"Jusqu'a la garde" To Launch In Japan From January 25

ドメスティック・バイオレンスをテーマに、引き裂かれた家族をサスペンスフルに描いた衝撃作『ジュリアン』が公開

"Jusqu'a la garde" To Launch In Japan From January 25
"Jusqu'a la garde" To Launch In Japan From January 25
News/

ドメスティック・バイオレンスをテーマに、引き裂かれた家族をサスペンスフルに描いた衝撃作『ジュリアン』が公開

"Jusqu'a la garde" To Launch In Japan From January 25

by Mikiko Ichitani

本編は張り詰めた空気の中進行してゆく離婚裁判のシーンで幕を開ける。夫の暴力を理由に離婚を申請し、幼い息子の単独親権を求める妻ミリアムと、承服しかねる夫のアントワーヌ。そしてこの裁判の鍵を握る幼き息子ジュリアンの陳述書。実際の離婚裁判の現場を徹底的にリサーチし、20分程度の限られた時間の中で観客を物語にぐっと引き込む演出によって人間の本性のかいま見える隙間を忠実に再現したのは、本作が長編デビュー作となる Xavier Legrand (グザヴィエ・ルグラン)。2012年に公開した短編作品『すべてを失う前に』は100を超える映画祭に選出され、第86回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされたほか、第35回クレルモン・フェラン国際短編映画祭において4部門で賞を獲得し、第39回セザール賞短編映画賞を受賞するなど、いくつもの賞に輝いた経歴を持つ。

ドメスティック・バイオレンスをテーマに、引き裂かれた家族をサスペンスフルに描き、第74回ヴェネチア国際映画祭 監督賞を受賞したフランス映画『ジュリアン』が2019年1月25日(金)より公開する。

本編は張り詰めた空気の中進行してゆく離婚裁判のシーンで幕を開ける。夫の暴力を理由に離婚を申請し、幼い息子の単独親権を求める妻ミリアムと、承服しかねる夫のアントワーヌ。そしてこの裁判の鍵を握る幼き息子ジュリアンの陳述書。実際の離婚裁判の現場を徹底的にリサーチし、20分程度の限られた時間の中で観客を物語にぐっと引き込む演出によって人間の本性のかいま見える隙間を忠実に再現したのは、本作が長編デビュー作となる Xavier Legrand (グザヴィエ・ルグラン)。2012年に公開した短編作品『すべてを失う前に』は100を超える映画祭に選出され、第86回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされたほか、第35回クレルモン・フェラン国際短編映画祭において4部門で賞を獲得し、第39回セザール賞短編映画賞を受賞するなど、いくつもの賞に輝いた経歴を持つ。

 

『ジュリアン』

 

『すべてを失う前に』の後日談として描かれる本作では、長男のジュリアン役の Thomas Gioria (トーマス・ジオリア) 以外の主要メンバーは前作から続投となっており、母ミリアムを演じる Coline Serreau (コリーヌ・セロー) の『女はみんな生きている』(2001) などに出演している Lea Drucker (レア・ドリュッケール)。父アントワーヌには Quentin Tarantino (クエンティン・タランティーノ) の『イングロリアス・バスターズ』(2009)、Francois Ozon (フランソワ・オゾン) の『危険なプロット』(2012) など、幅広く活躍するDenis Menochet (ドゥニ・メノーシェ)。そしてジュリアンの姉ジョゼフィーヌには、16歳の時に前作で映画デビューを飾った Mathilde Auneveux (マティルド・オネヴ) が引き続き演じている。

©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

数々の80年代映画のエッセンスが散りばめられている本作。まず第一に思い浮かぶのは、『クレイマー・クレイマー』(1980) だろう。両作品とも離婚にあたって、子どもの養育権を主張するシナリオは同様だが『クレイマー・クレイマー』は1980年代に、女性が初めて庇護、保護のもとから出たいという動きの中で作られた離婚劇。一方で、本作はヒロインが保護を求めてゆくという逆のパターンを描いている。さらに、Meryl Streep (メリル・ストリープ) へのオマージュとして意識して作り込まれたというミリアムのヘアスタイルやファッションにも注目してみてほしい。そして、衝撃のクライマックスに向けた演出は、ホラー映画の金字塔『シャイニング』(1980) からインスパイアされているという。音楽を極力使用せず日常の雑音のボリュームをコントロールすることで、リアルな息遣いなど些細な動きから画面の中の登場人物たちの緊張感が観客ひとりひとりにまで伝播してゆく。暴力性と不安定な脆さという人の持つ二面性を偏らせることなく、緻密に表現したフランス映画界の新鋭Xavier Legrand の傑作、公開を楽しみにしていてほしい。

<あらすじ>
離婚したベッソン夫妻は11歳になる息子のジュリアンの親権をめぐって争っていた。ミリアムは夫のアントワーヌに子どもを近づけたくはなかったが、裁判所はアントワーヌに隔週の週末ごとにジュリアンへの面会の権利を与える。アントワーヌはジュリアンに、共同親権を盾にミリアムの連絡先を聞き出そうとするが、ジュリアンは母を守るために必死で嘘をつき続けていた。アントワーヌの不満は徐々に蓄積されていき、やがてジュリアンの嘘を見破るが……。

©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

作品情報
タイトル ジュリアン
原題 Jusqu’a la garde
監督 Xavier Legrand (グザヴィエ・ルグラン)
出演 Thomas Gioria (トーマス・ジオリア)、Lea Drucker (レア・ドリュッケール)、Denis Menochet (ドゥニ・メノーシェ)、Mathilde Auneveux (マティルド・オネヴ)
配給 アンプラグド
制作年 2017年
製作国 フランス
上映時間 93分
HP julien-movie.com
©2016 – KG Productions – France 3 Cinéma
1/25(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開!