今週のTFP的おすすめ展覧会
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おすすめ展覧会
現在開催中の展覧会や写真展、アートイベントから、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) のおすすめを毎週ピックアップ。
今週はどこへ行こう。毎週火曜日更新。
シャルロット・デュマ「声が届いて/絵筆を手にとって」
©︎Charlotte Dumas
アムステルダムを拠点に活動する写真家、Charlotte Dumas (シャルロット・デュマ) による個展「声が届いて/鉛筆を手にとって」。象と亡き父親との記憶を主題にした新シリーズ「Entendue (声が届いて)」は、写真、映画、インスタレーション、書籍等、複数のメディアで展開されるプロジェクトだ。アーティストとして活動していた父親のカメラを用いて、撮影された子像の姿。親との思い出や、娘を持つ作家自身の立場を重ね合わせることで、人間と動物という異なる種を、同じ感覚を持つ存在として捉え直す。また Dumas は、この記録の連なりを新作映画『The Brush in your Hand (絵筆を手にとって)』へと展開。作家自身、娘、そして父親という三世代にフォーカスし、家族の記憶と創造性の継承をめぐる物語を鮮明に映し出している。家族と動物という普遍的なモチーフが響き合う空間にぜひ足を運んでみて。
会場: 小山登美夫ギャラリー京橋
住所: 東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 3F
会期: 3月7日(土)〜4月11日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝日
HP: www.tomiokoyamagallery.com
クリスチャン・マークレー「LISTENING」
Concentric Listening (Red and Blue), 2024
Christian Marclay (クリスチャン・マークレー) は、アメリカ出身の作曲家であり視覚芸術家。レコードとターンテーブルを用いた演奏表現のパイオニアとして知られている。ギャラリー小柳での4回目の個展となるエキシビションでは、2021年の「Voices」展に続き、Marclay のオリジナル・コラージュ作品により構成。会場を彩るのは、新作シリーズ「Concentric Listening」と「Eccentric Listening」、そして代名詞ともいえるレコードジャケットをコラージュした「Oculi」の最新作。そして主題に据えられたのは、「LISTENING」という聴く行為そのもの。目に見えないサウンドを、鮮やかな物理的イメージへと昇華させる試みだ。1986年の初来日から40年。この記念すべき節目の年に開催される本展を通じて、サウンド・アーティストが辿り着いた現在地をその目で確かめてみて。
会場: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 銀座小柳ビル9F
会期: 4月4日(土)〜6月30日(火)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 日・月・祝日
HP: gallerykoyanagi.com
水島 貴大「環島回憶錄 Memoirs of Huandao」
東京と台北の二拠点を中心に活動する写真家・水島貴大。本展では、2020年から2025年の5年にわたり収められた、台湾各地の街の表情とそこに生きる人々の記録を紹介する。台湾全土を一周する旅の道「環島・ファンダオ」。単なる移動を超え、人生の節目や自己確認の場として特別な意味を持つこの道を起点に、自らのルーツを持たない地を時間をかけて巡り、独自の視点で丁寧に切り取り続けた。そして人々の移動や接触が大きく制限された特異な時代に捉えられた名も無きドラマ。台湾一周という物理的な移動を超えた、現代写真のひとつの到達点をぜひ会場で見届けて欲しい。
会場: ニコンサロン新宿
住所: 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28階
会期: 3月31日〜4月13日(月)
時間: 10:30-18:30 *最終日は15:00まで
休廊日: 日
HP: nij.nikon.com
東海林広太「纏め」
