ヴィーガンクリエイター SUNPEDAL の YOKO がステラ マッカートニー2022年サマー コレクションに着想したキノコレシピを考案
Stella McCartney with SUNPEDAL
Fungi are the future of sustainability
cuisine: sunpedal yoko
direction: yuji kamiyama
videography: tsutomu
photography: masaru kato
music: anan
hair&make up: fumiko hiraga
text: tomoko ogawa
edit: daisuke yokota
「キノコが私たちを結びつける」というアイデアをテーマに、サイケデリックな自然への旅を描いた Stella McCartney (ステラ マッカートニー) 2022年サマーコレクションのキャンペーン。 ドキュメンタリー映画『素晴らしき、きのこの世界』からインスパイアされたコレクションと食体験のコラボレーションをするのは、無類のキノコ好きでもある、ヴィーガンフードのケータリング「SUNPEDAL(さんぺだる)」を主宰する YOKO さんだ。
ヴィーガンクリエイター SUNPEDAL の YOKO がステラ マッカートニー2022年サマー コレクションに着想したキノコレシピを考案
Journal
日本人というルーツを持ちながら、イギリスへ留学し、さまざまな国を旅して食べて歩いてきた経験を、ヴィーガンフードに対する既存の概念を変えてしまうほどの美味しい食体験として提供している彼女。Stella McCartney 2022年サマーコレクションのランウェイでデビューを果たしたバッグ「フレイム マイロ™ (Frayme Mylo™️)」を見て初めて、無限に再生可能な菌類の地下根系である菌糸体(マイセリウム)から作られたバイオレザー「MYLO™️ (マイロ™️)」の存在を知ったという。
「人工のヴィーガンレザーを目にすることは多々ありましたが革新的だなと思いました。元々キノコが好きなこともあって、すごく興味が湧きましたし、私自身、ヴィーガンで、ヴィーガンフードをつくるというお仕事をしていて、サステナビリティは生活の身近にあるものと考えているので、ジャンルは違っても同じ方向を向いているサステナブルファッションのパイオニア的存在、Stella McCartney のコレクションからインスパイアされたキノコ料理のレシピを考えながら、新たな発見がありました」
「SUNPEDAL」では、大豆ミートのような加工された擬似肉や化学調味料、添加物をいっさいを使わない、というコンセプトのもと、旬な自然の食材を使った料理がクリエイトされている。
「ケータリングのお弁当をつくるときに、キノコを入れないことはほぼないですね。お野菜では出しきれない旨味、深み、旬の風味を出してくれるので、絶対に欠かせない食材のひとつです。個人的に、擬似肉を食べることは好きですが、加工された食材だと旬が味わえないので、私はその代わりにキノコを使うことが多くて。水分をすごく含んでいるので、焼いてみたり、冷凍してみたり、細かく刻んだりと調理法によって食感も味もガラッと変わります。すごく振り幅というか、ポテンシャルがある食材ですよね」
限られた食材を駆使して料理をする、というイメージがまだ根強く残るヴィーガンフードだが、組み合わせによって味わいは無限に広がり、お腹も心も満たす表現をする YOKO さん。映画『素晴らしき、きのこの世界』でも、「植物でも動物でもない不思議な生物」と紹介されていたキノコの、その架け橋としての力が、ヴィーガンフードの可能性を広げてくれると話す。
