今週のTFP的おすすめ映画
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「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
百野幹人 「歪みか否か」

写真家として活動しながら、DJ コレクティブ Million Dollar Sounds (ミリオン・ダラー・サウンズ) の一員でもある百野幹人。彼にとって約2年半ぶりの個展にて展示されるのは、仲間と訪れたアメリカと1人で訪れたインドでの旅の記録たち。旅先で生きる人々との関わり方、自身が実際に足を運んだ際に起きた出来事は、振り返ってみると偶然ではなく、自分を取り巻く環境による必然であったと気付く。今回、その気づきを再構築した写真に体現し、作品として発表する。また会場では、展示作品構成と合わせて写真集の販売も行っている。偶然なんてないかもしれない、そんな気づきを写真で表現した本展では、新しい視点を発見できるはず。
場所: ツバメスタジオ
住所: 東京都中央区日本橋小伝馬町13-2 井川ビル3F
会期: 6月20日(金)~7月6日(日)
休館日: 水
時間: 13:00-19:00
HP: instagram.com/hyakunomikito
ヨン・ココ「穴場(II)/Anaba(II)」

スウェーデン出身のアーティスト Jon Koko (ヨン・ココ) は、2011年の初来日をきっかけに、日本美術や建築への関心を深め、日本文化への関心を探求し続けている。近年では、建築物や車などを主に紙で造形する「建築彫刻」シリーズの制作に力を注ぐ。本展は、2024年に開催された個展の続編となっており、新作の彫刻作品と絵画作品が加わっている。人にはまだ知られていない、よい場所として彼が愛でる「穴場」とは、日常のなかでつい見逃してしまう風景、建築物や乗り物たち。彼のクリエイションによりそれらは、木と和紙の建築彫刻や絵画に仕上げられる。新しい質感をまとったとき、その佇まいから親しみと胸の高鳴りを同時に呼び起こす。日本文化をこよなく愛す、Jon Koko が生み出す風景は、何気ない日々の景色の中に新たな気づきを与えてくれるはずだ。
場所: Vacant
住所: 東京都渋谷区元代々木町27-6
会期: 6月27日(金)~7月28日(月)
休館日: 火・水・木
時間: 13:00-18:00
HP: vacant.vc
ポスター展 「Enlarge Vol.3 -BIG POSTERS」

神保町・KOMIYA TOKYO G にて、開催される本展「Enlarge Vol.3 -BIG POSTERS」では、ポスターにスポットを当てる。豊かな印刷文化が息づく日本において、ポスターは時代性を強く感じさせるものが多く存在。写真家やアーティストによるビジュアルと洗練されたキャッチコピーは、瞬間的に目を引く要素が詰め込まれており、ポスターの大きな魅力となっている。本の街で80年以上続く小宮山書店のアーカイブを深堀するシリーズの第3弾となるエキシビジョンでは、60年代から90年代を中心に集められた特大ポスターが公開されており、ポスター特有の芸術性を味わうことができるはずだ。グラフィックから広告ポスターまで、秀逸なデザインの数々をぜひ会場で楽しんでみて。
場所: KOMIYAMA TOKYO G
住所: 東京都千代田区神田小川町 3-20-4 第2龍名館ビル 1F D
会期: 6月20日(金)〜6月29日(日)
時間: 12:00-18:30 (平日・土)、12:00-17:30 (日・祝日)
休館日: 火・水
HP: book-komiyama.co.jp
CHANEL NEXUS HALL 「Dressing Up: Pushpamala N」

Pushpamala N (プシュマハラ N) による本展は、アジアの写真家にフォーカスし、紹介するプロジェクトの第2弾。昨年の中国に続き今年は、インド出身の現代アーティスト Pushpamala N (プシュマハラ N) の作品が紹介される。彼女の作品は、現代社会における女性の役割やナショナルアイデンティティの問題を提起していることが特徴。国内初個展となる本展で公開されるのは、インド映画の黄金時代に登場する女性キャラクターへオマージュを込めたビデオ作品たちだ。これらの作品は、伝統と現代性、そして皮肉を交差させながら、インドにおける歴史、ジェンダー観に鋭く切り込む。CHANEL と同アーティストが迫る女性像をぜひ会場で体感してみて。
場所: CHANEL NEXUS HALL
住所: 東京都中央区銀座3丁目5−3 シャネル銀座ビルディング 4階
会期: 6月27日(金)~8月17日(日)
時間: 11:00-19:00
HP: chanel.com
布施琳太郎 「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」

