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おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
『黒の牛』
©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS
禅に伝わる悟りまでの過程を10枚の牛の絵で表した「十牛図」に着想を得て制作された、日本・台湾・アメリカの合作による映像詩。『祖谷物語 おくのひと』で国内外から注目を集めた蔦哲一朗が監督・脚本を手がけ、8年という長い歳月をかけた傑作が誕生した。急速に変化していく時代のなかで、住む山を失い放浪の旅を続ける狩猟民の男。山中で神々しい黒い牛と出会った彼は、抵抗する牛を力ずくで連れ帰り、人里離れた民家でともに暮らしはじめる。生きるために大地を耕す男と牛だったが、自然の猛威を前に息を合わせることができない。しかし、ある禅僧との出会いをきっかけに、男と牛は次第に心を通わせていく。『郊遊 ピクニック』などを手がける Tsai Ming-Liang (ツァイ・ミンリャン) 監督作の常連俳優として知られる台湾の名優 Lee Kang-sheng (リー・カンション) が主演を務め、俳優としても活躍するダンサーの田中泯が禅僧役で共演。全編をフィルムで撮影し、長編劇映画としては日本初となる70ミリフィルムも一部使用。音楽には生前に本作への参加を表明していた坂本龍一の楽曲を使用し、視覚だけではなく聴覚でも楽しめる作品に。禅に伝わる「十牛図」から紐解いた、超越的かつ普遍的な瞑想体験をスクリーンで体感してみては。
公開日: 1月23日(金)
監督: 蔦哲一朗
出演: Lee Kang-sheng、田中泯、須森隆文
HP: alfazbetmovie.com/kuronoushi
『カリギュラ 究極版』
©1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL
1979年、雑誌『Penthouse (ペントハウス)』の創設者 Bob Guccione (ボブ・グッチョーネ) が巨額を投じて製作し、官能映画の巨匠 Tinto Brass (ティント・ブラス) が監督、『パリは燃えているか』の Gore Vidal (ゴア・ヴィダル) が脚本を担当した名作『カリギュラ』。そんな、史上最も退廃的といわれるローマ皇帝カリギュラを描いた歴史大作を再編集した『カリギュラ 究極版』が上映される。紀元1世紀、ローマ帝国の皇室は第2代皇帝ティベリウスの下で堕落しきっていた。祖父ティベリウスの異常な性癖に辟易としながら、虎視眈々と玉座を狙っていた初代皇帝の曾孫カリギュラ。やがてティベリウスが病床に臥せると、カリギュラは暗殺を企て第3代皇帝の座に就くことに。世継ぎのためカエソニアという女性を妻に迎え、本格的な統治を開始した彼は民衆から絶大な人気を集めるが、次第に内なる欲望を抑えきれなくなっていく。『時計じかけのオレンジ』の Malcolm McDowell (マルコム・マクダウェル) が皇帝カリギュラ、『クィーン』の Helen Mirren (ヘレン・ミレン) が皇妃カエソニア、『アラビアのロレンス』の Peter O’Toole (ピーター・オトゥール) が前皇帝ティベリウスを演じた。倫理観を揺るがす衝撃的なシーンを散りばめつつ、暴君カリギュラの狂気を独特の世界観で描いた本作が、新たに生まれ変わった究極版として現代に蘇る。
公開日: 1月23日(金)
監督: Tinto Brass
出演: Malcolm McDowell、Helen Mirren、Peter O’Toole
HP: synca.jp/caligula_kyukyoku_movie/
『終点のあの子』
©2026「終点のあの子」製作委員会
