今週のTFP的おすすめ映画
TFP的
おすすめ展覧会
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を月替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、
The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
10/2025
デニス・モリス「Music + Life」
音楽シーンと密接な繋がりを持つイギリス人フォトグラファー Dennis Morris (デニス・モリス)。レゲエミュージシャン Bob Marley (ボブ・マーリー) やパンクバンド Sex Pistols (セックス・ピストルズ)、60年代にポップアイドルとして人気を博した Marianne Faithfull (マリアンヌ・フェイスフル) のアルバムのカバーなど、人々の印象に深く残るアイコニックな写真作品を多数発表している。本展では、2025年2月にパリのヨーロッパ美術館で開催された個展「Music + Life」で発表された作品を中心に、Bob Marley や Sex Pistols のほか、ロックバンド Oasis (オアシス) のボーカリスト Liam Gallagher (リアム・ギャラガー)、パンクロックの女王 Patti Smith (パティ・スミス) 、マンチェスターの伝説的バンド The Stone Roses (ストーン・ローゼズ) といった豪華な顔ぶれのポートレートを展示販売。ライブのステージ上や舞台裏、そして私的な場面で Morris が切り取った作品群は、20世紀のミュージックシーンを代表するスターたちの姿を鮮やかに捉えている。当時の音楽シーンを生きた人々の息づかい、熱狂が蘇る本展。多彩なカルチャーを発信する agnès b. (アニエスべー) の空間で、 Morris が音楽に注いだまなざしを感じ取ってみて。
会場: agnès b. 渋谷店 3F
住所: 東京都渋谷区神宮前6-19-14
会期: 10月21日~11月中旬頃
時間: 11:00-20:00
HP: www.agnesb.co.jp
マシュー・ジェニテンポ「DOGBREATH」
©Matthew Genitempo
アメリカ・テキサスを拠点に活動する現代写真家 Matthew Genitempo (マシュー・ジェニテンポ)。彼が大判カメラを用いて記録した今のアメリカは、モノクロームで写されており、どこかメランコリーな雰囲気が漂っている。日本初となる個展「DOGBREATH (ドッグ ブレス)」では、同名の写真集から作家がセレクトした作品をはじめ、数点の未収録作品が展示。乾きひび割れたアスファルト、色あせた近隣の風景、裏庭の犬たち、居場所を見つけようともがく若者たちの姿などをリアルに映し出した本作は、「場所」と「思春期」という2つのテーマで構成されている。街を歩き、ユースカルチャーを白黒で丁寧に切り取った、アメリカ写真の新世代作家 Genitempo。彼の作品が放つ混沌とした世界観は、観る者の心を捉えて離さない。この機会に、ぜひ足を運んでみて。
会場: テラススクエア 1F エントランスロビー
住所: 東京都千代田区神田錦町3-22
会期: 9月29日(月)~2026年1月23日(金)
休館日: 土、日、祝、年末年始
時間: 8:00-20:00 *最終日は19:00まで
HP: ensemble-magazine.com
Keiichi Sumi「egg」
1964年、北海道函館生まれのティンカー・澄敬一。2002年に自ら内装をしたインテリアショップ push me pull you (プッシュ ミー プル ユー) を東京・池尻大橋にオープン。その後、店を閉め、2004年にパートナーの松澤紀美子とともに東京・早稲田にアトリエ petit cul (プティ・キュ) を開き、ものづくりを行っている。今回のエキシビションは、澄が世界中から集めた卵のコレクションをまとめた書籍『egg (エッグ)』の刊行を記念して開催される。収められている160個の中には、同じ形のものは1つもない。木、金属、陶器、プラスチック、布など多様な素材が使われており、使用用途も多岐にわたる。澄は、収集するうちに、卵のシルエットはシンプルで、だれもが似たような卵らしさを感じることができるのに、デザイナーや地域、時代や用途によって、それぞれ違った個性を持っていることに気づいたという。ひとつひとつの卵に向けられたまなざしをぜひ本展で感じてみて。
会場: POST
住所: 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 11月1日(土)~11月30日(日)
