Watch & Wonders Vol.1; Complexity And The Beauty By Cartier

玄妙なるオート オルロジュリーの世界、Watches & Wonders 2015 Cartier の最新作にフォーカス

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Watch & Wonders Vol.1; Complexity And The Beauty By Cartier
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玄妙なるオート オルロジュリーの世界、Watches & Wonders 2015 Cartier の最新作にフォーカス

Watch & Wonders Vol.1; Complexity And The Beauty By Cartier

唐突だがお聞きしたい、腕時計を普段から使っている人はどれくらいいるだろう。インターネット、そしてモバイルデバイスの普及により、殊若年層にとっては馴染みが薄いであろう腕時計。その反動ととるべきか、スマートウォッチなるものが持てはやされる現代だが、ここで今一度再認識したいのが、腕時計は時間を確認するためだけのものではないということ。古来より人々の日常に必要不可欠なツールとして用いられていた時計。手首に佇むその小さな機械には、デジタル全盛の現代においてなお人々を惹きつけてやまないロマン、そして人類の叡智を示すかのごとく精緻さを極めた技巧が凝縮されている。

Editor – Shunsuke Okabe

 

唐突だがお聞きしたい、腕時計を普段から使っている人はどれくらいいるだろう。インターネット、そしてモバイルデバイスの普及により、殊若年層にとっては馴染みが薄いであろう腕時計。その反動ととるべきか、スマートウォッチなるものが持てはやされる現代だが、ここで今一度再認識したいのが、腕時計は時間を確認するためだけのものではないということ。古来より人々の日常に必要不可欠なツールとして用いられていた時計。手首に佇むその小さな機械には、デジタル全盛の現代においてなお人々を惹きつけてやまないロマン、そして人類の叡智を示すかのごとく精緻さを極めた技巧が凝縮されている。

数ある腕時計の中でも、傑出して難解かつ美麗であり、なおかつ高額なのがオートオルロジュリーと呼ばれる高級機械式時計だ。ムーブメントから一貫して自社で製作を手がける時計メーカー、通称マニュファクチュールたちによるこれらの腕時計は、価格にして最低数百万、高いものでは億を超えることもしばしば。そんな家宝級のオートオルロジュリーが集結するのが、年に1度ずつ開催される時計とジュエリーの見本市であるバーゼル ワールド、そして SIHH (Salon International Haute Horlogerie、通称ジュネーブ サロンだ。1972年よりスイスのバーゼルにて開催されてきたバーゼル ワールドと、1991年よりジュネーブにて開催されてきた SIHH。特に後者は、世界最高峰の宝飾、ウォッチメーカーを傘下に抱える Richemont (リシュモン) の先導により誕生したこともあり、出典するメゾンには Cartier (カルティエ)Piaget (ピアジェ)IWCA. Lange & Söhne (ランゲ・アンド・ゾーネ)Vacheron Constantin (ヴァシュロン・コンスタンタン)Jaeger-LeCoultre (ジャガー・ルクルト) など、錚々たる名門が名を連ねる。

2013年からは、ジュネーブ サロンのスピンオフとして Richemont 傘下ブランドによるアジア最大の見本市、Watches & Wonders(ウォッチ&ワンダー)が香港にて開催。第3回目となる2015年版では、参加ブランド12、来場者数10,000人以上を記録し、世界中でウォッチマーケットが依然として大きなシェアを占めていることが伺える。

今回、Watches & Wonders(ウォッチ&ワンダー)2015年版にて発表された作品のうち、Cartier が打ち出した最新モデルをご紹介。馴染みがない、と敬遠することなかれ。玄妙なるオート オルロジュリーの世界。その魅力を一度知ってしまったら、後戻りは出来ない。

1912年に発表された「ミステリー クロック」| Photo courtery of Nicolas Gouhier © Cartier

1847年、フランス人の宝石細工師である Louis Cartier (ルイ・カルティエ) によって創業された Cartier は、今やフランスを代表する老舗ハイジュエラーとして世界中で知らぬ者はいないほどの知名度を獲得している。

デイリーユースにもぴったりなジュエリーや、レッドカーペットでセレブリティが着用するハイジュエリーでも知られる Cartier。その長い歴史によって培われたデザイン美学は、1904年に誕生した、世界初の量産式腕時計として知られる「サントス」や「タンク」など名作機械式時計にも存分に生かされている。

| Photo courtesy of Laziz Hamani © Cartier

そして今年の4月に待望の最新作としてヴェールを脱いだのが、「クレ ドゥ カルティエ」。その名の如く、鍵をモチーフにした同作から最高峰の複雑機械式モデルとして、本年度 Watches & Wonders にて登場したのが「クレ ドゥ カルティエ ミステリアス アワー」だ。

1912年に発表された「ミステリー クロック」のテクノロジーを駆使し、まるで宙に2本の針が浮いているような神秘的な構造を持つ「クレ ドゥ カルティエ ミステリアス アワー」。放射線状に広がる文字盤の隙間からは、Cartier の自社開発製造によるキャリバー9981MCムーブメントが覗く。

クレ ドゥ カルティエ ミステリアス アワーの美しいムーブメントが凝縮されたスケルトンのケースバック | Photo courtesy of Laziz Hamani © Cartier

クレ ドゥ カルティエ フライング トゥールビヨン | Photo courtesy of Vincent Wulveryck © Cartier

高級機械式時計というと、トゥールビヨンという単語を聞いたことがある人も少なくないはずだ。本来重力により生じる僅かな姿勢差のズレを修正するために開発された技術だが、その複雑な構造を作り出せるのは数あるウォッチメーカーの中でもごく限られた一部のマニュファクチュールのみとして、希少な存在として尊ばれてきた。

ロトンド ドゥ カルティエ アストロカレンダーの心臓部に収められた自動巻きキャリバー 9459MC | © Cartier

今回「クレ ドゥ カルティエ」の最高峰モデルの一つとして登場した「クレ ドゥ カルティエ フライング トゥールビヨン」では、トゥールビヨンの中でも特に高い技巧を要するフライングトゥールビヨンを搭載。Cartier マニュファクチュールのアトリエで入念に開発されたフライングトゥールビヨンは、技術的偉業であるとともにエレガンスの証であり、常に革新し続ける時計製造のヘリテージをそのシンボルとして圧倒的な存在感を放っている。また、更なる輝きを演出するのは、ケースにあしらわれた437石ものダイヤモンド。ハイジュエラーであり、コンプリケーションウォッチをも極めた Cartier による傑作は、さながら宇宙への神秘にも似たロマンが凝縮されている。

また Watches & Wonders 2015の目玉として、ブラックラッカーを施したマホガニーケースの中に収められた、世界で5点のみのエクスクルーシブなウォッチボックスが登場。
中に収められているのは、3本のコンプリケーションウォッチ。中に浮いたゼンマイが絶え間なく回る様子が幻想的なミステリアス ダブル トゥールビヨン、マニア心をくすぐるミニッツ リピーター (毎分間隔で鐘の音が鳴る機構) を備えたトゥールビヨン、そして天体の動きを手中に収めたアストロカレンダー。芸術的なまでの複雑機構を礼賛する、Cartier の最高傑作たちは、それぞれゴールドダイヤル全体にディープブルーとエナメルのギヨシェ彫りがあしらわれている。
ハイジュエリーとオート オルロジュリーの間で、Cartier が果てしなく洗練を極め続けていることを証明する、他に類を見ない希少な作品は、ファンなら一度は目にしたい逸品だろう。

ウォッチボックス ※世界5点限定 | Photo courtesy of Laziz Hamani © Cartier

問い合わせ先: カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757
HP: www.cartier.jp