小説家・柚木麻子の連作短編集『終点のあの子』を、『Sexual Drive』や『愛の病』の吉田浩太監督が映画化した青春映画。全4編からなる原作小説の第1話にあたる柚木のデビュー短編『フォーゲットミー、ノットブルー』を中心に映画化し、狭い世界に固執する私立女子高校を舞台に、揺らぎやすい少女たちの友情と複雑な心情をリアルかつ切なく残酷に描き出す。私立女子高校の入学式の日、中等部から進学した希代子と奈津子は、通学途中に青い服を着た見知らぬ少女から声をかけられる。彼女は高校から外部生として入学してきた同級生の朱里で、海外暮らしが長く、父親は有名カメラマンだった。自由奔放で大人びた朱里は、学校では浮いた存在でありながらも羨望のまなざしを向けられ、希代子もそんな彼女にひかれていく。徐々に朱里と行動をともにするようになった希代子の世界は明るく輝き出すが、そんな矢先に希代子は朱里の日記帳を見つけてしまう。希代子役で當真あみ、朱里役で中島セナが主演を務め、同級生の奈津子を平澤宏々路、希代子の母・美恵子を石田ひかりが演じた。とある日記をきっかけに変化が訪れた少女たちの繊細な心情と成長が描かれた本作を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日: 1月23日(金)
監督: 吉田浩太
出演: 當真あみ、中島セナ、平澤宏々路
HP: endof-theline.com
『イマジナリーライン』
©2024 東京藝術大学大学院映像研究科
新鋭映画監督である坂本憲翔が、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻18期の卒業制作作品として長編デビュー作を公開。映画学校を卒業したばかりの山本文子は、音楽好きの親友であるモハメド夢を出演者として協力してもらいながら映画制作を続けていた。1年前に母を亡くし喪失感を抱える文子に、夢は母の遺灰を海に撒くことを提案する。2人は文子の母の故郷である鎌倉を訪れるが、日本で生まれ育った夢が在留資格を持たないことが発覚し、県境を越えたという理由で入管施設に収容されてしまう。2023年6月の入管法改正案の採択により入管制度の厳罰化が進んだ状況をふまえ、仮放免者や入管の被収容者への取材を行い、入管内部の実態に深く切り込み、本作品に落とし込んだ。『チャチャ』の中島侑香が文子役で主演を務め、俳優で脚本家としても活動する LEIYA が親友・夢を演じる。タイトルの『イマジナリーライン』は、映像制作の専門用語で「向かいあう人物の間を結ぶ仮想的な線」のこと。本作では、それを人と人との間に生じる「見えない線引き」と捉えて表現している。現代社会が抱える問題を提起しつつ、それぞれの心に生まれた変化と彼女らの行く末を描いた作品。仮放免者や支援者などの視点から描いた葛藤や心境を鮮明に表現した本作を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。
公開日:1月17日(土)
監督: 坂本憲翔
出演: 中島侑香、LEIYA、丹野武蔵
HP: www.lamp-kk.com/imaginary-line
『モディリアーニ!』
©Modi Productions Limited 2024
Johnny Depp (ジョニー・デップ) が1997年の映画『ブレイブ』以来約30年ぶりに監督を務め、芸術家 Amedeo Modigliani (アメデオ・モディリアーニ) の人生を変えた激動の72時間を描いたドラマ作品。1916年、イタリア人の画家 アメデオ・モディリアーニ は才能に溢れながらも批評家に認められることなく、作品も売れず酒と混乱の日々を送っていた。キャリアを終わらせて街を去ろうとする彼を、画家仲間のモーリス・ユトリロやシャイム・スーティンなどが彼を引き止める。友人で画商のレオポルド・ズボロフスキに助言を求めるモディリアーニだったが、彼の心は混乱するばかりだった。やがてモディリアーニは、自身の人生を変えることになるアメリカのコレクター、モーリス・ガニャと出会うことで徐々に物語が進んでいく。『ジョン・ウィック チャプター2』の Riccardo Scamarcio (リッカルド・スカマルチョ) がモディリアーニを演じ、名優 Al Pacino (アル・パチーノ)、ドラマ『シャンタラム』の Antonia Desplat (アントニア・デスプラ)、『ボイリング・ポイント 沸騰』の Stephen Graham (スティーブン・グレアム)が共演。芸術と破滅、愛と再生が交錯する、狂気と情熱が込められた作品が現代に放たれる。
公開日:1月16日(金)
監督: Johnny Depp
出演: Riccardo Scamarcio、Antonia Desplat、Bruno Gouery (ブリュノ・グエリ)
HP: longride.jp/lineup
『グッドワン』
©2024 Hey Bear LLC.