スタイリストを経て、2014年に独学で写真を始め、写真家としてのキャリアをスタートさせた東海林広太。本展は、東海林が過去に制作した作品を、ゆかりのある他者に委ね、再構築する実験的なプロジェクトの一環である。本来の用途や姿とは別のものに見なして捉える、「見立て」。テーマや背景を手放すことで、作品はどこまで自由に変化し得るのか。この問いを軸に、自宅で撮影した写真と、屋外で撮影した写真、それぞれ異なる背景で撮影された断片を用いたインスタレーション空間が広がる。約10年のキャリアの区切りに提示される、この場所でしか味わえない「距離感」をぜひ体感してほしい。
会場: OFF THE HOOK
住所: 神奈川県藤沢市大庭5594-1 大庭園草工房敷地内
会期: 4月4日(土)〜4月19日(日) *平日予約制、土日終日オープン
時間: 13:00-19:00 *土日
HP: www.instagram.com/offthehook_rrr
「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」
W. ユージン・スミス〈私の窓から時々見ると…〉より 1957-59 年頃 東京都写真美術館蔵
©2026 The Heirs of W. Eugene Smith
20世紀のドキュメンタリー写真を代表するアメリカのフォト・ジャーナリスト William Eugene Smith (ウィリアム・ユージン・スミス)。本展は、1957年から10年以上にわたりニューヨーク・マンハッタンのアパート、通称「ロフト」で過ごした時期に焦点を当てた、国内最大規模の個展となる。時代を担う多彩な芸術家が集う場であったマンハッタン。この地で Smith は名だたるジャズミュージシャンたちのジャム・セッションや交流の様子、そして窓の外に広がる街並みをジャーナリズムの枠を超え、アーティスティックに切り取っていた。会場では「ロフトの時代」を中心に、その前後の活動も深く掘り下げていく。報道写真家としてだけでなく、一人の芸術家としての真髄に触れる本展。同氏が確立したジャーナリズムとアートのシナジーを体感できるまたとない機会だ。
会場: 東京都写真美術館 2階展示室
住所: 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期: 3月17日(火)〜6月7日(日)
時間: 10:00-18:00 *木、金は20:00まで
休館日: 月、5月7日(木) *5月4日(月)は開館
観覧料: 一般 ¥700 (¥560)、学生 ¥560 (¥440)、高校生・65歳以上 ¥350 (¥280) *( ) は有料入場者20名以上の団体、映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金
*中学生以下及び障害者手帳をお持ちの方とその介護者 (2名まで) 無料
*第3水曜日は65歳以上無料
*3月17日(火)〜4月5日(日)は、「ウエルカムユース2026」キャンペーンで18歳以下無料
HP: topmuseum.jp
「加守田章二と IM MEN」
IM MEN (アイム メン) の2026年春夏コレクション「DANCING TEXTURE」の着想源となったのは、日本の陶芸家・加守田章二 (1933-1983) の作品。本展では、最新コレクションを象徴するオリジナルテキスタイルで仕立てられたピースとともに、加守田の挑戦的かつ独自の造形美を放つ陶芸作品をあわせて紹介。さらに同氏にゆかりの土地や人々の記録、ブランドのコレクション製作の工程を綴った映像作品も上映される。時代・文化を超え、陶器を一枚の布に写し取って生まれた、新たな衣服表現。そして偉大な陶芸家のものづくりと、芸術に惹かれる人々のつながり。コレクションが立ち上がるまでの軌跡とともに、その無限の可能性をぜひ会場で体感してほしい。
会場: 京都国立近代美術館 1階ロビー
住所: 京都府京都市左京区岡崎円勝寺26-1
会期: 3月28日(土)〜6月21日(日)
時間: 10:00-18:00 *金曜日は20:00まで開館 (入館は閉館の30分前まで)
観覧料: 一般 ¥430、大学生 ¥130
HP: www.momak.go.jp
チャド・ムーア「Eyes and Skies」
Chad Moore (チャド・ムーア) は、ニューヨークを拠点に活動する写真家。世界各国で写真展を開催し、気鋭のフォトグラファーとして注目を浴びる彼の新作個展では、「空」と「目」という2つのモチーフを軸に、宇宙と人間の繋がりをイメージした写真群が紹介される。広大な空が持つ感情と、真実を宿しながらも匿名性を帯びた瞳のポートレート。これらを物理的なオブジェである写真へ昇華させることで、新たな表現の地平を切り拓いている。また会期中には、 Chad がインスタントカメラを使用して来場者をスナップする撮影会も予定。気鋭フォトグラファーの新境地をぜひ見届けて欲しい。
会場: SUPER LABO STORE TOKYO