2020年代を代表するアーティスト・布施琳太郎。急速に発達するメディアによって変わりゆく人間の意識や行動、パンデミックによるコミュニケーションのオンライン化などを踏まえつつ、現代における「生」のあり方を作品制作、展覧会などのキュレーションを通じて独自の身体論を展開する。本展では、「自画像」をテーマとした100枚近いドローイング作品、新作絵画、映像作品を紹介。人口知能の記号設置問題、当時者と非当事者の身体、解剖学者の語る「骨と筋肉」、心肺蘇生訓練用の人形「レサシアン」、ロボット工学博士の「不気味の谷」、そしてゲームやアバターなどを着想源にした新たな身体論を目の当たりにすることができる。
場所: SNOW Contemporary
住所: 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
会期: 6月20日(金)~8月2日(土)
休館日: 日・火・祝日
時間: 13:00-19:00
HP: snowcontemporary.com
Kazumasa Harada 「My origin photograph」

ファッション雑誌や広告などの撮影を中心に、フリーランスの写真家として活動する原田教正。「My origin photographs」と題した本展では、2023年から2024年にかけてコロナ禍が明けたドイツに滞在しながら撮影した写真と、その帰国後に東京で撮影した新作から厳選した作品を展示、販売。東西の異なる都市で撮影された作品は、観察的視点とオーソドックスな手法により写し出された。それらの作品群を今回、モノクロームとカラーで織り交ぜてエキシビジョン形式で展示。昨年、神戸と福岡で開催された本展だが、飯田橋のアートギャラリー Roll (ロール) のキュレーションにより新しい一面を味わうことができる。その瞬間にしか捉えられないが故の美しさを持つ彼の作品。ぜひ肉眼で楽しんでもらいたい。
場所: Roll
住所: 東京都新宿区揚場町2-12 セントラルコーポラス No.105
会期: 6月22日(日)~7月13日(日)
休廊日: 月曜休館
時間: 13:00-19:00
HP: yf-vg.com
レレ・サヴェリ「Luna 10 Years」

ニューヨークを拠点に活動する写真家兼コミュニティーオーガナイザー Lele Saveri (レレ・サヴェリ)。彼が2014年10月にスタートさせたプロジェクト「Luna」は、毎月の満月に合わせて自費出版される ZINE シリーズ。月の周期に呼応するかのように、彼自身の生活における月の影響を写真というかたちで記録し、可視化することを目的としている。毎号、その月に彼が体験した出来事、出会った人々、訪れた場所、そして彼の目に映った都市の風景やささやかな瞬間が収められている。ニューヨークの街角、友人や通りすがりの人々のポートレート、デモや抗議活動の記録、さらに日常の中に潜む静けさと詩情を捉えたスナップショットなどが印象的だ。本展では、2014年10月から2024年10月までの10年間にわたり制作された ZINE「Luna」全124冊を一堂に展示。また、ニューヨークの書店 Dashwood Books より出版された全巻を収録したアーカイブブック『Luna 10 Years』も数量限定で会場にて発売される。
場所: Hi Bridge Books
住所: 非公開
会期: 6月11日(水)~7月6日(日)
時間: インスタグラムのDMにてアポイント制
HP: www.instagram.com
「flotsam zines tour 2025」