Roger Donaldson (ロジャー・ドナルドソン) 監督の娘としても知られる India Donaldson (インディア・ドナルドソン) が長編初監督を務め、2024年・第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューで新人監督賞を受賞した本作品。父とその友人と3日間のキャンプに出かけた少女が、大人の不完全さに気づく瞬間をとらえ、大人になることの喪失感と希望を描いた物語。17歳の少女サムは父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。旅をしていく中で、クリスとマットは長年のわだかまりをぶつけあいながらも、ゆるやかにじゃれあう。サムはそんな彼らの小競り合いに呆れながらも聞き役と世話役を引き受け、静かに空気を読み続ける。しかし男たちの行動によりサムの大人への信頼が裏切られ、サムとクリスの親子の絆は揺らいでしまう。映画初主演の Lily Collias (リリー・コリアス) が主人公サムを繊細に演じ、『ドラッグストア・カウボーイ』の James LeGros (ジェームズ・レグロス) が父クリス役、テレビドラマ『プリズン・ブレイク』の Danny McCarthy (ダニー・マッカーシー) が父の友人マット役を務めた。大人になることの「喪失感」と「希望」を表現した、忘れがたいひと夏の物語。新世代が映し出す成長譚をぜひ劇場で体感してみては。
公開日:1月16日(金)
監督: India Donaldson
出演: Lily Collias、James LeGros、Danny McCarthy
HP: cinema.starcat.co.jp/goodone
『アバウトアス ・バット・ノット・アバウトアス』
©The IDEAfirst Company, Octobertrain Films, Quantum Films
孤独な文学教授と作家志望の青年が、亡き恋人の秘密をめぐって繰り広げる洒脱な会話劇をワンシチュエーションで描いたフィリピン映画。『ダイ・ビューティフル』を手がけた Jun Robles Lana (ジュン・ロブレス・ラナ) が監督・脚本を担当し、LGBTQ+や性加害、愛する人との別れ、SNS世代の危うさなどさまざまなテーマを盛り込みながら、現代フィリピンの病巣と愛憎を描き出す。コロナ禍の大都会マニラで、著名な小説家である恋人マルコスを亡くしたばかりの文学教授エリックが、老舗レストランで教え子のランスと再会する約束をしていた。エリックは喪失感を抱えながらも、自分を慕うランスとの時間を楽しみにしていた。アップルパイやダフト・パンクの話題で距離を縮めていく2人だったが、マルコスのある話をきっかけに空気が一変。エリックは自分を見つめるランスの瞳の奥から、マルコスの驚くべき真実を知る。共演には、日本でも話題を集めたドラマ『ゲームボーイズ』の Elijah Canlas (イライジャ・カンラス) が美青年ランス、フィリピンのベテラン俳優の Romnick Sarmenta (ロムニック・サルメンタ) が文学教授エリックを演じた。普遍的かつフィリピンという地でしか起こりえない出来事をきっかけに進んでいく物語を、日本の劇場にてその魅力を堪能してみては。
公開日:1月17日(土)
監督: Jun Robles Lana
出演: Elijah Canlas、Romnick Sarmenta
HP: someonesgarden.org/aboutusbutnot/
『喝采』
©2024 Crazy Legs Features LLC
ブロードウェイの伝説的な女優 Marian Seldes (マリアン・セルデス) をモデルに、キャリア終焉の危機に直面した大女優が最後の舞台に挑む姿を描いたドラマ。『ナイト・ウォッチャー』『ポワゾン』を手がけた Michael Cristofer (マイケル・クリストファー) 監督が、実話を基に製作した感動作が誕生。ブロードウェイの第一線で活躍してきた大女優リリアン・ホールは、チェーホフの戯曲『桜の園』の公演を間近に控えていたが、稽古中に突然言葉を失うアクシデントに見舞われ、医師から認知症だと告げられてしまう。それは彼女にとって引退勧告にも等しい、あまりにも残酷な現実だった。人生のすべてを舞台に捧げてきたリリアンは、病気を抱えたまま本番をやり遂げることを決意する。病状の悪化により、現実と妄想の境界さえも曖昧になっていくなか、最期になるであろう舞台のためにすべてをかける姿が映し出される。『トッツィー』などに出演している名優 Jessica Lange (ジェシカ・ラング) が主人公リリアンを熱演し、リリアンを支え続けるアシスタントのイーディスを『ミザリー』の Kathy Bates (キャシー・ベイツ)、隣人で元芸術家のタイを Pierce Brosnan (ピアース・ブロスナン) がそれぞれ演じた。人生讃歌の感動作をぜひスクリーンで見届けてみては。
