【髙橋恭司のファッション連載】 シンクロニシティ vol.9 中村ゆりか (2/2)

ファッション写真はその時代、その瞬間を生きる人とスタイルの記録でもある。日々ものすごいスピードで多くのイメージが生み出され、流れ去っていく中で、写真家・髙橋恭司が切り取る写真には、思わず足を止まらせ、目を惹きつける何かが宿っている。

ポートレートとランドスケープ。それぞれにまったく別の場所で撮られた写真でありながら、どこかシンクロニシティ (偶然の一致) を感じる2枚を並べると、新しいストーリーが立ち上がる。同じ人、違う景色、最新の服…… その掛け合わせにより時代感は絞られながら、イマジネーションはどんどん広がっていく。

今回のモデルは、女優の中村ゆりか。圧倒的な存在感を放つ美少女ながら、ドラマ『ギルティ』では悪女役を見事に演じあげ、そのルックスとのギャップが観るものを驚かせた。今回は、Paco Rabanne (パコ ラバンヌ) のメタリック素材が美しく光を反射する小花柄のドレスをまとって、暖かな日差しが降り注ぐ昼下がりの公園へ。髙橋がレンズを向けた瞬間に覗いた表情に思わずドキリ。リリースされたばかりの初写真集でも新たな一面を披露していた彼女だが、今後も様々な表情でわたしたちを驚かせてくれそうだ。