今週のTFP的おすすめ映画
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おすすめ映画
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
『センチメンタル・バリュー』
©2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE
『わたしは最悪。』で世界的に注目を集めたスウェーデン出身の Joachim Trier (ヨアキム・トリアー) 監督が、愛憎入り混じる「親子」という名のしがらみをテーマに撮りあげた家族ドラマ。オスロで俳優として活躍するノーラと、家庭を選び夫や息子と穏やかに暮らす妹アグネス。ある日、幼い頃に家族を捨てて以来、長らく音信不通だった映画監督の父・グスタヴが姿を現し、自身にとって15年ぶりの新作となる自伝的映画の主演をノーラに打診する。父に対し怒りと失望を抱えるノーラは断固として拒絶し、ほどなくしてアメリカの人気若手俳優レイチェルが主演に決定。やがて、映画の撮影場所がかつて家族で暮らしていた思い出の実家であることを知ったノーラの心に、再び抑えきれない感情が沸きおこる。本作は、『わたしは最悪。』でも主演を務めた Renate Reinsve (レナーテ・レインスヴェ) が主人公ノーラを演じ、名優 Stellan Skarsgard (ステラン・スカルスガルド) が映画監督の父グスタヴ役で共演。妹アグネスを Inga Ibsdotter Lilleaas (インガ・イブスドッテル・リッレオース)、アメリカの人気俳優レイチェルを Elle Fanning (エル・ファニング) が演じた。Joachim Trier 監督の独特の世界観の中で、こわれた親子の歪んだ愛の形を映し出す。
公開日: 2月20日(金)
監督: Joachim Trier
出演: Renate Reinsve、Stellan Skarsgard、Inga Ibsdotter Lilleaas
HP: gaga.ne.jp/sentvalue_NOROSHI
『幻愛 夢の向こうに』
©2019 All Rights Reserved
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の Terrance Lau (テレンス・ラウ) と Cecilia Choi (セシリア・チョイ) が共演した本作。『十年』『時代革命』の Kiwi Chow (キウィ・チョウ) 監督が、現実と幻の境界をさまよう男女の切ない愛を描いたラブストーリーが公開。小学校教師のレイ・ジーロックは、統合失調症を患いながらも日常生活を送っていた。彼は偶然出会った女性ヤンヤンに一目ぼれし、仲を深めていくが、自身の病について打ち明けることができない。その間に症状は悪化していき、やがてヤンヤンそのものがジーロックの幻覚だったことが判明。ジーロックは治療のためのセラピーの場で、ヤンヤンに瓜二つの女性イップ・ラムと出会う。彼女は心理学を専攻する大学院生で、統合失調症の症状のひとつである「恋愛妄想」を研究していた。理想的な研究対象であるロックに論文執筆の協力を依頼するラムだったが、いつしか2人は研究者と患者の立場を超える感情を抱くようになる。主演は、統合失調症に苦しみながらも愛を求めようとする青年ジーロックを Terrance Lau、彼が恋に落ちるヤンヤンとラムを Cecilia Choi が演じた。幻想と現実が混じり合う中、躊躇いながらも惹かれ合う男女を繊細なタッチで描いたラブストーリーの行方を、劇場で見届けてみては。