公開日:1月9日(金)
監督: Michael Cristofer
出演: Jessica Lange、Kathy Bates 、Lily Rabe (リリー・レーブ)
HP: lillianhall.ayapro.ne.jp
『おくびょう鳥が歌うほうへ』
©2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights Reserved.
『レディ・バード』『ハンナ』などに出演する女優 Saoirse Ronan (シアーシャ・ローナン) が初プロデュースを手がけて自ら主演を務めた本作は、大都会で自分を見失った生物学者が故郷で新たな生き方を模索する姿を描いたドラマ。イギリスでベストセラーとなった Amy Liptrot (エイミー・リプトロット) のノンフィクション回想録『THE OUTRUN』を原作に、『システム・クラッシャー』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したドイツ出身の Nora Fingscheidt (ノラ・フィングシャイト) 監督が映画化。スコットランド・オークニー諸島の雄大な自然を背景に、主人公の断片的で混濁した内面世界を繊細な演出で描き出す。ロンドンの大学院で生物学を学んでいた29歳のロナは、スコットランドの故郷に10年ぶりに帰ってくる。暴力的な体験や入院、恋人との別離など、人生の限界を迎えた彼女は依存症の治療施設に入所し、90日間のリハビリプログラムを経て断酒生活を開始した。故郷で孤独な時間を過ごす中で、少しずつ自らの内面と対話を重ねていくロナだったが、数々のトラブルを引き起こしてきた記憶の断片が彼女を悩ませ続ける。誰もが抱える悩みや葛藤を鮮明に映し出した本作を、ぜひ劇場で体感してみてはいかが。
公開日:1月9日(金)
監督: Nora Fingscheidt
出演: Saoirse Ronan、Paapa Essiedu (パーパ・エッシードゥ)、Nabil Elouahabi (ナビル・エルーアハビ)
HP: outrun2026.com
『SEBASTIAN セバスチャン』
©Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
ロンドンの街を舞台に、小説家の夢とセックスワークの狭間で揺れ動く青年の姿を赤裸々につづったドラマ。監督・脚本は、1950年代末に起きたフランスの映画運動 Nouvelle Vague (ヌーベルバーグ) 以降のフランス映画に強く影響を受けたというフィンランド出身の新鋭監督 Mikko Makela (ミッコ・マケラ) が務めた。ロンドンに暮らす作家志望の青年マックス。将来を嘱望されている彼は、デビュー作となる長編小説をリアルなものにするため、セバスチャンという名前で男性相手のセックスワークを始める。未知の世界へと足を踏み入れ、さまざまなクライアントと接していくうちに、マックスは自分自身とセバスチャンとの境界線を次第に見失っていく。主人公マックスを繊細かつリアルに演じるのは、スコットランドとイタリアをルーツに持つ Ruaridh Mollica (ルーアリ・モルカ) 。共演は『タイタニック』や『ジュマンジ』の Jonathan Hyde (ジョナサン・ハイド)、『馬々と人間たち』の Ingvar Sigurdsson (イングバル・シーグルズソン) などのベテラン俳優らが名を連ねる。どちらが本来の自分なのかという葛藤とそこから見出される本質が、新たな価値観を提案してくれる。
公開日:1月9日(金)
監督: Mikko Makela
出演: Ruaridh Mollica、Hiftu Quasem (ヒフトゥ・カセム)、Ingvar Sigurdsson
HP: reallylikefilms.com
『CROSSING 心の交差点』
©2023 French Quarter Film AB, Adomeit Film ApS, Easy Riders Films, RMV Film AB, Sveriges Television AB
