Todd James (トッド・ジェームス) の新作個展が、NANZUKA にて開催

「Musical Chairs」©Todd James Courtesy of the artist and NANZUKA

1969年生まれのアメリカ人アーティスト、Todd James (トッド・ジェームス) の新作個展が NANZUKA (ナンズカ) にて開催している。

80年代後半以降、アメリカのストリートアートを象徴するアーティストの一人として人気の高い Todd James。10代から REAS (リアス) のタグネームで知られ、当時のアンダーグラウンドカルチャーを牽引する象徴的な存在として、Beastie Boys (ビースティボーイズ)、Iggy Pop (イギー・ポップ)、Eminem (エミネム) といったアーティストたちとコラボするなど、世界中の同世代の若者達に絶大な影響を与えた。

子供の絵を思わせるイノセントな線と形態、キャラクター化されカラフルに色塗りされた様々な登場人物たちが特徴の Todd James の作品。一見、親しみやすさを覚えるが、その内容は現代社会の裏側を皮肉った批判精神に満ちているように見える。タバコを吸う戦車、裸の女性と機関銃あるいは骸骨、幼児のように無邪気に遊び回る擬人化された戦闘機、血のプールで遊ぶ水着の女といったモチーフは、彼の作品に繰り返し登場する。本人曰く、これらのモチーフは日常的にTVや新聞から流される情報を少し脚色するだけで生まれるイメージの集合体であるという。

NANZUKA では3年ぶり、3度目となる本展では、室内を描いた作品を数多く発表。強めの色調で描かれたこれらの室内画の中には、マンガのキャラクターやピンナップなどが画集画的に描かれ、なかでも裸の女性の影が多く垣間見れる。Todd James の個人的な関心を反映しているようなイメージ群だが、興味深いのは作品が傍観者として描かれている点だ。Todd James 特有のスタイルは、それが故にその作品が他者である私たちの共感をたやすく掴むのだろう。 こうしたペインティングの他に、部屋をテーマにしたライトボックス型の看板が連なる大掛かりなインスタレーション作品も発表する。

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