公開日: 2月20日(金)
監督: Kiwi Chow
出演: Terrance Lau、Cecilia Choi、Hee Ching Paw (パウ・ヘイチン)
HP: genai-movie.jp
『ポーラX 4Kレストア版』
フランスの鬼才 Leos Carax (レオス・カラックス) が、『ポンヌフの恋人』から8年の時を経て発表した長編第4作。19世紀アメリカの作家 Herman Melville (ハーマン・メルヴィル) が、代表作『白鯨』の翌年に書き上げた長編小説『ピエール』を映画化。舞台を現代のパリに置き換え、運命に翻弄され絶望へと吸い込まれていく男女の激しく疾走する愛を、エモーショナルな映像と音で描き出す。ノルマンディの城館に暮らす小説家の青年ピエールは、母マリーや婚約者リュシーとともに裕福で満ち足りた田園生活を送っていた。そんなある日、ピエールの異母姉を自称するボスニア難民のイザベルが現れる。ピエールはイザベルの魅力に引き寄せられ、すべてを捨てて彼女とパリへ向かう。Gerard Depardieu (ジェラール・ドパルデュー) の息子 Guillaume Depardieu (ギョーム・ドパルデュー) がピエール、『パリ、18区、夜。』の Katerina Golubeva (カテリーナ・ゴルベワ) がイザベルをそれぞれ体当たりで演じ、ピエールの母マリー役で Catherine Deneuve (カトリーヌ・ドヌーヴ) が共演。『そして僕は恋をする』などの Eric Gautier (エリック・ゴーティエ) が撮影を手がけ、シンガーソングライターの Scott Walker (スコット・ウォーカー) が音楽を担当。2026年2月、4Kレストア版にてリバイバル公開される。破滅に至る愛を描いた名作が現代のスクリーンにて蘇る。
公開日: 2月21日(土)
監督: Leos Carax
出演: Guillaume Depardieu、Katerina Golubeva、Catherine Deneuve
HP: carax4k.com/pola-x/index.html
『明日を夜に捨てて』
『家族ゲーム』や『失楽園』を撮り上げた森田芳光監督の影響を受け、日本へ留学して映画作りを学んだ張蘇銘監督の初長編作品。ひょんなことから夜の都会をさまようことになった2人の風俗嬢が繰り広げる何気ない会話のやりとりから、都市のはざまで生きる2人の秘めた意思や決断、情熱を描いた物語。今に悩むアスカと、今を楽しむアヤ。デリヘル嬢として働く2人は、正反対の性格だが気が合い、暇があれば喫茶店や喫煙所、送迎車の中で他愛のないおしゃべりをする間柄だ。惰性のように流れる日々と、浴びせかけられる客の言葉に消耗し、未来の形さえわからない2人は、ある日の夜、送迎車の故障のため夜の街を歩くことになる。回遊するように夜の街を歩きながら、取り留めのない会話を続ける2人。やがてアスカが客から受け取った紙袋の中身をきっかけに、日常がわずかに狂い始める。アスカ役を、小劇場を拠点に舞台・映像作品への出演を重ねている小日向雪、アヤ役を『若武者』などの映画やドラマに数多く出演する木越明が務めた。若者が抱える社会に対する想いや葛藤、欲望などを繊細に描いた本作。映像を通して、今を生きる若者がこの世の中に伝えたいメッセージを読み取ってほしい。
公開日: 2月21日(土)
監督: 張蘇銘
出演: 小日向雪、木越明、柴田鷹雄
『ブゴニア』
©2025 FOCUS FEATURES LLC.
