Chanel (シャネル) 2015年春夏 オートクチュールコレクション グランパレに繰り広げられた百花繚乱の世界

グランパレの中央にそびえる巨大な人工ガーデンに、忽然と現れるメンズモデル。

手にしたレザーキルティングで出来た水差しで花々に水を注ぐと、次第に花弁は広がり艶やかに色づいた雌しべが顔を覗かせる。

毎シーズン大掛かりかつ趣向を凝らした会場演出で話題を集める、Chanel  (シャネル) のオートクチュールコレクションショーの、2015年春夏のテーマは「春の祭典」。

まるで絵画の中から飛び出したようなランウェイは、春の陽気を思わせる目の醒めるようなカラーパレットで彩られた。

ファーストルックで登場したのは、タンジェリンオレンジのツイードアンサンブル。柔らかな曲線を描くジャケットは、ヘムにかけてなだらかなフレアシルエットを描く。

ブラックチュールに覆われたカプリーヌは、フェミニンでありながらどこかミステリアスで幻想的な印象だ。

続くセカンドルックをはじめ、ショーの中盤にかけてツイードジャケットはこの他にも様々なバリエーションで登場。ウエストが覗くクロップドジャケットには、共布のフレアスカートが合わせられ、ツイードスーツのフレッシュかつ若々しい一面を強調した。

 ロマンティックなベビーピンクのチュールドレスや、大輪のフラワーモチーフをスパンコール装飾で表現したミニドレスが登場すると、シーンは華やかなイブニングウェアへと推移する。

こぼれ落ちんばかりのオーナメント装飾が躍るドレスには、それとは対照的にチュールの付いたニット帽が合わせられ、現代的かつ軽やかなエレガンスを表現。

色とりどりのスパンコールが彩るマイクロ丈のトップスには、シアーなオーガンザで花弁を包み込んだロマンティックなスカートが合わせられた。

フィナーレには、大小様々なフラワーモチーフが覆い尽くすスカートと、スパンコール刺繍のトップスによるツーピースの「ローブ・ドゥ・マリエ」が登場。

異なる装飾ディティールを組み合わせたドレスをはじめ、シルエットや装飾においても新たな試みが見られた今回のコレクションは、Chanel のクチュール アトリエが誇る圧倒的な力量、そして Karl Lagerfeld のディティールに対する弛みなき探究心をまざまざと見せつけた。

HP: www.chanel.com