「複雑性からの回帰」 削ぎ落とした静かなエレガンス、プラダ2020年春夏コレクション
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「複雑性からの回帰」 削ぎ落とした静かなエレガンス、プラダ2020年春夏コレクション
Prada
Spring Summer 2020 collection
Text: Terumi Hagiwara
2020年春夏ミラノ コレクションをファッションディレクター萩原輝美が速報レポート。今回は、Prada (プラダ) 2020年春夏コレクション。
2020年春夏ミラノコレクションがスタート、初日は Prada (プラダ) が新作を発表した。例年のスケジュールでは18:00からだが、今回は夕日が射す16時からのスタートだ。会場の Fondazione Prada (プラダ財団) の壁や床にはカラーパレットのように色タイルが貼られ、中央には太いゴールドの柱がそびえ立つ。今回のインビテーションはゴールドのカートンがプラダブルーの封筒に入って届いた。
静かに始まったショーのファーストルックは、グレーのカシミアシルクニットにナチュラルベージュのAラインスカートが合わされている。何ともシンプル!そぎ落とされたカッティングがシルエットを際立てている。
続いて登場するナチュラルベージュの麻のスリップドレスは、女性の身体を自由に解き放つほど軽い仕上がりだ。鎧を捨てた無防備な女性の美しさを感じる。強い女性をアピールするために、服の誇張したフォルムを打ち出すことが古く感じてしまった。
ドレスをベースにベーシックなジャケットやコートを重ねる。柔らかさと硬さのコントラストが際立つコーディネートだ。スカートに施されたスパンコール刺しゅうは、プリントに見えるほど平面的に仕上がっている。70年代の自由な気分を感じさせるパンタロンも登場した。
貝をモチーフにしたネックレスが着こなしに透明感を与えている。夏らしいレザーやラフィアのバケツバックがアクセントを加える。
デザイナーの Miuccia Prada (ミウッチャ・プラダ) はコレクションのテーマを「複雑性からの回帰」と言っている。今シーズンのプラダは光の中で自然と深呼吸したい服だ。