『哀れなるものたち』『女王陛下のお気に入り』などで知られる鬼才 Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス) 監督が、これで5度目のタッグとなる Emma Stone (エマ・ストーン) を主演に迎えて描いた誘拐サスペンス。『エディントンへようこそ』『ミッドサマー』の監督 Ari Aster (アリ・アスター) がプロデューサーに名を連ね、2003年の韓国映画『地球を守れ!』をリメイクした。世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。やがてテディの隠された過去が明らかになることで、でたらめな誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。主演の Emma Stone は髪を剃った丸坊主姿も披露し、陰謀論者に囚われたミシェル役を熱演。彼女を宇宙人だと信じてやまない誘拐犯2人組を、『憐れみの3章』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の Jesse Plemons (ジェシー・プレモンス) と、オーディションで抜てきされた新星 Aidan Delbis (エイダン・デルビス) が演じる。狂気とユーモアが見事に融合した本作は、今年注目の1作。ぜひ、劇場にて前代未聞の誘拐サスペンスの行方を追ってみては。
公開日: 2月13日(金)
監督: Yorgos Lanthimos
出演: Emma Stone、Jesse Plemons、Aidan Delbis
HP: gaga.ne.jp/bugonia
『私たちの一日』
©2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
大作商業映画からは距離を置いた独自のスタイルで作品を発表し続けている韓国の名匠 Hong Sang-Soo (ホン・サンス) の長編30作目。休業中の俳優と隠遁生活を送る老詩人の、交わりそうで交わらない一日を描いた作品が公開。友人の家に滞在する休業中の俳優サンウォンと、小さなアパートでひとり暮らしをする老詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若い客たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。演技には何が必要か。どうすれば俳優、詩人になれるのか。なぜ詩を書き始めたのか。若者たちが問いかける話題は、いつしか人生についての大事な対話へと発展していく。そんな中、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消してしまう。交互に描かれる2つの場所と時間、そこで繰り広げられるコミカルな会話劇を通して、日常に潜むドラマチックな瞬間を見つけ出していく本作品。俳優のサンウォン役は Hong Sang-Soo 作品に欠かせない Kim Min-Hee (キム・ミニ)、詩人のホン・ウィジュ役は『川沿いのホテル』でロカルノ国際映画祭の主演男優賞を受賞したキ・ジュボンが務めた。Hong Sang-Soo 監督のデビュー30周年を記念して5カ月連続で新作を上映する企画「月刊ホン・サンス」の第4弾作品として2026年に劇場にて公開。些細な出来事から生まれる問題や葛藤を、Hong Sang-Soo ならではの視点で描く人間模様。何気ない日常の記録を、スクリーンで体感してみてほしい。
公開日: 2月14日(土)
監督: Hong Sang-Soo
出演: Kim Min-Hee、Gi Ju-bong (キ・ジュボン)、Song Sun-Mi (ソン・ソンミ)
HP: mimosafilms.com/gekkan-hongsangsoo
『私のすべて』
©2024 L.F.P.-LES FILMS PELLÉAS/FRANCE 3 CINEMA
