今週のTFP的おすすめ映画
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「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
8/2025
「浅間国際フォトフェスティバル2025」

世界中から注目を集める日本最大規模の写真の祭典、浅間国際フェスティバル。本展は、町おこしの一環として設立された複合施設 MMoP (モップ) を活かし、長野県・浅間山麓の地域を舞台に2018年よりスタートした、写真文化を発信する国際的なアートフォトの祭典だ。作品の展示だけでなく、ワークショップや写真教室など、写真の楽しさを提案してくれる体験型のイベントや、長野らしいフードやクラフトなどを堪能できるマルシェイベントなども実施。フェスティバルならではの大型展示、広大な敷地を活かしたユニークな展示手法を五感で楽しめる場になっている。今年のテーマは、「UNSEEN WORLDS まだ見ぬ世界へ」。本展では、このテーマに基づきグローバルなアーティストが個性豊かな作品を展示する。ラインナップするそれらのアートフォトは、「まだ見ぬ世界」への扉を開き、見る者の世界観、価値観を問い直すきっかけを与えてくれる。町を巡りながら五感でアートを楽しむ、新たな回遊体験を楽しんでみて。
場所: MMoP
住所: 長野県北佐久郡御代田大字馬瀬口1794-1
会期: 8月2日(火)~9月30日(火)
時間: 10:00-17:00*最終入場 16:30
入場料: 入場無料*屋内展示鑑賞チケット 1,200円 (会期中何度でも使用可、中学生以下無料)
HP: asamaphotofes.jp
Pulse of Slience「したたりとひたたり ー”Drip and Dwell”」

Pulse of Slience (パルス・オブ・サイレンス) は、京都・両足院の禅僧である伊藤東凌を軸に、アーティストの山田晋也と京都のアンティークショップ Antiques & Art Masa (アンティーク&アートマサ) が2021年より展開してきた現代アートプロジェクト。京都の禅寺や神社、日本の歴史が息づく空間を舞台に、絵画、インスタレーション、パフォーマンス、茶道などを通して、日本の伝統に根ざした「静寂の中の脈動」を現代の感覚で再構築してきた。10回目となる本展のテーマは、「したたりとひたたり」。今回は、京都・両足院にて静寂の美を体感することができる特別なインスタレーション作品が展示される。ひとつの出来事がぽたりと落ちる「滴り」は静かな水面に波紋を起こし、やがて見えない未来に広がっていく。一方で「浸り」は、その出来事が心の奥に染み込み、意識や感覚を変容させていく過程を表現する。この2つの動きに耳を澄ましてみると、日常にひそむ、見過ごしていた小さな現象の本当の姿がふと立ち現われてくるだろう。風情あふれる夏の京都にて、生の静けさを体感してみて。
場所: 両足院 (健仁寺山内)
住所: 京都府京都市東山区小松町591
会期: 8月2日(土)~8月11日(月)
時間: 17:30~20:30*受付終了20:00
HP: ryosokuin.com
濵本奏「ー・・」

2000年生まれ、東京と鎌倉を拠点に活動する写真家・濵本奏。壊れたカメラを用い、廃材や拾った物にイメージを出力するなど、写真を軸にしながら、映像などさまざまな手法へと自在に展開している。そんな彼女により昨年、横須賀市で実施された個展「ー・・(チョー・タン・タン)」が、写真集の刊行を記念して再び展示される。今回の作品の着想は、海底の特攻隊「伏龍」の隊員であった少年たちの手記から得られたという。ある夏、濵本奏はその手記を手掛かりに海を歩くと、彼らの視線と自分の視線が交わるように感じたという。彼らが見たかもしれない景色はどこなのか、過去から現在まで反響し続けて聞こえてくるかもしれない音に耳を澄ませながら撮影とフィールドレコーディングを行った。彼らが手綱を引いて、海底から海面へ送ったモールス信号を受け取り、現在から応答することを試みた本展。「ー・・」にて展示するのは、そんな彼らの手記をコンセプトにした写真と音のインスタレーション作品。濵本奏が、浮かび上がらせる夏の横須賀の物語を、写真集と併せて堪能してほしい。
場所: 横浜市民ギャラリー
住所: 神奈川県横浜市西区宮崎町26番地1
会期: 8月5日(火)~8月11日(月)
時間: 10:00-18:00 *最終日は15:00まで
HP: ycag.yafjp.org/
金川晋吾「祈り/長崎」

写真家・金川晋吾による個展「祈り/長崎」では、原爆の爆心地に近い「浦上」や、平和祈念像が鎮座する長崎・平和公園周辺が撮影の主な舞台。自身のセルフポートレートと土地の風景を交えながら、「祈り」や「信仰」といった目に見えない抽象的な感情や営みに、写真を通じて形を与えようとする試みだ。会場では、書肆九十九より刊行された写真集『祈り/長崎』も販売。収録されたエッセイでは、平和祈念像の過剰な筋肉表現に対して「自分自身を重ねる」と語るなど、信仰をめぐる逡巡や身体感覚を通したまなざしが静かに綴られている。「信じたいと思うこと」と「信じられないという感覚」が共存する、その揺らぎ自体が、作家にとっての「祈り」なのかもしれない。静けさの中に確かな重みを宿す本展は、祈ること・撮ること・見ること、その三者が交わる一点を、静かに見つめさせてくれる。
場所: flotsam books から全国各地
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 2025年8月1日(金)〜8月15日(金)
時間: 14:00~20:00
休業日: 水
HP: www.flotsambooks.com
永戸鉄也「RAREMETAL」

アートディレクター・永戸鉄也は、コラージュ、写真、映像作品を制作し、個展やグループ展を通して継続的に作品を発表している。彼はこれまでに、印刷物やデジタルデータのコラージュに留まらず、立体的な物質どうし、あるいは異なるグループに属する人々を組み合わせるなど、コラージュの可能性を押し広げるような作品、プロジェクトを手掛けてきた。地殻中の存在量が少ない非鉄金属を意味する、レアメタルをテーマにするこのプロジェクトは、アパレル、作品、テキスト、印刷物の境を曖昧にし混在させるという、永戸らしい新たな実験的制作活動である。本展にて展開されるのは、百貨店という場をモチーフに創出された生活に寄り添った家具や雑貨の作品。また、永戸作品のアーカイブから厳選したグラフィックをアパレルアイテムに落とし込んだコレクションも展示販売される。アパレルアイテムに昇華された永戸作品を、ぜひ楽しんでみて。
場所: 伊勢丹新宿 メンズ館1階 プロモーション
住所: 東京都新宿区新宿3-14-1
会期: 8月6日(水)~9月30日(火)
時間: 10:00-20:00
HP: www.mistore.jp