過去最高の過激さ、Hood by Air (フッド・バイ・エア) 2016-17年秋冬コレクション
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過去最高の過激さ、Hood by Air (フッド・バイ・エア) 2016-17年秋冬コレクション
Hood by Air Fall Winter Runway Is Way Fishy And Energetic Than Ever
アンダーグラウンドイベント GHE20GOTH1K (ゲトーゴシック) の発起人であり、カルトブランド Hood By Air (フッド・バイ・エアー) のデザイナー Shayne Oliver (シャイン・オリヴァー)。気鋭トラックメーカー Arca (アルカ) とのコラボによるアーティスト活動 Fench (フェンチ) にも注目が集まる中、NY ファッションウィーク期間中に最新2016-17年秋冬コレクションが披露された。
恐らく NY のファッションシーンで今最も賛否両論を巻き起こすデザイナー、Shayne Oliver (シャイン・オリヴァー)。アンダーグラウンドイベント GHE20GOTH1K (ゲトーゴシック) の発起人であり、今なおアンダーグラウンドシーンを覆いに賑わす彼のブランド Hood by Air (フッド・バイ・エア) は今、ストリートのみならずファッション業界全体をも揺るがすニューウェーブとして注目を集めている。その理由の一つが2014年に開催された第2回LVMHプライズの特別賞受賞。そしてもう一つが、昨年末に全貌を披露したロンドンの鬼才トラックメーカー Arca (アルカ) とのコラボによるアーティストプロジェクト Wench (ウェンチ)だ。
そして今回、NY ファッションウィークにて披露された最新の2016-17年秋冬コレクションがそのニューウェーブをさらに強烈に印象付けたことは想像に難くない。「ヘルス・ゴス (スポーツウェアとゴシックファッションを融合させたスタイル)」の火付け役であり、ジェンダーレスファッションをいち早く提唱したプロタゴニスト。今回のコレクションでは、これまでのアンドロジナスなスタイルをさらに前進させた “フィッシー” なスタイルが披露された。
ランウェイで BGM に使用されたのは、これまた賛否両論を巻き起こしている Beyoncé (ビヨンセ) の最新曲「Formation」のリミックス。ファーストルックに登場したのは、艶かしいツヤ感を湛えた全身ブラックのレザールック。この不吉なムードはショー中盤に進むにつれ、さらに過激になり、ナイロンバッグを腕にくくり付けたような歪つなルック、災害時の防塵服のように顔周りを覆ったフーディ、そしてシルバーフォックスのロングコートの上からビニールテープを巻きつけたようなフェティッシュなルックなど登場。しまいには膝上まであるキンキーなパテント素材のスティレットブーツを履いたメンズモデルが登場するなど、まるでアンダーグラウンドの BDSM クラブのようなスタイルは、軒並みリアルクローズが大半を占める NY ファッションウィークの中でも異彩を放っている。アーティスト活動に専念するあまり、突飛なアイデアに振り切ってしまったのか。しかしその一方でシルバーの装着具を幾多にも繋いだボンデージ風のボタンシャツや、肩の位置で切り替えられたオーバーサイズのアウターは、ランウェイルックそのままを街で着こなすカルト信者たちが容易に想像出来る。それほどまでに今の Shayne Oliver (シャイン・オリヴァー) は倒錯的なまでのエネルギーに満ち溢れているということだ。