【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画
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【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画
TFP Recommended Movies
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を週替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
4月23日〜4月29日
『悪は存在しない』
『偶然と想像』、『ドライブ・マイ・カー』などで国際的な評価を受け、現在の日本映画を代表する監督の1人・濱口竜介が、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した長編作品。自然豊かな長野県水挽町を舞台に、日本の自然破壊や社会問題を取り上げ、見る者全員に当事者意識を与える傑作を生み出した。水挽町は、東京からも近いことから移住者が徐々に増え、緩やかな発展を見せている。娘の花とともに、自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送る巧。そんな彼らのもとに、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がり、彼らの水源に汚水を流そうとしていることが発覚。町内に動揺が広がり、巧と花の静かな生活に思わぬ波及が及び始める。本作は、音楽家・シンガーソングライターの石橋英子が濱口にライブ用の映像制作を依頼したことから誕生したという。映画と音楽の旅から生まれた問いかけを観客にぶつけ、本人たちも予測できなかった景色を写し出す。
公開日: 4月26日(金)
監督: 濱口竜介
出演: 大美賀均、西川玲、小坂竜士
HP: aku.incline.life
『システム・クラッシャー』
嵐のような9歳の少女・ベニー。幼少期に父親から受けた暴力的トラウマを十字架のように背負い、手のつけようのない暴れん坊になるが、彼女の願いはただ一つ、母親から十分な愛を受け取ること。行く先々で問題を起こすベニーは、施設から3週間の隔離療法を提案され、非暴力トレーナーのミヒャとともに森の奥深くの山小屋で生活する。はじめは駄々をこねていたベニーだったが、徐々にミヒャとの関係を築いていく。監督・脚本は、本作が長編デビュー作となるドイツ出身の Nora Fingscheidt (ノラ・フィングシャイト)。彼女はホームレスを描いたドキュメンタリーの撮影中に「システム・クラッシャー」と呼ばれる子どもがいることを知り、映画化に踏み込んだという。主演を務めた Helena Zengel (ヘレナ・ゼンゲル) は本作での迫力ある演技が認められ、ドイツ映画賞主演女優賞を歴代最年少で受賞。また本作は、世界各国の映画祭で37冠(26ノミネート)に輝いた。どこにも居場所のない少女の怒りの叫びが、観客の胸を打つ作品。
公開日: 4月27日(土)
監督: Nora Fingscheidt (ノラ・フィングシャイト)
出演: Helena Zengel (ヘレナ・ゼンゲル)、Albrecht Schuch (アルブレヒト・シュッフ)、Gabriela Maria Schmeide (ガブリエラ・マリア・シュマイデ)
HP: crasher.crepuscule-films.com
『走れない人の走り方』
台湾出身で日本に留学し、東京藝術大学大学院映像研究科で学んだ蘇ゆ淳(スー・ユチュン)監督が、卒業制作として手がけた長編デビュー作。「三日坊主の私にとって、映画はいつまでもやり続けたい唯一のものだ」と語る監督が、映画制作をテーマに本作を作り上げた。主人公の小島桐子は、ロードムービーを撮りたいと思っている映画監督。だが、理想の映画づくりとは裏腹に、予算やキャスティングの問題、思わぬアクシデントなど数々のトラブルに見舞われる。撮影の継続が困難な中、模索した彼女が下した決断とは。監督として奔走する主人公を、モデルだけでなく俳優としての活躍も見せる山本奈衣瑠が演じ、『辻占恋慕』の早織、磯田龍生などが脇を固めるだけでなく、本監督の恩師であり映画監督の諏訪敦彦がチャーミングな役どころで出演。映画に携わる人々だけでなく、何かに奮闘し、向き合い続けるすべての人々の勇気を与えるだろう。
公開日: 4月19日(金)
監督: 蘇ゆ淳 (スー・ユチュン)
出演: 山本奈衣瑠、早織、磯田龍生
HP: hashirenaihito-movie.com
『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』
