Jonathan Simkhai (ジョナサン・シムカイ) が「リゾートコレクション」に物申す

ニューヨークを拠点に活動する若手実力派デザイナー、Jonathan Simkhai (ジョナサン・シムカイ) が日本時間の7日に、2015年プレ・スプリングコレクションを発表した。

毎シーズン、ミニマルかつモダンでありながらどこかエッジの効いたシャープなデザインを手がける同デザイナーは、今季“スポーツ・リュクス”をテーマにメッシュ素材やテクニカルファブリックを用いたスポーティーなコレクションを制作。ブラック＆ホワイトを基調に、ショルダーラインに切り込みが加えられたショートスリーブシャツやシアーなレースを用いたペンシルスカートなどディティールに着目をおいたウェアラブルなコレクションには、アクセントとしてシマーな質感のブルーやカッパーが加わった。

また今回の発表にて、近年より幅広く認知されるようになった“リゾートコレクション”という呼称について、『fashionista』のインタビューにて言及した。通常10～11月に販売されるこのシーズンは、一部のラグジュアリーブランドでは“クルーズコレクション”とも呼ばれるが、そのことについて同デザイナーは「ラグジュアリーマーケットの顧客が、この現代において春先にクルーズに出かけるのか甚だ疑問です。」と語った。「私たちが発表したコレクションは、現代的な感性を持った女性たちに向けて制作したものです。(一般的にはリゾートコレクションと呼ばれますが) その呼び方が今の時代に適しているとは思えません。」

このことを踏まえ、同ブランドのプレ・スプリングコレクションは“トランジション・ワン”と名付けられたという。
「(プレ・スプリングの洋服が並ぶ年末には) 私は都市部で仕事をしています。そんな時期に切られる、ホリデーパーティーのための服があったらいいなと思ったんです。それ以外にも、デートに着ていくため、打ち合わせに行くため、用途は様々です。“トランジション・ワン”は、秋冬の洋服が届いてもまだ袖を通すには早い、という時期に合わせて入荷出来るようなシーズンレスな洋服です。」

ますますコレクション発表のサイクルが短くなり、“Buy now, wear now.(今買ったものを今着る)”というコンセプトも珍しくなくなった今、クルーズに出かけるためのコレクションは時代遅れなのかもしれない。