#DiorTokyo − パリのエスプリと日本の現代建築が織り成す目眩くエクストラバガンザ

Editor – Shunsuke Okabe

 

今年の3月にパリで発表されたRaf Simons (ラフ・シモンズ) による Dior (ディオール) 2015-16年秋冬 ウィメンズ プレタポルテコレクションが、東京の地で再演された。

会場に選ばれたのは、六本木の国立新美術館。現代建築の巨匠、黒川紀章による総ガラスのファサードは、まばゆいばかりのフラッシュライトで照らし出された。

女優の夏帆、歌手の中島美嘉、加藤ミリヤ、モデルの菜々緒、ローラ、森星…綺羅星のごとく立ち並ぶセレブリティのフォトコール。これだけのゲストが揃えば、開演が遅れるのも無理はない。定刻から30分ほど経った頃、エントランスから2階のステージへと伸びるエスカレーター周りがざわめき立つ。そして烈火のように照らされるフラッシュ。Rihanna (リアーナ) の登場だ。

Dior によるキャンペーンショートフィルムシリーズ、「Secret Garden」の最新作にも主役として登場する世界の歌姫は、今回東京でのリピートショーを祝うために緊急来日。フレアシルエットデニムドレス、今回のショーと同じ2015-16年秋冬コレクションで登場した Diorama (ディオラマ) バッグ、そしてミラーレンズのサングラスに身を包み、会場を悠々と歩く姿に会場一体が釘づけとなった。

そして幕を開けたショー。サイケデリックなジャカード素材を用いたトラペーズラインのドレスや、PVC素材のサイハイブーツなど、Paco Rabanne (パコ・ラバンヌ) や Pierre Cardin (ピエール・カルダン) をはじめとする60年代フューチャリズムの旗手へのオマージュは、革新的なマテリアルアプローチによって至極モダンに仕上げられた。パテント素材を網状にカットアウトし、エキゾチックレザーのようなテクスチャーを表現したブラックコートが登場すると、東京の煌びやかなネオンと会場である国立新美術館の厳かなアトモスフィアと呼応し、えも言われぬ幻想的な様相を醸し出した。

その後美術館の広々とした会場は、丸ごとアフターパーティー会場へと転換。ネオンライトが煌々と輝く中、来場者は一夜限りのエクストラバガンザに酔いしれた。

HP: www.dior.com