『ダンサー そして私たちは踊った』で国際的に高く評価された Levan Akin (レバン・アキン) 監督が、ジョージアのトランスジェンダーの少女と彼女を支えた祖父との実話に着想を得て、綿密なリサーチを重ねてイスタンブールのトランスコミュニティを描き出す。東西の文化が溶けあうトルコ・イスタンブールの街を舞台に、言葉も世代も文化的背景も異なる3人の人生が人捜しの旅を通して交差する姿を、温かなまなざしでつづったロードムービー。ジョージアで暮らす元教師のリアは、行方不明になったトランスジェンダーの姪テクラを探すため、彼女を知るという青年アチとともにイスタンブールへ向かう。しかし、行方をくらませたテクラを見つけ出すのは、思っていた以上に困難だった。やがてリアはトランスジェンダーの権利のために闘う弁護士エヴリムと出会い、助けを借りることになる。テクラを捜す旅を通して、リアとアチ、エヴリムの心の距離は少しずつ近づいていく。弁護士エヴリム役には、実際にトランス女性である Deniz Dumanli (デニズ・ドゥマンリ) を起用。2024年・第74回ベルリン国際映画祭にて、LGBTQ+をテーマにした作品に授与されるテディ賞の審査員特別賞を受賞した。異なる背景を持つ3人の人生、その行方とは。
公開日:1月9日(金)
監督: Levan Akin
出演: Mzia Arabuli (ムジア・アラブリ)、Lucas Kankava (ルーカス・カンカバ)、Deniz Dumanli
HP: mimosafilms.com
『海賊のフィアンセ』
©1969 Cythère films – Paris
保守的な価値観に抵抗する女性たちを描き続けたアルゼンチン出身の映画作家 Nelly Kaplan (ネリー・カプラン) が、「現代の魔女の物語」として撮りあげた1969年製作の長編劇映画の第1作が上映。マリーと母は保守的な村社会から除け者にされて暮らしてきた。母が亡くなると、マリーは村人たちを相手に売春をするようになる。男たちから稼いだ金で、さして必要のない物を買い続け、彼女のあばら屋は物であふれていく。1950年代末に起きたフランスの映画運動 Nouvelle Vague (ヌーベルバーグ) を支えた俳優のひとりである Bernadette Lafont (ベルナデット・ラフォン) が主演を務め、『穴』の Michel Constantin (ミシェル・コンスタンタン) が共演。撮影は『プレイタイム』の Jean Badal (ジャン・バダル) が手がけ、フランス出身のシンガーソングライター Georges Moustaki (ジョルジュ・ムスタキ) が音楽、伝説的シャンソン歌手 Barbara (バルバラ) が主題歌の歌唱を担当した。現代でも多くの影響を与えている画家 Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) をも驚かせた映画作家 Nelly Kaplan が手がけた本作品。そんな名作が現代のスクリーンにて蘇る。
公開日:12月26日(金)
監督: Nelly Kaplan
出演: Bernadette Lafont、Georges Geret (ジョルジュ・ジェレ)、Henri Czarniak (アンリ・ザルニアック)
HP: nellykaplan
『白の花実』
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
オムニバス映画『21世紀の女の子』の一編『reborn』を手がけ、中編『レイのために』や短編『木が呼んでいる』などの作品で注目を集めた新鋭・坂本悠花里による初の長編監督作品。全寮制の女子高を舞台に、完璧と思われた少女の突然の死をきっかけに、ルームメイトや幼なじみたちの心が揺らいでいく様を、美しい映像と共に繊細に描いたファンタジードラマ。周囲になじめず転校を繰り返してきた少女・杏菜は、静かな森の奥にある全寮制の女子校にたどり着く。そこで、美しく完璧で誰からも好かれる少女・莉花とルームメイトになるが、ほどなくして莉花は自ら命を絶ってしまう。残された日記には、笑顔の裏に潜んでいた苦悩や怒り、痛み、幼なじみの栞との記憶、そして言葉にできなかった思いがつづられていた。杏菜がその日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような魂が現れ、静かに杏菜の中へと入り込んでいく。