休廊日: 月
時間: 11:00-19:00
HP: post-books.info
ビクトリア・マカウスカイテ「Breadmaking (生地作り)」
©Viktorija Makauskaitė
リトアニア生まれ、東京を拠点に活動する建築家兼アーティスト Viktorija Makauskaitė (ビクトリア・マカウスカイテ)。ドローイング、写真、テキストなど多様な媒体で作品を発表しており、近年は Zine の制作に注力している。今回、Viktorija がフォーカスしたのは、生きていくための日々の労働という意味を持つ「生地づくり」という言葉。本展では、「生地づくり」というワードを鍵に、職場にある事務用品や身の回りの物を、コピー機を介してアートに昇華した作品を展示する。コピー機のスキャナーの上に配置された日常の道具たちは、組織や仕事のシステムが持つ不均衡と流動性を暗示している。このように労働が持つ矛盾を、事務用具、紙粘土、アクリル絵具、写真を横断したレリーフ作品を通して表現した本展。気鋭アーティストが打ち出す、新たなアートピースをぜひ体感してみてほしい。
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 10月30日(木)~11月4日(火)
休廊日: 水
時間: 14:00-20:00
HP: www.flotsambooks.com
「P.O.N.D. 2025」
アート&カルチャーイベントの祭典「P.O.N.D. (ポンド)」。6回目を迎える今回は、「Swing Beyond/揺らぎごと、超えていく。」をテーマに掲げ、館内の様々なフロアで展示が行われる。変化の激しい時代において、状況に流されず、自分なりの「スイング」を持って軽やかに進んでいく。そのような感覚に寄り添うことを目指し、多様なリズムやまなざしが重なり合う特別な空間を生み出した。PARCO MUSEUM TOKYO (パルコ ミュージアム トーキョー) では、国内外から集結した気鋭のアーティスト12名が、今年のテーマに沿ったグループ展を行う。1階正面エントランスでは、現代美術家・宇留野圭による立体作品のエキシビションが実施。4階の吹き抜け空間では、アーティスト・今村祐人によるインスタレーション作品が展開される。地下1階の GALLERY X BY PARCO (ギャラリーエックス バイパルコ) では、「P.O.N.D. 2024」でグランプリを受賞した黒瀧藍玖による個展「囚」を開催する。渋谷という都市空間で、アートとカルチャーが響き合う本イベント。幅広いジャンルのクリエイターの才能に触れることのできるこの機会は、鑑賞者にとって刺激的な体験となるはず。
会場: 渋谷 PARCO
住所: 東京都渋谷区宇田川町15−1
会期: 10月24日(金)~11月10日(月)
時間: 11:00-21:00 *入場は閉館の30分前まで
HP: pond.parco.jp
トーマス・ルフ「Two of Each」
©︎Thomas Ruff
ドイツを代表する写真家 Thomas Ruff (トーマス・ルフ)。自らシャッターを切った作品のみならず、第3者によって撮影されたイメージを再構築するなど、写真表現の拡張を試みている。本展は、ギャラリー小柳の開廊30周年を祝す記念展として開催。同ギャラリーにてこれまで紹介してきた Ruff の代表作「Substrate (サブストレート)」、「negatives (ネガティブス)」に加え、初公開となる「flower.s (フラワーズ)」と「untitled# (アンタイトルド)」がお披露目。展覧会タイトル「Two of Each (トゥー・オブ・イーチ)」の通り、いずれのシリーズからも2作品ずつを展示することで、反復や対比が際立ち、イメージの多様性を浮き彫りにする。それぞれのシリーズの2点のはざまに立ち上がる緊張や余白を読み解くことで、「写真とは何か」という Ruff の問いかけに改めて向き合う機会を与えてくれるエキシビション。世界が注目する写真家の個展を通し、写真表現の本質に迫ってみては。
会場: ギャラリー小柳
住所: 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
会期: 10月18日(土)~12月13日(土)
休廊日: 日、月、祝祭日 *11月9日(日)は開廊
時間: 12:00-19:00 *11月7日(金)~11月9日(日)のアートウィーク東京開催期間中は、10:00-18:00
HP: gallerykoyanagi.com
ドミニカ・シミッド&マドリーヌ・レイ「Belladonna」
