大胆で繊細、クリエーションとクチュール技で見せるピエールパオロ・ピッチョーリのヴァレンティノ2020年春夏コレクション
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大胆で繊細、クリエーションとクチュール技で見せるピエールパオロ・ピッチョーリのヴァレンティノ2020年春夏コレクション
Valentino
Spring Summer 2020 collection
Text: Terumi Hagiwara
2020年春夏パリ コレクションをファッションディレクター萩原輝美が速報レポート。今回は、Valentino (ヴァレンティノ) 2020春夏 プレタポルテ コレクション。
Valentino (ヴァレンティノ) はいつもと同じアンヴァリッドの美術館に特設会場を設えた。ガラス張りの会場はネオングリーンでトリミングされている。
コレクションはピュアな白のルックから始まった。タックをいっぱいに寄せたボリューム袖のラップドレスはタッセルベルトでウエストをぎゅっと絞っている。白だけで表現するシルエットの陰影が、量感とシェイプのコントラストを際立たせる。シャンデリアのように垂れるゴールドのイヤリングが歩くたびに揺れる。バケツバッグにペタンコサンダルが軽快だ。
コットンにオーガンザ、羽根などを組み合わせて透け感と量感を出すドレスが続く。白シャツのバリエーションドレスはリゾート気分だが、とてもロマンティックだ。袖に、胸元にドキッとするほどの大きなラッフルが揺れる。
続くフルオ(ネオンカラー)ドレスは透明感と量感たっぷりのスカートが揺れている。大胆なジャングル柄に猿の象嵌ドレスはポップで楽しいが繊細なクチュールメゾンの技で仕上げている。トレンチをモディファイしたシルクジョーゼットのドレスはギャザーいっぱいに広がり、トップスの堅さを崩して新鮮だ。
今シーズンは太陽のオレンジがトレンドカラーだが、サーモンオレンジのブラウスにレザーのショートパンツ、カシミヤダブルフェイスのガウンのコーディネートは一番のお気に入り。ゆるやかなラグジュアリー感が漂う。
大胆に見えて繊細。見たことありそうなのに新しいフォルムやディテールが加わっている。それが夢とリアリティを感じさせながらファッションの楽しさを教えてくれる Valentino の魅力だ。