住所: 東京都千代田区神田猿楽町1-4-11
会期: 3月27日(金)〜5月23日(土)
時間: 12:00〜18:00
休廊日: 日、月、火
HP: www.superlabostoretokyo.com
セル・セルパス&ラフィク・グレイス「clockwork」
彫刻、ペインティング、詩、パフォーマンスを横断しながら制作するアーティスト Ser Serpas (セル・セルパス)。写真、映像、立体、インスタレーションを通じて構造、物語、記憶などの関係性について探求するアーティスト Rafik Greiss (ラフィク・グレイス) もまた、多様なメディアを自在に行き来しながら活動を続けている。二人展「clockwork」では、Serpas の立体作品と絵画作品の新作、そして Greiss の写真作品とインスタレーションが展開。使い古されたパネルや捨てられた資材を積んだ作業用トラックを着想源に、日常反復の中で常態化している事象への再考を促す構成となっている。二人の鋭い感性が交差し、響き合う貴重な機会にぜひ足を運んでみて。
会場: タカ・イシイギャラリー 京橋
住所: 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
会期: 3月21日(土)〜4月25日(土)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 日、月、祝日
HP: www.takaishiigallery.com
團上祐志「世界の語り手 小さきものの崇高」
絵画、立体、詩、ソーシャルプロジェクトなど多角的な表現を展開している現代アーティスト・團上祐志の個展が幕を開ける。團上はこれまで蜜蜂の巣を素材に用い、蜂の世界を起点とし、人間と自然が遥か昔から築いてきた共生関係をテーマに作品を制作してきた。本展では、蜜蜂と養蜂家との共同制作によって生まれた蜜蝋絵画シリーズ「Sympoiesis」を中心に、小さな生命のまなざしを通してその深淵を紐解く。また社会彫刻の概念で知られる Joseph Beuys (ヨーゼフ・ボイス) による蜜蝋の立体作品もあわせて展示。蜂を介して、環境と生命のつながりを静かに問いかけるエキシビション。ひとつひとつの作品に向き合い、そこから生まれる気づきに思いを巡らせてほしい。
会場: NEW
住所: 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F
会期: 3月25日(水)〜4月5日(日) *会期中無休
時間: 12:00-19:00
HP: newwwauction.com
佐内正史「雷写」
静岡県静岡市生まれの写真家・佐内正史。1997年に写真集『生きている』でデビューし、第28回木村伊兵衛写真賞をはじめとした数々の賞を受賞した経歴をもつ。本展では、佐内が2025年夏から冬にかけて岡本太郎記念館で撮影した写真が紹介される。芸術家・岡本太郎が死の間際に描いた絶筆「雷人」(1995年)。この作品に釘付けにされた同氏は、自らの撮影原理を「雷写」と銘打ち、岡本太郎の作品世界へと深く没入していったという。展示作品の大半を撮り下ろし、自身のレーベルから写真集を刊行するほど、岡本太郎へ熱量を注ぎ込んだ佐内。時代を超えて対峙するふたりのアーティストの相貌を、その目で目撃してほしい。
会場: 岡本太郎記念館
住所: 東京都港区南青山6丁目1−19
会期: 3月14日(土)〜7月12日(日)
時間: 10:00-18:00
休館日: 火
HP: taro-okamoto.or.jp
オム プリッセ イッセイ ミヤケ「Amid Impasto of Colors ―積み重なる色―」
一本の筆を携え、イタリアを巡り色彩を採集する旅から生まれた HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE (オム プリッセ イッセイ ミヤケ) の最新コレクション「Amid Impasto of Horizons —積み重なる地平—」。本展では、そうして採集してきた色とその制作プロセスに焦点を当てる。200以上の色数から選んだ44色を、ブランドのアイデンティティであるプリーツの生地として展示するとともに、そのフィールドワークの軌跡を紹介。市場に並ぶ鮮やかな地元の野菜、刻々と変わる海面など、イタリアの街の息遣いや時間の移ろいが漂うエキシビションとなっている。色の積み重ねが織りなす、情景や記憶をぜひ体感してみてほしい。
会場: 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所: 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
