Dior
with Masaya Kamei
The Fashion Post
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「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」と亀井聖矢が紡ぐ、過去と現在。

上質を知り尽くした人に向けた、私的な香り。2004年に誕生し、今年「メゾン クリスチャン ディオール」からその名を変え新しい装いで登場した「ラ コレクシオン プリヴェ」は、DIOR (ディオール) のサヴォワールフェールを極限まで凝縮した、いわばフレグランスのオートクチュール作品だ。創設以来受け継がれてきたスピリットを元に、メゾンの歴史や価値観を現代的に再解釈した本シリーズは、最新作「ボア タリスマン」をはじめとする22種類の珠玉の香りを展開。そんな DIOR が誇る唯一無二の世界に、今最も注目を集めるピアニストのひとりである亀井聖矢が、足を踏み入れる。

Dior
with Masaya Kamei

model: Masaya Kamei
photography: Masayuki Ichinose
styling: Toshihiro Oku
hair & make up: Manami Tomita
text: Shunsuke Okabe
edit: Manaha Hosoda & Sena Kuroda & Minori Inoue

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ジャケット ¥450,000、Tシャツ ¥125,000、パンツ ¥230,000、シューズ ¥148,500/すべて DIOR (ディオール)、ソックス/スタイリスト私物

ムッシュこと Christian Dior (クリスチャン・ディオール) が生涯創り出した22のシルエットにオマージュを捧げた22の香りからなる「ラ コレクシオン プリヴェ」。1947年春夏 オートクチュール コレクションで発表された、ウエストラインを強調した「バー」ジャケットと、プリーツをあしらったフレアスカートの組み合わせ。伝説のファッションエディター、Carmel Snow (カーメル・スノー) をして「ニュールック」と言わしめた作品をはじめ、DIOR の歴史を彩ってきた輝かしいレガシーにちなんだ卓越した香りの数々は、ディオール パフューム クリエイション ディレクターの Francis Kurkdjian (フランシス・クルジャン) を中心として生み出された。最新作「ボア タリスマン」をはじめとする香りと、クチュールの意匠で生まれ変わったボトルデザイン。それらを手に、類まれなる技巧と表現力で人々を惹きつける表現者・亀井聖矢が感じた、コレクションの魅力とは。

—普段演奏される際、もしくはプライベートではどんな香りを愛用されていますか?

香水は大好きですが、演奏中につける習慣がなく、主にプライベートで愛用しています。甘い香りが好きなので、「ディオール ディオリビエラ」を頻繁に使っています。

 

—「ラ コレクシオン プリヴェ」は、DIOR の歴史やこれまで生み出されてきた名作の美しさ、そしてムッシュ ディオールの創作の源を現代的に再解釈し、「唯一無二の卓越した香りの世界」を表現しています。

過去から引き継いだものを、その人なりに解釈して、何かを生み出していく。そういう意味ではクラシック音楽と近いところがあるかもしれません。そこには当時の感情と紐づいたもの、すごく熱い気持ちや、訴えたい感情があり、その「普遍の美」が何十年、何百年を隔て変わらず人の心を打ち続ける。そんな伝統と歴史に想いを馳せながら、同時に演奏する自分との共通点のようなものも見つけていく。自分というフィルターを通して偉大な作品たちをどのように表現するかということは、演奏家としていつも考えていますね。色々なものを取り込んで表出してくるもの、人生そのものが「唯一無二のアイデンティティ」となって、自分の色に繋がっていくのではないかと思っています。

 

—22種のラインナップの中から、好みの香りと出会うカウンセリングを受けていただきましたが、中でも亀井さんが香りで大切にしている要素として「シプレー」と「グルマン」を選ばれました。

クチュリエになる前、ムッシュが建築家を志していたというエピソードに基づいた「シプレー」ノートは、音楽、芸術、ファッションにも通ずる普遍的な美学を体現する要素。クラシック音楽という、長い歴史を現代に継承する使命がある自分にとっても重要な要素です。もう一つの「グルマン」は、自分にとってプライベートの姿。気のおけない友人とディナーをする時間は、自分にとってかけがえのないもので、そんな親密な時間を彩ってくれる香りと出会えたらと思い選びました。

—今回選ばれたのは「ラ コル ノワール」。1951年にムッシュが購入した南仏のシャトーで、ムッシュの愛する家族や、近しい友人たちを招いて晩年を過ごした場所の名前です。この香りから、どんなイメージを受けられましたか?

南仏を思い出させるローズの甘さと、パチョリが醸し出すスパイシーでウッディなアクセントが、まさに親しい友人とのプライベートな時間にぴったり。日常的に愛用したい香りです。実は今回、普段使っている「ディオリビエラ」に加えて、新たに出会った「ラ コル ノワール」、「ジャスミン デ ザンジュ」の香りと迷い、最終的に「ラ コル ノワール」に決めたのですが、この3種が「ラ コレクシオン プリヴェ」の中でも、南仏にインスパイアされた香りだと伺いました。何かご縁があるのかもしれませんね。

 

—この香りを、ピアノ曲で表現するとしたら?

難しい質問ですね(笑)華やかな中に、どこか安寧を感じる香り。フレデリック・ショパンの「マズルカ Op.59-2 変イ長調」でしょうか。

 

—これまで演奏会で世界中を旅されていますが、香りにまつわる印象的なエピソードはありますか?

特に印象的だったのは、南仏のサントロペでの演奏会。ピアノ協奏曲を演奏したのですが、リハーサルで舞台の扉を開けた瞬間、奏者の方達が着けている香水が混然と空間を包み込んでいて。それが全く嫌な印象ではなく、「ああ、南仏の香りだ」とうっとりした記憶があります。

 

「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール オードゥ パルファン」(全22種 *50mLのみ全17種) 50mL ¥25,300円、100mL ¥45,100、200mL ¥63,140

クチュール キャップ(フレグランス キャップ)
キャンバス ¥7,920、レザー ¥11,660 *100mL / 200mLサイズのみ

「ラ コレクシオン プリヴェ」を手がけるのは、ディオール パフューム クリエイション ディレクターのFrancis Kurkdjian。調香師にとって最も栄誉ある賞として知られる「フランソワ・コティ賞」、そしてフランス政府による最高位の芸術文化勲章「レジオンドヌール勲章シュヴァリエ」を保持する、フレグランス業界のレジェンドだ。

今回、Francis Kurkdjian による最新作「ボア タリスマン」の発売と共にボトルデザインも刷新。さらにアイコニックな「トワル ドゥ ジュイ」をはじめ、「カナージュ」や「ハウンドトゥース(千鳥格子)」といったムッシュのクリエイションで度々登場してきた美しいファブリックやレザーをまとった美しいボトルキャップも登場した。

「ラ コル ノワール」のボトルに合わせ、亀井が選んだのはグリーンの「トワル ドゥ ジュイ」をまとったボトルキャップ。モンテーニュ通り30番地のアトリエの1階に構えたブティック「コリフィシェ」の壁紙に用いられたテキスタイルで、Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) によるウィメンズのランウェイでも度々登場してきた、DIOR のアイコンのひとつだ。

「ラ コレクシオン プリヴェ」のコレクションは、表参道と銀座の「ハウス オブ ディオール ビューティー」をはじめ、ディオール国内一部店舗、及び公式オンラインショップにて展開中。何気ない日常を特別にする、唯一無二の香りと出会って。