東京・代田橋に構える flotsam books (フロットサムブックス) が主催の「flotsam zines tour 2025」。2022年に初めて開催された本企画。今回は総勢150組を超えるアーティストが参加し、日本16箇所を巡回して ZINE の販売をする。本企画のルールは、1年以内に制作されたものであること、販売価格3,000円以内であること、レターパックに入るサイズであること以外特になし。審査も参加費も一切ないため、ZINE 本来の雑多で自由な魅力を直に体感できる。 flotsam books にてスタートし、6月上旬から10月上旬にかけて書店やギャラリー、ショップをツアー形式で巡る予定だ。インディペンデントな集いでは、日本のアートブックシーンを存分に味わえるはず。
場所: flotsam booksから全国各地
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 6月13日(金)~6月15日(日)から巡回
時間: 14:00-20:00
HP: flotsambooks.com
勅使河原宏 「SA NI HA|さには」

日本の映画監督を代表する監督、勅使河原宏。代表作には「砂の女」、「他人の顔」などが存在する。その他に、いけばな草月流の本部である草月会館内に設立された「草月アートセンター」のディレクターを務めるなど多岐に渡り活動。「草月アートセンター」は、国内外のアーティストが日本で初めて作品を展示する場として知られており、戦後東京におけるアバンギャルドな芸術の拠点である。本展「SA NI HA|さには」は、2027年に生誕100年を迎える彼の記念プロジェクト 「Hiroshi Teshigahara : Visionary Worlds」開幕展として開催。草月会館・草月プラザの「天国」という象徴的な場所で行われる本展は、陶芸と書の筆跡という内面性と創造性が色濃く表れた領域にフォーカスし、そこから勅使河原の芸術哲学の核心に迫る。造園家イサム・ノグチの石庭と響きあうように配置された作品群、伝統的な越前和紙に記された直筆の「書」によって、自然と人工、静と動、素材と精神が交錯する場が仕上げられている。
場所: 草月会館1階 草月プラザ 「天国」
住所: 東京都港区赤坂7-2-21
会期: 6月7日(土)~7月6日(月)
時間: 10:00-19:00
HP: www.sogetsu.or.jp
ライアン・ガンダー「ユー・コンプリート・ミー」

イギリス出身の Ryan Gander (ライアン・ガンダー) は、絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーションから建築、出版物や書体、儀式、パフォーマンスに至るまで、幅広く活動するアーティスト。多元的な作品と実践を通して国際的な評価を確立してきた彼は、作家としてのアクションだけでなく、テレビ番組の制作・出演を通じて芸術や文化の普及にも携わっており、現代におけるアーティスト像を更新し続けている。日本国内でも高い人気を誇る彼の作品を一堂にお目にかかれる本展では、日本初公開の新作を含む全18点を展示。なかでも特に注目したいのは、世界的に人気の高い「アニマトロニクス」シリーズである。本シリーズは、幼い子供の声を用いており、彼と子供たちとの間でどのような信頼とコミュニケーションがあるのか、という視点から作品を展開している。また、箱根のポーラ美術館にて開催される本展では、Ryan Gander が生み出した不思議な動物たちと出会うことができる。自然溢れるポーラ美術館にて、Ryan Gander の世界感を存分に楽しんでみて。
場所: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285土
会期: 5月31日(土)~11月30(日)
時間: 9:00-17:00
HP: www.polamuseum.or.jp
NAZE「KAWARUMONO KAWARANAIMONO」

グラフィックカルチャーをベースに、触覚的な筆使いで描くドローイング、スプレーやコラージュを用いたペインティングや、廃棄物を使ったオブジェ、テキスタイルワークなどの作品を制作しているアーティスト NAZE (ナゼ)。NAZE は、廃材をただのゴミとしてではなく、新たな創造を生み出すものとして考える。そこには、素材の持つ使い道や美しさといった既成の価値基準を一度手放し、それらを自由に再定義しようとする姿勢が表れる。彼の美学は、ものと向き合う際の見方そのものを問い直し、価値判断に囚われる前の、純粋な関係性を取り戻そうとすることである。そして、即興性とユーモアに満ちた NAZE の制作アプローチは、「創造とは何か」という問いを提示している。本展では、展示設営期間中に NAZE がギャラリーに滞在し、現場で制作を行いながら作品を仕上げられており、agnes b. の古着も素材として作品に取り入れられている。また、会期中にも不定期に来場し、空間に手を加えることで展示の風景を変化させていく。アーティスト本人も最終的にどんな空間になるかわからないという本展だが、宝物が詰まった魅力あふれる場所になることは間違いない。
場所: agnès b. galerie boutique
住所: 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
会期: 5月24日(土)〜6月29日(日)
時間: 12:00-19:00
HP: www.agnesb.co.jp
ナイジェルグラフ「ONE HUNDRED EIGHT CLUB」

