マルニが2024年秋冬コレクションを発表。動物的本能への回帰
News
マルニが2024年秋冬コレクションを発表。動物的本能への回帰
MARNI
2024 fall/winter collection
MARNI (マルニ) がミラノにて2024年秋冬コレクションを発表した。地下に創り出された「紙の洞窟」でお披露目となった本コレクションは、作家 Virginia Woolf (ヴァージニア・ウルフ) が遺した手紙がインスピレーション。創造するという行為の原点に立ち戻ることを目的としており、手で塗りたくったようなペイントや無駄をそぎ落としたシルエットなど、野生を感じさせるルックが揃った。
今年の MARNI の秋冬コレクションは、3シーズンぶりにホームタウン・ミラノに戻っての開催。創設30周年を記念する今回のランウェイのために、クリエイティブディレクター Francesco Risso (フランチェスコ・リッソ) は床、壁、天井が白い紙で覆い尽くされた「紙の洞窟」を創り出した。着想源となったのは、イギリスの女流作家 Virginia Woolf が友人たちへの招待状に記した「Bring no clothes = 服は持ってこないで」という言葉だ。Risso はこれを「地位や役割など、衣服の持つ象徴的な意味から自由になろう」という意味だと解釈。そしてほぼ動物的とさえいえるような本能のままに行う創造行為への回帰を目指し、今回のコレクション制作に臨んだ。
ショーの序盤にはブラック一色のルックが並ぶ。華美な装飾だけでなく、ポケットやボタンすらも極力省いたシンプルなシルエットは、生存に必要不可欠な要素だけを確保しようとする野性の本能に重なる。
豹柄などのアニマルプリントや毛皮を用いたルックも目に付く。丸みを帯びたシルエットのオーバーサイズファーコートは、原始人が狩猟で仕留めた獲物の毛皮を体に巻き付けている様子を彷彿とさせる。
終盤には鮮やかな色彩のペイントが施されたアイテムが続々と登場した。一筆一筆の動きが分かるほど厚塗りされた絵の具は、てらてらと光を反射している。衝動にまかせて絵の具を塗りつけたかのようで、私たちの中に眠るプリミティブな感性に訴えかけるものがある。
▶コレクションの全ルックはこちらから