ユダヤ人街で暮らしていた7歳を迎える少年・エドガルド・モルターラが、教皇領の警察により連れ去られた「エドガルド・モルターラ誘拐事件」をもとに映画化。舞台は19世紀イタリア。何者かによって洗礼を受けたとされるエドガルドは、教会側の兵士たちに連れ去られる。彼の両親は息子を取り戻すため奮闘するが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するため、エドガルドの返還を拒否。この争いは、時の皇帝ナポレオンやロスチャイルド家をはじめ、全世界で論争を巻き起こした。本作のメガホンをとったのは、イタリアの名匠 Marco Bellocchio (マルコ・ベロッキオ)。国家、教会、マフィアなど、イタリアの史実をベースとした作品を手がけてきた彼が脚本も担当し、その集大成ともいえる衝撃作を完成させた。少年期エドガルド役には、イタリアのローマ・ボローニャで数ヶ月にわたるキャスティングから見事勝ち抜いた Enea Sala (エネア・サラ)。教皇ピウス9世には、イタリアの政治情勢を描いた人気テレビドラマシリーズ「1993」、本監督の過去作品『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』などに出演歴を持つ Paolo Pierobon (パオロ・ピエロボン) を抜擢し、理想の俳優陣が揃った。戦慄するような実話に真正面から向き合った、待望のドラマ作品。
公開日: 4月19日(金)
監督: Marco Bellocchio (マルコ・ベロッキオ)
出演: Enea Sala (エネア・サラ)、Leonardo Maltese (レオナルド・マルテーゼ)、Paolo Pierobon (パオロ・ピエロボン)
HP: mortara-movie.com
『異人たち』
日本の脚本家・小説家であり、数々の名作ドラマを生み出した山田太一の作品『異人たちとの夏』を映画化。1988年に日本でも映画化された喪失と癒やしの物語を、現代イギリスに舞台を移して制作された。『荒野にて』などで知られ、人間模様を繊細に捉える表現が高く評価されている Andrew Haigh (アンドリュー・ヘイ) 監督が脚本も担当し、彼ならではの感性で人々の不雑な感情を描き出す。主人公アダムは、イギリスの人気テレビドラマ「SHERLOCK シャーロック」の Andrew Scott (アンドリュー・スコット)、謎めいた青年ハリー役は、『aftersun アフターサン』で圧巻の演技を見せた Paul Mescal (ポール・メスカル) がそれぞれを務める。12歳で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた脚本家・アダムが、不思議な体験を経て自身の過去と向き合い、今を見つめ直すストーリー。アダムがある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。彼は足繁く実家に通い両親と過ごすうちに、自分の本心と向き合っていく。そして、アダムと同じマンションの住人であるハリーと恋に落ち、苦悩を経てとある決断を下す。想定外の出来事が人生を揺るがす、心温まるファンタジードラマ。
公開日: 4月19日(金)
監督: Andrew Haigh (アンドリュー・ヘイ)
出演: Andrew Scott (アンドリュー・スコット)、Paul Mescal (ポール・メスカル)、Jamie Bell (ジェイミー・ベル)
HP: searchlightpictures.jp/movies/allofusstrangers
『辰巳』
『ケンとカズ』で注目を集めた小路紘史監督が、8年ぶりとなる長編作品をリリース。希望を捨てた男と復讐を誓う少女を辿るジャパニーズ・ノワール作品を、監督が自主制作で完成させた。裏稼業で生計を立てる辰巳はある日、元恋人・京子の殺害現場に遭遇。一緒にいた京子の妹・葵を連れ、命かながら逃亡した2人は、京子を殺害した犯人を追うことを決意。家族を失った葵と孤独の身であった辰巳が一緒に過ごすうちに、今までになかった感情が辰巳の中に芽生える。タイトルロールである主人公・辰巳を演じるのは遠藤雄弥で、ヒロイン役の葵には『アイスと雨音』、『タイトル、拒絶』や『わたし達はおとな』など、着実にキャリアを積む若手女優・森田想を抜擢。強い感情を剥き出しにし、アウトローな人生を生きる2人の気骨のある演技に注目したい。そのほか、Netflixで配信され話題となったドラマ「全裸監督」に出演した後藤剛範や、『わたし達はおとな』で森田と共演歴を持つ藤原季節などが登場し、それぞれが唯一無二の存在感を放つ。
公開日: 4月20日(土)
監督: 小路紘史
出演: 遠藤雄弥、森田想、後藤剛範
HP: tatsumi-movie-2024.com
『プリシラ』
『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』などで知られる Sofia Coppola (ソフィア・コッポラ) が、エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラによる回顧録『私のエルヴィス』をもとに、世界的スターと恋に落ちた少女の波乱を描いたドラマ。14歳のプリシラは、世界の憧れの的であるエルヴィスと出会い、恋に落ちる。やがて両親の反対を押し切って大豪邸で二人暮らしを始めるが、その官能的な世界に魅入られ彼の色に染まろうとするプリシラとエルヴィスの間に、徐々に亀裂が入っていく。『パシフィック・リム:アップライジング』のヒロイン役を務めた Cailee Spaeny (ケイリー・スピーニー) が、若きプリシラの心の動きを繊細に表現。『キスから始まる物語』などに出演歴のある Jacob Elordi (ジェイコブ・エロルディ) がエルヴィス役に抜擢され、華やかなトップスターの多面性を見事に演じ切った。1960〜70年代の当時の雰囲気をそのままに、身を焦がすほどのファースト・ラブを Sofia Coppola が映し出す。
