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おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
『アイム・スティル・ヒア』

©2024 VIDEOFILMES / RT FEATURES / GLOBOPLAY / CONSPIRAÇÃO / MACT PRODUCTIONS / ARTE FRANCE CINÉMA
『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』で知られる名匠 Walter Salles (ウォルター・サレス) が、16年ぶりに祖国ブラジルにカメラを向けた最新作。本作の時代背景は、軍事独裁政権が支配していた1970年代。元国会議員が政権の工作員によって誘拐・拷問され、死に至った実話をもとにした政治ドラマを描く。ブラジル・リオデジャネイロに住むルーベンスは、妻エウニセと5人の子どもたちと幸せに暮らしていた。だが、スイス大使誘拐事件を機に社会情勢は一転。軍の抑圧は市民に向かい、ルーベンスは軍に連行され、2度と帰らぬ人となった。そして未亡人となったエウニセには、夫の消息を知らされなかった。本作では、自身も軍に拘束され、自由を奪われても声を上げ続けたエウニセの力強い人生にフォーカス。夫の死に対する国家の責任を認めさせるため何年も闘い、彼女の存在はやがて時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。本作は、理不尽な時代に争い続けた1人の女性の姿を、永遠の記憶として刻み続ける。
公開日: 8月8日(金)
監督: Walter Salles
出演: Fernanda Torres (フェルナンダ・トーレス)、Selton Mello (セルトン・メロ)、Fernanda Montenegro (フェルナンダ・モンテネグロ)
HP: klockworx.com/imstillhere/
『キムズビデオ』

©Carnivalesque Films 2023
ニューヨークの映画ファンが通い詰めたという伝説的レンタルビデオショップ「キムズビデオ」。55,000本にものぼる膨大なコレクションの行方を追った、遊び心あふれるドキュメンタリーが誕生した。1987年、キム・ヨンマンが立ち上げた「キムズビデオ」には、貴重かつマニアックな映画の宝庫であり、かつてはカウンターカルチャーの中心地として存在していた。2008年、時代の変遷によって惜しまれつつ閉店した本店。経営者のキムは、条件付きで価値ある作品群をシチリア島のサレーミ市に移した。その数年後、本作の監督 David Redmon (デイヴィッド・レッドモン) が現地を訪れると、劣悪な環境で保管されるコレクションを発見。過去の名作たちを救うべく、David は荒唐無稽な奪還作戦を決行する。アメリカのサンダンス映画祭で本作が上映されると、「常軌を逸したドキュメンタリー」と映画ファンからの熱狂的な支持を獲得。共同監督を務めた Ashley Sabin (アシュレイ・セイビン) と David Redmon は、映画の聖地を舞台にした、まさに映画ファンによる映画を作り上げた。あふれんばかりの映画愛に包まれたドキュメンタリーを、ぜひスクリーンで見届けてほしい。
公開日: 8月8日(金)
監督: David Redmon、Ashley Sabin
出演: Kim Yong-man (キム・ヨンマン)
HP: kims-video.com
『美しい夏』

©︎2023 Kino Produzioni, 9.99 Films
イタリア文学界の巨匠 Cesare Pavese (チェーザレ・パヴェーゼ) の同名小説を、Laura Luchetti (ラウラ・ルケッティ) 監督が現代的な感性で映像化。舞台となるのは、イタリアの最初の首都トリノ。1938年、戦争の影が静かに迫るなか、少女が対照的な女性と出会い、少しずつ大人になっていく過程を映し出す。16歳の少女ジーニアは、トリノでお針子として働いている。都会に馴染めない日々を送っていると、ある日、画家のモデルをしている3歳年上の女性アメーリアに出会う。ジーニアは自由に生きる彼女に導かれ、芸術家たちが集う世界へ足を踏み入れる。思春期の真っ只中であるジーニアと、すでに自立し、逞しく生きるアメーリアは、互いを知り、徐々に惹かれあっていく。本作は、バロック様式の洗練された建造物を背景に届けられ、息を呑むように美しいイタリアの夏を体感できる。ジーニア役には、実力派として知られるイタリア人俳優 Yle Vianello (イーレ・ヴィアネッロ)、アメーリア役には、現在 Dior (ディオール) のアンバサダーも務め、世界が注目する新星 Deva Cassel (ディーヴァ・カッセル) を抜擢。2人の変わりゆく心と関係を繊細に綴った不朽の名作が、スクリーンに蘇る。
公開日: 8月1日(金)
監督: Laura Luchetti
出演: Yle Vianello、Deva Cassel、Nicolas Maupas (ニコラ・マウパ)
HP: mimosafilms.com/labellaestate
『未来への警鐘 原発を問う』

