「音と時間」をテーマにサウンド・インスタレーションを展開。坂本龍一の大規模展が東京都現代美術館にて開催
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「音と時間」をテーマにサウンド・インスタレーションを展開。坂本龍一の大規模展が東京都現代美術館にて開催
Ryuichi Sakamoto
holds an exhibition at the Museum of Contemporary Art Tokyo
音楽家・アーティストの坂本龍一 (1952-2023) の軌跡を辿る日本初の大規模展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」が東京都現代美術館にて開催。タイの映画監督でアーティストの Apichatpong Weerasethakul (アピチャッポン・ウィーラセタクン) や Carsten Nicolai (カールステン・ニコライ)、高谷史郎らとのコラボレーション作品が並ぶ。会期は、2024年12月21日 (土)〜2025年3月30日 (日)まで。
坂本龍一は50年以上にわたり、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切りひらいてきた。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとのコラボレーションを通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に行ってきた。本展は、生前の坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸にしたもの。坂本の創作活動における長年の関心事であった「音と時間」をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに展開する。これらの作品を通して、坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介する。今回コラボレーションするのは、アピチャッポン・ウィーラセタクン、カールステン・ニコライ、高谷史郎、真鍋大度、Zakkubalan、岩井俊雄、中谷芙二子の7名だ。
企画展示室1階では、坂本と高谷史郎によるコラボレーション作品と、カールステン・ニコライの新作を展示。企画展示室 地下2階には、アピチャッポン・ウィーラセタクン、Zakkubalan、高谷史郎とのインスタレーション作品「async」シリーズ、日本初公開となるアピチャッポン・ウィーラセタクンの「Durmiente」、坂本と高谷によるコラボレーション作品を展開。アーカイブ特別展示として、坂本と岩井俊雄による新作インスタレーションも初公開される。1階の中庭には、坂本と真鍋大度との共同作品が広がり、16m に渡って延びる帯状の LED ディスプレイを用いて、常に変貌を遂げる東京の目に見えないインフラの姿を映像と音で描き出す。そして屋外の地下2階では、スペシャルコラボレーションとして、坂本と中谷芙二子、高谷の3者による霧と光と音が一体となった新作作品「LIFE‒WELL TOKYO」霧の彫刻 #47662が展開予定となっている。
展覧会のタイトルである「音を視る 時を聴く」は、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出すことを示唆する。坂本が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という問いかけは、時代や空間を超え、見るものに新しい視座をもたらし、創造と体験を広げてくれるだろう。この機会をぜひお見逃しなく。