春、リップ再び。
shades of red 2020-21
art direction & make up: tomohiro muramatsu
photography: yasutomo ebisu
styling: mayu takahashi
hair: yusuke morioka
model: yuki beniya
edit & text: miwa goroku
1年の少なくとも半分以上をマスクで口を覆って過ごした2020年。ノーリップでいることへの抵抗感が薄れていく一方で、今年は HERMÈS (エルメス) のリップライン (3月)、BYREDO (バイレード) のカラーコスメ (10月) など、見逃せないビューティラインのデビューが相次いだ。もちろん CHANEL (シャネル) や DIOR (ディオール) をはじめとする人気ブランドの新色も続々登場、ビューティの勢いは止まらない。「リップはメイクアップの中で最もエネルギーの強いポイント」と話す村松朋広・メイクアップアーティストをアートディレクターに迎え、メイクアップの原点に迫る本連載。第1回は最も根源的な色、赤のリップストーリー。
春、リップ再び。
THE RED
赤の中の黒と青
BACK TO 王道。マスクのおかげでメイクデトックスできている今こそ、新しい MY RED にたどり着く好機かもしれない。赤の選択肢は膨大。でもその色味はブランドごとに特徴があり、生まれる女性像も違う。「CHANEL や GIORGIO ARMANI (ジョルジオ アルマーニ) のレッドが持っているのは、絶妙な黒味。印象が落ち着いて、クラシカルになる彩度です。中でも GIORGIO ARMANI は古典的な王道を攻め、CHANEL は色相でモダンさをプラスしています」と村松さん。「DIOR は、青みの使い方がうまいなと思います。青みを入れると少し肌から浮くのですが、それが近代的な要素になり、同時に可憐さも兼ね備えているイメージです」。
NEW RED
赤の振り幅
村松さんが考える赤の振り幅を、2020〜21年発売の新色から切り取った。ベージュからボルドーにいたる色相、彩度、明度、密度。それらの組み合わせのバランスからなる美しさ、そして新しさ。定番的な色をフレッシュに楽しみたい時は、そのシーズンのムードをたっぷり吸い込んだ新色をターゲットに選べば、まず間違いない。旬を楽しむ、それもリップメイクのひとつの醍醐味。(上から順に、以下アイテム紹介)