菅田将暉とノースリーブの秋
men fw 2019
starring masaki suda
model: masaki suda
photography: kiyotaka hamamura
styling: shogo ito
hair & makeup: Eito Furukubo
edit: mikiko ichitani
text: miwa goroku
少し重そうな靴の気配が、部屋の前を通り過ぎていく。通路の先には、自販機を備えた休憩所がある。「10分後、予定通りにスタートでお願いします」とマネージャーの声。それからまもなく、菅田将暉が部屋に姿を現した。甘めのコーヒー缶を片手に、まだ少し眠そうな目をこすりながら。
残暑がまだ厳しい9月某日の朝、菅田はノースリーブのトップスがよく似合う。ただし今日着ているのは Dries Van Noten (ドリス ヴァン ノッテン) の最新作で、ニットやウール素材の秋冬モノ。ちょっと暑かったかもしれないが、カメラの存在を意識した瞬間、入室時とは違うモードのスイッチが入る。どんな役柄も徹底的に演じ切ってきた天才俳優・菅田将暉がそこに立っている。
約束より5分早くスタートできた撮影は、あまりに天気が良かったので、建物の屋上へ。日差しこそ強いものの、澄み切った空の高さに秋を感じる気持ちのいい時間帯だ。ノースリーブのニットに合わせたのは、フライフィッシングのアイデアから生まれたサルエルパンツ。いずれもリラックスしたウエアでありながら、重厚な素材使いと落ち着いたカラーリングが不思議とフォーマルな印象を生み、芯の通った菅田のスタイルをしなやかに引き立てる。
菅田将暉とノースリーブの秋
2019年、TVドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です」の大ヒットにはじまり、映画『アルキメデスの対戦』、現在は『タロウのバカ』が絶賛公開中と引き続き話題が絶えない菅田将暉。そんな彼が、デビュー10周年を締めくくる作品として選んだのが、11月9日(土)より上演される舞台「カリギュラ」だ。
「カリギュラ」は、“不条理の哲学”で知られる仏作家 Albert Camus(アルベール・カミュ)が自ら “不条理三部作”と位置づけた傑作戯曲のひとつ。暴君として知られるローマ帝国第3代皇帝カリギュラを題材とし、1980年の映画版ではあまりの過激な内容のため「カリギュラ効果」という言葉まで生み出した異色作だ。菅田将暉が演じる、新しくも絶対的なカリギュラ。ぜひ生で目撃を。