公開日: 4月12日(金)
監督: Sofia Coppola
出演: Cailee Spaeny、Jacob Elordi、Dagmara Dominczyk (ダグマーラ・ドミンスク)
HP: gaga.ne.jp/priscilla
『ブルックリンでオペラを』
言わずと知れた世界的スター Anne Hathaway (アン・ハサウェイ) と、大人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でブレイクを果たした Peter Dinklage (ピーター・ディンクレイジ) が共演し、夫婦の変化を描いたロマンスコメディ。精神科医のパトリシアと、現代オペラ作曲家スティーブンは、ニューヨーク・ブルックリンで暮らす夫婦だ。人生最大のスランプに陥ったスティーブンは、とあるバーで知り合った風変わりな女性・カトリーナと出会う。彼女が船長を務める船に誘われ乗り込んだスティーブンは、夫婦の運命を変えてしまうほどの劇的な事件に襲われる。パトリシア役を演じるアン・ハサウェイが本作のプロデュースも手がけ、『50歳の恋愛白書』などで知られる Rebecca Miller (レベッカ・ミラー) が監督としてアン・ハサウェイとタッグを組んだ。実力派キャストが顔を揃えるユニークな恋愛劇は、4月5日(金)から上映開始。
公開日: 4月5日(金)
監督: Rebecca Miller
出演: Anne Hathaway、Peter Dinklage (ピーター・ディンクレイジ)、Marisa Tomei (マリサ・トメイ)
HP: movies.shochiku.co.jp/BrooklynOpera
『インフィニティ・プール』
『ポゼッサー』など、独自の世界観でカルト的人気を誇る鬼才 Brandon Cronenberg (ブランドン・クローネンバーグ) 監督の長編第3作。誰もが感じたことのある興味や恐怖心を煽るフィクションを作り上げた。舞台は高級リゾート地の孤島で、スランプ中の作家・ジェームズとその妻・エムがバカンスにやってくる。そこでジェームズは、観光客は罪を犯しても自分のクローンを身代わりにすることで罪を逃れることができるという、恐ろしいルールが存在する国へと足を踏み入れてしまう。タブーへの興味や富裕層の欲望といったテーマを生々しく描写した。ジェームズ役には Alexander Skarsgard (アレクサンダー・スカルスガルド)、彼を怪しい世界に誘う女性・ガビ役には Mia Goth (ミア・ゴス) を抜擢。それぞれ Lars von Trier (ラース・フォン・トリアー) 監督の映画に出演歴があるという共通点を持つ2人が魅せる、不穏で過激な世界観に注目。
公開日: 4月5日(金)
監督: Brandon Cronenberg
出演: Alexander Skarsgard、Mia Goth、Cleopatra Coleman (クレオパトラ・コールマン)
HP: transformer.co.jp/m/infinitypool
『霧の淵』
奈良県南東部の山々に囲まれたある静かな集落。かつては商店や旅館が登山客などで賑わった村で、旅館を営む家族の物語。12歳のイヒカは、代々受け継がれてきた旅館の家に生まれた。数年前からイヒカの父は別居をしているが、母は結婚を機に嫁いだ旅館を義理の父・シゲと切り盛りする。そんなある日、旅館にとって必要不可欠であるシゲが失踪。旅館の存続の危機、そしてイヒカの家庭に変化が訪れる。本作で映画初出演にして主演を飾るのは、作中の舞台でもある奈良県出身の三宅朱莉。子どもから大人へと移り変わっていく少女の繊細さを、凛とした佇まいで瑞々しく表現した。イヒカの母役に水川あさみ、父役には『ケイコ 目を澄ませて』の三浦誠己、シゲ役をベテラン俳優の堀田眞三など、実力派俳優らが脇を揃える。監督の村瀬大智は、本作が長編商業作品デビューとなる。奈良県吉野に位置する川上村に、監督自らが単独で長期滞在し、これ以上にない親密な目線で、ひとつの家族を柔らかく写し出す。
公開日: 4月6日(土)
監督: 村瀬大智
出演: 三宅朱莉、三浦誠己、堀田眞三
HP: kiri-no-fuchi.com
『オッペンハイマー』
『TENET テネット』や『ダークナイト』といった大作を送り出してきた Christopher Nolan (クリストファー・ノーラン) 監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者 Robert Oppenheimer (ロバート・オッペンハイマー) をテーマにした最新作。2006年にアメリカでピュリッツァー賞を受賞したノンフィクション作品「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」をもとに、Robert Oppenheimer の半生を描いた。第二次世界大戦下、アメリカでは原子爆弾の開発を進める「マンハッタン計画」が立ち上がる。才能豊かな物理学者 Robert Oppenheimer はこの企画に参加し、世界で初めて原爆を制作するが、実際に原爆が投下されると、その惨状に彼は深く苦悩する。主人公には、本監督の作品に度々登場する Cillian Murphy (キリアン・マーフィ) を、撮影監督には『インターステラー』以降、監督とタッグを組み続けてきた Hoyte van Hoytema (ホイテ・ヴァン・ホイテマ) を抜擢。一流の俳優たちと製作陣で届けられ、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録している本作を、ぜひ体感してみては。
