ヴィクター&ロルフの「セレブレーション」−25周年を祝う25体のボディワーク
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ヴィクター&ロルフの「セレブレーション」−25周年を祝う25体のボディワーク
Viktor & Rolf Fall Winter 2018 Collection
by Daisuke Yokota
2018年秋冬パリ オートクチュール コレクションをファッションディレクター萩原照美が速報レポート。Viktor&Rolf (ヴィクター&ロルフ) 2018年秋冬コレクション。
ファッションアーティストとしてオートクチュールでコレクションを発表している Viktor&Rolf (ヴィクター&ロルフ) は、25周年を祝う25ルックを発表した。
会場は90年代によくショーで使われたピガール(パリの下町)にあるトリアノンという劇場だ。ショーは「セレブレーション」という音楽で始まり、全ルック白にスワロスキーを散りばめた光り輝く作品を並べた。今まで発表してきたアイコンをリデザインして25作品に収めたコレクションだ。
ヴィクター&ロルフのデビューは1998年のオートクチュールでコレクションタイトルは「アトミックボンブ」だった。黒い大きなフードのついたドレスが爆発後にきれいなドレープの襟になり、同じ服のモデルが2回登場した。今シーズンのボンブは白い服だ。数年前、ヴィクター&ロルフにインタビューした時「アトミックボンブは衝撃的だった」と話すと「あのコレクションを知っているとは!今のスタッフは誰も知らないのに」と話していた。忘れられない衝撃的で美しいシルエットのコレクションだった。
1999年の「ロシアンドール」は一人のモデルを使って12単衣のようにローブを何枚も重ねてゆく作品だ。今回はそのこんもりしたマトリューシカシルエットを1着の作品で表現している。
2001年よりプレタポルテでの発表に移ったがコンセプチュアルな服作りは少しも変わることがなかった。
そして2013年ブランド設立20周年を機に、ファッションアーティストとしてクチュールでの発表に戻った。直営店を全て無くし、在庫や売上のことを気にせずにデザインだけに専念するファッションアーティスト宣言だ。
今シーズンのコレクションは過去に執着するものではなく、トレンドや服作りの常識に寄り添わない彼らのボディワークを代表するタイムレスな作品となっている。
2018年9月30日までオランダ、ロッテルダムの Kunsthal (クンストハル) で25周年を記念した「Viktor&Rolf: Fashion Artists 25 Year」展を開催中。