イラストやコラージュ、立体などの作品を制作するアーティスト NAIJEL GRAPH (ナイジェルグラフ)。本展「ONE HUNDRED EIGHT CLUB」では、人間の煩悩の数である108をタイトルに掲げた作品集を展示。作家の友人であり、幅広いクリエイティブワークを手掛ける野村訓子がセレクトした108人の似顔絵を NAIJEL GRAPH が描いた。対象となった108人は、本展の会場 EYEVAN Tokyo Gallery (アイヴァン トウキョウ ギャラリー) を運営するアイウェアブランド EYEVAN にちなみ、全てメガネを身に着けた人物たちである。国籍、年齢、性別を問わず、メガネが顔の一部に感じられる人々が NAIJEL GRAPH の独特なタッチで描写され、野村訓子の前書きや後書きにより作品集をより深く楽しめる内容に仕上げられている。本展では作品集の原画、「ONE HUNDRED EIGHT CLUB」のTシャツやトートバッグ、ポストカード等のオリジナルグッズが販売される。また、本展示は GALLERY TARGET でも5月31日(日) まで開催。こちらの会場では、作品集や木箱に入った特別仕様の限定アートピースセットや、NAIJEL GRAPH のユニーク作品も販売中。本の変わりゆく存在意義を示す場でもある本展示にぜひ足を運んでほしい。
場所: (1) EYEVAN Tokyo Gallery (2) GALLERY TARGET
住所: (1) 東京都港区南青山5-13-2 (2) 東京都渋谷区神宮前 5-9-25
会期 : (1) 5月23日(金)~6月30日(月) (2) 5月23日(金)~5月31日(土)
休館日: (1) 火曜日(2) なし
時間: (1) 11:00-20:00 (2) 12:00-19:00
HP: (1)eyevanstore.com (2) gallery-target.com
「サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」

東京都現代美術館にて開催中の「コレスポンデンス」展は、Patti Smith (パティ・スミス) と Soundwalk Collective (サウンドウォーク・コレクティヴ) による最新のオーディオビジュアル・インスタレーション。Patti Smith がフィールドレコーディングから得た「音の記憶」に基づき詩を書き下ろし、Soundwalk Collective が映像とサウンドを編集。展示では、チェルノブイリ原発事故や森林火災、動物の大量絶滅といったテーマを探求し、アーティストや革命家を参照しながら人間と自然の関係を問いかける8つの映像が展示される。今回の展示は、日本で初公開の新作も含まれ、サウンドデザインと映像が一体となった没入型の体験を提供する。また、貴重な映像素材や、Patti Smithが新たに生み出した詩とアートが観客に強い印象を与える。世界各地で進化し続ける本プロジェクトが、日本でどのように展開されるのか、その深い対話と感動的なビジュアルに触れる貴重な機会を見逃すな。
場所: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4-1-1
会期: 2025年4月26日(土)〜2025年6月29日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 月曜日 (5月5日は開館、5月7日は休館)
入場料: 一般¥1,800、小学生以下 無料
HP: www.mot-art-museum.jp
斉藤思帆、森岡美樹「Pictura super Pavimentum」