公開日: 3月29日(金)
監督: Christopher Nolan
出演: Cillian Murphy、Emily Blunt (エミリー・ブラント)、Matt Damon (マット・デイモン)
HP: oppenheimermovie.jp
『美と殺戮のすべて』
1948年に創刊されたロンドン発の国際的な現代美術雑誌『ArtReview』では昨年、アート界において最も影響力のある人物「Power100」で、写真家の Nan Goldin (ナン・ゴールディン) を1位に選出。本作は、彼女の人生とキャリアを映し出すドキュメンタリー作品だ。Nan Goldin は、姉の死をきっかけに10代から写真家の道を歩み始め、自身の家族や友人のポートレート、薬物、セクシャリティなどをテーマに、濃密で刺激的な作品を生み出してきた。そして彼女は、手術時にオピオイド系の鎮痛剤オキシコンチンを投与されて中毒となり、生死の境をさまよった後、2017年に支援団体 P.A.I.N. を創設。オキシコンチンを販売する製薬会社、その会社のオーナーである大富豪サックラー家、そして彼らから多額の寄付金を受けた芸術界に責任を追求する活動を始める。「シチズンフォー スノーデンの暴露」で第87回アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した Laura Poitras (ローラ・ポイトラス) 監督がメガホンをとり、1人の写真家とアメリカに根付く社会問題を切り取る。
公開日: 3月29日(金)
監督: Laura Poitras
出演: Nan Goldin
HP: klockworx-v.com/atbatb
『ゴッドランド/GODLAND』
北欧で最も注目を浴びる監督の1人 Hlynur Palmason (フリーヌル・パルマソン) の最新作がついに日本上陸。主演には監督の過去作品『ウィンター・ブラザーズ』にも出演した Elliott Crosset Hove (エリオット・クロセット・ホーブ) を招き、若き牧師・ルーカスを演じた。舞台となるのは19世紀のアイスランド共和国。デンマークから布教のためにやってきたルーカスは、想像を絶するほどの厳しい自然の中で教会の建立を命じられる。「火と氷の国」と呼ばれる自然豊かな地と、デンマークの植民地であったという背景のもと、異文化の衝突、信仰、自然と文明の対立というテーマを描く。また TFP では、シアター・イメージ・フォーラムにて使用できる本作の劇場鑑賞券をプレゼント中。キャンペーンは3月27日(水)までで、詳細はこちらをチェック。気になる方は TFP の公式 LINE を登録して応募してみてほしい。
公開日: 3月30日(土)
監督: Hlynur Palmason
出演: Elliott Crosset Hove、Ingvar E. Sigurdsson (イングバール・E・シーグルズソン)、Victoria Carmen Sonne (ビクトリア・カルメン・ゾンネ)
HP: godland-jp.com
『四月になれば彼女は』
45万部を突破した川村元気の同名ベストセラー小説を映画化。10年にわたる愛と別れを、プラハ、アイスランド、そして東京を舞台に、時間と海を越えて壮大なスケールでラブストーリーを描く。主人公の精神科医・藤代俊を演じるのは佐藤健、現在の藤代の恋人・弥生を長澤まさみ、かつての恋人・伊予田春を森七菜が務める。藤井風が主題歌に抜擢され、柔らかく美しい歌声と日本の映画界を代表する名優たちとのコラボレーションは見逃せない。藤代のもとに伊予田春から唐突に手紙が届き、物語が展開される。ボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の初恋の記憶が綴られていた。弥生が姿を消し、突然終わってしまった2人の愛を辿るように、弥生を巡る旅が始まる。
公開日: 3月22日(金)
監督: 山田智和
出演: 佐藤健、長澤まさみ、森七菜
HP: 4gatsu-movie.toho.co.jp
『デューン 砂の惑星 PART2』
