日本からは2名が選出、ロエベからファンデーションクラフトプライズの2022ファイナリストが発表
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日本からは2名が選出、ロエベからファンデーションクラフトプライズの2022ファイナリストが発表
Loewe
announces 30 finalists of "FOUNDATION Craft Prize 2022"
Loewe (ロエベ) から、2022年 Loewe ファンデーションクラフトプライズのファイナリストに選ばれた30名の芸術家が発表。日本からも田辺竹雲斎氏と、小梛真弓氏の2名が選出された。
今年で5回目となる Loewe ファンデーションクラフトプライズ。今回選出されたファイナリスト30人の多くは各自の作品を通じ、世界各地に古くからある技術の深い理解と熟練度を証明しながら、斬新かつ予想外の素材を取り入れることで、未来をしっかりと見据えながらも現在や過去との関連性にも目を向けている。またこれらの作品は、自然界やありのままの形と人類との繋がりについても光を当てている。2022年は11名の選考委員がマドリードで2日間に渡って全ての応募作品を審査してファイナリストを選出した。選考過程では技術的成果、スキル、革新性、および芸術観という点において優れた作品であることが重視され、日本からも 田辺竹雲斎(たなべちくうんさい) と、小梛真弓(おなぎまゆみ) の2名が選出された。
田辺竹雲斎 は1973年生まれで東京藝術大学で彫刻の学位を取得した後、別府で研鑽を重ねた。直近の個展としては、パリのギメ東洋美術館での 「Carte Blanche」 等があり、彼の作品は大英博物館をはじめとした国際的な施設に収蔵されている。今回選出された作品は 「美しさと調和を兼ね備えたこのバスケットを生み出したのは、完璧なプロポーションと卓越した職人技の融合です。この現代的なフォルムは日本の伝統的な竹籠細工における熟練の技によって作り出されており、お互いに交差するループ部分は束編という技法で編まれています。この詩的な作品は人々と自然との繋がりを表現しており、古くからの素材と技法を現在と結び付けています。」 と評価された。
そして 小梛真弓 は1979年生まれで、多摩美術大学美術学部の建築・環境デザイン学科出身。漆の達人であり東京芸術大学の名誉教授でもある大西長利の下で見習いとなり漆芸の技術を学んだ後、多摩美術大学美術学部の建築・環境デザイン学科にて漆の実技を教えていた。直近の個展としては東京のサボア・ヴィーブルでの 「小梛真由美展」 等があり、2017年には 「国際漆展・石川」 で大賞を受賞した。今回の漆の作品は 「この大きな種のような漆の大作は、古代から未来へと続く生命の連鎖と、それを支えている大いなる力を表現しており、作品はふたつの部分に分かれています。上部は伝統的な乾漆の技法で形成されています。土と漆で固められた麻布を半年かけて重ねたうえに削り、表面に層のような質感を出してから磨きあげるのです。下部には桂の木が使用され、表面には水の流れを表す彫刻が施されています。」と評価された。
6月30日にはソウルで総合優勝者が発表され、各ファイナリストの作品は2022年7月1日から7月30日の期間、SeMoCA (ソウル工芸博物館) にて全入選作品が展示される予定だ。