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reopens flagship store at aoyama

コスが東京・青山の旗艦店をリニューアルオープン。アイリス・イッセンや三沢厚彦の作品展示も

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コスが東京・青山の旗艦店をリニューアルオープン。アイリス・イッセンや三沢厚彦の作品展示も

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ロンドンを拠点とするファッションブランド COS (コス) は、2014年のオープンから10周年を迎えた東京の青山旗艦店をリニューアルオープン。国内初となる環境に配慮したコンセプトを採用した本店舗では、アーティストや職人との交流の輪を広げる取り組みの一環として、東京出身の抽象画家 iris issen (アイリス・イッセン) の作品を展示している。

リニューアルオープンした COS 青山店は、サーキュラーデザインの理念や革新的な要素と、地域コミュニティのインスピレーションを融合させた店舗。自然光と厳選された素材の質感が織りなす、五感を引き立てるような心地よい空間が特徴的だ。

店内には、日本を代表する彫刻家・三沢厚彦が手がけた「真裸」の杉材を使用したラウンジチェアとテーブル、そしてコペンハーゲンのデザインスタジオ Norm Architects (ノーム・アーキテクツ) によるモジュール式ソファを配置。ソファの木製フレームと精緻な継ぎ目の仕上げは、日本の家具メーカーであるカリモクが誇る伝統的な職人技へのオマージュとなっている。

また、東京で生まれ、イギリスで育った抽象画家、iris issen の作品も展示。彼女のキャンバスシリーズは、侘び寂びの精神を取り入れ、人の身体と蘭の花びらが織りなす繊細な関係を描き出している。光と質感を巧みに用いることで、静けさと儚さが共存する世界を表現。今回、TFPではこのリニューアルオープンのために、作品を描き下ろしたという彼女に話を伺った。

—まず、今回の作品のテーマを教えてください。
今回の作品は、すべて花びらと人の身体が織りなす関係性を表しています。私は人間の身体に見えるような花びらを、モチーフに選ぶことが多いです。本作品では、幼少期に住んでいた日本の家の窓から、花びらが落ちてくる様子を描いており、見方を変えると人の身体がくっついているようにも見えるんですね。そういったインティメイトな感情を、モノトーンを使うことで、官能的な表現を使用せずに表しています。

—特にこだわったことは何でしょう?
ローカルのエッセンスも取り入れたいと思い、顔料やピグメントはすべて日本で収集しました。日本各地で集めた土や岩を顔料にすることで、少し自然的な色味を演出することができるんです。黒のカラーは骨を焼いた後、すごく細かく磨いてパウダー状にして使用しています。人工的なものではなく、ナチュラルなピグメント用いることで、花びらと身体の関係性と同様に、人と自然の関係性を表現しています。

—COS もロンドンを拠点にするブランドですが、ご自身の作品と共通点を感じることはありますか?
イギリスのモダンミニマリズムが、コンセプトやアイデンティティになっているところですかね。脱構築的なシェイプや、カラーパレットにも共通するものを感じます。なので、自分の作品と店内の雰囲気がいい感じにブレンドされ、共鳴しているのかなと。

—新たな店舗で気に入っている場所はありますか?
三沢さんのラウンジチェアとテーブルです。この作品は、ナチュラルなのに矛盾を感じるところに惹かれます。木からこの形にするのはすごく大変な作業でしょうし、素材はナチュラルなのに、アンナチュラルなシルエットが美を演出していて、自然と人工的な部分が両立しているところに魅力を感じます。自分の作品も、花びらを描写しているようで、実は人の身体を表しており、三沢さんの作品もコンフリクトを感じる部分が共通しているなと思うので、気に入っています。

フロアには90%のリサイクル素材で構成される Grassi Pietre (グラッシ・ピエトレ) のテラゾータイルが採用された。加えて、Kasthall (カスタール) のハンドタフテッドウールラグは、残糸を使用しオーダーメイドで制作。さらに、MOSO® による竹製のワードローブやショーケース、 Smile Plastics (スマイル プラスチック) のリサイクル素材を使用した棚、Paper Factor (ペーパーファクター) によるオリジナルのパピエマシェと合板を用いたハンドメイドのテーブルも設置。細部までこだわりが感じられる店内では、最新のウィメンズウェアとメンズウェアコレクションを展開している。