一方、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた栞もまた、莉花の魂に導かれるように次第に杏菜に歩み寄っていく。主人公・杏菜を演じたのは、サントリー天然水の CM や雑誌のモデルとして活躍する美絽。栞役は、結婚情報誌『ゼクシィ』の15代目 CM ガールを務め、ドラマや映画などでも活躍する池端杏慈。莉花役には、ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』で知られる蒼戸虹子が演じた。若手俳優を取り巻く大人のキャストには、門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫ら実力派がそろっている。少女らが抱く葛藤や心に潜む本音。そんな表には出ない感情を繊細に描いた本作を、ぜひ劇場で見届けて欲しい。
公開日:12月26日(金)
監督: 坂本悠花里
出演: 美絽、池端杏慈、蒼戸虹子
HP: kajitsu
『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』
『アフター・ヤン』『コロンバス』を手掛ける Kogonada (コゴナダ) 監督が、Colin Farrell (コリン・ファレル) と Margot Robbie (マーゴット・ロビー) を主演に迎え、人生をやり直せる不思議なドアに出会った男女が繰り広げる時空旅行を描いたファンタジックなヒューマンドラマが上映。友人の結婚式で知り合ったデヴィッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。デヴィッドが淡い初恋を経験した高校時代や、サラの母親が最期を迎えた場所など、人生のターニングポイントとなった出来事をやり直すことで、ふたりは自分自身や大切な人たちと向き合っていく。『ワンダとダイヤと優しい奴ら』などに出演した名優 Kevin Kline (ケビン・クライン)、テレビドラマ『Fleabag フリーバッグ』の Phoebe Waller-Bridge (フィービー・ウォーラー=ブリッジ) が登場。脚本は『ザ・メニュー』の Seth Reiss (セス・リース) が手掛け、数々のジブリ作品で名曲を生み出してきた音楽家・久石譲が音楽を担当した。ホリデーシーズンを彩る時空旅行を、ぜひスクリーンで堪能してみては。
公開日:12月19日(金)
監督: Kogonada
出演: Margot Robbie、Colin Farrell、Kevin Kline
HP: beautiful-journey
『星と月は天の穴』
©2025「星と月は天の穴」製作委員会
『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本や 『火口のふたり』などの監督作で知られる荒井晴彦が、『花腐し』でもタッグを組んだ綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介による同名小説を映画化。過去の恋愛経験から女を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこじらせる40代の小説家の滑稽で切ない愛の行方を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら描き出す。1969年、妻に逃げられ独身のまま40代を迎えた小説家の矢添克二は、心に空いた穴を埋めるように娼婦の千枝子と体を交え、妻に捨てられた過去を引きずりながら日々をやり過ごしていた。その一方で、誰にも知られたくない自分の秘密にコンプレックスを抱えていることも、彼が恋愛に尻込みする一因となっていた。そんな矢添は、執筆中の恋愛小説の主人公に自分自身を投影して「精神的な愛の可能性」を自問するように探求することを日課にしている。しかしある日、画廊で出会った大学生・瀬川紀子と彼女の粗相をきっかけに、矢添の日常と心は揺れはじめる。本作は、大学生の紀子を咲耶、娼婦の千枝子を田中麗奈が演じ、そのほかに柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子が共演した。恋によって映し出される人間模様と切ない愛の行方をスクリーンで見届けて欲しい。
公開日:12月19日(金)
監督: 荒井晴彦
出演: 綾野剛、咲耶、岬あかり
HP: hoshitsuki
『エディントンへようこそ』
©2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.
