自由な心を解き放つパリ。長澤まさみとクロエ vol.1
前コレクションからクリエイティブ・ディレクターに就任した Chemena Kamali (シェミナ・カマリ) による Chloé (クロエ) の25年スプリングコレクション「ハイオクタン」は、ブランドの精神の真髄を思わせる豊かなエッセンスに富む、自由と壮大さに満ちたワードローブ。1960年代のニューヨークのアートシーンのエネルギーとアールデコの美学を融合し、現代的なひねりを加えている。インスピレーションを得たのは、Karl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド) が1970年代に住んだアパートと、彼がアール・デコに魅了されたきっかけとなったサンジェルマン・デ・プレにある彼の以前の住居。それら二つのランドマークは、Andy Warhol (アンディ・ウォーホル) やHelmut Newton (ヘルムート・ニュートン)、Deborah Tuberville (デボラ・チューバーヴィル)、Guy Bourdin (ギー・ブルダン)、David Bailey (デイヴィッド・ベイリー) などといった名だたる一流クリエイターたちのプロジェクトの拠点ともなっていた。今回そのパリの街を舞台にクロエ・ウーマンを体現したのは、長澤まさみ。トップ女優として常に最前線を走り続けながら、フリーダムでエフォートレスなムードを纏う彼女の魅力が、Chloé の描くしなやかなフェミニニティと共鳴し合う (第1回/全5回)。
masami nagasawa
model: masami nagasawa
photography: arnaud ele
styling: marine braunschvig
hair: kazue deki
make up: yumi endo
coordination: ayumi shimoda
text: saori yokoyama
edit: daisuke yokota
アンディ・ウォーホールの名作を連想させるユニークなバナナのグラフィックがコントラストを効かせたTシャツは、軽やかなオーガニックコットンジャージー素材が心地良い。高さのあるシームとゆったりと流れるようなフレアレッグが特徴的なブーツカットパンツは、ウォッシュ加工のクレープサテンを使用している。手元できらめき揺らぐのは、ブランドのアイデンティティを宿した優美なフォルムのブレスレットバッグだ。随所にユーモアを散りばめたカジュアルスタイルも、上質な素材使いと丁寧なテーラリングによってエレガントに。