イソップ創業者に5つの質問、ブランドのルーツから新製品マスクの使い方まで
News
イソップ創業者に5つの質問、ブランドのルーツから新製品マスクの使い方まで
5 questions to
Aēsop
about new product and their roots
interview & text: manaha hosoda
厳選された自然由来の成分を配合した高品質の製品、インテリアとしても映える洗練されたパッケージ、ウッディベースの心地よい香りで人気を博すオーストラリア・メルボルン発のスキンケアブランドAēsop (イソップ)。
新製品が発売されるたびに注目を集める Aēsop から今回新たにお目見えしたのが、肌をすこやかに整える成分をたっぷり含んだ、軽いつけ心地のジェルクリームのような保湿マスク「サブライム リプレニッシング ハイドレーション ナイト マスク」だ。多忙な毎日で疲れた肌へのソリューションとして Aēsop が自信を持って提案する新製品について、そしてブランドが掲げる企業理念について、チーフ カスタマー オフィサの Suzanne Santos (スザーン・サントス) に独占インタビュー。
—Aēsop は1987年の創業時からナチュラルやオーガニックを決してうたわず、独自の姿勢をつらぬいています。
Aēsop は自分たちの製品をあえてナチュラルとは呼んでいません。レモンや芝生といった何も手を加えていない純粋に自然なもののことをナチュラルだと考えているからです。私たちは高い有効成分である天然エキスを抽出し、非植物由来成分と配合して高品質の製品をつくり、それを分かりやすく美容品と呼んでいます。Aēsop は自分たちを何らかのカテゴリーに分類することはありませんし、ラベル分けすることにも興味はありません。オーガニック成分を0.1%しか使っていなくても自社をオーガニックブランドと呼ぶような企業が存在するような野放し状態の市場では、お客様を取り巻く環境は決して安全といえません。ナチュラルとされる製品に、有効性がまったく認められていない成分が混じっていることもあり得るのです。質と効果を真に求めているときは、どんな成分が配合されているのか、どんな工程で製造されているのかに目を向けることが重要です。
—現在、人々がスキンケアに求めるものは変わってきていると思います。ナチュラルやオーガニックコスメブームを経た現在のスキンケア市場についてどのようにお考えですか?
Aēsop の立ち位置は、33年前の創業時から変わっていません。当時は、私たちのように植物由来成分と非植物由来成分を配合した製品づくりをしようとする企業はほとんどありませんでした。しかし、食べ物や原料そしてライフスタイル全般において私たちは影響を受けやすく弱い存在であるという認識が生まれ、社会がさらに変化を遂げていくにつれて、スキンケア市場のなかでもナチュラルと呼ばれる製品が誰もが想像すらしなかったような勢いで市場に広まっていったのです。人々は強迫観念にも似た気持ちを抱きつつ、植物由来成分を使用することや人間の脆弱性を認識することに葛藤を抱きながらも試行錯誤を続けてきました。その結果、肌により優しい植物由来の美容品を使いたいと考えるようになったのです。
—今回新たに発売された「サブライム リプレニッシング ハイドレーション ナイト マスク」はどのようなニーズに応えて生まれたのでしょうか?
「サブライム リプレニッシング ハイドレーション ナイト マスク」は日本と北東アジアに住む女性のほか、厳しい外的要因-仕事、ライフスタイル、気候、環境など-によって肌や心が影響を受けやすい都市部に住む人々を対象につくられました。肌にやわらかくなじむつけ心地のよいマスクは、肌本来の力を高めてくれます。本製品は、食生活を変えたり保湿用の製品を使ったりするだけでは解決できなかった要因に働きかけることで、肌をすこやかな状態に導くことを目的としています。
—従来の Aēsop のマスクは数十分後に洗い流すものでしたが、新製品では一晩置くことが推奨されていますね。
サブライムの塗布時間は、既存のマスク製品とは大きく異なります。短時間を望む方には、最低30分間の塗布をおすすめしています。30分なら日常生活において取り入れやすく、保湿成分の浸透による長期的な肌への効果も期待できます。私たちは多くの Aēsop 製品を徹底的に試していますが、その経験からいえば少なくとも週2回このマスクを使用することをおすすめします。さっとクレンジングした後、このマスクを顔全体に塗布してください。花びらのような優しいつけ心地を感じながら、心地よい眠りにつくことができます。実際、Aēsop で働くスタッフの多くも病みつきになっているようです。
—Aēsop は「スキンケアはバランスのとれたライフスタイルの一部でなくてはならない」とブランドの信念に掲げていますね。SNSの登場をはじめ私たちのライフスタイルはどんどん変化していきますが、ブランドはこうした変化をうけて今どのようなフェーズにあると思いますか?
Aēsop は現在分岐点に立っています。多くの企業と同様に、デジタル技術を活用して成長していきたいという願望と情熱を持ちつつ、ソーシャルメディアがもたらしうるネガティブな側面についても考慮しながら、どの方向に進むべきか検討しているところです。Aēsop は常に書き言葉を通して自分たちを表現してきました。これからもストーリーを語るためのプラットフォームであるソーシャルメディアを活用し、書き言葉による発信を続けていくつもりです。インターネットが誕生してからも社会におけるさまざまな出会いを通じて、対話と自己表現を行ってきました。小売業に携わる企業として実店舗とウェブサイトの両方を活用していますが、Aēsop がどのような企業なのかについて伝えるもっとも重要な表現方法が、私たちが語る言葉であることにこれからも変わりはありません。