会期: 3月14日(土)〜4月12日(日)
時間: 10:00-19:00
休廊日: 火
HP: www.isseymiyake.com
ダニエル・ビュレン「Third Eye, situated works - 知覚の拡張ーそこにある眼差し」
Photo-souvenir : Découpé / Étiré, travail in situ, 1985, in « Fare, Disfare, Rifare, lavori in situ e situati, 1968-2025 », Pistoia, mars 2025. Détail © DB-ADAGP Paris
コンセプチュアル・アートの地平を切り開いてきた美術家・Daniel Buren (ダニエル・ビュレン)。本展は、6点に及ぶ同氏の新作「Prismes et miroirs : Haut-relief (プリズムと鏡 : 高浮き彫り)」シリーズにより構成されている。作家が「Prismes(プリズム)」と呼ぶ凸状の形態には、モノトーンのパレットからランダムに選ばれた色彩を配置。また、その三角形の側面に施されているのは、8.7cm幅のストライプ。1960年代から Buren が一貫して「視覚の道具」として用いてきたこのシグネチャーは、単なる模様ではなく、鑑賞者の視線を外側へ誘うための装置である。新作群と会場の建築、そして環境が共鳴する本展。半世紀以上に渡る Buren の実践をぜひその目で確かめてみてはいかが。
会場: SCAI THE BATHHOUSE
住所: 東京都台東区谷中6-1-23
会期: 3月17日(火)〜5月16日(土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日・月・祝日
HP: www.scaithebathhouse.com
リナ・バネルジー「“You made me leave home...」
エスパス ルイ・ヴィトン20周年、そしてファンダシオン ルイ・ヴィトンの「Hors-les-murs (壁を超えて)」プログラム10周年を記念して、南アジア系ディアスポラのアーティスト Rina Banerjee (リナ・バネルジー) による個展「“You made me leave home…」が開催。テーマとなったのは、作家が30年近くに及ぶ創作活動を通じて、探求し続けてきた地球規模の移動と植民地主義の遺産について。このコンセプトのもと、インスタレーションから彫刻、最新のドローイングに至るまで、自身の作品群から厳選した19点の作品を展開する。日本で初めて大規模に紹介される彼女のアートピース。国境という壁を超え、多層的な物語を紡ぎ出す Banerjee のクリエイションをその肌で体感してみてほしい。
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 表参道ビル 7F
会期: 3月19日(木)〜9月13日(日)
時間: 12:00-20:00
休館日: ルイ・ヴィトン表参道店に準ずる
入場料: 無料 *会場内の混雑防止のため、入場待ちの可能性あり
HP: jp.louisvuitton.com
クリスティーナ・ロシュコワ「unbewitched/アンビウィッチド」
ロシア国内を拠点とし、国際的な雑誌や国外での写真集発売を精力的に行う気鋭フォトグラファー Kristina Rozhkova (クリスティーナ・ロシュコワ)。同名写真集の発売を記念した、日本で2回目の個展「unbewitched/アンビウィッチド」では、Rozhkova の写真が描き出す、ダークな世界が会場を静かに侵食する。タイトルの「アンビウィッチド (魔法が解かれた、夢からさめた)」が示唆するのは、高度経済成長を経た後の過酷なリアリティ。その現実と向き合いながらも、求める「自分たちだけのファンタジー」を、少年や少女、恋人たち、そして性的少数者へ親密なまなざしを向けて豊かに表現している。緊張感と希望が同居する Rozhkova の世界は、見る者に何を問いかけるだろうか。ぜひ会場に足を運んでみてほしい。
会場: PARCO MUSEUM TOKYO
住所: 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F
会期: 3月20日(金)〜4月13日(月)
時間: 11:00-21:00 *入場は閉場の30分前まで (最終日は18:00閉場)
入場料: ¥500 *未就学児無料
HP: art.parco.jp
空山基「SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー」
