Maria Grazia Gives "Feminist" In Her Runway Again

女性探検家をモチーフにしたフェミニズム薫るコレクションを発表。Dior (ディオール) 2017-18秋冬オートクチュールコレクション

Maria Grazia Gives "Feminist" In Her Runway Again
Maria Grazia Gives "Feminist" In Her Runway Again
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女性探検家をモチーフにしたフェミニズム薫るコレクションを発表。Dior (ディオール) 2017-18秋冬オートクチュールコレクション

Maria Grazia Gives "Feminist" In Her Runway Again

2017年7月4日、Diorがパリのオテル・デ・ザンヴァリッドのドーム教会前、巨大な星型劇場にて来場者たちを世界探検の旅へと誘う2017-18秋冬
オートクチュール コレクションを発表した。

Photography by Sophie Carre | ©︎ Dior

Photography by Sophie Carre | ©︎ Dior

2017年7月3日、Dior (ディオール) がパリのオテル・デ・ザンヴァリッドのドーム教会前、巨大な星型劇場にて来場者たちを世界探検の旅へと誘う2017-18秋冬 オートクチュール コレクションを発表した。

ムッシュディオールのデビュー コレクションから70周年を祝福するこのコレクションの女性像は、強くたくましく生きる女性冒険家だ。コレクションを制作するにあたり、ディオールの歴史を紐解く作業からはじめたアーティスティックディレクターのMaria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) は、アーカイブの中から “メゾンの世界展開を物語る地図が描かれた1953年制作のアルベール・デカリの彫刻” と、クチュリエの自伝の中から「完璧なコレクションは、すべての国のすべての女性像を対象としなければならない」という言葉に出逢った。そこで、「はじめから Dior は世界を意識したワールドワイドなブランドだったんだ」と感じたと彼女は話す。

そのインスピレーションを、“女性冒険家” へと発展させたのがなんとも彼女らしいところで、彼女がデビューから一貫して提唱する、強く自由に生きる女性像を落とし込んだのだ。彼女が Dior に就任した際に期待された、今の時代の流れを汲み取る力が発揮された点とも言える。

ランウェイでは、1990年代初期、世界を知り、自分自身を見出し、感動を得て、自らを成長させる旅に焦がれた女性冒険家たちがミューズだ。彼女たちは、地理的のみならず精神的にも境界線を越えることに成功した。旅の路中では、女と知られない方が安全だったため、性別の分かりにくい服を着ていたという彼女たちをイメージソースに、メンズワードローブからのエレメントを取り入れ、異国情緒漂うエスニックなアイテムや手法と組み合わせたデザインが随所に見られる。

また、自身もローマからパリを旅した Maria Grazia Chiuri は、観客を Dior と巡る世界の旅へと連れ出すような会場作りにもこだわった。アーティスト、Pietro Ruffo (ピエトロ・ルッフォ) を迎え入れ40メートルにも及ぶ「ディオールの星」を誕生させたのだ。会場は上から見ると星型になっており、星の中には像やワニ、様々な植物など、“世界旅行中の刺激的な出逢い” がつまっている。それは、一か所にとどまっていては決して知ることのできないものばかりだ。Pietro Ruffo はインタビューで、「星の各先端は大陸になっていて、あそこはオセアニアでこっちはマングローブで…」と興奮した様子で語っていた。

一体一体のルックに目を向けてみる。ムッシュ ディオールが千鳥格子やツイードなど男性の洋服に使われる素材を用いるアプローチをしたように、彼女もまた男性スーツのファブリックを使用している。例えば、生地を玉虫色に輝かせたり、明るさを加えたり、テクノロジーを駆使したランウェイだ。ジャケット、コト、シャツ、コンビネゾン、コンパクトなパイロットジャケットなどマスキュリンな要素と、ピンクがかっパウダーグレーのチュールやシルクのドレス、ベアトップ、レースのイブニングドレス、あるいはナイトカラーのベルベットのケープなど女性らしさも同居している。“精神的な境界線” を超えた女性たちの生き方を表現したようなクリエーションを感じることができる。また、長年 Dior のパートナーである帽子デザイナーの Stephen Jones (スティーブン・ジョーンズ) によるマスキュリンなフェルト帽もコレクションに大きな存在感を残している。これは、女性探検家 Freya Madeline Stark (フレヤ・スターク) の帽子に着想を得たものだという。

Maria Grazia Chiuri は、Dior の初期10年のアーカイブから数体蘇らせオマージュした。彼女のお気に入りは、Abandon (放棄) とDiabolique (悪魔的) という名のついた2体だそうだ。「デザインはもちろんだけど、名前がいいじゃない。女性には放棄する瞬間と悪魔的な瞬間があるのよ。」と楽しそうに笑顔で語る Maria Grazia Chiuri は、感性のまま自由に、とてものびのびとものづくりを楽しんでいるように感じられた。まだ就任して数シーズンだが、業界の期待は高い。Dior のクリエーションをここまで理解し、自分なりに解釈、再構築する彼女はまさに今、ファッションの旅路の途中なのだ。ファッションに焦がれ、世界を知り、Dior というビッグメゾンを知り、自らを見出す、そんな旅をしている。

さて、彼女は次にどんな世界を見せてくれるのかますます楽しみだ。

©︎ Dior

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