日本で2020年に公開され、世界中に旋風を巻き起こした『DUNE デューン 砂の惑星』の続編がリリース。監督は前作同様 Denis Villeneuve (ドゥニ・ビルヌーブ) で、引き続き主役のポールには Timothee Chalamet (ティモシー・シャラメ)、青い瞳を持つ戦士・チャニ役には Zendaya (ゼンデイヤ)、ポールの母親であるレディ・ジェシカ役には Rebecca Ferguson (レベッカ・ファガーソン) がそれぞれメインキャストを務める。さらに今作からは『ミッドサマー』の Florence Pugh (フローレンス・ピュー) や『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の Lea Seydoux (レア・セドゥ) が参加するなど、新たに登場する俳優たちにも期待が寄せられる。物語は、砂の惑星デューンで繰り広げられるアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者・ポールが反撃の狼煙をあげ、全面戦争へと進んでいく。全宇宙を巻き込む戦いが脅威のスケールで放たれるSFアクション。
公開日: 3月15日(金)
監督: Denis Villeneuve
出演: Timothee Chalamet、Zendaya、Rebecca Ferguson
HP: warnerbros.co.jp/dune-movie
『12日の殺人』
『悪なき殺人』で話題を集めた Dominik Moll (ドミニク・モル) 監督がメガホンを取り、ポーリーヌ・ゲナのノンフィクション小説をもとにしたサスペンススリラー。10月12日の夜に女子大生のクララが焼死体となって発見された未解決事件を巡り、事件の闇に翻弄される刑事の姿を描く。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。クララの周囲の人間に聞き込みを進めると、関係者の男性全員がクララと関係を持っていたことが判明する。捜査を続けるも、決定的な証拠が見つからず未解決のまま闇に葬られてしまってから3年後、再び行われた捜査で明かされた真相とは。監督が最も好きな映画だと公言するアメリカのクライム映画『ゾディアック』を彷彿とさせる繊細な人間模様を表現した。難航する事件の渦に飲み込まれ、息を飲む結末は必見。
公開日: 3月15日(金)
監督: Dominik Moll
出演: Bastien Bouillon (バスティアン・ブイヨン)、Bouli Lanners (ブーリ・ランネール)、Theo Cholbi (テオ・チョルビ)
HP: 12th-movie.com
『ビニールハウス』
貧困のためビニールハウスで暮らすムンジョンは、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすことを夢見て訪問介護士として働いている。ある日、重い認知症を患った女性・ファオクを介護している途中、風呂場でフォアクが転倒して急死。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症である自身の母親をファオクの身代わりとして据えるが、さらなる取り返しのつかない事態を招くことに。本作は、『パラサイト 半地下の家族』でも注目を浴びた韓国の住居貧困という問題を取り扱ったサスペンスムービー。元々は農業施設であるはずのビニールハウスが、現在では正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者の住処となっている深刻な社会状況を描いている。主演のムンジョン役には、人気ドラマ「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」の Kim Seo-Hyung (キム・ソヒョン) を抜擢。名門映画学校として知られる韓国映画アカデミーを卒業した経歴を持つ、新進気鋭の Lee Sol-hui (イ・ソルヒ) が初めて長編監督に挑戦。韓国の社会問題を力強く映し出す。
公開日: 3月15日(金)
監督: Lee Sol-hui
出演: Kim Seo-Hyung、Yang Jae-Sung (ヤン・ジェソン)、Shin Yeun Sook (シン・ヨンスク)
HP: mimosafilms.com/vinylhouse
『DOGMAN ドッグマン』
『レオン』などを代表作に持つ Luc Besson (リュック・ベッソン) 監督が、実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。ストーリーは、十数匹の犬を連れた女装男性・通称ドッグマンの半生を描いた物語。虐待を受け、犬小屋で育った彼の少年時代は暴力が全てだった。犬の存在に救われながら成長し、世間に馴染もうとするも、何度も裏切られ心に深い傷を負う。やがて愛する犬とともに、生きるために犯罪に手を染めるが、ギャングに目をつけられてしまう。主演は『ゲット・アウト』で知られる Caleb Landry Jones (ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ) が務め、圧倒的な存在感を表現。犬を愛し、人間を信じようとした悲しきダークヒーローの結末を、ぜひ見届けてほしい。
公開日: 3月8日(金)
監督: Luc Besson
出演: Caleb Landry Jones、Jojo T. Gibbs (ジョージョー・T・ギッブス)、Christopher Denham (クリストファー・デナム)
HP: klockworx-v.com/dogman
『ゴールド・ボーイ』