世界的なイラストレーター兼現代アーティスト・空山基による過去最大規模の回顧展「SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー」。1978年から取り組む「セクシーロボット」シリーズで世界的に知られている。本展では、同氏が最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、デザインを手掛けた AIBO (アイボ) の原画のほか、Aerosmith (エアロスミス) のアルバムジャケットとして採用された代表作、最新の彫刻作品、新作の映像インスタレーションも紹介される。空山基が半世紀にわたり追い求めてきた、光・透明・反射という表現の美学。そして、1970年代後半から現代までの芸術的進化と創作の歩み。空山基のキャリアを圧倒的なスケールで体感できるこの機会を見逃す手はない。
会場: CREATIVE MUSEUM TOKYO
住所: 東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 6階
会期: 3月14日(土)〜5月31日(火)
時間: 10:00-18:00
休館日: なし
入場料: 当日券一般 ¥2,500、学生 (大学) ¥1800、学生 (高校) ¥1,500、こども (小中学生) ¥1,000/前売り券一般 ¥2,300、学生 (大学) ¥1,600、学生 (高校) ¥1,300、こども (小中学生) ¥800
HP: sorayama2026.jp
ホンマタカシ「This Is Not My Cat」
写真家・ホンマタカシによる本展は、自身の猫を写し出した同タイトルの新作写真集の刊行を記念したものであり、2つの会場にわたり開催される。そこに写るのは、猫とホンマの何気ない日常。だがそれは、時折赤の他人のようによそよそしくレンズの前に立ち現れる。代表作『Tokyo and my Daughter』(2021年) が創出した独特のズレを、本作でもまた一匹の猫を通じて再構築しているのが特徴だ。神宮前のブックストア UTRECHT (ユトレヒト) では、未掲載のアザーカットを含む壁一面のインスタレーション、恵比寿のブックストア POST (ポスト) では、貴重なスライドや未公開映像を用いた展示をそれぞれ実施する。身近な存在の愛おしさが溢れ出た本展。2つの会場を巡りながら、ホンマタカシが捉えた「猫」を目撃してほしい。
場所: (1)POST
(2)UTRECH
住所: (1)東京都渋谷区恵比寿南2丁目10−3
(2)東京都渋谷区神宮前5丁目36−6
会期: (1)3月13日(金)〜4月12日(日)
(2)3月3日(火)〜3月15日(日)
時間: (1)11:00-19:00
(2)12:00-19:00
休廊日: (1)(2)月
HP: (1)post-books.shop
(2)utrecht.jp/
「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」
©CHANEL/Roe Ethridge
アメリカを代表する現代写真家 Roe Ethridge (ロー エスリッジ)。CHANEL (シャネル) と10年以上にわたり協働してきた同氏が始動させたのは、ブランドの創業者 Gabrielle Chanel (ガブリエル・シャネル) の遺品にフォーカスしたプロジェクト。本展では、遺された品々に命を吹き込むかのような Ethridge のフォトコラージュ作品が紹介される。彫刻家 Jacques Lipchitz (ジャック・リプシッツ) による CHANEL の胸像、詩人 Pierre Reverdy (ピエール・ルベルディ) による「ミシアのための詩」の手稿、画家 Salvador Dalí (サルバドール・ダリ) とその妻 Gala Eluard (ガラ・エリュアール) によるイラスト付きの献辞本、バレエ「三角帽子」のための画家 Pablo Picasso (パブロ・ピカソ) によるスケッチ。様々なオブジェは、現代的な小道具と組み合わされており、CHANEL に鮮烈な現代の風を吹き込んでいる。メゾンの1世紀にわたる伝統をアップデートさせる珠玉のアート作品を見届けてみて。
会場: シャネル・ネクサス・ホール
住所: 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F
会期: 2月25日(水)~4月18日(土)
時間: 11:00-19:00 *最終入場18:30
HP: nexushall.chanel.com
「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」