©︎2023 Brighter Future, LLC
『プラトーン』、『7月4日に生まれて』で2度アカデミー賞監督賞を受賞したアメリカの名匠 Oliver Stone (オリバー・ストーン) 監督の最新作。アメリカ人科学者 Joshua S. Goldstein (ジョシュア・S・ゴールドスタイン) の著書『明るい未来』をもとに、自らが取材に足を運び、原子力エネルギーを見直す社会派ドキュメンタリー を制作した。再生可能エネルギーへの投資は、世界中でおよそ3兆ドルに達したという。多大な努力と期待にも関わらず、地球は30年以内に炭素排出をほぼ100%カットしなければ、2050年までに生態系と経済に深刻な被害が及ぶと言われている。貧困国は急速に開発を進めるため、最も安く、早い発電手段である石炭を使うが、人間・環境に大きな悪影響をもたらす。また、原子力エネルギーによる被害も甚大だ。地球が気候変動とエネルギー貧困の課題に直面する今、果たして「原発」は未来への鍵となるのか。人類が選ぶべきエネルギーとは何か。スクリーンで、Oliver Stone の原子力に対するメッセージを受け取ってほしい。
公開日: 8月1日(金)
監督: Oliver Stone
HP: nuclearnow.negadesignworks.com
『入国審査』

©︎2022 ZABRISKIE FILMS SL BASQUE FILM SERVICES SL SYGNATIA SL UPON ENTRY AIE
わずか17日間の撮影、低予算で制作された監督デビュー作が、世界15カ国の映画祭で20受賞を達成。映画界に衝撃を走らせた話題作がついに日本上陸を果たす。本作で描かれるのは、空港の入国審査で繰り広げられるサスペンス。監督自身が故郷ベネズエラからスペインに移住した際に経験したエピソードをもとに、リアリティと緊張感あふれる会話劇を作り出した。バルセロナからニューヨークへと降り立ったのは、事実婚のパートナーであるディエゴとエレナ。エレナがグリーンカードの抽選に当選し、憧れの新天地での幸せな暮らしを夢見ていた。だが、入国審査で別室に案内されると、尋問が開始。あらゆる質問と、それに対するディエゴの答えに、エレナは疑念を抱き始める。2人はなぜ別室に案内されたのか。パートナーは、自分に嘘をついているのだろうか。現在アメリカは第2次トランプ政権を迎え、移民の強制送還、不当な逮捕が相次いで報道されている。予測不可能な恐怖が緊迫感を煽る77分間は、我々にとっても「いつか起こりうる話」かもしれない。深層心理を探るサスペンスとその結末を、ぜひ見届けてほしい。
公開日: 8月1日(金)
監督: Alejandro Rojas (アレハンドロ・ロハス)、Juan Sebastian Vasquez (フアン・セバスティアン・バスケス)
出演: Alberto Ammann (アルベルト・アンマン)、Bruna Cusi (Bruna Cusi)、Ben Temple (ベン・テンプル)
HP: movies.shochiku.co.jp/uponentry
『私たちが光と想うすべて』