TOGA AOYAMA で定期的に開催される展示プロジェクト「TOGA TRIANGLE」。第8回目の開催となる今回は、アーティスト村田冬実が運営する東京・大井町のギャラリー「18, Murata」とのコラボレーションで、斉藤思帆と森岡美樹による二人展となる。展覧会のテーマは、「Pictura super Pavimentum」というラテン語の言葉に基づいている。この言葉は「床の上の絵画」という意味で、視覚芸術や身体感覚、生活の中での制度、記憶と空間が交わる様子を探ることを目指すという。斉藤は、和紙やアクリル、シルクスクリーンを使った絵画を日常的なアイテム (棚や壁紙、机など) と一緒に展示し、私たちが普段生活している空間に作品が置かれることで生まれる偶然的な効果を表現。一方で森岡は、宗教施設や学校など、特定の場所における身体感覚や記憶に注目し、床という空間の基盤を活かしたインスタレーションを展開する。本展では、絵画が単に壁にかけられるだけでなく、来場者の動きと共に発見され、床の上から視線を向けてくるような展示を実施。展示と日常、作品と空間の関係について新たな視点を提供する場となる。
場所: TOGA AOYAMA
住所: 東京都港区南青山5-3-5 ミル・ロッシュビルB1F
会期: 2025年5月9日 (金)〜7月31日 (木)
時間: 12:00-20:00
入場料: 無料
HP: store.toga.jp/blogs/toga-triangle
「周辺・開発・状況 — 現代美術の事情と地勢 —」

本展は会場となる下瀬美術館が2024年に「世界で最も美しい美術館」として「ベルサイユ賞 (ユネスコ本部創設の建築賞)」を受賞した記念に行われる特別企画展。チーフキュレーターには齋藤恵汰、コキュレーターとして松山孝法、李静文、根上陽子が参加し、日本から遠藤薫、⾦理有、久⽊⽥⼤地、鈴⽊操、MADARA MANJI、韓国から Omyo Cho (オミョウ・チョウ)、中国からジェン・テンイ (鄭天依)、インドネシアから Muhamad Gerly (ムハマド・ゲルリ)、ミャンマーから Soe Yu Nwe (ソー・ユ・ノウェ) など、東アジア出身の9組の若手アーティストが日本初公開の作品を発表。展示は、美術館の独特な建築と周辺環境、宮島との関係に焦点を当て、現代美術が地域や地勢とどう交わるかを探求。アーティストたちが場所に応答し、地域との繋がりを感じさせる作品を展示する。
場所: 下瀬美術館
住所: 広島県大竹市晴海2-10-50
会期: 2025年4月26日(土)〜7月21日(月・祝)
時間: 9:30-17:00 (入場は16:30まで)
休館日: 月曜日(祝日の場合は開館)
入場料: 一般¥2000円、高校生・大学生¥1000、中学生以下 無料
HP: simose-museum.jp
「スペクトラム スペクトラム」

© Nacása & Partners Inc./ Courtesy of Fondation d’entreprise HermèsInstallation view of the exhibition “Spektrum Spektrum,” 2025 「スペクトラム スペクトラム」 展示風景(2025年)
本展は、ブリュッセルにあるエルメス財団のギャラリー La Verrièr (ラ・ヴェリエール) にて開催された展覧会「Spektrum」を鏡のように映し出しながら、新たなナラティブの構造を重ね合わせていく対話で生まれた。タイトルの「スペクトラム」とはドイツ語表記による「Spectrum」で、物理的な現象の分布や範囲 (光学や音響に用いられるスペクトルなど) を表すと同時に、亡霊や幻視といった超自然的な存在や、また比喩的に扇子を意味するなど、広い射程とグラデーションを持つ言葉。ブリュッセルを拠点に活動した Marcel Broodthaers (マルセル・ブロータース、1924-1976) の影響を受け、彼のアイロニーや詩的な視点が展覧会の根底にあるという。本展では、ブロータースの大胆さとユーモアを取り入れ、参加した7名のアーティストが「真実」と「虚構」のあいだにある場所を表現する。参加アーティストは、Emmanuelle Castellan (エマニュエル・カステラン)、題府基之、川端健太郎、Marie Laurencin (マリー・ローランサン)、Johannes Nagel (ヨハネス・ナ―ゲル)、Walter Swennen (ヴァルター・スウェネン)、津田道子。彼らの作品を通じて、鑑賞者は身体的な体験を通じて新たな物語を形成し、信頼や幻想の可能性を探る。
場所: 銀座メゾンエルメス フォーラム 8、9階
住所: 東京都中央区銀座5-4-18 8、9階
会期: 2025年3月20日 (木・祝)~6月29日 (日)
時間: 11:00-19:00 *4月30日 (水・祝) は開館
入場料: 無料
休業日: 水
HP: www.hermes.com
名和晃平「Sentient」