Madeleine Ray (マドリーヌ・レイ) は、現在東京を拠点に活動しているアメリカ出身のファッションフォトグラファー。彼女はSFやおとぎ話などから着想を得て、フィルムやミクストメディアを主に用いた作品を制作している。Dominika Szmid (ドミニカ・シミッド)は、東京を拠点に活動するポーランド出身のスタイリスト兼コンサルタント。アートやアンダーグラウンドカルチャーの影響を受けながら、新進デザイナーやラグジュアリーブランドとのコラボレーションに取り組んでいる。この2人が手を取り合い手掛けた「Belladonna (ベラドンナ)」展では、2つのフォトシリーズを通じてファッションエディトリアルとアート表現の間に広がる新たな空間を提供する。脆さや暴力、そしてその間に介在する微細な変化を、衣服や映像を用い、どのように表現できるかという可能性を求めた作品が紹介される。展示空間には、フラワーアーティスト・丸山拓巳とのコラボレーションによる花のディスプレイも配置され、視覚と触覚で楽しむ特別な体験を堪能できる。1970年代に日本で公開されたサイケデリックなアート作品へのラブレターとして開催される本展。バイオレンスとしなやかさのバランスが魅惑的な世界へ、ぜひ飛び込んでみて。
会場: 229.4242
住所: 東京都台東区台東4丁目24−2
会期: 10月15日(水)~10月29日(水)
時間: 12:00-19:00
HP: www.u-r-u.net
COOKIE 野性爆弾くっきー!「この先 パラレル」
吉本興行所属のお笑いコンビ「野性爆弾」くっきー!として活動し、ネタ作りからコントの小道具まですべて自身が手掛ける。画家としても活動している彼が生み出す、他に類を見ないオリジナリティ溢れる作品は、国際的な評価も高い。ニューヨークで行われた世界最大級のアートマーケット「ARTEXPO NEW YORK 2019 (アートエキスポ・ニューヨーク 2019)」では、最も注目するアーティスト5選に選出されている。本展では、近未来のヒトをモチーフに描いた「この先人間」シリーズ、奇々怪々なキャラクターが登場する作品、そして新作を含め、展示販売。アート、音楽、映像、コメディと様々なジャンルを横断するその圧倒的な才能とは。アーティスト COOKIE (くっきー) の世界観をぜひ覗いてみて。
会場: KOMIYAMA TOKYO G
住所: 東京都千代田区神田小川町3-20-4 第2龍名館ビル 1FD
会期: 10月17日(金)~11月2日(日)
休廊日: 火、水
時間: 月、木、金、土 12:00-18:30
日・祝日 12:00-17:30
HP: www.komiyamatokyo-g.com
村田言恵「Mellow ceramics ii」
石川県出身の陶芸家・村田言恵。金沢、沖縄で陶芸を学び、現在は富山県・氷見を拠点に活動している。民謡や伝承から着想を得た幻想的な動物たちをモチーフとし、オブジェなどを制作。硬質なセラミックに対し独自で調合したコーティング材が作品に雲のような自然な動きをまとわせ、ふっくらと柔らかな世界観を演出
会場: 小宮山書店
住所: 東京都千代田区神田神保町1-7
会期: 10月17日(金)~11月2日(日)
休廊日: 火、水
時間: 月、木、金、土 12:00-18:30
日、祝 12:00-17:30
HP: www.book-komiyama.co.jp
アンディ・ウォーホール「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」
©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Licensed by Adagp, Paris 2025 Courtesy of the Fondation Louis Vuitton, Paris / Photo credits: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
ポップアートを代表するアメリカ出身のアーティスト Andy Warhol (アンディ・ウォーホル)。20世紀のアメリカ文化を代表するアイコン Marilyn Monroe (マリリン・モンロー) や、Elvis Presley (エルヴィス・プレスリー) などを印象的に描き、大衆に親しみある作品を数多く残した人物である。「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」展では、Warhol が生涯にわたり着目し続けた、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いをテーマに焦点を当てる。会場には、初期の貴重なドローイング作品から代表的な晩年のセルフポートレート、知られざる作品まで、厳選して紹介される。映画やテレビをはじめとする、あらゆるメディアに露出していた同氏は、ウィッグやサングラスを用いた多彩なキャラクターになりきり、注目を集めていたという。そんな数々の人物像が収められたポートレートは、外見を自在に操ることのできる Warhol の手腕を物語っており、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いを鑑賞者に投げかける。同氏の革新的な発想力に迫る本展にぜひ立ち寄ってみては。