『ミッドサマー』などの監督作品で知られる Ari Aster (アリ・アスター) 監督が、『ボーはおそれている』に続いて個性派俳優の Joaquin Phoenix (ホアキン・フェニックス) を主演に迎え、コロナ禍でロックダウンされた小さな町の選挙戦が全米を巻き込む大事件へと発展していく様子を描いたスリラー映画。2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントンでは、コロナ禍のロックダウンにより息苦しい隔離生活を強いられ、住民たちの不満と不安は爆発寸前に陥っていた。そんな中、町の保安官ジョーは、IT企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突如として市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲へと燃え広がり、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上する事態となる。一方、ジョーの妻ルイーズはカルト集団の教祖ヴァーノンの扇動動画に心を奪われ、陰謀論にのめりこむ。エディントンの町は破滅の淵へと突き進んでいく。保安官ジョーをJoaquin Phoenix、市長テッドを Pedro Pascal (ペドロ・パスカル) が務め、ジョーの妻ルイーズを Emma Stone (エマ・ストーン)、カルト集団の教祖ヴァーノンを Austin Butler (オースティン・バトラー) がそれぞれ演じた。批判と陰謀が真実を包み隠す本作品をぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日:12月12日(金)
監督: Ari Aster
出演: Joaquin Phoenix、Pedro Pascal、Emma Stone
HP: eddington
『夢と創造の果てに ジョン・レノン最後の詩』
©2025 BORROWED TIME THE MOVIE LIMITED
1980年12月に悲劇的な死を遂げた John Lennon (ジョン・レノン) の最後の10年間に焦点を当てたドキュメンタリー映画が誕生。1969年3月に日本人アーティストであるオノ・ヨーコと結婚後、世界的ロックバンド「The Beatles (ザ・ビートルズ)」を脱退した John Lennon。その後も革新的な音楽を生み出す一方で、平和活動家として反戦運動の最前線に立ち、独自の道を歩んだ。1980年には本格的な音楽制作を再開し、5年ぶりとなるアルバム『ダブル・ファンタジー』を制作。カムバックツアーの計画の最中、アルバムリリース翌月の12月8日、帰宅時に射殺されてしまう。本作では、貴重なアーカイブ映像をふんだんに盛り込みながら、『ダブル・ファンタジー』制作のため秘密裏に集められたミュージシャンやスタッフ、ジョンが射殺された当日に彼をインタビューしたジャーナリストなど、彼の行動の裏に隠された真実を赤裸々に語る。実現しなかったカムバックツアーの詳細や、 John Lennon とオノ・ヨーコの出会いと夫婦生活の全貌、夫妻の個人秘書であり、1年半もの間愛人関係でもあった May Pang (メイ・パン) との「失われた週末」、Paul McCartney (ポール・マッカートニー) との法廷闘争の裏話などについても明らかに。彼の人生を表すドキュメンタリー映画が、現代のスクリーンに映し出される。
公開日:12月5日(金)
監督: Alan Parker (アラン・パーカー)
出演: John Lennon、George Harrison (ジョージ・ハリスン)、Ringo Starr (リンゴ・スター)
HP: beatles-filmselection











