アレッサンドロ・ミケーレがデザインするミニマリズム、グッチ 2020年春夏コレクション
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アレッサンドロ・ミケーレがデザインするミニマリズム、グッチ 2020年春夏コレクション
Gucci
spring summer 2020 collection
text: Terumi Hagiwara
2020年春夏ミラノ コレクションをファッションディレクター萩原輝美が速報レポート。今回は、Gucci (グッチ) 2020年春夏コレクション。
Gucci (グッチ) のコレクションインビテーションはいつも奇をてらっていて驚かされる。先シーズンは大きな木箱に入ったマスクだった。ところが今シーズン送られてきたのは小さな水色の封筒だけだ。不気味なほどにシンプル。
ショー会場に入ると天井一面に赤い星のライトが光っている。ランウェイは2本の細い歩く歩道、出入口はシャッターで閉ざされている。ライトの色が白に変わり、シャッターが上がる。次々登場するモデルたちは生成りのキャンバス地の拘束服を着ている。太いベルトのデイテールがワークウエアのようだ。無機質な表情のモデルたちが去り、ランウェイがスタートした。
ファーストルックは黒のオーガンジーのトップスにゆったりしたパンツのコンビネゾン。チョーカーの蝶がアクセントになっている。シンプルなのにシルエットはモード感たっぷりだ。
今までのコレクションに見られた色、柄のレイヤード、装飾が消えた。カットワークがポイントになっているドレスが多く登場、削ぎ落とされたデザインだ。
テーラードジャケットは装飾がないためカッティングの冴えが目立つ。シンプルなジャケットにべルボトムのパンツ、ゴールドのチェーンベルトで完成させるスタイルはまさに70年代のグッチだ。
シルクオーガンジーのブラウスやドレスは抜け感を出している。小さなトップスに合わせたIラインのボトムスがグッチのミニマリズムを完成させる。
以前にも増してジェンダーレスのアイテム、モデルの起用で一つの世界感を作っている。装飾のない服に黒の大きなサングラスが着こなしのアクセントだ。
「ファッションとは個人の願望を輝かせる私的な自己肯定の空間」とクリエイティブ・ディレクターの Alessandro Michele (アレッサンドロ・ミケーレ) は言う。Gucci のコレクションでミラノファッションウィークが終わった。