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
会期: 10月2日(木)~2026年2月15日(日)
時間: 12:00-20:00
HP: jp.louisvuitton.com
「TYPE-XIII Atelier Oï project A-POC ABLE ISSEY MIYAKE : 一枚の布から生まれる、新しい光のかたち」
1988年に、ISSEY MIYAKE (イッセイミヤケ) より発表されたプロジェクト A-POC (エイポック) とは、「A Piece of Cloth (ア ピース オブ クロス)」の略称。その名の通り「一枚の布」というブランドの根幹にある理念を体現し、服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインの在り方を提案してきた。2021年には、このプロジェクトの持つ無限の可能性を社会に現実化「ABLE」 させていく A-POC ABLE ISSEY MIYAKE が生み出された。今回のエキシビションでは、建築やインテリアデザインなど多岐に渡る活動で知られる、スイスのデザインユニット Atelier Oï (アトリエオイ) と共同で創り出したインスタレーション作品を紹介。2025年4月のミラノデザインウィークで発表された「一枚の布」と「一本のワイヤー」を融合させた2つの新たな照明器具シリーズがお披露目される。ミラノでの発表時に公開されたプロトタイプを中心に、東京会場では新たな構成で展開される。お互いの視点や技術を交差させ、「一枚の布」という視点を追求した本プロジェクト。国際的に認められた、美しさと機能性を兼ね備えた照明の世界を心ゆくまで体感してみてほしい。
会場: 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所: 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
休廊日: 火
会期: 10月1日(水)~11月24日(月)
時間: 10:00-19:00
HP: www.isseymiyake.com
ジェレミー・エルキン「Upmost for the Highest」
東京を拠点に活動するカナダ人の写真家兼、映像作家 Jeremy Elkin (ジェレミー・エルキン)。スケートボードから得た独自の哲学、バックグラウンドを活かした作品で知られており、映像・写真・音楽といった領域を横断しながら、主要ブランドやアーティストとともにコンセプトからリリースまで手掛けている。本展は、SUPER LABO (スーパーラボ) より刊行された、Jeremy Elkin の初写真集『Upmost for the Highest』を記念して開催される。また、2009年に東京に設立された SUPER LABO STORE TOKYO が再出発するにあたり、その新たな門出を記念する特別なエキシビションでもある。同書に収録された59点の写真は、彼が構想中の映画に向けて2度訪れたジャマイカで記録されたもの。ミュージシャン、レコードディレクターなど、現地の音楽を支える人々との出会いを、フィルムカメラならではの質感で一層リアルに捉えている。その中には、レゲエの伝説的アーティスト Barrington Levy (バリントン・リーヴィ) の自宅での貴重な姿も収録。その他にも、ダブのパイオニア Augustus Pablo (オーガスタス・パブロ) の息子である ADDIS PABLO (アディス・パブロ) が Bob Marley (ボブ・マーリー) が創設した Tuff Gong International Studio (タフ・ゴング・インターナショナル・スタジオ) で行ったレコーディングセッションの様子も掲載されており、見どころ満載な展示となっている。今まで高解像度で記録されてこなかったジャマイカのミュージックシーンの背景に焦点を当てた本展。Elkin の作品群からジャマイカの歴史の真髄にぜひ触れてみてほしい。
会場: SUPER LABO STORE TOKYO
住所: 東京都千代田区神田猿楽町 1-4-11
