Chanel Haute Couture 2016 Fall Winter, An Ode To Petit Main

「プティ マン」総勢78人が主役、Chanel (シャネル) 2016-17年秋冬オートクチュールコレクションが見せつけるメゾンの底力

Chanel Haute Couture 2016 Fall Winter, An Ode To Petit Main
Chanel Haute Couture 2016 Fall Winter, An Ode To Petit Main
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「プティ マン」総勢78人が主役、Chanel (シャネル) 2016-17年秋冬オートクチュールコレクションが見せつけるメゾンの底力

Chanel Haute Couture 2016 Fall Winter, An Ode To Petit Main

オートクチュール、それはファッションにおける最高峰の砦であり、素材や技術における実験台であり、崇高な芸術作品である。そしてそれらを支えるのは、言うまでもなくアトリエのスタッフだ。フランス語で「petite main (プティ マン、小さな手)」と呼ばれるお針子たち。彼らにスポットライトをあてるというアイデアは、恐らく Chanel (シャネル) にとって至極当然のことであったはずだ。

Courtesy of Olivier Saillant © Chanel

Courtesy of Olivier Saillant © Chanel

オートクチュール、それはファッションにおける最高峰の砦であり、素材や技術における実験台であり、崇高な芸術作品である。そしてそれらを支えるのは、言うまでもなくアトリエのスタッフだ。フランス語で「petite main (プティ マン、小さな手)」と呼ばれるお針子たち。彼らにスポットライトをあてるというアイデアは、恐らく Chanel (シャネル) にとって至極当然のことであったはずだ。

「普段顔を合わせることの無いアトリエのスタッフと、顧客やジャーナリストの皆さんを一つの会場に集めたら面白いんじゃないかと思ったんだ」と語る Karl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド) の 言葉通り、5日にパリにて発表された2016-17年秋冬オートクチュールコレクションでは、会場となった Grand Palais (グラン パレ) に総勢78名の「プティ マン」がステージに登場。見たこともないような色とりどりのツイードの反が積み上げられた作業テーブル、Karl Lagerfeld によるデザインデッサン、ジャケットを仕立てる際に使われるトワル (仮縫い用のボディ)、そして Maison Lemarié (メゾン ルマリエ) の羽飾りアトリエの風景を再現したユニークなアペリティフに期待を膨らませる中、ショーは幕を開けた。

They never see the dresses they work on

ファーストルックで登場したのは、直線的なシルエットが特徴的なセットアップ。黒とゴールドのツイード地で仕立てられたジャケットは、あえてショルダーラインのステッチを表に出すことでパッド無しの立体的なフォルムを形作っている。その後もショーの前半は、Gabriel Chanel (ガブリエル・シャネル) のワードローブを彷彿とさせるツイードのスーツがステージを彩る。スタンドカラーのブルーのツイードジャケット、胸元に切り込みを入れたサテンのショールカラージャケット、ミリタリージャケットのディティールを取り入れたブラックとホワイトのロングジャケット。最小限に抑えられた装飾は、また同時にその精巧なシルエットとディティールを浮き彫りにしている。

フィナーレを飾ったローブ・ドゥ・マリエ (ウェディングドレス)。エンペラーカラーの首元は、フェザー装飾によってダイナミックなシルエットを描く。

フィナーレを飾ったローブ・ドゥ・マリエ (ウェディングドレス)。エンペラーカラーの首元は、フェザー装飾によってダイナミックなシルエットを描く。

その後登場したのは、流れるような斜めのラインカットされたシルエットが特徴的なデイドレスルック。ヴィクトリア調のエンブロイダリーワークは、英国のイラストレーター Aubrey Beardsley (オーブリー ビアズリー) に着想を得たものだという。

比較的ミニマルな中盤までに比べ、後半に登場したイヴニングの絢爛さが目を引く。ショルダーラインを縁取りするオーストリッチフェザー、ゴールドの立体刺繍、全身を細やかなプリーツが覆う彫刻のようなシルエット。矢継ぎ早に登場する超絶技巧級のソワレたちは、アトリエが誇る創造性、卓越した技術、そして自由な発想をまざまざと見せつけた。

フィナーレで登場した Karl Lagerfeld だが、今回のショーでその傍らで歩いたのはローブ・ドゥ・マリエではなく、アトリエの各部門における最高責任者である「プルミエール」たち。メゾンの底力とチームの結束力を、ウィットに富んだアイデアで昇華させたデフィレは、盛大な拍手とブラボーコールと共に幕を閉じた。


問い合わせ先/シャネル (ファッション) 0120-525-195
HP: www.chanel.com