本作は、『犬の裁判』で共同脚本を手がけた Anne-Sophie Bailly (アンヌ=ソフィー・バイイ) が長編初監督を務め、人生を息子に捧げてきた女性の心と体の解放を繊細に描いたフランス発のドラマ作品。パリ郊外に暮らすシングルマザーのモナは、若くして授かった発達に遅れのある息子ジョエルをひとりで育ててきた。現在30歳過ぎのジョエルは、障がい者のための職業作業所で働いている。モナとジョエルは互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた。そんなある日、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが、彼の子どもを妊娠する。2人の関係について何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる。『悪なき殺人』の Laure Calamy (ロール・カラミー) がモナを演じ、ジョエル役とオセアン役には障がいを持つ当事者である Charles Peccia Galletto (シャルル・ペッシア・ガレット) と Julie Froger (ジュリー・フロジェ) を起用。撮影現場には障がいを持つ俳優のケアを担当する、フランス映画界でただ1人のアクセシビリティ・コーディネーターを登用した。それぞれ異なる視点での想いや悩みを鮮明に描いた心の旅を見届けて欲しい。
公開日: 2月13日(金)
監督: Anne-Sophie Bailly
出演:Laure Calamy、Charles Peccia Galletto、Julie Froger
HP: cinema.starcat.co.jp/myeverything
『たしかにあった幻』
©CINÉFRANCE STUDIOS – KUMIE INC – TARANTULA – VIKTORIA PRODUCTIONS – PIO&CO – PROD LAB – MARIGNAN FILMS – 2025
『あん』『朝が来る』の河瀨直美監督が6年ぶりに劇映画のメガホンをとり、『愛のかたち』と『命のつながり』を題材に、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねてオリジナル脚本で描いた人間ドラマが公開。物語の中心となるのは、神戸の臓器移植医療センターで働きながら小児臓器移植医療の促進に取り組んでいたフランス人のコリー。西欧とは異なる日本の死生観や倫理観の壁は彼女が思っていた以上に厚く、医療現場の体制の改善や意識改革は困難で、無力感や所在のなさを感じていた。そんな彼女にとって、屋久島で出会った恋人・迅が心の支えだったが、彼の誕生日でもある7月7日の七夕に突然姿を消してしまう。1年後、迅が失踪するはるか前に彼の家族からも捜索願が出されていたことを知ったコリーは、彼の実家がある岐阜を訪れる。そこでコリーは、自身と迅との出会いが宿命的であったことを知る。主演は『ファントム・スレッド』『蜘蛛の巣を払う女』などで知られるルクセンブルク出身の女優 Vicky Krieps (ヴィッキー・クリープス)。謎めいた恋人・迅を寛一郎が演じ、尾野真千子、北村一輝などの豪華俳優陣が名を連ねる。幻想的な映像美の中で描かれる人間模様と恋の行方を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日: 2月6日(金)
監督: 河瀨直美
出演: Vicky Krieps、寛一郎、尾野真千子
HP: happinet-phantom.com/maboroshi-movie
『両親が決めたこと』
©2024.LASTOR MEDIA, KINO PRODUZIONI,ALINA FILM ALL RIGHTS RESERVED.
高齢夫婦のどちらかが安楽死するとき、そのパートナーが健康であってもともに安楽死する「デュオ安楽死」を題材にした家族ドラマ。ヨーロッパで急増するデュオ安楽死を決めた両親と、その子どもたちの心の機微を、ユーモアを交えながら温かく描き出す。スペイン・バルセロナで暮らしている、末期がんに侵された80歳の舞台女優クラウディア。がんは脳にまで転移し、錯乱や半身麻痺、さらに自我の喪失も近づくなか、彼女は安楽死を選択する。子育てよりも舞台優先で生きてきたクラウディアを支え続け、今なお愛してやまない夫フラビオも彼女とともにスイスで安楽死することを決意し、3人の子どもたちに打ち明ける。子どもたちは戸惑い反発するが父の意志は固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、ついに最後の旅へと出発するときがやって来る。『欲望のあいまいな対象』『家へ帰ろう』の Angela Molina (アンヘラ・モリーナ) が妻クラウディア、『トニー・マネロ』『伯爵』の Alfredo Castro (アルフレド・カストロ) が夫フラビオを演じた。本作は、2024年・第49回トロント国際映画祭で新たな挑戦作を評価する「プラットフォーム部門」の作品賞を受賞。一見ネガティブにも思える「死」というテーマを、ユーモアと人間味あふれる眼差しで描き、観る者それぞれの価値観に静かに問いかける。
公開日: 2月6日(金)
監督: Carlos Marques-Marcet (カルロス・マルケス=マルセット)