© Marie Rouge / Unifrance
国内最大級のフランス映画の祭典「第33回フランス映画祭 2026」の開催を記念し、行われる写真展「VISAGES DU CINEMA FRANCAIS フランス映画界の顔たち」。本展では、写真家 Marie Rouge (マリー・ルージュ)、Laura Stevens (ローラ・スティーヴンス)、Philippe R. Doumic (フィリップ・R・ドゥミック) の3名が、フランス映画を彩ってきた「顔」にそれぞれのまなざしから迫る。巨匠 Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) をはじめ、Dardenne (ダルデンヌ) 兄弟、女優 Lea Seydoux (レア・セドゥ) にいたるまで、黄金期を象徴する映画人、そして現在から未来へと映画界を牽引する映画監督や俳優たちのポートレート全42点が会場を飾る。また、長年にわたり映画を支援してきた agnès b. (アニエスべー) と映画文化との深い結びつきについても紹介。フランス映画の「これまで」と「これから」を繋ぐ、より深い映画体験を渋谷で目撃してほしい。
会場: アニエスベー ギャラリー ブティック
住所: 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
会期: 2月21日(土)~4月5日(日)
時間: 12:00-19:00
休廊日: 月 *2月23日(月)を除く
HP: www.agnesb.co.jp
アンドリウス・アルチュニアン「Obol」
Andrius Arutiunian | Below (For the Ones That Murmur) | 2024
Courtesy of the artist | Photo by Dat Bolwerck, Zutphen
アルメニアとリトアニアにルーツを持つアーティストであり、作曲家としても活動する Andrius Arutiunian (アンドリウス・アルチュニアン)。日本初となる個展「Obol」は、オルタナティブ・スペース「The 5th Floor (ザ・フィフス・フロア)」のディレクター・岩田智哉をゲスト・キュレーターに迎え、構成された。かつて神聖とされていながら、現代では世俗的用途に転用されている石油由来の物質「瀝青」。この素材を着想源に、古代宗教から語り継がれる神話へオマージュを捧げ、制作された最新の作品群が公開される。彼が創出する冥界を思わせるダークな空間に交わるのは立体的なサウンドレイヤー。儚くも瞑想的な世界観は、鑑賞者をまだ見ぬ未知の世界に連れ出してくれるはず。
会場: 銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階
住所: 東京都中央区銀座5-4-1
会期: 2月20日(金)~5月31日(日)
時間: 11:00-19:00 *入場は18:30まで
休館日: 水
HP: www.hermes.com
ロバート・ナヴァ「Supercharger」
美とカオスが織り交ざった独特の世界観で絵画を描くアーティスト Robert Nava (ロバート・ナヴァ)。日本での初個展「Supercharger」では、彼が2023年から2026年にかけて制作した新作の絵画と紙の作品を紹介する。油彩、アクリル、グラファイト、色鉛筆、クレヨン。多様な画材を用い、即興的な筆致で描かれた紙作品は Nava の卓越したドローイングの実践を鮮明に物語っている。ウサギがドラゴンへと姿を変える変幻自在な世界を表現した作品「Diamond Sword (charged)」(2024年)、犬とドラゴンを掛け合わせた生き物が双頭のガチョウを連れ去ろうとしている様子を描写した「Suit of water (Grease Evolution)」(2024年) といったイマジネーションに溢れる作品が並ぶ本展。ユーモアに富んだ Nava のまなざしは、鑑賞者が内に秘めた無限の想像力を鮮やかに呼び覚ますはず。
会場: Pace東京
住所: 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA 1-2F
会期: 2月19日(木)〜4月1日(水)
時間: 11:00-19:00
休廊日: 月
HP: www.pacegallery.com
「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」
ヴォルフガング・ティルマンス《ザ・コック(キス)》2002年、テート美術館蔵
© Wolfgang Tillmans, courtesy of
Maureen Paley, London; Galerie
