伝統息づくイタリアの地で開花したイマジネーションの世界、ディオール 2021 クルーズ コレクション
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伝統息づくイタリアの地で開花したイマジネーションの世界、ディオール 2021 クルーズ コレクション
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Dior (ディオール) が Maria Grazia Chiuri (マリア・グラツィア・キウリ) による2021 クルーズ コレクションをオンライン上で発表した。
Maria Grazia Chiuri が本コレクションの発表の舞台に選んだのはイタリア・プーリア州のレッチェ。コレクションに先駆けて公開されたティーザー映像にもフィーチャーされていたように、レッチェは優れた美術工芸や伝統が息づく街。この街が発祥であるルミナリエ(イルミネーション)やダンスが無観客のショーを鮮やかに彩った。
ショーの幕開けを飾ったのは、La Notte della Taranta Foundation (ラ・ノッテ・デラ・タランタ財団) によるダンス。「ダンス」から着想を得た2019年春夏コレクションでもタッグを組んだイスラエル拠点のコレオグラファー Sharon Eyal (シャロン・エイアル) が振り付けを手がけ、カタルシスを感じるダンスが披露された。また、カラフルに輝くルミナリエはイタリアのビジュアルアーティスト Marinella Senatore (マリネッラ・セナトーレ)。イタリア人コンポーザーの Paolo Buonvino (パオロ・ブォンヴィーノ) による音楽がショーの荘厳な雰囲気を盛り上げ、Giuliano Sangiorgi (ジュリアーノ・サンジョルジ) によるパフォーマンスがショーを締めくくった。
まさに Maria Grazia Chiuri が「この期間、私が模索したのは、新たな次元に総力を結集しようということでした。 距離というデメリットにもかかわらず日々の生活に別の視点を持つことは、私たちに強さと想像力をもたらしてくれたのです」と語ったように、想像をかきたてるエンターテイメントの連続だ。
また、コレクションもショーの演出に劣ることなく豪華で美しい。2020 春夏コレクションでもコラボレーションしていたアーティストの Pietro Ruffo (ピエトロ・ルッフォ) は、Christian Dior が1949年に発表したメゾンを象徴するフラワーエンブロイダリーのミス ディオールから着想を得て、夏の風景を想起させる小麦の穂が一面に広がる野原をイメージしたアートワークを制作。Pietro Ruffo が描いた手つかずの自然がコットンロングドレスやシャツ、ショートパンツなどコレクションのいたるところにひろがっている。
Maria Grazia Chiuri は、コレクションでもその土地のサヴォワールフェールにオマージュを捧げており、Costantine Foundation (レ・コスタンティーネ財団) のファブリックをメゾンを象徴する「バー」ジャケットをはじめドレスやスカートに採用。レッチェのモットーである「Amando e Contando」( イタリア語で「愛することと歌うこと」という意)をスカートの背面に大胆にあしらわれ、Marilena Sparasci (マレリーナ・スパラシ) による貴重かつ伝統あるトンボロのエンブロイダリーで描かれた花や蝶がコレクションを幻想的に飾っている。また、ルミナリエからインスピレーションを得た刺繍やオープンワークがちりばめられ、会場装飾との見事な融合を魅せた。
Dior からは本コレクションについて語る Maria Grazia Chiuri のインタビュー動画も公開。プーリアの地から受けた多大なインスピレーションを紐解く内容となっており、コレクションとあわせてチェックすることで彼女のイマジネーションをさらに楽しむことができるだろう。