名和晃平《Cells in the Grotto》2025、mixed media、455×955×495 mm、photo: Nobutada OMOTE
名和晃平は20年以上にわたり、テクノロジーと生態の変化を反映させた彫刻作品を通じて、物質と記号の関係を探求してきた。彼の作品は、デジタル素材や人工物、自然素材などが組み合わさり、時代や地域を超えた美的概念を提示。彫刻はしばしば可視化されにくい感覚や意識に迫り、記号の意味が揺れ動くことを意図している。「PixCell」をはじめとしたシリーズも、これらの素材が彫刻と結びつき、物の表面や意味が変化していく様子が描かれている。「意識・感覚のある」という意味を持つ本展「Sentient」では、これらの作品をさらに深く掘り下げ、「物の存在」について新たな視点を提示する。
場所: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 2025年4月22日 (火)〜7月12日 (土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日、月、祝日
入場料: 無料
HP: www.scaithebathhouse.com
ニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫 「SATELLITES」

Nicolas Winding Refn and Hideo Kojima Photo Yuji Watanabe “Satellites” by Nicolas Winding Refn with Hideo Kojima Prada Aoyama Tokyo / 18.4 – 25.8.2025
『プッシャー』3部作や『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』で知られる映画監督 Nicolas Winding Refn (ニコラス・ウィンディング・レフン) とゲームクリエイター・小島秀夫による展覧会。クリエイティブスタジオ by NWR によって構想された本展は、二人の10年以上にわたる共同制作を基に、映画とゲームの境界を超えて深い対話を追求している。まず、会場にはミッドセンチュリー風の空間が広がり、友情やクリエイティブなコラボレーション、新しいテクノロジーと創造性、アイデンティティとコミュニケーション、死とその先に残るものなど、多岐にわたるテーマについて深く思索的な対話を交わす。次に第2部として無数のカセットテープが置かれた更衣室が出現。テープにはサウンドバイトや映画のサウンドトラックが収録されており、ニコラス・ウィンディング・レフンと小島秀夫の対話がさまざまな言語でAI翻訳され、織り交ぜられている。来場者は山積みのテープの中から1つ、テープを持ち帰ることができるという。映画とゲームの未来の融合を暗示する、新しい創造的体験をこの機会に会場で味わってほしい。
場所: プラダ 青山店
住所: 東京都南青山5-2-6
会期: 2025年4月18日 (金)〜8月25日 (月)
時間: 11:00-20:00
入場料: 無料
「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」

本展のテーマである「未完」とは、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾が一貫して掲げてきた美学に基づいている。1960年代より約60年にわたり、さまざまなスタイルとテーマで数々の作品を生み出してきた横尾は、ひとつの完成形にはとどまらず、常に変貌と挑戦を繰り返してきた。その姿勢は、常に進化を続ける GUCCI の在り方とも響き合う。決して一つの「完成」に安住することなく、常に新しい表現の可能性に挑戦して変貌を重ね、「未完」の「旅」を続けてきた横尾による本展。美術評論家の南雄介によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた横尾作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品が展示される。また、屋上スペースでは、1970年の大阪万博で大きな話題を呼んだ真っ赤な足場のインスタレーションを再現した作品もダイナミックに展開される。
場所: グッチ銀座 ギャラリー
住所: 東京都中央区銀座4丁目4-10 グッチ銀座 7F
会期: 2025年4月23日 (水)〜2025年8月24日(日)予定
時間: 11:00-20:00 *予約優先制
HP: www.gucci.com