会期: 9月26日(金)~10月25日(土)
休館日: 月、火
時間: 12:00-18:00
HP: superlabo.com
国立新美術館 「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」
1884年ローマで創業した宝飾品ブランドであり、世界5大ジュエラーにも数えられているBVLGARI (ブルガリ)。10年ぶりの日本開催となる本展「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」は、日本における過去最大規模の企画展として行われる。展覧会タイトルに含まれる「カレイドス」は、「美しい (カロス)」、「形態 (エイドス)」を意味するギリシャ語を由来としており、美と創造性が調和した、変化し続ける色彩世界を象徴する言葉となっている。メゾンが誇る豊かな色彩にフォーカスした展示は、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションをはじめ約350点ものマスターピース、そして没入型のインスタレーションにより構成。集結したジュエリーは、メゾンの創造の歩みを辿りながら、イタリアと日本のアート、デザインに対する情熱を描き出している。また本展は、「色彩の科学」、「色彩の象徴性」、「光のパワー」という3つの章で展開されており、BVLGARI の色彩の魅力を解き明かす貴重な機会となる。第1章「色彩の科学」では、色彩の効果に科学的にアプローチし、厳選したアイコニックなジュエリーを通して色彩の相互作用を明らかにしていく。第2章「色彩の象徴性」では、色の文化的・象徴的な側面を深く掘り下げ、色彩の選択を通じてどのように意味や感情を伝えられるのかについて注目。最終章「光のパワー」では、我々が色を感知する際の光の役割に着目し、シルバーやゴールドといった反射する素材において光がどのように作用するかを観察する。BVLGARI が誇る色彩豊かなジュエリーを通してメゾンの物語を辿る本展。展覧会に足を運び、さながら万華鏡のように鮮やかな彩りの世界へ飛び込んでみてほしい。
場所: 国立新美術館
住所: 東京都港区六本木7-22-2
会期: 9月17日(水)~12月15日(月)休館日: 毎週火曜日
時間: 10:00-18:00 (毎週金・土は20:00まで) *入場は閉館30分前まで
入場料: 一般2300円、大学生1000円、高校生500円 *中学生以下は入場無料、障害者手帳をご持参の方 (付添の方1名を含む) は入場無料 *日時指定制
HP: www.nact.jp
松永圭太、橋本知成「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」
1986年生まれ、岐阜県出身の陶芸家・松永圭太と、1990年生まれ、滋賀県信楽を拠点に活動する橋本知成。この二人の作品が一堂に会する展覧会「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」は、まさに現代陶芸の新たな地平を切り拓く試みだ。松永圭太は泥漿 (粘土を液状化させたもの) を型に流し込む鋳込み成形という技法を用いた作品で知られる。近年は、アメリカのアートギャラリー Nonaka Hill (ノナカ・ヒル) で定期的に展覧会を開催するなど、精力的に活動を続けているアーティスト。橋本知成は、陶芸という枠に収まらず、特徴のある金属質な表情をもった作品群で高い評価を得ている。彼の作品の魅力は、インスタレーションが空間そのものと共鳴し、新たな風景を生み出すところにある。異なる技法と視点を持つ2人が織りなす、「The Shape of the Intangible 触れられないもののかたち Keita Matsunaga Tomonari Hashimoto」展では、「土」という共通の素材に光を当てた新作の立体作品が並ぶ。両氏がどのように、「触れられないもの」に「かたち」を与えるのか。「かたち」があるようで「かたち」にならないものの探求を表現する試みである本展。静謐でありながら、強い存在感を放つ作品を目の当たりにしてみて。
会場: 和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
住所: 東京都中央区銀座 4-5-11
会期: 10月2日(木)~10月15日(水)
時間: 11:00-19:00
HP: www.wako.co.jp
河又明日香「Scentless Tendernes (無臭の優しさ)」