©︎PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINEMA – 2024
2024年に開催された第77回カンヌ国際映画祭にて、インド映画史上初のグランプリを受賞した話題作が日本上陸。メガホンをとったのは、本作が初の長編映画となった新鋭 Payal Kapadia (パヤル・カパーリヤー) 監督。彼が作中で捉えたのは、ままならない人生の中でありのままに生きたいと願い、支え合う女性たちの姿。大都会ムンバイで看護師として働いているプラバと、年下の同僚アヌは、2人でルームシェアをしている。一緒に暮らしているが、2人の間には少し心の距離があった。既婚者であるプラバは、夫が外国へ行ったきり音沙汰がない。一方アヌは、イスラム教徒の恋人がいるが両親からお見合い結婚を迫られていた。ある日、病院に勤める同僚が故郷に帰ることに。彼女を見送る旅へ出た2人は、人生を変えてくれる出来事に遭遇する。本作の特徴は、光に満ちたやさしく淡い映像美と、洗練されたサウンド。これまでのインド映画のイメージを刷新するほど、夢のような幻想的な世界観を紡ぎ出した。自分の人生を追い求めるプラバとアヌの姿は、国境、文化、世代を超えて共感を呼び起こす。
公開日: 7月25日(金)
監督: Payal Kapadia (パヤル・カパーリヤー)
出演: Kani Kusruti (カニ・クスルティ)、Divya Prabha (Divya Prabha)、Chhaya Kadam (チャヤ・カダム)
HP: watahika.com
『水の中で深呼吸』

揺れ動く10代の心を、みずみずしい映像で写し出したひと夏の物語。主人公・葵を演じたのは、『猿楽町で会いましょう』、『うみべの女の子』など数々の作品で主演を務める実力派俳優・石川瑠華。さらに、大河ドラマや映画などに出演する中島瑠菜、『ナミビアの砂漠』にも登場した倉田萌衣など、フレッシュなキャストが集結した。水泳部に所属している高校1年生の葵は、同級生の部員・日菜に惹かれていた。ある日、日菜へ嫌がらせをする上級生に刃向かったことで、上級生と水泳リレー勝負をすることに。実力不足であり、圧倒的不利な1年生。周囲に批判される葵を慰めたのは、幼馴染の昌樹だった。日菜と昌樹の間で揺れ動く想いを抱えながら、勝負に向けて練習を積み重ねていく。本作は登場人物の内面に寄り添い、言葉にならない悩みを優しく照らす。初めて出会う感情に戸惑いながらひたむきに生きる彼らの姿は、誰もが胸の奥に秘めている青春の記憶を、静かに呼び覚ますかもしれない。
公開日: 7月25日(金)
監督: 安井祥二
出演: 石川瑠華、中島瑠菜、倉田萌衣
HP: mizunonaka-movie.jp
『ROPE』

©︎映画「ROPE」
本作の主人公は、不眠症に悩まされている無職の青年、修二。彼が失踪した女性「小川翠」を探し始めることで物語は展開していく。捜索を続けると、徐々に彼は彼女のことを考えるようになる。そして翠が姿を消した理由は、想像を超えるものだった。八木伶音監督と、企画・主演を務めた樹がともに長編初監督、初出演を飾った『ROPE』。明日の見えない男と、悲しい過去を持つ女のボーイミーツガールをテーマに、緩やかにディストピアへと向かっていく社会の中でさまざまな人々と対話し、モラトリアムにかすかな希望の光が差し込む様子を表現。そして本作の特徴は、キャスト・スタッフは20代を中心に構成していること。ヒロインである芋生悠を筆頭に、若き才能が惜しむことなく発揮されている。また主題歌を手がけるのは、言語センスと温かみのあるサウンドで注目を浴びるロックバンド MONO NO AWARE (モノノアワレ) のボーカル・ギターを務める玉置周啓。現代を生きる若者が抱える不安や悩みを反映した等身大の姿を、スクリーンで感じてほしい。
公開日: 7月25日(金)
監督: 八木伶音
出演: 樹、芋生悠、藤江琢磨
HP: ropemovie.com
『MELT メルト』