Buchholz; David Zwirner, New York
1980年代後半から2000年代初期にかけて制作された英国美術をテーマに据えたエキシビション。本展では、当時世界中で注目を浴びた「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト (YBA)」と呼ばれた作家や、同時代の作家たちの作品約100点を紹介する。ラインナップするのは、Damien Hirst (ダミアン・ハースト)、Julian Opie (ジュリアン・オピー)、Lubaina Himid (ルベイナ・ヒミド)、Wolfgang Tillmans (ヴォルフガング・ティルマンス)、Tracey Emin (トレイシー・エミン) といった伝説的アーティスト。緊張感が漂うサッチャー政権下 (1979-90年) において、実験的なアプローチによって独自の表現を切り開いていた作家たちの作品を通じて、英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に浮き彫りにする。90年代のクリエイティブな熱狂、アート史に名を刻むアーティストの作品、UK カルチャーに溢れた黄金期の息吹が一堂に会す本展。世界が目撃したあの衝撃を、ぜひこの機会に味わってみてほしい。
会場: 国立新美術館 企画展示室2E
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 2月11日(水)~5月11日(月)
時間: 10:00-18:00 *会期中の金・土は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
休館日: 火 *5月5日(火)は開館
入場料: 一般 ¥2,300、大学生 ¥1,500、高校生 ¥900、中学生以下無料
HP: www.ybabeyond.jp
黒田零「影の語り部」
写真のみならず、映像作品や音楽など多角的に活動する作家・黒田零。本展「影の語り部」では、反射的に行っているようにみえる「見る」という行為そのものに焦点を当てる。日々見ている膨大な写真も、実際には単に「視界に入れている」にすぎない。しかし黒田は、よく見えないもの、何が写っているかわからないものと向き合うときに、人は初めて能動的に「見る」という行為を再認識するのだと説く。今回展示される写真群は、作家が世界をいかに見るのかという主張であり、「あなたは世界をどう見ているのか?」という鑑賞者への問いかけでもある。日常ではほとんど見つめることのない、影と闇。暗がりの中でこそ浮かび上がる本質を、ぜひ見出してほしい。
会場: テラススクエア 1F エントランスロビー
住所: 東京都千代田区神田錦町3-22
会期: 1月26日(月)〜5月22日(金)
時間: 8:00-20:00
休館日: 土、日、祝日
HP: www.instagram.com
「DIESEL ART GALLERY BOOK MARKET」
アートブックイベント「DIESEL ART GALLERY BOOK MARKET」では、東京の選りすぐりのブックストア・出版社とともに、新たな本との出会いの場を創出。アートブック、写真集のみならず、デザイン、音楽、サブカルチャー、アンダーグラウンドカルチャーをフィーチャーした書籍など、エッジの効いた作品を展示・販売する。参加するのは、神保町の Bohemian’s Guild (ボヘミアン・ギルド)、福生の Cha Cha Cha Books (チャチャチャ・ブックス)、鶯谷の古書ドリス、代田橋の Flotsam Books (フロットサムブックス)、渋谷の Flying Books (フライング・ブックス) といった書店。そのほかにも、1997年に東京で創刊し、世界のクリエイティブシーンを特集するビジュアルマガジン『+81 magazine』、1996年に誕生した世界中のアートやデザインのアイデアを紹介するプラットフォーム『GASBOOK (ガスブック)』、国内外の著名な写真家の作品を制作・出版している「SUPER LABO (スーパーラボ)」などの出版社も出店する。それぞれがブースごとに構成され、個性豊かなキュレーションを行う。本展で、感性を刺激する一冊を見つけてみては。
会場: DIESEL ART GALLERY
住所: 東京都渋谷区渋谷1丁目23−16 B1F cocoti SHIBUYA
会期: 1月23日(金)〜4月15日(水)
時間: 11:30-20:00
HP: www.diesel.co.jp
アルフレド・ジャー、和田礼治郎「Alfredo Jaar Reijiro Wada」