「お肉やお魚の場合、混ぜて料理をすると喧嘩してしまうことがありますが、野菜、スパイス、ハーブはバランスさえ考えれば何種類混ぜてもぶつかり合うことはありません。キノコに関しては、どんな食材と合わせても喧嘩することがないし、絶対に美味しくなってくれます。例えば、時間を置いてから、ニンニク、強いスパイスのような他の食材や香辛料と合わせると、少しだけ甲殻類みたいな味になったり、獣っぽい味や強い香りを出すことも。ちょっと土臭さもあって、生きている菌を感じさせるというか、生命力のある食材だと思います。滋養強壮として、漢方やレイシやチャーガのように粉末サプリにもなっていますしね」
今回、「キノコが私たちを結びつける」というアイデアから、YOKO さんが考案してくれたのが、語りきれないほどのキノコの魅力を味わえる、ボリューミーで野菜たっぷりの「マッシュルームタルティーヌ」だ。
「ひじきの磯の香りがキノコの旨味と相まって、美味しさを引き出してくれるパテが主役です。ひじきは和のイメージが強いですが、意外とスパイス、ハーブ、ニンニクとの相性が良いんです。パンに塗ったパテの黒茶色が、上にのせるお野菜をビビッドに引き立ててくれますし、アレンジもしやすいんじゃないかなと思います。実際に食べてみないと味の想像がつかないということが私の料理の特徴でもあるので、どんな味なんだろう?と興味を持ってつくってもらえたら嬉しいですね」
Stella McCartney 2022年サマーキャンペーン ページ
SUNPEDAL マッシュルームタルティーヌ
【材料一覧】(タルティーヌ4-5人分)
乾燥ひじき 20g
ケッパー 10g
ニンニク 2つ
料理酒または白ワイン 大さじ2
エリンギ 200g
椎茸 70g (舞茸、えのきなど、お好みのキノコをブレンドしても、より複雑で深みのある味わいに)
パセリ 20g (イタリアンパセリ、ディル、パクチーなど、お好みのグリーンハーブで。パセリは茎ごと余すことなく使う)
コリアンダー 小さじ1
クミン 小さじ1
タイム 小さじ1
醤油 大さじ1
塩 小さじ1(さんぺだる塩、もしくはお好みのブランドソルト)
パン 4、5スライス (カンパーニュなど、程よい酸味のあるパンがおすすめ)
トッピング
生野菜、グリルしたキノコや野菜、フルーツなどをお好みで
オリーブオイル 適量
【レシピ動画】
【レシピ工程】
1. 乾燥ひじきを水で戻す。
2. ニンニクを潰し、ニンニクとケッパーを微塵切り。
3. オリーブオイルを多めにフライパンに入れ、ニンニク、ケッパーを弱火で炒め、じっくりと香りを出す。
4. ひじきが戻ったら水を切り、ニンニク、ケッパーの入ったフライパンに入れ、塩を少々入れて、強火でしっかりと炒める。ここで料理酒、または白ワインを入れる。(焦げ付くようであれば、オリーブオイルを足す。ここでしっかり火を入れることが大切です。)
5. しっかりと混ぜ合わせたら、極弱火にし、焦げないくらいの火力でそのまましばらく火にかけて水分を飛ばす。(ひじきの磯の香りが強いので、ここでしっかりと水分を飛ばすこと)
6. 次にエリンギ、椎茸、パセリ(茎ごと)を手で裂き、フードプロセッサーにかける。(包丁で微塵切りも可)
7. 中身を取り出して、ボウルに移し、ドライハーブ、スパイス、オリーブオイル、醤油、塩を加えて混ぜ合わせる。(オリーブオイルは、全体がしっとりする程度入れる)
8. クッキングシートを敷いたトレイにボウルの中身を広げ、まんべんなく火が通るように平らにのばし、220度オーブンで30分加熱する。(家庭のオープンにより時間は調整、表面がこんがりするまで焼くのがベスト)
9. オーブンで焼きあがったキノコを、フライパンのひじきとしっかり混ぜ合わせていく。味が足りない場合は、塩や醤油で調整し、マッシュルームひじきパテは完成。(粗熱が取れたあと、お好みで再度フードプロセッサーやミキサーにかけると、よりクリーミーなパテに仕上がる。そのままでもひじきの食感が楽しめる。)
10. パンをスライスし、油を引かずフライパンで軽く焦げ目がつくまで焼きあげる。
11. 最後の盛り付けは焼きあがったパンにパテをたっぷりと塗り、お好みでフレッシュな野菜、フルーツ、グリル野菜などをのせる。マッシュルームパテがダークカラーなので、彩りの良いビビッドな野菜をのせると、より美しくコントラストのあるタルティーヌに。