©︎Savage Film – PRPL – Versus Production-2023
ひとりの女性が少女時代に経験したトラウマと対峙する姿を描く、オランダ・ベルギー合作のリベンジ・スリラー。ベルギーの首都・ブリュッセルでカメラマン助手として働くエヴァは、恋人も友人もおらず、両親とも絶縁し孤独な人生を歩んでいた。そんな彼女のもとに届いた一通のメッセージが、13歳の頃に負ったトラウマを呼び覚ましてしまう。そして、謎めいた大きな氷な塊を車に積み、故郷の村へと復讐へ向かうのだった。本作は、大人になったエヴァが忌まわしい過去を回想する形で展開。観る者の顔を引き攣らせるような復讐劇を繰り広げながら、エヴァの人生を狂わせた惨劇の真実を巧みな構成で明らかにしていく。そんな本作のメガホンをとったのは、女優として20年以上のキャリアを持つベルギー人 Veerle Baetens (フィーラ・バーテンス)。監督デビュー作でありながら、2023年のサンダンス映画祭では最優秀演技賞に輝き、ベルギーのアカデミー賞たるマグリッド賞では最優秀フランドル映画賞を受賞するなど映画賞を席巻。儚くて美しい復讐劇が、観る者の心を冷ややかに包み込む。
公開日: 7月25日(金)
監督: Veerle Baetens
出演: Rosa Marchant (ローザ・マーチャント)、Charlotte De Bruyne (シャルロット・デ・ブライネ)、Sebastien Dewaele (セバスティアン・デワーレ)
HP: melt-film.com
『Eno』

音楽、そしてアートにおいて常に革新的なクリエイションを続けてきた伝説的アーティスト Brian Eno (ブライアン・イーノ)。ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、アクティベスト、そのすべての分野で時代の先を走り続けている彼の真髄に迫る、完全ジェネラティヴ・ドキュメンタリー映画『Eno』がついに日本上陸を果たす。本作では、監督を務める Gary Hustwit (ギャリー・ハストウィット) が、アーティストの Brendan Dawes (ブレンダン・ドーズ) と共同開発した自動生成システム「Brain One (ブライアン・イーノのアナグラム)」を導入。制作過程では、Brian Eno への長時間のインタビューと500時間を超える貴重なアーカイブ映像を組み合わせることで、観るたびに構成や内容が変化する映画の常識を覆す全く新しい体験を実現させた。Brian Eno は、イギリスのバンド「ロキシー・ミュージック」の創設メンバーの1人として世界的注目を集め、プロデューサーとしては David Bowie (デヴィッド・ボウイ)、Talking Heads (トーキング・ヘッズ) といった名だたるアーティストのアルバムを手がけてきた。アンビエント・サウンドの第一人者であることや、「Windows 95」の起動音を制作するなど、その伝説は語り知れない。彼の内面へ迫り、映画の常識を覆すような体験へと導く本作をお見逃しなく。
公開日: 7月11日(金)
監督: Gary Hustwit (ギャリー・ハストウィット)
出演: Brian Eno
HP: enofilm.jp
『顔を捨てた男』

©2023 FACES OFF RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画界の最前線を駆け抜けるスタジオ A24 が、気鋭の Aaron Schimberg (アーロン・シンバーグ) とタッグを組んだ作品をリリース。監督・脚本を務め描いたのは、顔に極端な変形を持つ、俳優志望エドワードの物語。彼は隣人であり劇作家を目指すイングリッドに惹かれながらも、自分の気持ちを閉ざして生きていた。ある日、外見を劇的に変える過激な治療を受け、念願の「新しい顔」を手に入れる。過去を捨て、別人として順風満帆な人生を歩み出した矢先、目の前に現れたのは、かつての自分の「顔」に似たカリスマ性のある男オズワルドだった。その出会いによって、エドワードの運命は大きく変わっていく。監督は、自身が口唇口蓋裂の矯正治療を受けた経験をインスピレーション源に、外見やアイデンティティをテーマとした独創的な世界観を表現。今回は「顔が変わればなりたい自分になれるのか?」という問い、SNS 社会によって加速していくルッキズムを痛烈に風刺。ブラックユーモアの先にあるのは、ありのままを受け入れるエドワードか、はたまた「顔」に苦しめられるエドワードか。現代を生きる我々の心に深く突き刺さる、究極の不条理劇。
公開日: 7月11日(金)
監督: Aaron Schimberg
出演: Sebastian Stan (セバスチャン・スタン)、Renate Reinsve (レナーテ・レインスベ)、Johnny Keating (ジョン・キーティング)
HP: different-man
『YOYOGI』