出演: Angela Molina、Alfredo Castro、Monica Almirall Batet (モニカ・アルミラル・バテット)
HP: m-pictures.net/futarigakimeta
『キラー・オブ・シープ 4Kレストア版』
©1977 Charles Burnett ©2025 Milestone Film & Video for KILLER OF SHEEP
アフリカ系アメリカ人の日常と人間性を描き、アメリカ映画に静かな革命をもたらした映画作家 Charles Burnett (チャールズ・バーネット) が1977年に発表した長編デビュー作。ロサンゼルスの片隅で暮らすアフリカ系アメリカ人労働者の日常を、写実的なまなざしと詩情豊かな映像美で描く。ワッツ暴動の爪痕が残る1970年代初頭のロサンゼルス、ワッツ地区。スタンは妻と2人の子どもたちを養うため羊の屠殺場で働きながら、空虚な毎日を送っている。日々の労働と貧困のせいで肉体的にも精神的にも疲れ果てている彼は自分の殻に閉じこもるようになり、妻は孤独を募らせていく。UCLA 映画学部の大学院生だった Charles Burnett 監督が卒業制作として手がけ、身近な人々を中心とした素人のキャストを集めて地元ワッツで撮影。音楽著作権の問題で長らく公開できなかったが、2007年にアメリカで劇場公開が実現した。数十年の時を経て完成した4Kレストア版では、ラストシーンを彩る楽曲に、当初 Charles Burnett 監督が望んでいた Dinah Washington (ダイナ・ワシントン) の「Unforgettable」に差し替えられた。70年代の当時のアメリカならではの日常を描いた名作が、4Kレストア版として現代に蘇る。
公開日: 2月7日(土)
監督: Charles Burnett
出演: Henry G. Sanders (ヘンリー・G・サンダース)、Kaycee Moore (ケイシー・ムーア)、Charles Bracy (チャールズ・ブレイシー)
HP: afterschoolcinemaclub.com/everydayblues
『クイーンダム 誕生』
©2023 GALDANOVA FILM, LLC ALL RIGHTS RESERVED
ロシア出身でフランス在住の Agniia Galdanova (アグニア・ガルダノバ) が監督を務め、『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』の共同プロデューサーを務めた Igor Myakotin (イゴール・ミャコチン) がプロデュースを担当。LGBTQ+の活動が弾圧されるロシアに突如として現れた次世代のクィア・アーティスト Jenna Marvin (ジェナ・マービン) を追ったドキュメンタリー映画が公開される。モスクワから約1万キロ離れた極寒の田舎町マガダンで祖父母に育てられた21歳のジェナ・マービンは、幼い頃から自身がクィアであることを認識しており、保守的な町で暴力や差別の標的にされてきた。その痛みやトラウマをアートへと昇華させたジェナの芸術性はSNSで支持を集め、またたく間に脚光を浴びる。ジェナは過激で独特な衣装をまとい、無言のパフォーマンスを通して、LGBTQ+の活動を禁止する法律と政治、社会に対する反抗的な姿勢を示す。本作では、そんなジェナの強さのみならず、将来への不安や自己との葛藤を抱える姿や、愛情を抱きながらもその在り方を理解しきれない祖父母との関係などもさらけ出し、痛みと苦しみの果てに孤高のクイーンが誕生する瞬間を映し出す。多様性になった現代でも未だに差別があるLGBTQ+。本作では、そんな社会に抱く反骨精神や自分らしさを体現するクィア・アーティスト Jenna Marvin のドキュメンタリー映画がスクリーンに放たれる。Jenna Marvin の強さの裏に隠れた苦しみや葛藤が明らかに。
公開日: 1月30日(金)
監督: Agniia Galdanova
出演: Jenna Marvin
HP: ellesfilms.jp/queendom
『マーズ・エクスプレス』
©Everybody on Deck – Je Suis Bien Content – EV.L prod – Plume Finance – France 3 Cinéma – Shine Conseils – Gebeka Films – Amopix