中国を中心にアジアで話題を呼んだズー・ジンチェンの小説「悪童たち」を原作に、舞台を沖縄に移して映画化。主演は岡田将生、そしてキャストには黒木華、北村一輝など豪華俳優陣が集結し、殺人犯と少年たちが繰り広げる心理戦の行方を描いた。岡田演じる実業家の婿養子・東昇は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラでとらえてしまう。複雑な家庭環境や家庭の問題を抱える彼らは、東を脅迫し、大金を得ようと計画を立てる。殺人犯と少年たちの、二転三転する駆け引きの先に待ち受ける結果とは。3人の少年たちを演じるのは、『リボルバー・リリー』の羽村仁成、特撮ドラマ「王様戦隊キングオージャー」の星乃あんな、そして 『ラーゲリより愛を込めて』の前出燿志。新進気鋭の俳優たちの演技にも期待が寄せられる、注目のクライムサスペンス。
公開日: 3月8日(金)
監督: 金子修介
出演: 岡田将生、黒木華、羽村仁成
HP: gold-boy.com
『52ヘルツのクジラたち』
2021年に本屋大賞を受賞した町田そのこの小説「52ヘルツのクジラたち」を、豪華キャストを迎え待望の映画化。主演の貴瑚役には杉咲花、トランスジェンダー男性という繊細な役には志尊淳、貴瑚の初めての恋人となる上司の役には宮沢氷魚を抜擢するなど、現在の日本映画界を代表する俳優陣が集結。『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』などで話題を呼んだ成島出が監督を務めた。自分の人生を家族に搾取されて生きてきた主人公の女性・貴瑚は、ある痛みを抱え東京から海辺の街へ引っ越す。そこで出会ったのは、母親から虐待を受け、声を発することのできない少年。貴瑚は少年と心を通わせるうちに、かつて自分を救ってくれた人物との過去を遡り始める。「52ヘルツのクジラ」とは、鳴き声があまりに高音のため他の鯨には聞こえず、世界で一番孤独といわれている鯨のこと。この鯨のように、深い孤独を抱えて生きる登場人物たちが、人と関わる豊かさや優しさに向き合うヒューマンドラマ。
公開日: 3月1日(金)
監督: 成島出
出演: 杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚
HP: gaga.ne.jp/52hz-movie
『コットンテール』
実力派として名高い俳優陣と、イギリスの新進気鋭 Patrick Dickinson (パトリック・ディキンソン) 監督がタッグを組み、東京とイギリスを舞台とした日英合作映画。キャストには主演を務めるリリー・フランキー、多彩な顔を持つ錦戸亮、『ぐるりのこと』でリリー・フランキーと共演し、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した木村多江が招かれた。物語は、リリー・フランキー演じる作家の大島兼三郎が亡き妻の願いを叶えるため、東京からイギリスの湖水地方へと向かう、ロードムービー仕立てのヒューマンドラマ。最愛の妻をなくし心を閉ざしたままの大島と、ずっと家族を顧みなかった息子を錦戸亮が演じる。贖罪や和解をテーマに、新たな一歩を踏み出す家族の心の軌跡を表現。切なくも愛おしい旅路が、美しい風景とともに映し出される作品。
公開日: 3月1日(金)
監督: Patrick Dickinson (パトリック・ディキンソン)
出演: リリー・フランキー、錦戸亮、木村多江
HP: longride.jp/cottontail
『落下の解剖学』
昨年に開催された第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。監督はフランスの新進気鋭 Justine Triet (ジュスティーヌ・トリエ) で、女性監督がパルムドール受賞に輝くのは本作で史上3作目となる。人里離れた雪山の山荘で起こった殺人事件の物語で、視覚障がいをもつ11歳の息子、転落死した父親、そして夫殺しの容疑をかけられた母親・サンドラの3人の家族を中心としたストーリー。事故の前日に夫婦喧嘩をしていたこと、目撃者が息子のみであることから、サンドラは周囲から疑いの目を向けられ、最初は無実を主張していた彼女だったが、次第に本当のことを語り始める。仲睦まじいと思われていた家族像からは想像のできなかった秘密や嘘とはなんだったのか。すべてが露わになっていく中で、登場人物の数だけ真実が隠されているという、最後まで予想できない展開を演出した。主人公サンドラを演じたのは、ヨーロッパ映画賞女優賞の受賞歴を持つ Sandra Huller (サンドラ・ヒュラー) で、ポーカーフェイスに隠された冷酷な人間性を巧みに表現。観る人の恐怖や緊張感を煽る演技力に注目だ。
公開日: 2月23日(金)
監督: Justine Triet
出演: Sandra Huller、Swann Arlaud (スワン・アルロー)、Milo (ミロ・マシャド・グラネール)
HP: gaga.ne.jp/anatomy
『コヴェナント 約束の救出』