チリ出身のアーティスト兼写真家 Alfredo Jaar (アルフレド・ジャー) と、ベルリン在住のアーティストである和田礼治郎。2人展「Alfredo Jaar Reijiro Wada」では、Jaar の社会の不均衡や世界問題に対する真摯な作品と、和田の概念を可視化する作品を展示。世界を考え、想像しようとする私たちの思考のあり方がどのように形作られてきたのかを、あらためて見つめ直す機会を提示する。本展のために Jaar の初期作品を再構成し、美術作品を観るという行為そのものを問う新作インスタレーション「1+1+1+1」。見慣れた世界の輪郭を静かに解体していく、和田の新作「PORTAL」。共鳴し合うように配置された両者の作品と繰り返される四角い「フレーム」の表現を通じ、私たちの視線がいかに社会的な制約や偏見に縛られているかを浮き彫りにする。本展は、世界をありのままに見つめるための新たな視座を手に入れられる貴重な機会となるはず。
会場: SCAI PIRAMIDE
住所: 東京都港区六本木6-6-9
会期: 1月21日(水)〜4月18日(土)
時間: 12:00-18:00
休廊日: 日~水、祝日
HP: www.scaithebathhouse.com
ソル・ルウィット「オープン・ストラクチャー」
Sol LeWitt (ソル・ルウィット) は、アイデアを主軸とする作品を通して、「芸術とは何でありうるか」という問いに向き合った、20世紀を代表するアメリカ出身のアーティスト。彫刻、壁画を用いたコンセプチュアルアートを制作したほか、書籍の制作も手がけるなど多様なメディアを通じてアート表現を立ち上げている。日本の公立美術館では初となる個展は、「ウォール・ドローイング」、立体・平面作品、アーティスト・ブックなどを通じ、同氏の芸術に対する深い眼差しを多角的に紹介する。LeWitt の美学である芸術の「構造を開く思考」をテーマに、作品が単なる鑑賞の対象にとどまらず、思考の場として見る者に再考を促す。そんな新しいアートの向き合い方を提供する展覧会となっている。代表作であるウォール・ドローイングは、広々とした空間に6点にわたって展示。珠玉のアートピースを通じて、既存の枠組みや仕組みに問いを投げかけ、別の構造への可能性を開こうとしてきた同氏の思考の軌跡を辿ってみては。
会場: 東京都現代美術館
住所: 東京都江東区三好4丁目1−1
会期: 12月25日(木)〜2026年4月2日(木)
時間: 10:00-18:00 *展示室入場は閉館の30分前まで
休館日: 月 *1月12日、2月23日は開館、12月28日~1月1日、1月13日、2月24日
観覧料: 一般¥1,600/大学生・専門学校生・65 歳以上¥1,100/中高生¥640/小学生以下無料
HP: www.mot-art-museum.jp/exhibitions
「SPRING わきあがる鼓動」
大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》2015年、
展示風景:「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」森美術館 ©Shinji Ohmaki Studio
本展は、ポーラ美術館の開館以来はじめて「箱根」という土地そのものに焦点を当て、アーティストの創造力を呼び覚ます芸術の街の魅力を紐解くエキシビション。箱根町立郷土資料館が収蔵する貴重な浮世絵コレクションや町指定重要文化財の絵画を皮切りに、箱根をはじめとした東海道の風景を着想にしたアート表現を、江戸時代から現代に至るまで横断的に紹介する。大巻伸嗣による、箱根の自然と共鳴するスケールの巨大インスタレーションや、杉本博司といった世界的に活躍する現代美術作家の作品、陶芸家・小川待子の新作など、約120点もの作品が一堂に会す。さらに、同美術館の西洋近代絵画コレクションより、印象派の代表格 Oscar-Claude Monet (オスカル=クロード・モネ)、20世紀美術に大きな影響を与えた Vincent Willem van Gogh (フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ) の作品のほか、フランスの画家 Henri Rousseau (アンリ・ルソー) の油彩画4点などが紹介される。箱根に力強くわきあがる鼓動とともに、時代を超えて豊かに躍動するアートをぜひ肌で感じてみて。
会場: ポーラ美術館
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285
会期: 12月13日(土)~2026年5月31日(日)
時間: 9:00-17:00
HP: www.polamuseum.or.jp