23世紀の火星を舞台に、人間とロボットが共存するリアルな未来を描いたフランス発のSFアニメ映画。本作が長編デビューとなる Jeremie Perin (ジェレミー・ペラン) 監督が、大友克洋、押井守、今敏ら日本アニメーション界の巨匠たちにインスピレーションを得て制作。実在の火星探査機であるマーズ・エクスプレスの名をタイトルに、最新の宇宙研究に基づきながらオリジナルストーリーで描き出す。西暦2200年。地球での仕事を終え活動拠点の火星に戻ってきた私立探偵アリーヌは、ある男から「行方不明になっている大学生の娘を捜してほしい」という依頼を受け、アンドロイドの相棒カルロスとともに捜索に乗り出す。調査を進めていくなかで、火星の首都ノクティスの暗部に足を踏み入れた彼らは、腐敗した街の裏側や、強大な権力を持つ企業の陰謀、そして人間とロボットが共存する社会の根幹を揺るがす事態に巻き込まれていく。『ジュリアン』の Lea Drucker (レア・ドリュッケール)、『007 慰めの報酬』の Mathieu Amalric (マチュー・アマルリック) が声優として参加。日本語吹き替え版では、私立探偵アリーヌ役を佐古真弓、相棒カルロス役を安元洋貴、大企業の代表ロイジャッカー役を内田夕夜、天才ハッカーのロベルタ役を三瓶由布子が担当した人間とロボットが共生する美しくも冷徹な未来都市を舞台に、単なるSFの枠を超えたスリリングな体験を提供してくれる本作品。アニメーションだからこそ到達できた、近未来を圧倒的な解像度で描いたディストピア・サスペンス映画を、ぜひ劇場にて体感してほしい。
公開日: 1月30日(金)
監督: Jeremie Perin
出演: Lea Drucker、Daniel Njo Lobe (ダニエル・ンジョ・ロベ)、Mathieu Amalric
HP: marsexpress.jp
『黒の牛』
©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS
禅に伝わる悟りまでの過程を10枚の牛の絵で表した「十牛図」に着想を得て制作された、日本・台湾・アメリカの合作による映像詩。『祖谷物語 おくのひと』で国内外から注目を集めた蔦哲一朗が監督・脚本を手がけ、8年という長い歳月をかけた傑作が誕生した。急速に変化していく時代のなかで、住む山を失い放浪の旅を続ける狩猟民の男。山中で神々しい黒い牛と出会った彼は、抵抗する牛を力ずくで連れ帰り、人里離れた民家でともに暮らしはじめる。生きるために大地を耕す男と牛だったが、自然の猛威を前に息を合わせることができない。しかし、ある禅僧との出会いをきっかけに、男と牛は次第に心を通わせていく。『郊遊 ピクニック』などを手がける Tsai Ming-Liang (ツァイ・ミンリャン) 監督作の常連俳優として知られる台湾の名優 Lee Kang-sheng (リー・カンション) が主演を務め、俳優としても活躍するダンサーの田中泯が禅僧役で共演。全編をフィルムで撮影し、長編劇映画としては日本初となる70ミリフィルムも一部使用。音楽には生前に本作への参加を表明していた坂本龍一の楽曲を使用し、視覚だけではなく聴覚でも楽しめる作品に。禅に伝わる「十牛図」から紐解いた、超越的かつ普遍的な瞑想体験をスクリーンで体感してみては。
公開日: 1月23日(金)
監督: 蔦哲一朗
出演: Lee Kang-sheng、田中泯、須森隆文
HP: alfazbetmovie.com/kuronoushi
『終点のあの子』
©2026「終点のあの子」製作委員会
小説家・柚木麻子の連作短編集『終点のあの子』を、『Sexual Drive』や『愛の病』の吉田浩太監督が映画化した青春映画。全4編からなる原作小説の第1話にあたる柚木のデビュー短編『フォーゲットミー、ノットブルー』を中心に映画化し、狭い世界に固執する私立女子高校を舞台に、揺らぎやすい少女たちの友情と複雑な心情をリアルかつ切なく残酷に描き出す。私立女子高校の入学式の日、中等部から進学した希代子と奈津子は、通学途中に青い服を着た見知らぬ少女から声をかけられる。彼女は高校から外部生として入学してきた同級生の朱里で、海外暮らしが長く、父親は有名カメラマンだった。自由奔放で大人びた朱里は、学校では浮いた存在でありながらも羨望のまなざしを向けられ、希代子もそんな彼女にひかれていく。徐々に朱里と行動をともにするようになった希代子の世界は明るく輝き出すが、そんな矢先に希代子は朱里の日記帳を見つけてしまう。希代子役で當真あみ、朱里役で中島セナが主演を務め、同級生の奈津子を平澤宏々路、希代子の母・美恵子を石田ひかりが演じた。とある日記をきっかけに変化が訪れた少女たちの繊細な心情と成長が描かれた本作を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
公開日: 1月23日(金)
監督: 吉田浩太
出演: 當真あみ、中島セナ、平澤宏々路
HP: endof-theline.com