『スナッチ』『シャーロック・ホームズ』シリーズで知られ、母国イギリスだけでなくハリウッドなど、世界中で人気を誇る Guy Ritchie (ガイ・リッチー) 監督の最新作。アフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーから着想を得て作られた社会派ドラマだ。舞台は2018年のアフガニスタン。部隊を率いる米軍曹長のジョン・キンリーは優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇い、アフガニスタンを実効支配するイスラム主義組織・タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探していた。部隊は敵兵により全滅し、キンリーはアーメッドに救出され母国のアメリカに無事帰還。その後、自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ旅立つ。米軍兵士と現地通訳者という、国境や立場を超えた2人の絆が胸を打つ作品。
公開日: 2月23日(金)
監督: Guy Ritchie
出演: Jake Gyllenhaal (ジェイク・ギレンホール)、Dar Salim (ダール・サリム)、 Emily Beecham (エミリー・ビーチャム)
HP: grtc-movie.jp
『ソウルメイト』
香港の Derek Tsang (デレク・ツァン) 監督が手がけた『ソウルメイト 七月と安生』を、韓国・済州島に舞台を移して新たに映画化。幼い頃から親友だった2人の少女のすれ違いや絆を、切なくも温かい雰囲気で捉えた友情の物語。絵を勉強しながら世界中を旅したいという夢を抱く自由人のミソと、そんな彼女に憧れを抱きながらも堅実に生きることを願うハウン。性格も価値観も真逆な2人の幼なじみは、楽しい時もさみしい時もずっと一緒だった。そんな日々がずっと続くと思われたが、ある出会いをきっかけに2人の関係は急激に変化。互いのことを思い合いながらもすれ違い、やがて疎遠になって16年が過ぎたある日、ハウンはミソにある秘密を残し、こつ然と姿を消してしまう。ミソ役を演じるのは、大ヒットドラマ「梨泰院クラス」で注目を浴びた Kim Da-Mi (キム・ダミ) で、ハウン役には2014年にデビューを果たし、韓国ドラマ「ボーイフレンド」「花様年華 ~君といた季節~」などで活躍する Jeon So-nee (チョン・ソニ) を抜擢。2人の飾らない演技が映画に柔らかい雰囲気をもたらす。
公開日: 2月23日(金)
監督: Min Youg Keun (ミン・ヨングン)
出演: Kim Da-Mi、Jeon So-nee、Byeon Woo-Seok (ピョン・ウソク)
HP: klockworx-asia.com/soulmatejp
『ボーはおそれている』
『ミッドサマー』『ヘレディタリー 継承』などを手がけ、カルト的人気を誇る鬼才 Ari Aster (アリ・アスター) 監督と、『ジョーカー』でアカデミー主演男優賞に輝き、世界中から注目を浴びた Joaquin Phoenix (ホアキン・フェニックス) がタッグを組んだミステリー作品。日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう「いつもの日常」ではなかった。実家へ帰る道中、彼の身に奇怪なことが次々と降りかかり、現実なのか妄想なのか分からない世界で、ボーの里帰りは壮大な旅へとなっていく。ロードムービーのようなミステリーのような、ジャンルレスでどこか不気味な雰囲気を放ち、Ari Aster らしい意表をつくようなラストにも注目。
公開日: 2月16日(金)
監督: Ari Aster
出演: Joaquin Phoenix、Nathan Lane (ネイサン・レイン)、Amy Ryan (エイミー・ライアン)
HP: happinet-phantom.com/beau
『夜明けのすべて』
『そして、バトンは渡された』などで知られる小説家・瀬尾まいこの同名小説を、『ケイコ 目を澄ませて』で国内外から脚光を浴びた監督・三宅唱が映画化。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音がW主演を務める。月に一度 PMS (月経前症候群) のせいでイライラを抑えられなくなる藤沢さんは、会社の同僚である山添くんのある行動をきっかけに怒りを爆発させてしまう。転職してきたばかりでやる気のなさそうに見える山添くんだったが、そんな彼もまたパニック障害を抱えていた。それぞれの問題を抱える2人が、自分と向き合いながらも助け合って生きていこうとする。松村北斗と上白石萌音が演じる、恋人でも友人でもない名前のない関係が不思議と心地よい空気感を生む、等身大の人間ドラマ。
公開日: 2月9日(金)
監督: 三宅唱
出演: 松村北斗、上白石萌音、渋川清彦
HP: yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp
『瞳をとじて』
