Boundaries Between Fashion And Art, Wan Hung Cheung Talks About His Debut Collection

ロンドンの気鋭デザイナー Wan Hung Cheung (ワン ハン チェン) が語る、ファッションとアートの境界線

Boundaries Between Fashion And Art, Wan Hung Cheung Talks About His Debut Collection
Boundaries Between Fashion And Art, Wan Hung Cheung Talks About His Debut Collection
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ロンドンの気鋭デザイナー Wan Hung Cheung (ワン ハン チェン) が語る、ファッションとアートの境界線

Boundaries Between Fashion And Art, Wan Hung Cheung Talks About His Debut Collection

もしギネス世界記録に世界で最も重いドレスがあったら、きっと Wan Hung Cheung (ワン ハン チェン) のデビューコレクションが記録保持者となるだろう。中国出身、セントラル・セント・マーチンを卒業したばかりの Wan は現在、デビューコレクションにて発表した、目を覆わんばかりのスワロフスキークリスタルが覆い尽くすメンズ用のドレスを引っさげたワールドツアーの最中だ。

取材・文・翻訳: Shunsuke Okabe

Wan Hung Cheung

もしギネス世界記録に世界で最も重いドレスがあったら、きっと Wan Hung Cheung (ワン ハン チェン) のデビューコレクションが記録保持者となるだろう。中国出身、セントラル・セント・マーチンを卒業したばかりの Wan は現在、デビューコレクションにて発表した、目を覆わんばかりのスワロフスキークリスタルが覆い尽くすメンズ用のドレスを引っさげたワールドツアーの最中だ。

そんな中、渋谷の Candy にて先日開催されたエキシビションでは、ビデオ・ディレクター/クリエイティブ・ディレクターの Au Matt とのコラボにより制作されたフィルムプレゼンテーションとともに作品を展示。彗星の如く登場したアヴァンギャルド・デザイナー界のホープは、東京のストリートキッズ達の心をがっちりと掴んだ。

 

– 今回のデビューコレクションのテーマについて聞かせてもらえますか?

コレクションのテーマは「Age Growing」です。具体的には、人間が年齢を重ねることによって生まれる成熟性を表現しています。年齢を重ねることでより多くの経験に基づいた、より洗練された自己認識が可能のなる、私にとってエイジングとは非常に魅力的のように感じます。
インナー・ビューティーとも呼ばれますが、内面が磨かれることにより外見にまでその輝きが浮き彫りになる様子を、スワロフスキーのレイヤーで表現しました。

Wan Hung Cheung

 

– 一般的に、特にファッションの世界においてエイジングというと必ずしもポジティブな意味合いで使われることばかりでは無いように感じます。

もちろん、若い頃しか出来ないことはたくさんあります。経験が浅い分、より多くのことに挑戦することも出来ます。しかし私にとっては、年齢を重ねた人の価値観や生き方により多くインスパイアされます。これは今も昔も変わらないことです。今回セントラル・セント・マーチンズの卒業コレクションではランウェイプレゼンテーションを行いましたが、6体のルックをそれぞれ異なる年齢のモデルに着用してもらいました。中でも最高齢のモデルは70歳の男性でしたが、彼は普段パフォーマーとしても活用していることもあり素晴らしいウォーキングを見せてくれました。

 

– 実際のコレクションでは、中国の伝統的な衣装を思わせる男性用のドレスなどが制作されていますね。

中国で生まれ育ったこともあり、伝統的な衣装には大きな影響を受けていると思っています。今回のコレクションの要となっているロング&リーンなシルエットは、中国の宮廷で着用されていたネグリジェにインスパイアされています。

Wan Hung Cheung

 

– シルエットに加え、スワロフスキーの装飾も大きなエレメントとして挙げられます。中には私自身これまでに出会ったことのないような重量感のあるものもありました。

そうなんです、凄く重いんです (笑) 今回のエキシビションのためにロンドンから空輸で送る際重量を計ったのですが、6ルックの合計で250キロを越えていました (笑)

 

– 250キロ!それは凄い!ということは、今回のコレクションはどちらかというとアートピースのような感覚なのでしょうか?

今回発表したデビューコレクションは、自分のなかで第0号だと位置づけしているので、より大胆かつ自由に自分のビジョンを披露したいと思いました。もちろん本格的なコレクション発表となる来季からはウェアラブルな洋服も作っていくつもりですが、やはり根底にあるのは今回のコレクションと同じく、自由でイマジネーション溢れるデザイン性だと感じています。近年ランウェイファッションはよりウェアラブルに、よりリアルクローズにシフトしていますが、私はあえてアートとファッションの垣根を越えたクリエイションを作り続けていきたいです。男性がドレスを着るというのは一般的ではありませんが、私のコレクションではそれもあり得ることなのです。

Wan Hung Cheung

 

– Wan さん自身は普段ドレスを着用することは?

今のところは無いです (笑) 今度試してみようかな (笑)

 

– 今回のプレゼンテーションでは、フィルム作品にも力を入れていますね。

ランウェイショーはもちろん、作品発表をするにあたり最も一般的な手法です。そこで表現しきれなかったビジュアルイメージを、今回はビデオを通して表現しました。世界各国で展示しているこのビデオはインテラクティブな試みとして、それぞれの国のアーティストとのコラボレーションを行っています。日本では花代さんにビデオの中の楽曲を依頼しています。ビデオ制作を行った Au Matt の故郷であるポーランドの荒野で撮影したビデオは、古き良きヨーロッパの原風景と、サイバータッチのレーザーライトのコントラストが対照的に描かれています。

 

URL: http://wanhungcheung.com