ケリングとLVMHが、モデルのための雇用関係およびウェルビーイングに関する憲章を作成
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ケリングとLVMHが、モデルのための雇用関係およびウェルビーイングに関する憲章を作成
Kering And LVMH Has Drawn Up A Charter On Working Relations With Fashion Models And Their Well-Being
世界屈指のラグジュアリーブランドを傘下に抱える2大ラグジュアリー・グループの LVMH と Kering (ケリング) が、2017年9月6日にモデルのための雇用関係および、ウェルビーイングに関する憲章を共同で作成した。
世界屈指のラグジュアリーブランドを傘下に抱える2大ラグジュアリー・グループの Kering (ケリング) と LVMH が、2017年9月6日にモデルのための雇用関係および、ウェルビーイングに関する憲章を共同で作成した。フランスでは2017年5月、極端に痩せているモデルの活動を禁止する法律が施行。この法律で、モデルは BMI (肥満度を示す体格指数) が低すぎず、健康体であることを証明する医師の診断書を提出するよう義務付けられた。かねてよりモデルのウェルビーイングの実現に取り組んできた両社は、業界リーダーとしてグループ傘下の各ブランドと共に更なる一歩を踏み出す多大な責任があると考え、今回の憲章の発表へと踏み切った。
本憲章はグローバルに適用され、関係者すべての誠実な姿勢だけでなく責任や人権尊重においてもそれぞれ高い基準を反映している。また、モデルに関する適切な労働条件確保を重視するだけでなく、いくつかの主要な取り組みも憲章に織り込まれている。
• 両グループブランドは各モデルに対し、撮影およびファッションショー開催前6ヶ月以内に発行された健康診断書の提出を要請し、健康状態が良好で勤労可能なモデルのみと契約を交わす。
• KeringとLVMHの全ファッションブランドは、モデル要件として女性サイズ32、男性サイズ42 (フランスでのサイズ基準) という基準をキャスティング要件から削除する。キャスティング会社には、サイズ34以上の女性モデル、サイズ44以上の男性モデルを斡旋することが求められる。各ブランドは、より確実なモデルへのケアを目的とし、専任の精神分析医/セラピストを常勤させ、必要に応じてモデルが労働時間内に面会することが出来るよう環境を整える。
• 16歳未満のモデルを成人として、ファッションショーや撮影に起用しない。
• 16歳から18歳のモデルには、次の特別な規定を設けることとする
・ 午後10時から午前6時の時間帯は労働を禁止する。
・16歳から18歳のモデルは、エージェンシーが指定する監督者/保護者(モデルの父親もしくは母親でも可能)の立ち会いを条件とする。また、18歳未満のモデルは、監督者/保護者と同じ施設に宿泊する。
・ブランドは、モデルが就学義務を確実に履行することをエージェンシーに要求する。
• モデルは、モデルエージェンシー、キャスティング・ディレクターまたはブランドとの間で問題が生じた場合、直接苦情を訴える権利がある (窓口を指定する、またはホットラインの設定など)。
「すべての女性の尊厳を尊重するということ、これは常に私の個人的なコミットメントであり、またケリングがグループとして優先すべきものです。本憲章を策定し、準拠するという私たちの取り組みを通して、私たちはこの本質的な価値の重要性を改めて具体的に明示しているのです。これにより業界全体が 触発され、ファッションモデルの労働条件に大きな変化をもたらすことを願っています」と Kering 会長兼 CEO François-Henri Pinault (フランソワ=アンリ・ピノー) は表明している。
また、LVMH 取締役会、Loro Piana (ロロ・ピアーナ) 会長および Berluti (ベルルッティ) CEOである Antoine Arnauld (アントワン・アルノー) は以下のようにコメントを残している。「私は LVMH グループのブランド、エージェンシー、モデル間の相互の協力関係が、単なる法的要件の遵守に留まらず、それ以上の密接な関係になると確信しています。モデルのウェルビーイングは私たちにとって非常に重要であり、この取り組みの最前線にいること、これがラグジュアリー界のリーダーである私たちの役割だと認識しています。私たちはファッション業界に新しい基準をもたらす責任を担っており、同業他社がこれに準ずることを期待しています」