代表作に『ミツバチのささやき』が挙げられるスペインの名匠 Victor Erice (ビクトル・エリセ) が、第76回カンヌ国際映画祭にて31年ぶりに長編作品を発表。元映画監督と失踪した人気俳優の記憶を巡って繰り広げられるヒューマンミステリー。映画『別れのまなざし』の撮影中に主演俳優フリオが失踪した。その22年後、元映画監督でありフリオの親友であったミゲルは彼の行方を追うTV番組から証言者として出演依頼を受け、ミゲルは取材に協力し、彼との青春時代そして自らの半生を追想する。番組が終了した後、ミゲルを見たという一通の手紙が寄せられ、物語はラストへと向かっていく。『コンペティション』などに出演した Manolo Solo (マノロ・ソロ) がミゲルを、主にスペインで活躍し、さまざまな賞の受賞歴もある Jose Coronado (ホセ・コロナド) がフリオをそれぞれ演じた。未完のフィルムを発端にアイデンティティと記憶という2つのテーマを掲げ物語が進んでいく中で、映画は我々になにを語りかけるのか。自身の経験も交えながら監督自らが脚本も手がけた、Victor Erice の集大成。
公開日: 2月9日(金)
監督: Victor Erice
出演: Manolo Solo、Jose Coronado、Ana Trrento (アナ・トレント)
HP: gaga.ne.jp/close-your-eyes
『哀れなるものたち』
アカデミー賞9部門10ノミネートを果たした映画『女王陛下のお気に入り』の Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス) 監督と Emma Stone (エマ・ストーン) が再びタッグを結成。昨年開催されたベネチア国際映画祭では、コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞し、世界中で高い評価を受けている。原作は、スコットランドの作家 Alasdair Gray (アラスター・グレイ) の同名ゴシック小説で、Emma Stone 演じる若い女性ベラの成長物語だ。ベラは自殺未遂を犯すが、風変わりな天才外科医によって奇跡的に蘇生。彼女は「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の脳を持つベラは、純粋な視点で世界に触れ自我を形成していく。Emma Stone が主演だけでなくプロデューサーも担い、天才外科医役には『スパイダーマン』シリーズや、Wesley Anderson (ウェス・アンダーソン) 監督の作品にも数多く出演する俳優 Willem Dafoe (ウィリアム・デフォー) を抜擢するなど、注目の一作。
公開日: 1月26日(金)
監督: Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス)
出演: Emma Stone (エマ・ストーン)、 Mark Ruffalo (マーク・ラファロ)、Willem Dafoe (ウィレム・デフォー)
HP: searchlightpictures.jp/movies/poorthings
『PERFECT DAYS』
『パリ、テキサス』『ベルリンの詩』などで知られ、ドイツの映画界を牽引してきた Wim Wenders (ヴィム・ヴェンダース) が、役所広司を主演に迎えた最新作。今年のカンヌ国際映画祭では、役所が日本人俳優として2人目となる男優賞を受賞したことからも注目を浴びる。撮影は日本で行われ、東京・渋谷区内のトイレを世界的建築家やクリエイターが改修するプロジェクトに監督が賛同したことから、実際に改修が行われた渋谷区内の公共トイレを舞台に選んだ。トイレの清掃員をする平山の、取り止めのないが小さな喜びに満ち溢れた日常を描くストーリー。音楽を聴くこと、中古の文庫本を買うことが趣味の平山が、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、閉ざされていた少しずつ過去が明らかになる。人間の内面に焦点を当て、日々の小さな揺らぎを繊細に捉えたドラマ。
公開日:12月22日(金)
監督: Wim Wenders (ヴィム・ヴェンダース)
出演: 役所広司、柄本時生、アオイヤマダ
HP: perfectdays-movie.jp
『枯れ葉』
監督引退宣言をしたフィンランドの名匠 Aki Kaurismäki (アキ・カウリスマキ) が5年ぶりにメガホンをとり、待望の新作を公開。孤独を抱えながら生きる男女が、かけがえのないパートナーを見つけようともがく姿を捉えたラブストーリーで、自身の3作品『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』からなる“労働者3部作”の4つ目として発表された。貧しい生活の中で、愛や喜び、人間としての誇りを失わない労働者をありのままに映し出す。フィンランドの首都ヘルシンキの街で、理不尽な理由で失業したアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパは、互いの名前も知らぬ間に惹かれ合う。過酷な現実に引き裂かれた2人は果たして再会できるのか。監督のミューズであったKati Outinen (カティ・オウティネン) を彷彿とさせる Alma Poysti (アルマ・ポウスティ) の演技にも目が離せない。
公開日: 12月15日(金)
監督: Aki Kaurismäki (アキ・カウリスマキ)
出演: Alma Poysti (アルマ・ポウスティ)、Jussi Vatanen (ユッシ・バタネン)、Janne Hyytiäinen (ヤンネ・フーティアイネン)
HP: kareha-movie.com