©Max Golomidov
映画『コントラ KONTORA』 の撮影監督を務め、2014年から日本を拠点に活動してきたエストニア出身の Max Golomidov (マックス・ゴロミドフ) 監督。今回は監督・撮影を手がけ、東京・代々木公園を静謐に観察したドキュメンタリー作品をリリース。都立代々木公園は1910年、日本で初めて航空機のパイロットが有人飛行に成功した場所。1967年にその飛行場は役目を終え、人々の憩いの場として現在でも親しまれ続けている。本作は四季の移り変わりを背景に、緑豊かな公園で繰り広げられる日常を瞑想的に捉えた。美しく色づく桜の木と対象的に青々とした竹藪が立ち並び、緑のカーペットのように広がる草原が来園者を迎え入れる。そしてそこには、ベンチに座るカップルやジャグリングを練習している2人の女性、その周りを走り回る子どもたち。代々木公園を訪れる人々が意図せず生み出すその場限りの劇に、身を預けてみては。『YOYOGI』は渋谷イメージフォーラムより順次、全国で放映開始。
公開日: 7月19日(土)
監督: Max Golomidov
『盲山』

©2007 Tang Splendour Films Limited – Kun Peng Xing Yun Cultural Development Limited
中国政府による厳しい検閲で約20か所のシーンをカットしながらも、最終的に国内上映を全面的に禁じられた衝撃作が、シネマート新宿にて、7月18日(金)より1週間限定上映。物語の主人公は、仕事を探していた22歳の大学生、白雪梅 (パイ・シューメイ)。彼女は仕事を紹介してくれるという女性に出会い、遠く離れた山奥へと向かう。だがその女性は人身売買業社であり、白雪梅は村に住む男の花嫁として売られたことを知る。抵抗しても暴力・監禁によって捩じ伏せられ、奴隷のような生活を送らされ、やがて完全に囚われの身に。月日が経ち、村の人々は白雪梅の監視の目を緩め、家族と連絡を取ることに成功するが、新たな悲劇が彼女を待ち受けていた……。本作はリアリティにこだわり、村人を演じるのはいずれも演技経験のない地元の農民、主要キャストは北京電影学院の学生をキャスティング。残虐的なシーンを生々しく描きながら、冷徹な社会風刺が表現され、大きな社会反響を呼んだ。本国では封印されてきた、まさに「禁断の傑作」が今、スクリーンに解き放たれる。
公開日: 7月18日(金)
監督: Li Yang (リー・ヤン)
出演: Huang Lu (ホアン・ルー)、Youan Yang (ヤン・ユアン)、Zhang Yulin (チャン・ユーリン)
『IMMACULATE 聖なる胎動』

© 2024, BBP Immaculate, LLC. All rights reserved.
アメリカで放送された⼈気TV シリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」、『恋するプリテンダー』など、大作での活躍が目覚ましい女優 Sydney Sweeney (シドニー・スウィーニー) が主演に抜擢。想像を絶する恐怖に襲われる修道⼥を熱演する。舞台となるのは、イタリアの美しい⽥園地帯に佇む修道院。ここへと招待された修道女セシリアは、生活に慣れた頃、処女にも関わらず妊娠していることが発覚。ショックを受けるセシリアに反して妊娠を祝福する同僚たち。しかし、突然謎の集団が現れるようになり、彼女の周りでは奇妙なことが次々に発生。彼女が神父の目を盗んで修道院を抜け出すと、祝福ムードを一気に悪夢へと変える秘密を知ることになる。本作の監督は、Amazon をはじめあらゆるメジャースタジオから引っ張りだこの Michael Mohan (マイケル・モーハン)。観る者をどん底に陥れるショッキングな展開を盛り込んだ。狂気のオカルティック・ホラーに目が離せない。
公開日: 7月18日(金)
監督: Michael Mohan
出演: Sydney Sweeney、Álvaro Morte (アルバロ・モルテ)、Simona Tabasco (シモーナ・タバスコ)
HP: klockworx.com/immaculate
『夏の砂の上』

