡散された音楽が向かう先は、当然ながらCDではなくデジタル配信。今の時代、アーティストはデジタルカルチャーといかに上手く共存していくかが大きな課題です。
– デジタルカルチャーといえば、Instagram (インスタグラム) をはじめとするソーシャルメディアなども大きく関わってくるのではないでしょうか
ファッションシーンを中心に人気に火がついた Instagram も、今やメインストリームになりつつあります。ありとあらゆる情報が瞬く間に拡散されて、次の瞬間にはまた違う情報が飛び込んでくる。ソーシャルメディアの世界はまさにインターネット時代の縮図と言えるでしょう。正直なところ SNS は実体のつかめない架空の世界だと思っているので、どこまで信じていいのか分からないというのが本音ですが。
とはいえ猫も杓子もソーシャルメディアの今、Instagram は私にとっても日常に不可欠なコミュニケーションツールです。特に若い子たちにとって、Instagram は生活の一部として圧倒的な支持を集めています。実際 ”インスタグラマー” と呼ばれる人たちのセルフプロデュースのスキルは、目を見張らずにはいられません。メイク、スタイリング、自撮りの撮影、そのどれをとっても彼らにしか出来ない自家製のスタイルを築き上げている。こうして作り上げられたイメージを、巧みに拡散するプロモーションスキルにも長けている。instagram は現代人に、セルフブランディングという言葉を浸透させたのでは無いでしょうか。
– ソーシャルメディア時代における、インフルエンサーの3カ条を掲げるとしたら何を挙げますか?
まず肝心なのは、先ほども言ったようにセルフプロデュース力。誰でも簡単に情報発信出来るからこそ、ライフスタイル、ファッション、メイク、それぞれをいかに効果的にアピール出来るかが重要です。加えて、セルフプロデュースしたイメージを効果的に情報共有するセルフマネジメント力も必要。インフルエンサーと呼ばれる人たちの中には、まるで芸能人やモデルと同じように、SNS上の自身をプレゼンし、自分自身の世界を作り上げているクレバーな人たちがいます。こうしたプロフェッショナル意識は、インフルエンサーとして必要不可欠です。そしてもう一つ挙げるとすれば、やはり ”実体” を持つことでしょうか。私自身、これまでインフルエンサーとして様々なプロジェクトに携わってきましたが、それ以前に私には DJ という本業があり、その中で自分のアイデンティティを実体化してきました。インフルエンサーはともすれば本質の無いように聞こえがちです。だからこそ、実際に生活している世界でいかに自己を築き上げていくかが求められているように感じます。インターネット全盛の時代とは言え、やはり最後に行き着くのは “人間” だと信じているので。もし初音ミクのように、一切実体を明かさず、バーチャルな世界に徹底したインフルエンサーがいるとすれば話は別ですが。
– 最後に、今後のビジョンについてお聞かせ下さい
自分でも不思議なんですが、最近自分が原点回帰しているように感じていて、特に DJ の仕事の割合が増えてきています。最近ではアーティスト活動やデザイン、ファッションブランドとのプロジェクトは継続的に続けていきますが、DJ を基軸にして Mademoiselle Yulia という人物像を広げていけたらなと思っています。具体的な目標としては、2020年に開催されるオリンピックで DJ がしたいです。これは色んな人に言いふらしていることですが (笑)
Mademoiselle Yulia/DJ、シンガー、デザイナー
10代からDJを始める。ジャンルに囚われないオリジナルな選曲やパフォーマンス、ファッションセンスにより現在活動の幅はDJ、シンガー、自身のブランドGIZAのデザイナー、ファッション・アイコン、コラム執筆等多岐に渡る。拠点は東京に置いているものの、活動範囲は全世界に及ぶ。パリを始めとする全世界でのファッションイーク、著名ブランドやショップでのDJやライブ等でも活動。これまでに3枚のMIX CDと2枚のオリジナルアルバムをUNVERSAL MUSICより発表。2015年には Chanel のグローバルプロジェクト「Outside Chanel」で東京を代表する顔として起用されているほか、Samsung のスマートフォン「Galaxy S6」 のキャンペーン広告ではメインキャストとして登場している。
HP: mademoiselleyulia.com
Instagram @mademoiselle_yulia
Twitter @MLLE_YULIA
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