2009年にスタートしたアートブックフェア TOKYO ART BOOK FAIR が12月11日(木)から12月14日(日)と、翌週の12月19日(金)から12月21日(日)の2つの週末にわたり開催される。東京都現代美術館を会場に、文化や言語、様々なコミュニティが交わるアートブックの祭典となる。

1つの国や地域に焦点を当て、出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」では、今年はイタリアを特集。同国のインディペンデント出版の歴史を辿っていく。1966年から77年にかけてイタリアで制作された新聞や雑誌、パンフレットなどを収録した『YES YES TYES Revolutionary Press in Italy 1966-1977』と、1978年から2006年にイタリアで刊行された ZINE を批評的に紹介する『OUT OF THE GRID: Italian Zines 1978–2006』を紐解くエキシビションを実施。さらに、イタリアのデザインにおける企業と出版の関係性を切り口に集めた書籍の展示「Marchette」に加え、Bruno Munari (ブルーノ・ムナーリ)、Enzo Mari (エン ツォ・マーリ) といったアーティストや、建築家 Ettore Sottsass (エットレ・ソットサス) らの絵本を多数刊行する出版社 Corraini (コッライーニ) による展示も行われる。
Rosso, nr. 15, MAR-APR. 1975
また、世界の難民のポートレートや「大切なもの」を記録した写真家・ホンマタカシの作品展、アート界を牽引する Pace Gallery がこれまで制作してきた展覧会のインビテーションや印刷物などのアーカイブを展示。今年はクリスマスシーズンに合わせて、Bruno Munari、グラフィックデザイナーの中村至男、アメリカ人アーティスト David Horvitz (デヴィッド・ホー ヴィッツ) の3名による TABF オリジナルのラッピングペーパーを使った梱包サービスを行う「BOOK WRAPPING CORNER」も登場。そのほか、トークショー、ワークショップ、サイン会、ライブパフォーマンス、キッズエリア「PLAYGROUND」、地域連動企画「ネイバーズ」などのプログラムも充実。そしてカメラレンズメーカー Sigma (シグマ)、スポーツブランド New Balance (ニューバランス)、2026年4月に渋谷に新しくオープンするギャラリー Museum of Imaginary Narrative Arts (ミュージアム・オブ・イマジナリー・ナラティブ・アーツ)、音響機器メーカー Bang & Olufsen (バング & オルフセン ジャパン)、BEAMS (ビームス) が展開するプロジェクト BEAMS CULTUART (ビームス カルチャート) によるスペシャルブースも設置される。国内外からアーティストや、ギャラリー、出版社が一堂に会すこのフェアで、アートブックの魅力を深堀りしながら、豊かな週末を過ごしてみては。