©︎2025映画「夏の砂の上」製作委員会
オダギリジョーが主演・共同プロデューサーを手がけた待望作がついに上映。監督・脚本は次世代の日本映画界を担うだろうと期待が寄せられている玉田真也。監督自身の劇団「玉田企画」でも2022年に上演し、思い入れのある作品が映画として生まれ変わる。全編を通して撮影が行われたのは、長崎。雨が一滴も降らない、からからに乾いた夏で、愛を見失った主人公・治を描く。彼は幼い息子を亡くした喪失感から、幽霊のように街を徘徊する日々を送っていた。働いていた造船所が潰れ、妻の恵子とも別居中。そんな治のもとにある日、妹の阿佐子が17歳の娘を連れて訪ねてくる。そして突然、治と17歳の優子との同居生活が始まることになる。治の妻・恵子役には松たか子、妹・阿佐子役には満島ひかり、姪・優子役には髙石あかりなど、豪華キャストが作品を彩る。愛を失った者、愛を見限った者、愛を知らない者……それぞれの痛みが観る者の胸を鋭く突き刺す、極上の人間ドラマを堪能してほしい。
公開日: 7月4日(金)
監督: 玉田真也
出演: オダギリジョー、髙石あかり、松たか子
HP: natsunosunanoue-movie
『ルノワール』

©2025「RENOIR」製作委員会+International Partners
『PLAN 75』が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、同年のアカデミー賞日本代表として選出するなど、世界各国の映画祭でノミネートされた経歴を持つ早川千絵による最新作。バブル絶頂期にあった1980年代のある夏を舞台に、11歳の少女フキが大人の世界を垣間見ながら、人々のさまざまな感情に触れていく物語。フキは夏休むを迎え、得意の想像力を膨らませながら自由気ままな毎日を過ごしていた。一方母は仕事に追われ、父は闘病中。両親の間には、いつしか大きな溝が生まれ、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。子どもながらに見る周囲の大人たちの複雑な世界は、どこか刺激的で滑稽だった。少女があらゆる感情を捉え、少しずつ成長する様子を繊細な眼差しで切り取った本作。現在、期待の演技派俳優として注目されている鈴木唯は、フキが初めて触れていくあらゆる感情を巧みに表現。そして、1986年にデビューしてからあらゆる役柄を演じてきた石田ひかり、日本を代表する俳優の1人であるリリー・フランキー、数々の話題作に出演し、強い存在感放つ河合優実など、実力派たちが脇を固める。不完全な大人と子どもの間で揺れながら成長していく少女をみずみずしく描いた本作を、ぜひスクリーンで体感してほしい。
公開日:6月20日(金)
監督: 早川千絵
出演: 鈴木唯、石田ひかり、中島歩、河合優実、坂東龍汰
HP: happinet-phantom.com/renoir
『国宝』

©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会
『悪人』、『怒り』に続き吉田修一による小説を映像化してきた李相日監督が、今回は誰もみたことのない禁断の世界「歌舞伎」をテーマにした作品を実写化。本作は、任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。美しい顔を持つ喜久雄は、父を抗争で失った後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られる。そこで半二郎の実の息子、俊介に出会う。将来を約束された御曹司の俊介と、彼とは正反対の血筋を受け継ぐ喜久雄。2人はライバルとして互いを高め合うが、多くの出会いと別れによって彼らの運命は大きく変わっていく。主人公・喜久雄を演じるのは、美貌と圧倒的演技力を併せ持つ吉沢亮。そしてそのライバルである俊介には、アカデミー賞をはじめ数々の受賞歴を持つ横浜流星。さらに世界的俳優と名高い渡辺謙も顔を連ね、日本を代表する豪華俳優陣が集結した。美しい伝統芸能の世界の裏にある信頼と裏切り、歓喜と絶望。芸の世界にしがみつき、激動の時代を生き抜く者たちの壮絶な人生が、観る者の魂を震わせる。
公開日: 6月6日(金)
監督: 李相日
出演: 吉沢亮、横浜流星、高畑充希
HP: kokuhou-movie.com