1998年生まれのアーティスト・河又明日香。企業でニットデザイナーを務めながら、ファッションクリエーションを学ぶ場 coconogacco (ここのがっこう) に通い自身の表現を探求した。本展は、2025年4月に富士吉田にて実施された coconogacco 修了展のポートフォリオレビューにおいて、写真家・金川晋とビジュアルアートブック専門の書店 flotsam books (フロットサムブックス) のオーナー・小林孝行による審査で優秀賞に選出されたことを記念して行われる。河又明日香による「Scentless (無臭の優しさ)」では、これまで研究してきた「傷や痕跡」「骨の構造」といったモチーフをもとに制作した作品を中心に紹介する。河又は、服を主張としてではなく「問いかけ」として投げかけ、編み物の余白を通じて言葉にならない感情にアプローチをかけてきた。見落とされそうなもの、壊れやすいものに触れながら、人が人であることの揺るぎなさを静かに確かめる本展。河又のイマジネイティブな世界観は、きっと観る者自身の感覚と美意識を呼び起こしてくれるはず。
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
会期: 10月9日(木)~10月14日(火)
時間: 14:00-20:00
休廊日: 水曜定休
HP: www.flotsambooks.com
Life is beautiful「衣・食植・住 ”植物が命をまもる衣や家となり、命をつなぐ食となる”」
東京・祐天寺のレストラン babajiji house / eatrip kitchen (ババジジハウス / イートリップ) を主宰する料理人の野村友里。料理人として生産者と関わる中で、「食」の多くは「植物」であり、あらゆる生命の循環のベースとなる「土」にあるという意識を持つようになったという。本展のタイトル「Life is beautiful (ライフ・イズ・ビューティフル)」は、料理という生業がこの循環の一部となれるよう、現代にふさわしい「食」と「暮らし」の関係を見つめ直すという意味が込められたもの。2021年には、命をまもる「衣」を、2023年には安心して暮らす「住」をテーマにした展示を開催してきた。そして、シリーズの最終章となる本展では、私たちの衣食住のすべてに精通する「米」を「食」の視点から着目する。稲の収穫後に残る茎「稲わら」)に焦点を当て、伝統技法と現代的感性を融合させた衣服や家具などを制作するクラフトユニット・Straft (ストラフト)。土の力強さや温かみが感じさせる陶芸家・小野哲平。岐阜県多治見市を拠点に、型や手捻り、ろくろなど多様な手法で器や壺を生み出す陶芸家・故金あかり。そして田畑で土から育み食材を栽培することと、食のための器をつくることを地続きの行為として行う陶芸家・十場 天伸など、さまざまな表現者の作品を紹介。「日本人は、なぜお米を食べるのだろう?」という根源的な問いを見つめ、鑑賞者とともに「衣食住」の未来へと思いを巡らせるエキシビションとなる。都会の喧騒にいるとつい忘れがちになってしまう、「食」への感謝。本展を訪れることで、命を紡ぐ「衣食住」の本質がきっと見えてくるはず。
会場: GYRE GALLERY
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1
会期: 10月10日(金)~11月27日(木)
時間: 11:00-20:00
HP: gyre-omotesando.com
ボアダムス「mapocy」
伝説的バンド BOREDOMS (ボアダムス) は、EYE (アイ) が中心となり1986年に結成された日本のオルタナティブ・ロックバンド。アメリカのロックバンド Nirvana (ニルヴァーナ) のオープニングアクトや同じくアメリカのロックバンド Sonic Youth (ソニック・ユース) との共演で知られている。世界のアンダーグラウンド音楽シーンで確固たる地位を築いたBOREDOMS は、創設者である EYE を中心に実験的なパフォーマンスを展開し続けてきた。今回のエキシビション「mapocy」は、ビジュアルアーティストとしても活躍する EYE の個展となる。展示されるのは、1990年代以降、数多くのアートワークを発表してきた彼の最新作品。建設現場などで使われる緑と黄色の「合板 (コンパネ)」を素材とし、セル・オートマトンのオートマタ理論から着想を得た世界では、LED、シンバル、大型木枠 (ポップコーン) などを用いたインスタレーション空間が広がる。彼の独創的な眼差しが光るエキシビションをぜひ覗いてみて。
会場: SAI
住所: 東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
会期: 10月9日(木)~10月29日(水)
時間: 11:00-20:00
HP: saiart.jp











