Logical Fashion Marketing: digitization and clarification of goals and results part.1

ロジックで攻めるファッションマーケティング - 目的と効果の数値化、明確化 (第1回/全2回)

Logical Fashion Marketing: digitization and clarification of goals and results part.1
Logical Fashion Marketing: digitization and clarification of goals and results part.1
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ロジックで攻めるファッションマーケティング - 目的と効果の数値化、明確化 (第1回/全2回)

Logical Fashion Marketing: digitization and clarification of goals and results part.1

私がはじめて入社した広告会社で「鬼軍曹」と呼ばれていた上司が教えてくれたことだ。マーケティング活動全体で考えた場合、目的の多くは「売り上げの最大化」になるだろう。しかし、プロモーションというレベルまでブレイクダウンすれば、その目的は「新規顧客の獲得」であったり「既存客の顧客単価向上」であったりと、その答えは多岐にわたる。

文: STORYWRITER 翻訳: Oilman

Photo by bisgovuk via flickr

– プロモーション目的の欠如

「マーケティングプランの策定において、もっとも重要なことは目的、現状、課題の3つをしっかりと分析・定義した上で、対策をプランニングすること」

私がはじめて入社した広告会社で「鬼軍曹」と呼ばれていた上司が教えてくれたことだ。マーケティング活動全体で考えた場合、目的の多くは「売り上げの最大化」になるだろう。しかし、プロモーションというレベルまでブレイクダウンすれば、その目的は「新規顧客の獲得」であったり「既存客の顧客単価向上」であったりと、その答えは多岐にわたる。

国内外さまざまなファッションブランドのマーケティングに従事してきた経験の中で、多くのブランドが忘れてしまっていると感じたのが、この「プロモーション目的」である。多くのファッションブランドが業界のセオリー通り、年間に2度カタログを制作し、それに合わせてブランドサイトを更新し店頭販促物を変更する。それ自体はとくにに否定すべき点はない。

しかし重要な課題は先述した通り「プロモーション目的の欠如」だ。毎シーズン行っているがゆえにカタログ制作やブランドサイト更新がルーティンワーク化してしまい、それぞれに明確な目的と戦略を策定できていないことが大きな問題である。

毎シーズン異なるコンセプト、異なるプロダクト、なにより異なる市場環境が存在しているにも関わらず、同じプロモーションを行っていては効果が出ない。そのため各シーズンにカタログを制作する目的、ターゲット、そして期待する効果を設定した上でカタログの制作とPRを含む情報拡散戦略を進行することが重要になってくる。

2/2ページ: マーケティングの方程式

– マーケティングの方程式

リーチ数 × 行動喚起率(来店率) × 購買率 × 購買単価
*マーケティングの成功は上記の方程式で表すことができる

これも広告会社に勤務している頃に覚えたものだが、その後ファッション・ブランディングの世界にキャリアを置いた後にもつねに私の頭の中心に置き続けたフレームワークである。

ファッション業界では多くの場合クリエイティブとPRがべつべつに動いていることが多い。クリエイティブはクリエイティブに特化したデザイン会社に外注し、PRはアタッシュ・ド・プレスやPR会社、もしくは広告代理店に外注する。社内体制で見てもクリエイティブはデザイナーを中心に考え、PRはプレス担当者を中心に考えられる。さらに言えば店舗のことは店舗開発担当を中心に考えられる。

しかし、上記の方程式を見ていただければおわかりのように、クリエイティブとPRそして店頭というのは購買ストーリーの中にある一つ一つの細かなセンテンスでしかない。PRでリーチを最大化し、クリエイティブのパワーで行動を喚起し、店頭販促物で購買率を向上させ、顧客単価も向上させる。

これを実現させるためには「クリエイティブはクリエイティブチームが担当する」というようなそれぞれを縦割りで独立させてしまっていてはダメだ。外資系メーカーでいうところの「ブランドマネージャー」のようなポジションの人間がクリエイティブとPRそして店頭販促までのすべてを理解し、店頭への誘因とそこでの消費行動までを予測した「ストーリー」を描かなくてはいけない。

このようなことを声高に言ってしまうと「そんな当たり前のことはわかっているよ…」と落胆させてしまうかもしれないが、誰もわかっていながらできないことを当たり前にやることで手に入れられる成功は多いと、私は多くの企業のマーケティングにたずさわる中で身をもって知った。だから騙されたと思ってこの「当たり前を当たり前にやる」ということをまずは試みてほしいと切実に思う。

<ロジックで攻めるファッションマーケティング – 目的と効果の数値化、明確化 (第2回/全2回)>

STORYWRITER / 企業のマーケティングコンサルティングとコミュニケーションプランニングソリューションを提供。大手広告会社においてウェブと既存メディアを融合したクロスメディアコミュニケーションの企画立案に従事。その後、国内有名ファッションブランディングエージェンシーにおいて、コミュニケーションプランナーとしてさまざまなファッションブランドのブランドプロモーションのコミュニケーションプランニングを担当。2012年10月、「STORYWRITER (ストーリーライター) 」立ち上げ。現在さまざまな業種の企業のマーケティング活動のサポートを行っている。

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