Taiga Takahashi
holds his first solo exhibition in Kyoto

建仁寺の様式美とともにクリエイションを振り返る。髙橋大雅の初個展が京都にて開催

©︎ Taiga Takahashi

Taiga Takahashi holds his first solo exhibition in Kyoto
Taiga Takahashi holds his first solo exhibition in Kyoto
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建仁寺の様式美とともにクリエイションを振り返る。髙橋大雅の初個展が京都にて開催

Taiga Takahashi
holds his first solo exhibition in Kyoto

2022年4月9日に逝去したデザイナーであり、現代美術家の髙橋大雅の初個展「不在のなかの存在」が、12月3日から11日までの期間、京都建仁寺塔頭両足院にて開催される。生前に制作した彫刻作品や、「Taiga Takahashi (タイガ・タカハシ)」の過去のアーカイヴの特別展示が行われる。

建仁寺は生前髙橋氏が足繁く通った場所であり、彼のクリエイションに刺激を与え続けてきた場所。本展示は髙橋氏がかねてより親交があった両足院副住職との会話から生まれ実現。会場には、歴史的な彫像や絵画に描かれている布のドレープに着想を得た髙橋の彫刻作品を、髙橋の言葉とともに展示する。同作品の出発点は、秋篠寺 (宝亀5年建立) に安置されていた伝救脱菩薩立像という仏像の遺品を髙橋氏が購入したことから始まったという。

本展は、この庭園周辺と寺院の2つの間で展示しており、禅宗の寺院で御本尊が置かれている最も重要な間「方丈の間」に主要な作品を公開。「方丈の間」北側に位置する「大書院」は、髙橋氏の思考をめぐるべく、自身が収集した秋篠寺仏像の衣紋、および当麻寺 (612年建立) の木造残片を髙橋氏の言葉とともに公開している。また、玄武岩を用いた石造の彫刻作品は、大書院から見える庭園の周辺に、既存の庭石と調和するように設置されている。この作品は、彫刻家・イサムノグチ氏を長年支え続けた石彫家・故和泉正敏氏との共同制作でもある。

また、本展の開催を記念して、2021年12月にオープンした総合芸術空間「T.T」ではインスタレーション「時をうつす鏡」、アートギャラリー HOSOO GALLERY では「Texture from Textile Vol. 2 時間の衣-髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」を開催。「時をうつす鏡」では、Taiga Takahashi のシグネチャーアイテムである、カバーオールジャケットとデニムトラウザーズのヴィンテージ・アーカイブとそれらを現代に蘇らせたアイテムを紹介すると同時に、Taiga Takahashi の過去のコレクションアーカイヴを特別に展示する。

HOSOO GALLERY で開催される「Texture from Textile Vol. 2 時間の衣-髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」では、髙橋が収集した1900年代初頭を中心にアメリカ・ヨーロッパを中心に生産された衣服のコレクションを披露。本シリーズ「Texture from Textile」は「織物から建築へ」をテーマに、織物をきっかけとする、工芸、アート、デザイン、建築にまつわる思想の変遷を20世紀初頭に立ち返り、研究活動を展開するリサーチプロジェクトだ。

髙橋は、10代より主に1900年代の服飾資料を約2,000点収集し、当時の布地や縫製の技術を研究してきた。当時の生地を研究することで、日本の伝統技術や天然素材など、現代の日本ならではの製法で再現し、ヴィンテージの衣服同様に100年後に残るような服づくりを目指してきた。本展では、髙橋氏の残した服飾資料を展示することで、彼の思考を辿るとともに、20世紀に起きた装飾をめぐる美意識の変革について、衣服の視点から焦点を当てている。