Vanishing Droplets In A River by Mari Minato To Be Held At Ginza Maison Hermès Le Forum

銀座メゾンエルメス フォーラムが、「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展を開催

Vanishing Droplets In A River by Mari Minato To Be Held At Ginza Maison Hermès Le Forum
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銀座メゾンエルメス フォーラムが、「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展を開催

Vanishing Droplets In A River by Mari Minato To Be Held At Ginza Maison Hermès Le Forum

by Daisuke Yokota

さまざまな文明の起源に遡りながら、歴史の中で人々によって共有された、あるいは忘れ去られてしまった事柄に興味を寄せ、それらの痕跡や歪みを再び浮かび上がらせる作風で知られる湊 茉莉。大胆で即興的な身振りを思わせるペインティングでありながら、実際の制作過程はその土地で目にした風物を書きとめたスケッチをもとに、綿密なリサーチを伴った観察から出発するというのはすこし意外かもしれない。2006 年の渡仏以降、主にフランスを中心に個展やグループ展にて自身の作品を発表し続けている。近年では、パリのネッケル小児病院やパリ国際大学都市のカフェテリアなどに常設の壁画も手がけるなど、創作活動の幅を広げている。

パリを拠点に制作するアーティスト、湊 茉莉の日本における初の個展「うつろひ、たゆたひといとなみ」が銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催する。

さまざまな文明の起源に遡りながら、歴史の中で人々によって共有された、あるいは忘れ去られてしまった事柄に興味を寄せ、それらの痕跡や歪みを再び浮かび上がらせる作風で知られる湊 茉莉。大胆で即興的な身振りを思わせるペインティングでありながら、実際の制作過程はその土地で目にした風物を書きとめたスケッチをもとに、綿密なリサーチを伴った観察から出発するというのはすこし意外かもしれない。2006 年の渡仏以降、主にフランスを中心に個展やグループ展にて自身の作品を発表し続けている。近年では、パリのネッケル小児病院やパリ国際大学都市のカフェテリアなどに常設の壁画も手がけるなど、創作活動の幅を広げている。

Sans Titre (Série Gaulois) Montrouge, France | 2014 | © Fabrice Gousset

Sans Titre (Série Gaulois) Montrouge, France | 2014 | © Fabrice Gousset

本展タイトルの『うつろひ、たゆたひといとなみ』とは、「うつろいゆく世界と人々の営み」を意味する。展覧会に先行し、メゾンエルメスのガラスブロックのファサードに描かれた「Utsuwa (器)」は、人類の文明に深く関わる「器」の普遍的 な存在と、時間や光の変化と共存しながら周囲の環境を受け入れてゆくガラスの建物のイメージから発想されたインスタレーション。ガラスブロックの表面に描き出された赤やオレンジ・ピンク色の光は、朝は東から、日中から夕方にかけては西へと移動し、ガラスブロックの水を湛えたような潤いある表面や光の様子を更に浮き上がらせる。その光はフォーラムの内側にも赤味を帯びた光を導く。

ギャラリーでは、黄河文明から、メソポタミア、エジプト、イスラムといった異なる文明や文化の中で重要な役割を担っていた、いくつかのモチーフに焦点を当てた作品を展示。石やテラコッタ、骨、鉄、陶などでできた彫像やお守りなど宗教に関わるものや、器や道具といった日常生活品などのリサーチから見いだされる相互の文化の混合や交流を、人類学的な視点から重なり合う襞のような構造で表現する。 人々が住まいを作り、建物や自然を標としながら移動し、束の間の定住を繰り返してきた古代の時間へゆっくりと想いを馳せた瞑想的な作品は、鑑賞者の心にもしっかりと痕跡を残すものとなるだろう。

Utsuwa * The preparatory study of the facade painting | 2018 | © Baptiste François

Utsuwa * The preparatory study of the facade painting | 2018 | © Baptiste François

<プロフィール>
湊 茉莉 (みなと まり)
1981年、京都府生まれ。現在、フランス、パリ在住。京都市立芸術大学・大学院で日本画を専攻した後、パリ国立高等美術学校 に留学。壁面や建築物に鮮やかな色彩を用いた抽象的なモチーフを筆で描く作風で知られる。大胆で即興的な身振りを思わせる ペインティングでありながら、実際は制作する地で目にした風物を描きとめたスケッチをもとに、綿密なリサーチを伴った観察から 出発する。フランス移住後はパリを拠点とし、「人はなぜ絵を描き始めたのか」という命題をもとに、欧州文化の礎となったケルト やガリア、古代ローマなどの先住民族の文化についてのリサーチなどを続ける。近年の個展に「Notes, entre deux fleuves」(エリック・デュポン・ギャラリー、パリ、2017年)、「Space Parts」(ミヤコ・ヨシナガ・ギャラリー、ニューヨーク、2016年)、グループ展に北 アルプス国際芸術祭 (長野、2017年)、「振る舞いモデル:南隆雄・湊茉莉・八嶋有司」(オオタファインアーツ、東京、2013年)など。

展覧会情報
展覧会名 「うつろひ、たゆたひといとなみ」
会期 3月28日(木)〜6月23日(日)
場所 銀座メゾンエルメス フォーラム
住所 東京都中央区銀座5-4-1 8F
開廊時間 11:00~20:00 (日曜日は19:00まで)
休廊日 4月12日(金)
入場料 無料
HP www.maisonhermes.jp